夢無き少年のVtuber物語 ~Dream Stage Live!~   作:瀧野瀬

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投稿する話間違えてました。すみません


それぞれの配信

 天喰 焔 登録者数三万五千。

 

「三万五千かぁ……」

 

 一つのディスプレイに映し出されている登録者数。俺は自分の登録者数を眉を細めながら見つめていた。

 鍋のあの件で少しぐらい増やせたのは間違いないだろう。俺はそんなことを思いながら、今日も配信を行う。

 

ボナセーラ(こんばんは)、天喰 焔だ」

 

 と言うと……。

 

『ほむっち来た!』

 

『結局、挨拶イタリア語固定なのか』

 

 そんなコメントと同時に「ボナセーラ」と言うコメントが流れてくる。最近エゴサしてて知ったのだが、どうやら俺は女視聴者からは「ほむっち」か「ほむほむ」と呼ばれているらしい。男の場合は、「焔」か「中二病」と言ったところか。

 そして、挨拶の言語を今まで固定していなかったのだがイタリア語で固定でいいや、となって俺はイタリア語にしたのである。あんまイタリア語知らないけど、良いよね。イタリア語……。

 

『昨日の鍋配信大丈夫だったか?』

 

「ああ、昨日の鍋配信か。鍋にクッキー入れた馬鹿は俺だし、別に大丈夫だよ」

 

 結局、二人共鍋で使うような具材を買ってきていた為、ネタ的な意味で言えばこれは美味しかったのかもしれない。

 

「さてと、今日はこの新しく始まるFPSゲームやって行くか」

 

 ゲーム実況をしていた頃は元々色んなゲームをしていたが、配信上では一番FPSが来ると分かった俺はすぐにFPSを手をつけて始めた。

 

「ボイス販売して欲しい?うーん?考えとくぜ」

 

 ボイスか……。

 こういうのは偏見だと思われるかも知れないが、欲しがるのは女性視聴者が多いだろうからそっち方面に媚びた方がいいのだろうか……。と思いつつ、俺は配信を続ける。こうやってのんびり配信をするのも悪くねえな。

 

 

 

 

「それじゃあ、お前ら!アディオス!」

 

 アディオスを言う同時にコメント欄ではアディオスと埋まるのであった。高評価低評価を見ると、やはり一定層はそういう層がいるのか1割近くは低評価になっている。こんなことを気にしている場合じゃないな。と思いながら、今日のゲーム配信の切り抜き動画を今日も今日とて作り上げるのであった。

 

 

 

 ――数時間が経ち、切り抜きが出来上がり俺はその動画を投稿するのであった。それから、冷蔵庫から大量の魔剤の一つを取る。そして、栓を開けて体に魔剤の力を大量に流し込む。魔剤の味が苦手と言う人をよく聞くが、俺も正直この魔剤とやらを最初に飲んだ時は味に慣れるまで相当時間が掛かった気がする。

 

 

 

 

 ◆

 

「や、やっほー皆!」

 

 自分のテンションを出来る限り、上げられるだけ上げてこうやって挨拶するのは大変だけど……。みんなにこんな感じで挨拶すると喜んでくれるからとても嬉しい。私は、紅茶を飲みながらゆっくりと次の言葉を出す。

 

「こんかおるー!水無月 薫だよ!」

 

『こんかおるー!』

 

『今日も薫は清楚だなぁ』

 

 と言うコメントが流れている。

 

『今日は素面なんだね』

 

 そのコメントに私は返事をする。彰斗や桜が言ってくれたように、素面の自分とお酒を飲んでいるときの私を分けることにしたのは大正解だった。視聴者も素面の私を好きになってくれる人も多かったし……。

 

「えっと、今日はね。皆と雑談しようと思うんだ」

 

 雑談しようと思うんだ……。と言おうとしたが、何を話そうかと迷う私。とりあえず、昨日の鍋配信のことでも話そうかと考える。

 

「昨日の鍋配信もう皆見てくれたかな?私、途中でお酒飲んじゃって凄い凛に迷惑掛けちゃったみたいだね」

 

 彰斗が倒れたあの後、鍋の近くにあった冷蔵庫に入っている缶ビールを見つけた私。綾瀬さんに聞いたら「飲んでもいいよ」と言われ私は飲んでしまった。それから、あんまり記憶にないのだが凛に凄い駄々絡みをしていたと言う話を後で聞いた。

 

「それでね……。そのことで謝ったら、凛許してくれたんだよ。優しいよね」

 

 コメント欄では「同期てぇてぇ」と言うコメントが流れている。

 

 

 

 

「それじゃあ、今日も皆おつかおる~!また明日~!」

 

『おつかおる~!』

 

 と言いながら、私は配信を終了する。最後の方に彰斗が『おつかおる~」と言っているのを見えて、彰斗見ていくれてたんだ。少し嬉しく思いながらも、私は今日の配信を終えて息を吐くのであった。

 

 

「やっぱ、慣れないなぁ配信……」

 

 憧れだった頃と比べて、私は今やVtuber……。

 始めたての頃は色々あたふたしたり、お酒の力に頼ったりしたしていたけど……。今じゃこうして素面のまま皆の前で立っていられている……。それが私にとってとても嬉しかった。

 私にとって、水無月 薫はもう一人の私だから……。

 

 

 

 ◆

 

 

「みんな、こんばんわ!風月 凛だ!」

 

 この声を出すのも慣れてきた。

 初配信やコラボ配信のときは素を出してしまうことも多かったけど、今となってはこの声を出すのも慣れて来た。

 

「今日は、昨日のオフコラボの感想と雑談をしようと思う」

 

『クッキー大丈夫だった?』

 

「クッキーのことなら心配いらない。あの後、私が無理してでも食べたからな」

 

 彰斗がぶっ倒れた後、薫がお酒を飲み始めた為、食べられるのが私一人となり私が無理矢理食べていた。ただ、綾瀬さんも少し食べてくれたが……。その後、すぐに綾瀬さんに謝罪をしたが……。

 

『食べれて偉い \5000』

 

「スパチャすまない」

 

 このスパチャと言う機能は私は知っていたが……。私と言う人間が貰ってもいいのだろうかと考えてしまうことは多かった。私なんて言う人間に貰う価値は無いだろうと思うときの方が多かったからだ。でも、貰った以上私はそれに見合った配信をしていきたいなと考えている。

 

「おっと、もうこんな時間か。みんな、それじゃあ今日もおつりん」

 

 暫く鍋配信の感想や雑談をしていたら時間がやって来て私は挨拶を済ませて今日の配信を終わらせるのであった。バイオレットさんからの憧れで入ったこの界隈……。

 

 私もあの人のようにいつか輝ける日が来るのだろうか……。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

「こいつらがDream Stageの二期生……?認めない、絶対に……」

 

 

 

 

 

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