戦車長と音楽厨二人の鉄血世界   作:ナナシのG愛好家

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 今回は、キミガシネの皆さんが主軸になります。最初から最後まで戦闘ありません。
 
 ヒッシャウソツカナイ、ホントダヨ!!

 今回の絡みは、
 ケイジ&サラ×????、
 アトラ+チャド&ダンテ×カイ
 明弘×クルマダ&Q太郎
 オルガ×レコ
 三日月×ミシマ&ナオ
 ダリル&タカキ×ソウ&カンナ
 イオ×マイ(誰だか覚えてる人いるかな?Q太郎刺した人です)
 ソンネン×ランマル&ヒナコ
 シノ&ヤマギ×ジョー
 フミタン×ハヤサカ
 クラック×ギン
 クーデリア×アンズ
                             です!!

 あ、アリスはいません。本当はいるんですが、ここにはいません。搭乗は少し先になります。


束の間の休息

 ケイジ達とオルガ達との会話が終わった後。オルガ達は応接室を後にした。

 

「ほら、机に脚乗せないでくださいよ。ケイジさん。」

「いいじゃないのサラちゃん。これ位は、さ。」

 

 だらしないですよ。と睨むサラ。はいはい。と、肩をすくめて足を下ろすケイジ。

 どっちが上だか分からない様な状況だ。

 

「それにしてもさ~、」

 

 にこやかにケイジはサラを見る。

 

「彼ら、どう思う?」

「そうですね……。」

 

 その声に、サラは顎に手を当てて考えた。

 

「一言で表すなら、宝石の原石。磨けば光るでしょうね。」

「キミから見てもそうか~、でも、」

「はい、まだかなり粗削りだと思います。第一、あの船、医者、乗ってないですよね?」

 

 そんなの自殺行為ですよ。と言うサラ。手厳しいね。とケイジは肩をすくめた。

 

「さてと、この後どうしようか?」

「……そうですね……。彼らには、船内を自由に探索する許可を出そうと思ってたんですけど、」

「いいと思うよ?もちろん、機密には触らせないでね。」

 

 それだけ言うと、立ち上がり、応接室にある本棚から、一冊の本を取り出す。

 その本を開けば、実は本の形をした箱で、中には一冊のタブレットが。

 

「さてと、定期連絡の時間だ。ホウレンソウは、何時になっても社会の基本だからね。」

 

 タブレットの電源を入れれば、直通回線の文字が。

 通信先は、『Leaval Bacurazan』となっていた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「なぁなぁ、聞いたか?」

 

 サンクチュアリ級の中を移動する、機械弄りが得意なダンデと、色黒で地味めなチャド。ダンテが、チャドに話しかけていた。

 

「この戦艦の中、好きに見ていいんだと。」

「聞いたも何も、俺もその場に居たぜ?ただし、ロックしてある部屋に入るにはノックが必要。入っていいと言われたら、入っていいんだっけ?」

「ああ。ま、他人の私室を覗く趣味は無いからな。」

 

 そう雑談を交わしていると、何やらおいしそうな匂いが飛んできた。

 それと同時に、

 

「わあぁ……。」

 

 と言う何やらキラキラした声が、気になった二人は、匂いのする部屋に入ってみることにした。

 どうやらそこは食堂とつながっている、厨房の様だ。奥には、長身で、黒髪の男性が、赤い中華柄のエプロンを付けて、カウンターの前にかじりついているアトラを見ていた。

 何事かと思えば、二人は、男性が作ったと思われる、何やら小洒落た料理にアトラが目を輝かせていた。

 

「カイさんは凄いですね!!こんなオシャレな料理が作れるなんて!!」

「恐縮です、アトラさん。とはいえ、これは得意料理なので。」

 

 カイと呼ばれた男性は、にこやかにそう言う。

 

「へぇ……、何でしたっけ、エッグベ……、」

「エッグベネディクト。ですよ。半分に切ったイングリッシュマフィンの上に、チーズやベーコンを盛り付けた、お手頃でおいしいご飯。軽食にもってこいです。はい。」

 

 すると、カイが、ダンテたちに気が付いた。

 

「おや、貴方たちは鉄華団の……。どうかしましたか?」

「え、いや、何か美味しそうな匂いがしたもんだから……。」

「ええ、ちょっと気になって……。」

 

