魔法科高校の「大賢者(嘘)」   作:ギャングスタ

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原作前2

「真夜。あの子供は信用できるの?」

「それはあなたの魔法の結果次第なところがあるわ」

「……あの子は、全く嘘をついていなかった。正常そのものよ。むしろあの魔法については魔法じゃなくて御伽噺にでも出てくる魔法そのものや、あえて言い方を変えるなら魔術と呼ばれるもの。私達が言う魔法とは別次元のもの」

「でしょうね。あの魔法はサイオンを感じないもの。まずはこちらの魔法を学ばせて、その上でこちらに取り入れられるものなら取り入れる。ダメならダメで、こちらで独占する。それだけよ」

「あれの解明に、随分とご執心ね?」

「その理由もわかるでしょう?たったあれだけの対価で引き入れられるなら、安いものだもの」

 

『魔法を使う道具の作り方、おしえてください!』

『私達がいつも使ってる魔法で大丈夫?』

『はい。どっちの魔法も使いたいです!』

 

「考えてもみて。東京からここまでの空を操る力(・・・・・)よ?聞く限り、戦略級魔法に匹敵する魔法もあるみたいだし、経過を見るべきだわ」

 

 

 

 

 それからボクの家は実家がある場所へ引っ越した。ボクの魔法を使える人は他にいないということで、他の人に知られたら誘拐されるかもしれないと、安全な場所に移ることになった。

 ボクは呪文が使えて、本家の人達も見たことない魔法ということで必死に勉強してくれた。ボクもドラクエの呪文を教えられて嬉しい。

 血を取るための注射は嫌だったけど、それ以外は嫌なこともされなかった。魔法を使うための道具、CADというものの勉強をお父さんがしてくれることになって、造りたいと思った。

 この機械から魔法が出るって凄い。どういう風にできてるのか知りたかった。

 

 あと、ボクの魔法適性がわかった。バギ・デイン・ベタン系統しか攻撃呪文は使えない。他のは全然発動しなかった。メドローア……。メドローアが使いたかったのに……。

 片手にメラ、片手にヒャド。それを合わせた極大消滅魔法。メドローア。メドローアが使いたかったのに、ボクには才能がないなんて……!

 あ、あと回復呪文と補助呪文は一通り使えた。真夜さんのお姉さんの深夜さんが体調悪いと言ってた時にベホマとリホイミ、シャナクやキアリー、キアリクなど片っ端から使ったら体調が良くなったみたい。

 桜井さんという人にも回復呪文を片っ端から使ったら体調が良くなったのだとか。ボクの呪文は今では主に回復呪文を研究してるんだって。

 

 ウンウン、回復呪文って必須だもんね。パーティーに一人は絶対必要だし、できたら控えにも回復役は欲しいもん。

 それから数年経って。ボクには一人の友達ができていた。司波達也くん。深夜さんの息子なんだって。

 そんな達也くんと良く喧嘩する。八歳になった時にしたその内容は。

 

「造って造って造ってえ!特化型CADぃ!」

「いや、特化型である必要があるか?これ、ただの基礎単一魔法の振動魔法だぞ?」

「これしか使えないからいいんだよぉ!汎用型みたいなものじゃなくて、これしか使えないCADがいいの!」

「……理由は?」

「だってボク達の練習用なら、魔法が一つくらいの方がいいでしょ?セーフティーいっぱいつけて、安全なCADのプログラミングなんてボクにはできないもん!」

「ああ、子供用ってことか。なるほど。だがこれは真夜様に聞いてみないと。形はこれでいいのか?」

 

 あ、折れてくれた。やったね!

 達也くんが見せてくる紙にはボクが描いた絵が。そこには水色の代表的なアイツの全身が描かれている。ボクに絵心があって良かった。

 

「うん、スライム!ピンクの色がスライムベスで、銀色のがメタルスライムね!スライムごとに違う魔法を込めれば、きっと街中スライムだらけだよぉ!」

「それが狙いか。しかし、子供用の練習用CADは確かに少ない。これをFLT(フォアリーブステクノロジー)で出すんだな?」

「ボク、プログラミングは全然だから。お父さんもお母さんも、達也くんに見せてみなさいって」

「起動式の概要しか書いてないじゃないか。しかもその概要すら全然足りない」

 

 そう言われても。ボクはプログラミングなんて素人だし。

 そこにある部品を組み立ててCADにしたり、中の部品を変えるだけならできるけど、パソコンを弄って内容の書き換えなんてボクにはできない。

 何で達也くんにはできるんだろう?頭いいなあ。

 

