皆さんお待ちかね、あの機体の登場です。
決闘から帰って来たイオがオルガから手厚い歓迎を受けた。
「アンタ、すげぇな。目で追えなかったぜ。」
「ま、アトラスの機動性は折り紙付きだからな。」
そう言い、イオが胸を張る。
「それに、あの機体をほぼほぼ無傷で持ち帰ってくれるのは助かったぜ。これで鉄華団の経営も楽になる。」
「テッカダン?」
イオが首をひねると、
「新しい名前だ。CGSなんてカビ臭い名前を名乗るのは、しゃくにさわるからな。」
オルガがそう言う。
「テッカ………鉄の火か?」
煙草に火をつけ、オルガに問いかけると
「いや、鉄の華だ。」
「花?」
「ああ。決して枯れる事のない鉄の華。それが俺達、鉄華団だ。」
「へぇ、いいな。カッコいいじゃねぇか。文句なし、百点の名前だな。」
イオがそう言うと、
「団長の付けた名前に百点って、何様のつもりだお前は………。ま、お前らしくもあるが、」
と、ダリルが言う。
「それで、これからどうするんだ?団長。」
イオが聞くと、
「ああ、それはだな………。」
と、これからの経緯を話した。
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経緯をざっくり説明すると、
現在、CGSもとい鉄華団はギャラルホルンに堂々と喧嘩売っているため、新規の事業を立ち上げることは不可能。
これは、捕虜になったクランクもそう言っている。現在は脱退し、死亡扱いになっているため、一度死んだ身として協力してくれるとも言っていた。
そのため、現在引き受けている、クーデリアの地球送りに協力することになった。その為、宇宙へ出向くことに、
しかし、ギャラルホルンの正規ルートは使えない。その為、何処かの商会に道案内を頼むことになったのだが、
残った大人組の一人、長いものには巻かれるタイプの男、トドの幼馴染がやっているという、
トド曰く安心と信頼のオルクス商会頼ることに。
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そして、その当日、ソンネンとダリルは、ヒューマンデブリと言う、金で売買される類の人間だった者達、
そのリーダー格の、昭弘・アルトランドと、チャド・チャダーン。そして、システム周り担当のダンテ・モグロ、
CGS時代からの経理担当、デクスター・キュラスターと共に、一足先に空へ上がり、マルバの所有していた戦艦、
強襲装甲艦『ウィルオー・ザ・ウィスプ号』と、MS輸送艦『リバー・クイーン号』改め、『イサリビ』と『ホタルビ』
の名義変更のため、静止軌道ステーションに上がっていた。
そのため、二台のシャトルには残りの地球活きメンバーそして、鉄華団で雇ってもらう事になった給仕係、
三日月の彼女、アトラ・ミクスタで、宇宙へ上がることになっていた。
ちなみに、アトラが入団した時、イオが盛大に囃し立て、アトラは顔から火が出そうなほど顔が赤くなっていたのは余談である。
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そして、宇宙に上がる。
「へぇ、これが火星ねぇ。」
オルガの頭脳とも言っていい、参謀役のビスケットが取り仕切る二号艇では、宇宙から見る火星に、イオが驚いていた。
「うお!!マジだ!!カッケェ!!」
少年組も、窓にへばり付き、火星を眺める。その中に、成人しているイオがいるのは、中々にシュールである。
すると、外を見ていたソンネンが、
「おい、オルクスの船が見えるぞ。」
と、反対側の窓を見て行った。
「え?予定まで、まだだいぶ時間がありますが………、」
ビスケットがそんな言葉を言うと、イオは、急に窓から顔を離し、ポケットに手を突っ込んだまま、後ろへと歩いていく。
「アレ?イオさん何処に?」
「ア?小便だよ。」
そう言うと、扉を開けて、歩いて行った。
すると、
「光った。推進剤の光だ。」
「え?ホントだ。って、」
ビスケットたちが見たのは、ギャラルホルンのグレイズが六機と、色の違う機体が一機、向かってくるところだった。
「ギャラルホルンのモビルスーツ!?」
実はこれはトドの密告のせいでこうなっていたのだが、こちらで走る由もない。一方でもう一方の船はと言うと、
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トド・ミルコネンへ我々への協力に感謝する。
と言う通信が入って来たところだった。
「おい、協力ってのは、どういう了見だ?」
