夢無き少年のVtuber物語 ~Dream Stage Live!~   作:瀧野瀬

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第三回ヴィーナス杯、始動

 バーチャル四天王、ヴィーナス。彼女は自称天才"AI"を自称しておりその活躍は様々な分野で聞くことが多いほどである。そんな彼女は今日、とある重大な発表がされるということで視聴者達は集まっていた。時期的にもそろそろヴィーナス杯では盛り上がっていた。既に視聴者は二万人を超えており、四天王を冠するに相応しい人数となっている。

 

「はい!どうもー!バーチャルYoutuber、ヴィーナスです!みんな、待たせてごめんねー!」

 

「みんな、盛り上がってるね!重大発表なんだろうね!?」

 

  配信が始まると、今から重要発表が待ち遠しい視聴者はこれでもかと盛り上がりを見せている。コメント欄は大賑わいの状態だ。

 

「うんうん、え!?私の引退発表!?えっと……実はそうなんです!実は私は本日をもってVtuberを引退させて……。っておい!なんでコメント欄のみんな私を止めないの!?私辞めちゃうかもしれないんだよ!本当に辞めちゃうよ!?みんな酷くない!?」

 

「ってのは冗談で……。そろそろ発表しましょうか!まずはこちらのPVをご覧ください!」

 

 PVが始まり、最初に第一回ヴィーナス杯の映像が流れ始める。次に、第二回ヴィーナス杯の映像が流れ始めていた。コメント欄は予想している人間達が多かったが、かなりの大盛況。この大会を待ち侘びていたという人が続出していた。最早、これなしでは生きられないという人まで……。

 

 最後に第三回ヴィーナスの杯のロゴが流れる。そして、今回のヴィーナス杯のゲームのタイトルロゴが最後に表示される。そう、そのタイトルロゴは……。かつて初代が全世界800万本を売り上げた超人気タイトル。その名は、マリオカート。運要素もあるゲームではあるが、盛り上がるゲームとしては最適なゲームだろう。

 

「そうです!今回もやって来ました、第三回ヴィーナス杯です!予想していた人も多かったのではないでしょうか!今回のゲームはなんとマリオカートです!前回のゲームが好評で今回もそのゲームにしようかなと考えたのですが、少し敷居が高いかなと思いまして今回ゲームさえ持っていれば誰でも参加できるこちらのゲームを選ばさせていただきました!」

 

「そして、なんと今回は特別にゲストに来てもらいました。では、どうぞ!」

 

 特別ゲストして呼ばれたのは黒のパーカー姿で茶髪の男。

 

「はい、どうも!バーチャルYoutuberの日比谷 アキラですー!」

 

 やって来たのは、個人勢のVtuber日比谷 アキラであった。

 彼は前回大会の優勝チームのリーダーということもあり、今日は呼び出された。

 

「というわけで、前回大会優勝チームのリーダーの日比谷 アキラさんに来てもらいましたー!今日はありがとうねー!」

 

「こちらこそこのような場にお呼びいただきまして、ありがとうございます」

 

 少しあやふやな敬語を使いながらも日比谷 アキラは返答していた。

 

「というわけで日比谷 アキラさんに来てもらいましたー!それで今回はマリオカートということですが?」

 

「そうですね、こちらのゲーム上級者達はアイテムの使い方や立ち回りなどが上手い人が多い方ですが、前回のゲームと違って初心者の方でも打開が可能なゲームなのでやりやすいんではないでしょうか?」

 

「確かにこちらのゲームは私以外のバーチャル四天王でも遊びやすいよね!そういえば、前回マヤ・クラウスさん率いるチームと戦うことが多かったと感じたけど、今回もしマヤ・クラウスさんがこのヴィーナス杯に参加するとしたらまた戦いたい?」

 

「それは勿論、戦いたいですね。彼女は俺の宿敵ですから」

 

 第二回ヴィーナス杯では彼女と死闘を繰り広げた日比谷アキラ。今回の大会でもその火は絶えてはいないようだ。

 

「なるほど…‥‥!宿敵ですか、もし参加するのであればこれは熱い戦いが期待できそうですね!では、次は今回の参加者の人数です!今回はなんと過去最多でございます!えぇ!?と驚く人も多い事でしょう!」

 

 第一回ヴィーナス杯が50名。第二回ヴィーナス杯は60名。そして今回が……。

 

 

 

 

「なんと今回は総勢96名のVtuberの皆様が集うことになりました!」

 

「総勢96名ですか……!そりゃあ、またかなりの数ですね!」

 

 今回はなんと総勢96名のVtuber達が参加することになったのだ。最早、これだけの人数の参加となれば大盛況間違いなしだろう。

 

