こっちの世界に来てから、もう二ヶ月がたった。早ェもんだ。
今はあいつ等とは別のとこで、昼食休憩を取ってる。
「よう、ソンネン、相変わらずこいつらの教育で引っ張りだこか?」
そう言って来たのはツンツンした金髪の男で、一軍のジャージを着ている。
「その言い方はねぇだろ。イオ。」
もと、地球連邦軍のパイロットで、かつてダリル・ローレンツと殺し合った男だ。俺はこいつがあんまり好きじゃねぇ。
「俺は事実を言ったまでだよ。それより、聞いたか?今度の大口の取引。」
「ああ。あの『革命の乙女』を地球まで運ぶんだってな。」
「俺はこの世界の地球を見たことがねぇからな。ちょっと楽しみなんだよ。」
「分かるぜ。その気持ちはな。でもよ、聞いたか?その任務、お前ら参番組が受け持つらしいぜ。」
「ブフッ!!」
その言葉に俺はコーヒーを噴出した。
「おい、冗談だろ。んなの威張り腐った
「勿論だ。事実上、参番組は承諾するだけ。いつも通り、
「やっぱりかよ。」
「そう言うもんだよ。それに、クーデリアとなっちゃ、」
「十中八九、ギャラルホルンが動くよな。」
ギャラルホルン、それは世界の治安維持を承っている組織だ。こいつらに『都合のいい世界』にはクーデリアは不要だ。
「今日お嬢様がこっちに来る。早けりゃ今日にも。」
「ああ。そこらへんはプロだろうな。」
二人とも、警戒を露わにしていた。
「イオ、ダリルに伝えとけ、アレの準備をしとけってな。」
そう言うと、ニヤリ、と笑った。
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「おい、オルガ、」
緑のジャージを身に纏った男、参番組の隊長を務めてるオルガ。俺を拾ってくれたやつだ。
「おお、教官、これから依頼主に会いに行くところだ。」
「そうかよ。ちょうどよかった。お前ら、奴さんへのあいさつはお前らでやれ。」
「それはいいけどよ、アンタはどこ行くんだ?」
「周辺を見とくよ。今日辺り、来るかもしんねぇ。」
「なるほど。」
それだけの会話で、話は終了した。
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一方、火星の上空、そこにそびえ立つギャラルホルン火星支部、『アーレス』内、火星支部長を務めるコーラル・コンラッドは、ついさっきまでいた客に、ため息を付いた。
「クーデリア・藍那・バーンスタインの情報を売るとは、それでも父親か………娘の爪の垢でも煎じて飲むと言い。」
「全く。」
愚痴るコーラルに賛同するようにそう言ったのは、同じようにギャラルホルンの制服を身に纏った、水色の髪の青年だ。今は、花瓶の水を入れ替えている。
「しかし、クーデリア・藍那・バーンスタインか。全く。このような案件、本来は受けないのだが、」
「アイツとの関係を続けるためには、やんなくちゃなんないんだろ?コーラル。」
「呼び捨てにするな。お前は私より階級は下なのだからな。」
「はいはい。わかってるさ。そんな事。それより、俺も出ればいい?」
「いや、お前は待機だ。クランク、オーリス、アイン、それから、レイとツィリの編成で行ってもらう。」
そう言うと、彼は驚いたかのように手を止めた。
「MSを五機も?それに、クランクまで?」
「ああ。念には念を入れないとな。」
「何でそこまですんのさ?相手はMSを持ってないんだろ?だったら俺が出れば相手もドゲザ降伏すると思うけど。」
「わかっとらんな。お前は。」
そう言うと、タブレットを青年の方に見せた。
「エイハブ・リアクターの反応だ。」
「マジだ。
「ああ。しかも、この周波数は、」
「ガンダムフレームタイプ。」
「ああ。固有周波数の特定までは出来なかったが、相手はMSを所持している。間違いなくな。」
「しかもガンダムフレームタイプとなると、」
「クランク含め、グレイズ三機でやっとって所だろうな。」
「だから連携に長けた二人と、クランクの教え子の二人か。伝えとくよ。」
「いや、私も行こう。」
「りょーかい。」
こうして二人は、執務室を出て、MSデッキへと言った。
「クランク!!」
近くで整備のチェックをしていた獅子を思わせる獅子を連想させる風貌の中年の男、クランクに声をかけた。
「火星に出向き、CGSをMW部隊と共に制圧しろ。そして、クーデリア・藍那・バーンスタインの身柄を確保しろ。部隊はオーリス、貴様、アイン、ツィリ、レイで行え。」
「了解!!」
次に声をかけたのは金髪の男、オーリス・ステンジャだ。
「オーリス!!貴様が指揮を取れ。」
「はっ!!。」
こうして、クーデリア襲撃が計画された。
「ウィリアム、貴様も待機しておけ。」
「りょーかい。」
水色の髪の青年、ウィリアム・ニルバーもコーラルの指令に頷いた。
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翌朝、襲撃は早朝の夜明けとともに始まった。大量のMW群、全て、ギャラルホルンの最新式だ。