 何やらいたずらを見つかった悪ガキの様な気分になり、目を泳がせながらそう言う二人。

 

「そうでしたか。」

「いやなんか怪しいですよね。」

 

 カイにそうツッコむアトラ。早くも仲良くなっている様だ。

 

「お腹がすいているのなら、何か軽食でも作りましょうか?お玉とフライ返しとフライパンは可能な限り持ち歩くようにしているんです。」

「いやそれあっても食材とコンロ無いと料理できませんよね?」

「些細な事です。」

「料理したい。手元に調理器具。けれども食材無いじゃ流石に笑いごとになりませんよ?」

 

 些細な事か?と、二人も思った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ビスケットたちと別れ、一人で船内を歩いていたオルガ。すると、ちょうど角を歩いてきた人物と、ぶつかってしまった。

 

「うおっ!?」

「おわっ!?」

 

 似たような悲鳴を上げ、よろけるオルガ。見ると、ぶつかってしまったのは、きついメイクのパンク風の服装の女性。レコ・ヤブサメだった。

 

「悪ィ。アンタ、大丈夫か?」

「ッテテ……。ああ、気にしないでくれよ。……あれ?アンタ、」

 

 初見では一歩ひいてしまうインパクトのある彼女の見た目にも物おじせず、レコを見るオルガ。一方レコは、オルガの正体に気が付いたようだ。

 

「鉄華団の団長さんだろ?今回の取引相手の。」

「ああ。オルガ・イツカだ。」

「レコ・ヤブサメ。ここのMSパイロットだよ。」

 

 金具の付いた指出しグローブに包まれた手を、オルガに差し出す。オルガはそれを取り、握った。

 

「ところでアンタ、この船を案内しちゃくれねぇか?」

「ん?そりゃいいが、何でだ?」

「そりゃ、同盟関係と言うか、アンタの所に身を置いてるわけだし、ここの事をある程度知っておきたいからな。アンタ、詳しいだろ。」

「真面目だな。いいことだぜ。よし、案内してやるから、付いて来いよ。」

 

 感心したようにオルガを見て、そう言い背中を向ける。その姿に、たくましいな。と思ったオルガだった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「フッ……ハッ……。」

 

 そんな声を挙げながら、戦艦に備えられた設備の整ったジムの一角で懸垂を行うのは、筋肉隆々な肉体に包まれた、昭弘・アルトランドだ。

 暇さえあれば肉体を鍛えており、その身体に似合った?力強いスタイルの動きを、MW戦でも繰り広げる。

 

「鍛錬、頑張っとるようじゃな。」

「フッ……ん?」

 

 ジムに突然入って来た来訪者に声をかけられ、懸垂を中断する昭弘。

 振り向いては言って来た男を見て、彼は驚いた。

 赤い髪と赤い髭。雄々しい顔がよく似合う鍛え上げられた鋼の肉体は、昭弘が見上げてしまうほどだ。

 

「アンタは……。」

「バーガーバーグ・Q太郎じゃ。よろしくな。」

 

 そう言って、丸太の様な腕にくっついた、大きな手を差し出してきた。

 

「ああ……、昭弘・アルトランドだ。」

「いい名前じゃねぇか。親父さんが付けてくれたんか。」

 

 戸惑いがちに差し出した手を、Q太郎はがっしりと握り、上下に振った。

 

「……。まぁ、な……。」

 

 父親と言う言葉を出された昭弘の顔に、暗い影が差す。

 二人の間に、重い空気が流れた。

 

「……悪かった。別にお前さんの傷口に塩塗り込むような真似をしたくて声をかけたわけじゃないんじゃ。かんにんしてくれい。」

 

 少々重い表情で謝罪するQ太郎。彼も、孤児、ヒューマンデブリと言った人間達で構成された鉄華団の事情くらいは、知っているのだろう。

 

「いや、気にしてない。ちょっと、思い出しちまっただけだ。」

「そうか……すまねぇ。オレも無神経が過ぎた。」

 

 何を思い出したかは聞かないQ太郎これ以上重い空気を流したくないのだろう。

 

「このジムはどうぜよ?ここの器具は、ケイジに無理言って集めてもらった物もあるんじゃ。気に入ったか。」

「ああ。内装より、器具に……と言うか、器具以外に金をかけていないな。」

 

