ある日突然《解放》として艦これの世界に漂着した件について。 作:久里浜燐
「いつつ……あれ、ここは?」
ふと気がつくと私は、頭痛に蝕まれながらどこかの孤島にいた。
最後の記憶は、家の布団でごろごろとスマホを弄ってて……寝落ちして、夢の世界?と言われるとどこか違和感を覚える。潮の匂いと海風が、はっきりと現実であることを私に叩きつける。
と、そこまで思考をぐるぐるさせた上でふと違和感に気付く。なんか身体が重くね?
と、身体を見下ろせば重そうな機械を背負い、または身に付けていた。
「え、なにこれ、艤装みたいな……」
そこまで気付いてはっとする。
眠っていた一人の少女。頭痛を抱えながらも身体を起こせば、孤島にいることを認識する……。
これ前に書いた艦これの二次小説のプロットなぞってね?
「うわぁ、やっば……あの時に主人公に据えてた艦娘は……」
絵が上手くないなりに艤装の配置やらを描き、そんな彼女が活躍する場を設けたいとテキストデータの上に描いた軍艦。
紆余曲折を経て極北の大国に産まれ、“向こう側”の日本で最期を迎えた大戦艦。
ソビエツキー・ソユーズ、あるいはソビエツカヤ・ベロルーシヤの名で産まれ、統一戦争で散ったその艦の名前は、《解放》。
──無論、私の世界ではソビエツキー・ソユーズ級は4隻とも存在しないし、大和が自衛隊でイージス艦になることも、日本が分断されるような事もなかった。
某先生が分断された日本を描いた架空戦記、『征途』に登場する、WW2に産まれ歪な東西冷戦のその運命を左右された、BB-11《やまと》と対をなす存在として、僅かな登場シーンとあっけない最後を迎えた彼女に惚れ込んだ私が、IFとして艦娘に生まれ変わった彼女を描いたのだ。
そこまで思い出してもう一度艤装を見れば、その艤装を構成している装備が16インチの主砲といかにもなソ連製対艦ミサイルのランチャー、ごてごてとしたこれまた如何にも東側艦艇としての匂いを放つ電子兵装であるとはっきり認識できた。
……さて、あの小説のプロット通りだとそろそろ誰かが来るが、誰を出すか悩んだまま数年データを開いてなかったからな、誰が来るものか……いや、誰か本当に来るのか?
そう思い視線を洋上に向けると、ゴマ粒のような人影が6つ。流石に独りはキツイのでおーいと手を振るもこれ深海棲艦だったら不味いんじゃね?なんて予感が過ぎる。
やっべ、迂闊だったかなと思いつつもまぁ人型なのでどっちに転んでも話し相手にはなるでしょ、と楽観して声をかけ続ける。
そうしていよいよ見えたのは、第六駆と大中の同志たちだった。