それに対し、オルガの相棒、三日月オーガスや、ヒューマンデブリと呼ばれる金で売買されている立場の青年、昭弘・アルトランド、派手好きな青年、ノルバ・シノと、エース級のパイロットが集まってる。それに、俺様直伝の教育があるからな。それに、
『ソンネン、レーダーがとらえた、伏兵だ。』
ダリルのMS、【強行索敵型アッガイ・改式】の武装、【三次元スキャニングレーダー】と、【レーザー通信装置】により、俺とヒルドルブにリアルタイムで情報が届けられる。
確認すると、30機程のMWがこっちに向かってきた。流石はギャラルホルン、大層な兵力をしてやがる。
「了解。こっちは任せな。」
照準器を下げる。距離は20㎞って所か。
「まずはファーストコンタクトだ。APFSDSを装填、発射!!」
相棒のの主砲、30㎝砲が火を噴いた。
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《三人称視点》
MW部隊は、完全に油断しきっていた。MSがいることもあり、彼らは手柄を取ろうと焦ってたのかもしれない。そしてその結果、接近する砲弾に対する回避が遅れた。
ヒルドルブのAPFSDSの火力は、10㎞離れた距離に居るザクを一撃で吹き飛ばすほどの火力である。それを、MWがくらえばどうなるか、答えは簡単。
MWの一機が、直撃を受けバラバラに吹き飛び、貫通した砲弾が、後ろの機体も、その後ろの機体も貫いた。33機編成のMW部隊、その6機が、瞬く間に吹き飛んだ。
「え?」
MW部隊の隊長が漏らしたのは、そんな一言だった。
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APFSDSの初段が命中し、数機まとめて吹っ飛んだ。それに混乱した他のMWも動きが止まっている。
「ったく、訓練がなっちゃいねぇな。それでも軍人かよ………。次は、
砲身が上を向き、Type-3弾が放たれた。
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一塊になっていたMW部隊に、悲劇は降りかかった空中で無数の弾丸へと変わった砲弾は、雨のように降りかかり、瞬く間に5機のMWが吹き飛ぶ。
そこで、恐怖に駆られた隊長が、慌てて指示を出した。
「さ、散開!!散開!!散れ、散れェッ!!」
大慌てで指示を出し、それに従いMW部隊は散り散りになった。
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「へっ、敵さんもようやく動いたか。俺も暴れるとするかね。」
操縦かんを動かし、ヒルドルブを後進、塹壕から出て、前進した。
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突っ込んでくるヒルドルブに、MW隊の隊長は、ニヤリ、と笑った。
「馬鹿め!!車高の低いMWに近距離で砲弾が当たるものか!!全軍、あのゲテモノを落せ!!キャタピラを壊し、鹵獲してやれ!!」
『『『『『『了解!!』』』』』
そうして、MW達は、ヒルドルブに突っ込んでいった。しかし、それが悪手だったことを、その数分後痛感することになる。
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「案の定、つられてくるか。まあこのナリじゃそうするよな。」
見せてやるぜ、こいつの恐ろしさを。
「スモーク散布!!」
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MW達がヒルドルブに近づいた瞬間煙がばら撒かれ、MWのパイロットたちは困惑した。
そして、数分が経過し、煙が晴れた時、隊長は、もう開いた口がふさがらなかった。ヒルドルブの砲塔は持ちあがり、中からはMSの上半身が、両手にマシンガンを持ったMSの上半身が出て来たのだ。そして、そのマシンガンによって放たれたであろう攻撃で、MW部隊はほぼ全滅し、残すところ三機となっていた。
「ば、ば、ば………」
隊長はトリガーを引いた。引きっぱなしにした。MWの主砲から、弾丸が継続して放たれる。
「化け物め!!」
そう叫び、撃ち続ける。しかし、ヒルドルブの装甲は、そんな砲撃をものともしない。逆に、ヒルドルブは他のMWを狙い進みだした。その進行方向には、隊長機が………。
「ヒッ、」
慌てて下の操舵手が反転して下がる。隊長は悲鳴を上げながら、砲塔を旋回させ、ヒルドルブに砲を連射する。しかし、そんなのが意味ある筈も、最高時速110㎞のヒルドルブから逃げきれるはずもなく、彼らは悲鳴を上げながらひき潰された。
次回は、バルバトス、アトラス、ダリッガイの戦闘描写です。