マクシミリアンが現世に転生した場合   作:皇ひびき

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18  (春原みこと視点9)

私は本屋で買ってきた書籍をその手に、持ち胡蝶の恋をプレイしてみればわかるよね。

 

「ゲーム機がおいてあるお部屋に案内しますね!」そう言い、私は歩き出す。

 

私はマクシミリアンさんが入れてくれた緑茶を、部屋まで持っていくと言って言ったんだけど、なんだかんだと理由をつけられ、マクシミリアンさんがもつことに。解せぬ……。

いいもの!私はお宝本運ぶもの。

後で素敵スチルをたくさん見せつけてしまおう。

布教のチャンスだし!

 

そんなことを思いつつ、良く入り浸ってる部屋前に到着した。

「ここです!」と言って扉を開いて入っる私。

ちょっと暗いから空気の入れ替えもしたいし、カーテンと窓あけよう!

ふと見ると、ちゃぶ台の上にマクシミリアンさんはお盆を置いていた。 

 

暗いのでカーテン開けますね〜と、声をかけ光を入れてうんうんと頷いた私が、マクシミリアンさんを振り返ると、何やらぽかんとしたお顔をしている…。

イケメンはどんな表象しても、イケメンですね。

あ、ポスターとかフィギュアとか、めっちゃ貴方似のものたくさん貼ってありますしね。

二次元でストーカーされてる気分になった!?

やらかしたな…。

 

なんだかポスターを見ているうちに彼の表情がなくなっていく。たまにクールを通り越してこわいお顔になる事があるのよね。

 

特に全員の姿が描かれているポスターに目をやったあとの変化は痛々しく見えた。

 

 

無表情に見えるけど、なにか泣いてるみたいにみえてしまったから、つい彼の頬に手を添えた。

 

「大丈夫ですか?」

私は、おどけてなんと声をかければいいのかわからずおどけて言う。

 

「オタク部屋過ぎて、びっくりさせちゃったかな?それに今日この島に来たばかりなら疲れてますよね……。ご飯まで作ってもらっちゃったし…」

 

「ありがとうございます、確かに圧倒はされましたが、問題ありません」

頬を緩めて笑ってくれるけど、なんだか顔色が悪い。

 

「でも少し休んだほうが良くないですか? けど、この部屋にはクッションとか置いてないんですよね…。膝枕とか…、あはは…なんてね。憧れシチュエーションなので言ってみましたが恥ずかしいですね!何言っちゃってるんだろ…。クッション持ってきます!」

 

そう言って立ち上がった私の手首をマクシミリアンさんが掴んだ。

 

「貴女に…甘えても良いですか? 何故か貴女に触れていると心が安らぐのです。初対面の男にこんな事を言われても、貴女は困るのでしょうが…」

 

心做しか、掴まれた手首から体も少し震えているように感じる…。

 

私は、手を広げて抱きしめて背中を撫でる。

少しでも気持ちが楽になるように。

 

「何かわからないけど、ずっと辛かったんですね。大丈夫ですから…。きっと解放されますから……」

気休めにもならないし根拠もないこと言ってるな……と思うけど、少しでも元気になってくれればいいなって、私にはそれしか考えられなかった。

 

もしかしたら辛い事を抱えているんだろうな。

見ず知らずの私にだったから、抑えてたものが溢れちゃったのかな。

ここに来たのはきっと気晴らしの旅行だもの。

夢なんか見ないほうがいいんだ、きっと。

 

私は彼に愛されたらって、ほんの少し夢を見てたけど、その思いは口に出さずにしまい込もう。

迷惑かけたくないから。

ひと時、傍らで笑っていてくれたら、それで諦めるから。

 

ちょっとだけ、瞳に涙が溢れそうになるけれど、彼の前では明るくしていたいから、泣いちゃ駄目……と私は自分自身に何度も言い聞かせていた。

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