メゼポルタ小話   作:通りすがりのめいりん君@すきょあ

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サ終からそろそろ1年立つんだなーと思って書きました。

単発にするのか続けるのかは決めてません。

とりあえず短いものを3つ上げますが、反応が良ければ一応続きも書こうかなと思ってます。


英雄の消えた広場

 あの日、メゼポルタから“英雄”が消えた。

 ハンターギルドの方針とは言え酷いものだ。このメゼポルタの危機を幾度となく乗り越えてきた英雄を新大陸の調査とやらで引き抜かれてしまったのだから。

 “英雄”に憧れて、また英雄となるためにメゼポルタに来たものは多かった。だから“英雄”の居なくなったメゼポルタは途端に閑散としてしまった。

 メゼポルタが閉じた日。なんて呼ばれているあの日から1年が経とうとしていた。

「…ヒルデさーん。暇ですねー」

「貴女はメゼポルタのヒストリーをまとめるのが仕事があるのだからハンターさんが居なくても変わらないでしょう」

「そうなんですけどー!」

 黄色い制服を着た受付嬢のミズキがブーっとふくれる。彼女の目の前には大量の書類が積まれており、とても暇そうには見えない。

 それに対し、ヒルデと呼ばれた黒い制服の受付嬢の目の前には数枚しか書類が存在しない。ヒルデの担当は総合クエストだが、“英雄”が消えて以来、メゼポルタへのクエストは激減しているからだ。

 同じ様にG級クエストを担当しているカトレアの前にも書類は数枚しかなかった。

 忙しいのは“英雄”の活躍とメゼポルタの歴史を纏める仕事を任されたミズキだけである。

 今やメゼポルタはゴーストタウンであり、次期に受付嬢達も転属するらしい噂すら流れていた。

「ギルドマスタぁー!なんで英雄さんを連れ戻せないんですかー!」

「わしも上層部や先代を探って見たのじゃがな。皆、一様に黙って首を振るだけなんじゃよ。判るのは安否が無事ということだけじゃ」

 異国風の装備を身に着けたギルドマスターがミズキを慰めるように頭をポンポンと叩く。

「実はな。レジェンドラスタ達も辺境で遊ばせておくのは勿体ないと言う意見すらあるんじゃ」

「そんな!あの人達が居なくなったらメゼポルタはおしまいですよ!今でさえレジェンドラスタの人達がギリギリの所でモンスターを食い止めているんですよ!」

「わかっておる。わしも流石にこの話を通させるつもりはない」

 レジェンドラスタとはその名の通り伝説級の力を持つハンターの事で、基本的には1種類の武器を極めた者のことを指す呼び名だ。彼らは1人で一騎当千の実力を持ち、得意とする武器種であれば“英雄”にも引けを取らないほどに強い。

 以前はハンター達のサポートに回っていたそんな彼らだが数多のハンター達が消えたメゼポルタでは連日、忙しそうに各地を周り驚異となりえるモンスターを狩っている。

 狩る者が居なくなったためにモンスターは数を増やし、各地の狩猟場は荒れに荒れていた。

 いくら彼らが一騎当千の強者でも、所詮は人。数の前には抵抗するのがやっとなのだ。

「あの人達は今日も沢山狩ってきてるんですよねー…。身体は大丈夫でしょうか…」

「わしとしても彼らを使い潰す気は無い。休息は取らせておるが…。心配じゃな」

 受付嬢達が一同にため息を着いて、広場には重苦しい空気が漂っていた。

 そんな時である。白髪に白髭を蓄えた初老のハンターが気球の乗降場からやってきた。彼の名はグラハム。マグネットスパイクと呼ばれる西方の武器を使用するレジェンドハンターだ。

「なんだ。随分と辛気臭いな」

「グラハムさん!狩りの調子はどうでしたか?」

「…おう。潮島はあまり変わりなかったな。強いて言えばココモアが少し多かったくらいか。まあ奴らは潮島から出ることはないからな。多少増えても問題はないだろ」

 それからグラハムはヒルデとカトレアにそれぞれ特異個体やG級個体についての報告をしてクエストクリアの確認をもらうとレスタ酒場へと去っていった。

「やはり各地のモンスターが数を増やしているようじゃな」

「このままではレジェンドラスタさん達の負担が大きすぎますよ!増員とか頼めないんですか?」

 ミズキが猛る。

 他の受付嬢達も同じ思いなのか、何も言わずにギルドマスターを見つめた。

 視線を向けられたギルドマスターは肩をすくめながら「掛け合ってみる」とだけ言い残してギルド職員用のテントに行ってしまった。

 

 

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