そこには、ニコニコと怖い笑みを浮かべたユージンとシノが、
ヒッ、と、トドは短い悲鳴を上げてから、タコ殴りの刑に処された。
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一方二つの船には一機ずつグレイズがワイヤーを放ち、連絡を入れていた。
『クーデリア・藍那・バーンスタインの身柄を差し出せ。』
そう、連絡が入って来た。すると、クーデリアが、
「私を差し出してください。」
と、躊躇なく言うが、
「いや、それは無しだ。」
そう言うと、通信機のスイッチを入れた。
「ミカ、そっちの準備はいいか?行くぞ。」
そう言い、鉄華団のロゴを入れたジャージのポケットに入れていたボタンのスイッチを押した。
「三日月?そう言えば………三日月がいない!!」
彼氏がいない事に今更ながら気が付いた彼女であった。
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一方二号艇でも、
「イオさん、準備は?行きますよ!!」
ビスケットがそう言い、同じくスイッチを押した。
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その瞬間。大量のスモークと共にシャトルの格納庫が開かれた。
二機のグレイズはバイザーを開き、メインカメラをむき出しにして中を見ようとするが、その瞬間、
一号艇に取りついていた奴には滑空砲が、二号艇に取りついていた機体にはレールガンが突き付けられた。
「何ッ!?」
「馬鹿な………!!」
二機が驚いている間に引き金が引かれ、機体が吹き飛んだ。
「ヘッ、ざまぁ無いぜ。」
パイロットスーツを身に着けたイオが、そう言う。二号艇にはアトラスガンダムが、一号艇にはバルバトスが控えていたのだ。
『イオ、で、どうするの?』
三日月が通信を入れる。
「ア?簡単だろ。こいつら全員、潰しゃぁ良いんだよ。」
『そうだね。分かった。』
「そこにためらいなくはいって言えるあたり、お前すげぇよ。」
そう言うと、盾を構え、飛び上がった。
バルバトスもそれに追従するように、滑空砲を構えて飛び上がる。
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MS部隊がつられている中、ウィリアムは、
「俺も出るよ?コーラル。いいよね?」
コーラルにそう問いかけていた。
「ああ。だが、」
「分かってる。死なない程度に加減するさ。」
そう言うと、コクピットのレバーを握った。
その背には、阿頼耶識が、
「ウィリアム・ニルバー。ガンダム・グラシャラボラス、楽しんでくるよ。」
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一方MS部隊が二機のMSに釣られて行ったのをオペレーターから聞いたオルクスは、
「よし、コーラルに恩を売るいい機会だな。よし、お前ら、あのシャトル二台を撃ち落とせ!!!」
と、命令する。
艦砲を一斉にシャトルに向けると。
「引導を渡してy」
と言いかけた所で、いきなり頭上から衝撃が訪れた。
「な、何だ!?」
その瞬間、二隻の戦艦と、その中央に陣取る、赤いMSが降りて来た。
背後には武装が山積みの大型ブースター、ガンダムタイプのツインアイとも、グレイズ系統のカメラ・アイとも違うモノアイ、
その盾には、『SUVYVOR D.L』の文字、そして、コクピットに流れるオールディーズ。
「迎えに来たぞ。大将。」
サイコ・ザクのパイロット、ダリル・ローレンツはそう言って、ニヤリと笑った。
「時間通り、いい仕事だぜ、ダリル。」
一方オルガも、それを見て、ニヤリと笑った。
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そして、シャトルを搬入させ、ブリッジに出るオルガ。
「状況は?」
周りのメンバーに聞くと、シノに抑えられた痣と青タンだらけのトドが、
「おい!!何でその船がここにいやがる!?静止軌道で合流のはずだろ!!」
と怒鳴るが、
「今までお前が、信用にたる働きをしたことがあるか?」
と一言。
「ゆ、許さねぇぞお前!!」
「それはこっちのセリフだ馬鹿野郎!!」
「ウグッ。」
と、トドの顔面にもう一発拳がめり込む。
「倉庫にでもぶち込んどけ!!」
オルガの止めの一言。トドは、連れ去られて行った。
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「団長、俺は二隻の直衛に付く。いいよな?」