「企画書として不適合だな。それに出すなら八系統、つまり八種あった方がいい。十六はいらないな」

「キングスライムにもする?それかももんじゃ?」

「ももんじゃ……?」

「デザイン案だけならあるんだ!それにキーホルダーくらいの大きさならもう造ってあるよ!ほら!」

「ほぼ完品があって、そのくせ駄々こねていたのか」

 

 達也くんの目線が冷たい。いつもはあまり感情を表に出さないくーるな子なのに。

 達也くんみたいな子をくーると言うらしい。新、覚えた。

 ボクが取り出したのは水色のスライム型CAD。中に感応石も入れてあるから、プログラムが入っていないだけ。

 

「できてないよ。これ外側だけだから」

「プログラムを作ればいいんだな?」

「うん、真夜様は好きにしなさいって。できたら物があった方がいいでしょ?」

「それはそうだな」

 

 達也くんがプログラムを作っている間に、ボクは別の部屋でキングスライムの金型を作っていた。お父さん達がくれる色々な道具があるから、金型を作るだけなら簡単。

 3Dプリンターって便利だよね。絵を描いて、それがそのまま出来上がるんだから。

 そうしてボク達が作ったスライム型特化型CADは子供用の安心安全CADとして売り出されるようになった。

 街にスライムが溢れるようになってとても嬉しい。

 そんな感じでボクは達也くんと遊びの延長線上でCADを造っていた。それがたまに商品になるのは嬉しかった。造っていく中でボクもプログラミングを勉強していったけど、あんなことを幼少期からやっていた達也くんすごいぃ……ってなった。

 それから達也くんはその腕を買われて有名なCAD製作者「トーラス・シルバー」として名前を売り出していった。

 

 ボク?

 ボクのCADは子供向けだからね。有名にはならないよ。技術力も大したことないし。

 それと真夜様としては、ボクの知識を他にも知っている人がいないか確認するための布石だったんだって。結局そんな人、現れなかったんだけど。

 あと、ボクと同じくドラクエの呪文を使える人は現れなかった。そんなぁ。

 ボクがドラクエの話を楽しくできる相手は真夜様しかいない。真夜様は楽しそうに聞いてくれるけど、他の人は見たことも聞いたこともないから興味なさそう。

 

 四葉関係の研究者は呪文にしか興味ないんだもん。真夜様みたいにドラクエに興味持ってくれないし。それがつまらない。

 達也くんも興味ないんだよね。両親は仕事が忙しそうで最近そういう話はできていない。

 でもボクの呪文についても結構わかってきたことがあって、似たような再現はできるようになったみたい。キアリーと同じ効能の薬はできたんだって。どくけしそうかな?

 医療関係には転用できたって喜んでた。ベホイミくらいなら魔法でも再現できるんだとか。ボクがとにかく使って、怪我の治り方とかからそれを再現するために魔法を作っていったらできたとかなんとか。

 

 お父さん達はその魔法が使えるようなCADの開発で忙しいんだって。お父さん達とはちゃんとご飯食べたりしてるし、四葉の本家には使用人さんとか達也くんとかいるから全然辛くないけど。

 そういえばボク、達也くんの妹さんには会ってないなあ。同い年の年子らしいけど。達也くんが本家でも端の方で仕事してて、ボクがそこに入り浸ってるからかな?

 その妹の深雪ちゃんってとっても可愛くて、魔法がすごく使えて、勉強もスポーツもできて、真夜様の後継者の一人なんだって。

 すごいなあ、その深雪ちゃん。

 

 ボクなんてちょっと強い魔法を使うとしたら、四葉の管理地じゃないとダメなんだもん。

 まあ、ギガデインを使って山火事起こしかけたボクが悪いんだけどさ。

 あの時初めて真夜様に怒られた。急いで消化活動をしたけど、あの時ほどヒャドが使えなかったことを悔やんだことはないよ。特技も一切使えないから、水でっぽうも使えなかったし。

 両親にも怒られたことはなかったけど、初めて怒られたのは真夜様だった。怒らせると怖い人だと思った。

 だからこれ以降、ボクは真夜様を怒らせないように心掛けた。

 この話を達也くんにしたら呆れられたけど。

 

 




 1995年から変化した世界らしいですが、ドラクエは存在しなかったということで。
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