 休憩用に、冷水器とタオル。粗雑なソファーが置いてある程度だ。調度品の類は少ない。と言うか殆どない。

 

「おうよ。どうした?内装がもっといい方が良かったか。」

「それを望んではぜいたくだ。むしろ……このくらいがちょうどいい。」

「そうか。そりゃ良かったぜよ。」

 

 そう言い、ニカッ、と笑うQ太郎。

 

「アンタは……。」

「ん?どうした?昭弘。」

 

 筋トレに戻ろうとした昭弘だが、ふと、Q太郎に振り向き、一つだけと問いた。

 

「何で、俺みたいなヒューマンデブリに気さくに話しかけるんだ?」

 

 そう言えば、Q太郎は、ああ、その事か。と、

 

「そりゃぁ、ヒューマンデブリだって、人間だと思ってるからに決まっとるぜよ。

 いや、本当はデブリ(ゴミ)だなんて呼ばれちゃならねぇ。人が人に金で売られるなんてこと、あっていいはずがねぇぜよ。」

 

 その言葉に、昭弘は驚いた。

 

「アンタは……。」

「おう。オレはこの価値観はまちがってねぇとおもってるがきゃ。」

 

 そう言い、ドンと胸に手を当てる。

 

「フン。いいこと言うじゃねぇか。」

 

 ガチャ。と、ジムの奥にある扉が開き、中からタオルを首にかけ、汗を滴らせる、青い髪で、色黒の引き締まった身体をぴっちりしたボディースーツに包んだ男が、壁に寄りかかっていた。

 

「アンタは……。」

「直道・クルマダだ。クルマダって呼んでくれ。」

「あ、ああ。」

 

 今まで言われたようなことが無い事を言われた後で、理解が追いつかない昭弘は、そう空返事をこぼした。

 

「おう、クルマダ、もう上がりか?」

「まさか。休憩だよ休憩。トレーニングには適度な休憩が必要なのは分かってるだろ?」

「そうかい。なら、コイツと一緒に筋トレでもせんか?その部屋に居たっちゅうことは、大方シュミレーションかシャドーボクシングでもしてたんだろ?」

 

 そう言われれば、クルマダは肩をすくめた。

 そのやり取りを見て、彼らとは気が合いそうだと考える昭弘だった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「やぁ、」

 

 年少組のまとめ役、タカキと一緒に道を歩いていたダリルに、そう声をかけたのは、バケツを被った少女、カンナを後ろに従えた、ソウだ。

 

「お前は……。」

 

 彼を見たダリルは、その纏う気配と声で察した。あの、自分を助けたガンダムのパイロットだと。

 

「ああ。分かるんだね、流石は、あのザクのパイロットだ。」

 

 分かっていたのか。そう驚く彼に、気配でね。と苦笑するソウ。

 

「ダリル・ローレンツだ。」

 

 そう言い、義手の右手を差し出す。ソウはそれを取りながら、

 

「ヒヨリ・ソウだよ。こっちは、」

「キズチ・カンナです。よろしくお願いします。」

 

 そう言い、頭を下げる。

 

「え、何でバケツ?」

 

 頭にかぶっているバケツに、タカキはそうツッコむ。

 

「あ、あはは、よく言われます。」

 

 それに、苦い表情を浮かべるカンナ。と言うか、タカキからしてみれば、装飾が、何と言うかドSな雰囲気を醸し出す、看守風の風貌のソウも、頭にバケツを被ったカンナも、中々にインパクトが強いようだ。

 

「そんな事より、ボクは君の方が気になるな。ダリル君。」

「…………。」

 

 ダリルも、そう言うソウを警戒する。

 

「あはは、怖がらないでよ。そうだ。」

 

 と、カンナに目で合図を送る。

 

「しばらく、二人で話をしないかい?カンナは、そこの金髪の彼に、船内を案内してあげてよ。」

「わかりました。ソウさん。」

 

 それに、コクリ。とうなずいたカンナは、タカキの手を取った。

 

「さぁ、お気に入りの場所に案内してあげます。付いて来てください。」

「え、は、はい……。」

「さぁ、行こうか。」

 

 ダリルと二人きりになったソウは、先ほどまでとは違う感じの笑みを浮かべた。




 後編、(もしかしたら中編)に続く!!
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