魔法科高校の「大賢者(嘘)」   作:ギャングスタ

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※ちょっと修正しました。(2021/01/05)


原作前4

 ボクの名前は相田新、十二歳。ドラクエの呪文を結構な数使える中学一年生(通信教育)。そんなボクだけど、この六月。婚約者ができました。

 中条あずさちゃん。背が小さくて可愛い。CADについてとっても知識がある、魔法実技もナンバーズじゃないにしては凄いのだとか。

 とはいえ、この婚約は今のところ相田家のみの話だ。中条家ともきちんと話さないといけないし、本家の四葉にも知らせなくちゃいけない。

 そういうわけで真夜様にご挨拶に行ったんだけど。

 

「新さん、よくやりました。彼女、中条あずささんをこちらに引き込めたのはとても大きなことです」

「え?そこまでですか?確かに達也くんの模倣はできていましたけど、デッドコピーですよ?」

「その技術力もそうだけど。彼女は広範囲精神干渉魔法『梓弓』を得意魔法としている子だったの。四葉でも研究している精神干渉魔法。希少な使い手な上、魔工師としての才能もあるんだもの。これ以上ない相手よ」

 

 さすが真夜様。黒羽貢さんが調べ上げたのかな?確か四葉の諜報関係を取り仕切ってるんだって。

 スパイ部隊ってことでしょ?カッコいいなあ。スパイごっことかには憧れる。ボクもステルスの呪文が使えればなあ。

 でもあずさちゃんにそんな才能があったなんて。人は見た目によらないんだなあ。

 

「あなたに上がっている婚約、四葉として認めます。FLTには好きに出入りさせて構わないし、もし彼女が精神干渉魔法を磨きたいとなれば、本家で手厚くもてなしましょう。それと、あなた方が元四十田(あいだ)家の人間で、バックに四葉がいることは伝えていいわ」

「いいんですか?」

「ただし、達也さんとの関係はFLTで知り合ったことにすること。これは達也さんにも徹底させます。シルバーであることも隠しなさい」

「はい。あ、ボクがドラクエシリーズの責任者ってことと、呪文についてはどの辺りまで話しちゃっていいですか?」

「そうねえ……。結婚する相手なんだから、話していいわよ?ただし、バギムーチョ(・・・・・・)ジコデイン(・・・・・)、あとベホマズン(・・・・・)が使えることは隠して欲しいわ。ベホマはまあ、いいでしょう。それ以外の呪文も。極力人目に付くことはしないことは変わらずね」

「わかりました」

 

 要するに最強呪文と最強回復呪文はダメってだけ。そもそも四葉の監視圏内以外で許可がなければ呪文を使うなって言われてるからね。それは守るよ。

 この呪文が使えるのは今のところボクだけ。目立ったらボクが狙われてしまうっていう話もわかってる。

 だって、ねえ?ボクのその最強呪文、世界に十人くらいしかいない使徒?とかいう人たちの使う戦略級魔法と同規模のものなんだって。

 魔王とか竜王、それに大魔王や破壊神が現れたらどうなっちゃうんだろう?ボク程度でこれなのに。

 そういうわけで四葉家監修の元、中条家との婚約に関する書類を持っていき。

 六月末。中条あずさちゃんとの婚約が成立した。

 

 

「新。紹介する、俺の妹の深雪だ」

「初めまして、相田さん。司波深雪です。お兄様とご友人とのことで。ご挨拶が遅くなり申し訳ありません」

 

 八月の終わり。四葉本家に来ていたボクは、達也くんの紹介で深雪ちゃんと会っていた。

 艶やかな黒髪と、深夜さんに似た可愛らしい似姿。絶世の美少女がそこにいた。達也くんが妹可愛いって言ってたけど、身贔屓じゃなかったんだね。

 魔法師って皆美形だし、四葉の魔法師は特にそのきらいがあるから、納得だけど。当主の真夜様がとても綺麗な方だし。

 

「初めまして、深雪ちゃん。うんうん、美人さんだねえ」

「深雪、ちゃん?」

「深雪。新はこういう奴だ。婚約者すらちゃん付けするような奴だからな」

「婚約者、ですか」

 

 あれ?ちゃん付けダメだったかな?ボク基本的に女の子はちゃん付けするんだけど。

 深雪ちゃんはあまりボクのこと知らないのかな。

 

「嫌ならやめるよ?」

「あ、いいえ。大丈夫です。あのドラクエシリーズの制作者だと聞いていたので、どんな方だろうと身構えてしまっただけで」

「あれを見ればなんとなく想像ついただろう?俺たちと同い年だと伝えていたんだから」

「そうですね。でも、その白い髪と碧眼は珍しいかと」

「あー、これ?欧州の方のご先祖さまが一人いてね。ボクはその先祖還りだったのか、こういう目立つ色になっちゃって」

 

 テリーという人が家系図にいた。その人はもともと日本に入り込んだスパイだったみたいなんだけど、その人の奧さんにベタ惚れ。日本に帰化したみたいなんだけど、スパイだったってことで数字付きから没落しちゃったとかなんとか。

 本当の意味での没落は大漢っていう国を滅ぼしたかららしいけど。

 テリー、ねえ。白髪で蒼い目って、剣士かモンスターマスターを思い出すけど。実際ボクの顔は幼いテリーみたいにも見える。結構童顔なんだよね。外人の血が濃いはずなのに、結構年下に見られることも。

 

