「立ち話も何なので、みことのおすすめの喫茶店など、あれば教えていただけますか?」
「私の好みでいいんですか?甘いものとかはお好きですか?」
う〜ん。家の近くのおじちゃんのお茶屋さんとかどうかな?
お団子や和菓子が得意だけど、甘いものが主だけど、しょっぱい食べ物も少しはあったはず……。
ん?やっぱり甘いものはあまり得意ではない感じかな。
マクシミリアンさんが一瞬口ごもったのでなんとなくそう思った。
「ん?あまりお得意じゃないですか?」
それから私は考え込み、帰りにご飯を食べに行こうと思っていたお店のことを思い出す。
「あ!近くにケーキやローストビーフのサンドとか煮物だったりパスタなんて、色々食べれるお店があるのでそこでお話しますか?こっちなのでいきましょうか」
少し考えて、この近くに趣味で色んな料理出してくれるおばちゃんのお店がある。
ある材料で早く美味しいものを出してくれる、私にとって尊敬すべき存在だったりする…。
私はお祖父ちゃんが亡くなった後、お祖父ちゃんの住んでいた家を貰い受け、一人暮らしをしている。
そこは私のお城だ。マクシミリアングッズで溢れているお城。
両親もこの島に住んでるけど、一緒には住んでいない。お料理が苦手な私は、幼馴染のユウ君が帰省している時には毎日のように美味しいご飯を作ってもらっていた。
でも今、ユウ君は本島で大学に通いながらIT企業を起ち上げ、モデルもしている。
「東京においでよ!毎日ご飯作ってあげるのに…。大好きな作品のイベントなんかにも参加しやすくなるんじゃないかな?養ってあげるのに」ってたまにからかってくる。
私が本気にしたら、ユウ君はどうするつもりなのかな。「そんな事は、本命の子にいうべきだよ〜〜」って伝えると何故か眉が下がっていた…。練習台に丁度いいのかな?私なら本気にしないからな……。
ユウ君がこの島にいない間は両親ちに、裏の畑で育てた野菜を持参して、ご飯を食べさせてもらうか、おばちゃんのお店に野菜をお裾分けしつつ安くご飯にありついていた。
う〜ん、家の近くのおじちゃんのお茶屋さんとかどうかな?
お団子や和菓子が得意だけど、甘いものが主だけど、しょっぱい食べ物もあったはず……。
こっちですと身振りで、お店への道を案内してくれる。
「ユウ君以外で、胡蝶の恋のお話に付き合ってくれる人がいるとは思わなかったなぁ〜、嬉しい!楽しい!」
…と、私は小声で無意識に口にしていたみたい。
恥ずかしいなぁとマクシミリアンさんが、歩みを止めなぜだかつらそうな表情を浮かべて、立ち止まっていた。
島についたばかりって言ってたし、疲れちゃったのかな? それなのに連れ回しちゃってるし、夢でもそんなとこまでリアルかな〜?まさか現実??
いやいや、そう簡単にこんなこと起こるわけないよね!
なんて思いつつ、私は声をかける。
「大丈夫ですか?なんだか辛そう……。熱でもあるのかな? 屈んでくれますか?」
マクシミリアンさんの身長はすごく高い。
マクシミリアンがいたらこんな高さなのかな。
19歳にもなって、背が155cmの私からしたら、本当に羨ましい。
私は疲れで熱でも出ちゃったのかな?、ただそうそう思って…。
「え?屈む??」
意味がわからないって顔していたから、あ、すごくきれいな日本語話してるから忘れちゃうけど、外国の方だったよね!
「あ、マクシミリアンさん、日本語流暢だから、つい日本語でたくさん話しかけちゃってますね。えーと…、こう身体を低くすることを言うのですが……」
動きで伝えれば良いかなと思って伝えたら、意味がわからないままみたいだけど、「こうですか?」と言って屈んでくれた。
「ちょっとそのままでいてくださいね…」
そっと両頬に手を添え、額をくっつけ熱をはかる。
温度計がそばに無い時、家ではそうやって計ってくれるのが当たり前だったから。私は何も考えてなかったのだ。相手が初対面の人だとか、推しにそっくりのイケメンだという事を…。
「熱は無さそうですね〜……」
よかった!にぱっと笑顔を、マクシミリアンさんにむけると、困惑した顔で間近距離から私の顔を覗き込んでいる。
「これは何をしているのかな……」
困惑したように言われ、へ?と今の私のやらかしを理解すると、顔がどんどん火照ってきてしまう…。
あれ?マクシミリアンさんの頬に触ってるし、彼の頬も赤いし、すごく近くで私のことじっと見つめてるし……、唇だって近づけたら触れちゃいそうな…距離…?
「ふぇ…? ……はわわっ!! ごめんなさい! 家族が熱を計る時にいつもこうしてくれてて……、つい癖で。会ったばかりなのに何してるんだろっ。もぅ恥ずかしいぃ〜!」
穴があったら入りたい!
寧ろ今から掘って潜りたい!
「私を心配してくれたのですね、みこと。嬉しいです!」
少距離を開けようとした私を、ギュッと抱きしめて、少し抱き上げたマクシミリアンさん、すごく嬉しそう。
ゲームのハッピーエンドでも、ここまでの笑顔見せてくれてたかな? 尻尾があったらすごく振ってそうなくらい、溢れんばかりの笑顔でぎゅうぎゅうと抱きしめられる。
それだけでもいっぱいいっぱいな私に、チュッとリップ音が耳に入り、優しく額にたくさんキスを落とされた……。
「くっ……、イケメンめ……。って…な?き、キスされた!?なんでぇ…?」
日本人と外人さんの感覚はここまで違うのかぁ〜…!
シュミナちゃんすごいな。私にヒロインは無理そうだよ…、ゲームみたいに気を失えたら良かったのに…。
そんな事が一瞬頭によぎった。