「ああ、問題ねえ。けどよ、二隻を守りながら、アレをさばききれるのか?」
そこには、十機程のグレイズが向かってきていた。
「問題ない。」
そう言うと、片手にロングレンジライフルを構え、二本のサブアームにジャイアント・バズとザク・バズーカを持たせる。
そして、向かってくるグレイズの一機を捉えた。
「ロックオン。」
そう言うと、グレイズにライフルを一撃。しかし、MSのナノラミネートアーマーを、ライフルの弾丸では貫けない。
しかし、ダリルは急所を狙わなかった。体勢を崩し、そこにバズーカを放つ。
機体が吹き飛ぶとはいかない前も、損傷が広がったグレイズは退却した。
「行くぞ、サイコ・ザク!!」
そう言うと、飛び上がった。
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「オラオラどうした!!テメェ等その程度かよ!!」
ジャズが鳴り響く中、アトラスガンダムはすでに十機のグレイズを葬って来た。
「何だあの機体!?エイハヴ・ウェーブが無い!?」
「落ち着け!!見えてることは変わらない!!落ち着いて囲んで………ぎゃあ!!」
再び吹き飛ばされる敵機。すると、
「お前らは下がれ!!俺が何とかする!!」
と、ウィリアムとグラシャラボラスが現れた。
「ウィリアム一尉!!お前ら撤退だ!!巻き込まれたく無ければな!!」
グレイズ部隊を指揮していた隊長がそう言い、次々と機体が逃げて行く。
「お前………エースか?」
イオが問いかけると、
「ご名答。ウィリアム・ニルバーだ。覚えとけよ。」
そう言う。
「イオ・フレミングだ。」
「律儀に名乗ってくれるのかよ。ただ、」
シャラァッ、と背後にあった長く鋭利な尻尾から、棘の様な物が出現した。
「ッ!?」
咄嗟にイオが盾を構える。すると、身体をひねって飛ばされた棘が、イオに向かって飛んできた。
「何だそのピーキー過ぎる武装⁉」
そう言いながら盾で失せぐと、六本ほどの針が盾に突き刺さった。
「冗談だろ!?」
「生憎現実だよ!!」
今度はアトラスに飛び掛かり、イオが防御の為に突きだした盾を殴り、蹴りつける。
「ぐ、クソッ、」
「ほらほら、せっかくだし、もっと楽しませてくれよ!!」
「うるせぇ、ハンデだ!!」
そう言うと、イオはバーニアを吹かせた。
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次々とグレイズを葬っていた三日月とバルバトス。しかし、上に、意匠の違う機体が居る事に気が付いた。
グレイズとは違う形のバイザー、バックパックなどいたるところに増設されたバーニア、そして、右腕のランス。
三日月は知る由もないが、機動性重視型のグレイズの上位互換、シュヴァルヴェ・グレイズだ。
「全く、火星の奴らは無能だらけか?すでにグレイズを六機………見てくれよりは、出来る様だな!!」
そう言うと、突撃していった。
「ああ、無茶すんなって言ってんのに、まぁ、いいか。」
そう言うノエル。彼の乗るグレイズ・リッター先行量産型は、
「おっすガエリオ、加勢してやるぞ~。」
そう言うと、鎌を構えて向かって行った。
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「ガエリオ達は、あっちに食いついたか。」
モニターを見ながら、ガンダム・ラームのコクピットで、リーヴァルはそう呟いた。
「じゃぁ僕は、あの赤いのに食いつくとしよう。」
そう言うと、リーヴァルはサイコ・ザクへと飛翔した。
「ッ!?新手か⁉」
ダリルは武装を構える。
「君の実力、見せてもらうよ!!」
そう言うと、リーヴァルも両手で二丁拳銃を構えた。
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一方オルクスは、
「よし、あの赤いのが船から離れた!!」
そう言い、戦艦の速度を上げた。
「今度こそ!!引導をわたしてy」
再び、言おうとした瞬間、船に衝撃が訪れた。
「またか!!今度は何だ!?」
オルクスが怒鳴ると、そこに飛んできたのはMA形態のアミーだった。
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「全く、何でボクの相手はあのハゲデブワン?ウィリアム君と戦いたかったニャン。」
そう言いながら、オルクスの船に、ミサイルを十数発撃ったギンは、オルクスの船へ飛翔した。
すみません。もう一話続きます。