「私としては100名の参加を期待したかったのですが、マリカーの参加人数的にこれが精いっぱいなので今回はこの人数にしました!みんなも色々都合があるだろうからね……!さて、此処からは参加者の発表です!96人もの参戦なので……!早めにご紹介していきたいと思います!」

 

 続いて、参加者の発表が行われることになった。

 SNSでは既にトレンド入りしていた。そして、ある程度参加者の発表を終えた頃……。

 

「次にLive Starからの参加者です!此処は元々大きい箱なので結構な人達が参加してくれました。まずは、ゲームの腕前は天才クラス!レディアさんです!最近では異性とのお付き合いもされているとのことなのでそちらも気になりますが、この人もゲームの腕前はかなりのものですからね!」

 

「そうですね、彼女は今回が初参戦ですから……。どの程度暴れ回るのか期待したいですね」

 

 現在、Live Star所属の人数は30名。そのLive Starからは10人程度の人数が参加することになったのだ。Live Starの紹介を終えると次は……。

 

「さて次はDream Stageからの参戦だー!最初に紹介しますは最近話題沸騰中!?台パン女、カルミアだー!そして、次にレディアの彦星こと天喰 焔!そして、最後にDream Stage元祖清楚系Vtuber バイオレット・クレィミーだ!」

 

 Dream Stageは今回が初参戦であり、三名の参戦が決まることになった。

 紹介も終盤となり、バーチャルEスポーツグループの紹介が開始された。

 

「さて、いよいよやって来ました……!最後はこのお方、みんなのヒーロー!マヤ・クラウス!」

 

 マヤ・クラウスが今回も参戦することとなり、コメント欄は大盛り上がりを見せていた。

 

「やはり今回も参加してくれますか……!いやー、楽しみですね!」

 

「熱いバトルを期待したいですね!あっ、最後に紹介を忘れましたが私とアキラ君も参加します!アキラ君改めて参加者の方々を見て何か意気込みみたいなのってある?」

 

「マヤ・クラウス、レディア、カルミア。彼女達はかなりの強豪なのでこの辺をぶっ倒して絶対に優勝します」

 

 コメント欄ではマヤやレディアが優勝するのでは?と盛り上がっている。無論、その名前にはカルミアの名前も挙がっていたりしていた。

 

「言い切ったね。これはもう言質取ったので絶対に優勝……。いや、優勝するのは私だからねー!」

 

「おおー!そうですかー!じゃあ、期待していますね!せめて、最下位ってオチはやめてくださいよ?」

 

「……うん」

 

 このときヴィーナスは考えていた。

 優勝なんて言葉を使わなければ良かったと……。そして、運に左右されるコースを選ぶと決めたのであった。

 

「みなさんのコメント欄も盛り上がって来たようで、そろそろ抽選の方へ行きたいと思いますー!」

 

 その後もヴィーナスの大会事前配信が続いて行ったのであった……。

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 あのDMの内容は、ヴィーナス杯への招待だった。

 俺が招待された理由を聞きたかったけど、招待された以上全力で戦うつもりだ。

 

「俺最近お前としか会ってないんだが……」

 

 某スーパー……。

 今日も今日と伊織と会っていた。偶々会った俺と伊織はこうして話していた。先ほど伊織の弟も居たが、今は菓子のコーナーに行っているようだ。

 

「それはお前が単純に二期生の奴と会ってないだけだろ。心配なら一回ぐらい顔出したらどうだ?」

 

 七瀬も雛井も俺が居なくても上手くやれているから別に心配はしていない。ただ、こうも伊織とばっか会っていると偶にはあいつらの顔を見たくなる。

 

「考えておく……。そういえば、お前と菫先輩出場するんだろ」

 

「ああ、参加する。だが今回の大会は生半可なもんじゃない。あのバチャスポが参加している。それに個人勢最強と謳われる日比谷アキラもいる。そして、あのレディアもいる。厳しい戦いになるだろう」

 

 ゲーセンに居たときのあの高校生たちの発言が気になって、俺はあの後アキラやマヤの配信を見た。正直あの人達は俺と別次元の人間に近いかもしれない。そう実感させられた。レディアのゲームの腕前も知っているから分かることだが、あいつも強い。今回の戦いは伊織が言うように厳しい戦いになるに違いない。

 

「お互い大会では敵同士になるはずだ」

 

 伊織は俺に手を差し出してくる。

 

「お前がこういうことしてくるの意外だな」

 

 少し鼻で笑う。

 

「嫌なら別にいい」

 

「いや、嫌いじゃないぜそういうの……!」

 

 お互いに手を握り合い、握手をして互いに健闘を祈った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――その次の日。

 俺は初めて言葉に表せないほどの敗北を思い知らされた。

 

 

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