所は変わり、レスタ酒場。
レジェンドラスタ達の待機所であり、かつてはレスタ達が一同に会していたこの場所も今は休憩中のレジェンドラスタが数名残っているだけになった。
「グラハムさん。お疲れさまでした」
グラハムが酒場へ入ると、ガンランス使いのタイゾウが水の入ったジョッキを持って駆け寄ってきた。
「サンキューだ。タイゾウも戻っていたか」
「もう少ししたらまた狩りに行くつもりですがね」
「そうか、無理はすんなよ」
「グラハムさんこそ。身体を労ってください」
「ははっ、俺はまだまだ余裕だって」
手頃な所に座りながらグラハムは渡された水を煽った。
「ギネルの奴の方が余程心配だよ」
「彼も熱い火を灯す男です。大丈夫ですよ」
「そうは言うがな。あいつは引くことを知らねえ。この間も傷だらけで帰ってきただろ。確かにアイツは熱い火を持つのかもしれねえが、俺には命を燃やしてるように見えんだよ」
グラハムの言葉にタイゾウは何も言えずに口を結んだ。彼の言うように一部のレジェンドラスタは無理が出始めている。
特に片手剣使いのフローラ、大剣使いのリア、ハンマー使いのギネルの3名は傍目から見ても判るほどに疲れている。
フローラは真面目さが祟り、リアとギネルは猪突猛進な性格が災いして連日の狩りの疲労が抜けてないのだ。
狩猟笛使いのチルカが3人のサポートをして回っているが、このままでは潰れるのも時間の問題だろう。
「なによ。酒場までこんな暗い空気が流れているなんて」
「ナターシャか」
「あなた達、少しだらしないんじゃないかしら?休んでる暇があったら狩りに行きなさいよ」
「俺らは休憩中だ」
「タイゾウに休憩なんて概念が有ったのね。驚きだわ」
毒を吐きながら酒場にやってきたのは弓使いのナターシャ。「どえす」の国の姫様である彼女も疲れが溜まっているのかいつも程のキレは無く、椅子に腰掛けると机に突っ伏してしまった。
「…なによ」
「大丈夫か?」
「身体は五体満足よ。問題ないわ。少し休んだらすぐに狩りに行くから安心してちょうだい」
「そうか」
彼女はそれっきり寝息を立てて動かなくなってしまった。
タイゾウとグラハムは毛布を借りてきて、ナターシャにそっとかけてから静かに酒場を後にする。
「俺達も負けてられねぇな」
「ええ、あのナターシャが隙を見せるほど頑張っているのです。俺達も頑張りましょう!熱くなれっ!熱くなるのさっ!現界を超えるんだ!!」
「クラッシュメゼポルタ、アンドモンスターマストダイってか?」
「グラハムさん台詞を取らないでくださいよ!」
彼らは笑って、新たなクエストを受注するとそれぞれ気球に乗り込んで狩りへと旅立っていった。