「本当にお兄様と同い年ですか?」

「達也くんと比べないでよぉ!身長もまだまだだし、達也くんは年齢不相応に大人びてるんだもん!というか、達也くんがガーディアンとしてがっしりしすぎなだけでしょ?ボクは身体鍛えてないし」

「いや、新は見た目もそうだが、内面も幼いだろう」

 

 そんな……。ボク、中学生になる前だったけど、二回目の人生なのに。

 同い年の達也くんに幼いって言われるのはショック。

 

「まあ、身長はこれからだろう。新は無理な調整がされているわけではないんだから、これからが成長期だ。内面は……学校に通うべきだったか?」

「何それ?社交性がないって言ってる?」

「関わる人間は割と大人が多かったと記憶しているが。ああ、逆か。甘やかされた結果そうなったのか」

「……否定できない」

 

 ボクはかなり甘やかされて育てられたと思う。両親は優しいし、達也くんたちの母親の深夜さんも、真夜様も優しい。真夜様を優しいと思っているのは分家の中でもボクくらいなのだとか。

 ボクの呪文が珍しいからか、とても丁寧に扱われるし、頼み事は大抵叶えてくれる。うん、とても甘やかされてるね。

 

「ボクのことは後。そういえば達也くん、沖縄旅行は大変だったんだって?皆無事だったのは良かったけど」

「ああ。穂波さんはまだ入院しているが、新が呪文を使ってくれたと聞く。もうすぐで退院できるそうだ」

「それは良かった」

 

 そう、達也くんたちと会っている主な理由は、旅行に行ったら大亜連合がふっかけてきた戦争に巻き込まれたからだ。全員無事なことは良かったけど、穂波さんだけ魔法の使いすぎで体調不良になっちゃったんだよね。

 ボクもお見舞いに行って、ベホマとシャナク、あとマホヤルを使って、身体の疲労が取れれば退院できるんだって。

 回復呪文も精神的負担や疲労はどうにかできないんだよね。残念。

 

「達也くんが軍人になったとか聞いたけど?大丈夫なの?」

「ああ。戦略級魔法を使ってな。所属せざるを得なかった」

「え?達也くん、そんなの使えたの?」

「専用のCADを使えば、だ。普段は無理だな」

 

 えー。じゃあ達也くん十なん使徒とかになっちゃうの?ニュースでそんなこと発表されていなかったけどなあ。

 日本には一人だけ戦略級魔法師がいるけど、達也くんが二人目になるんだろうか。

 

「お前の懸念していることにはならない。俺は非公式戦略級魔法師だ。よっぽどのことがなければ公表されない」

「そうなの?達也くんって精神干渉魔法使えたっけ?」

「お前の考えていることなんて、顔を見ればわかる」

 

 深雪ちゃんにも頷かれてしまった。そんなにわかりやすいかな?

 まあ、無事だってわかればいいや。大事ないみたいだし。

 

「達也くんと深雪ちゃん。今夜って時間ある?」

「ああ、あるぞ。深雪も大丈夫か?」

「はい、お兄様。特に用事はございません」

「じゃあ、今日は夜のお散歩ね」

「お散歩?どこかに行かれるのですか?」

「うん。後でのお楽しみ」

 

 

 夜。ボクたちは庭に出ていた。使用人の皆さんにはちょっと出かけてくることは伝えてある。

 達也くんも深雪ちゃんも、夏の夜に暑くない格好をして出てきてくれた。

 

「それで、どちらに行かれるのですか?」

「星空見に行こうよ。きっと楽しいよ」

「星空?えっと、どこかの展望台や、山の上に行ったりということですか?今から……?」

「新。深雪が混乱している。説明してやれ」

「それじゃあ達也くん。深雪ちゃんのことしっかり抱きかかえててね?制御は問題ないけど、二人纏めてってなると初めてだから」

「中条さんにもしたんだろう?」

「あずちゃんはボクが抱えたから。一緒に飛び回ったから、やり方はちょっと違うかな?」

 

 確認が終わると、達也くんは深雪ちゃんをお姫様抱っこする。凄いなあ、ボクはあんなことあずちゃんにできないや。あれはしっかり鍛えた身体の達也くんだからこそ。

 ボクはあずちゃんと手を繋いでやったからなあ。

 深雪ちゃん、いきなりのことで顔が真っ赤になってる。可愛い。

 

「お、お兄様!?」

「深雪、ちょっとだけ我慢してくれ」

「ごめんね、深雪ちゃん。スカートはちょっと危ないから、硬化魔法で固定するよ」

 

 ボクの大好きドラクエシリーズの汎用型CAD、はぐれメタルキングを用いて、深雪ちゃんのスカートが風でめくれないようにする。

 

「トベルーラ」

「え……?まさか、常駐型飛行術式!?」

「ああ、違うよ深雪。あれが新の呪文だ。魔法じゃない、埒外の異能」

 

 ボクがちょっと浮いたことで、二人にも呪文をかける。

 

「バギ」

 

 二人が竜巻に乗る。そのまま上昇を続けていく。雲の上、飛行機よりも上の空。

 そこは夏空に相応しい満点の星空。月も星も、地上で見るよりもとても輝いている。

 せっかくの呪文なんだから、これくらいしてもいいよね?

 

「ああ、凄い……!夜空が、こんなにも近いなんて!」

「喜んでくれて良かった。これがボクの秘密かな。達也くんとあずちゃん以外に連れてきたことはないから、深雪ちゃんが三人目だね」

 

 バギで浮いてるからトベルーラみたいに自由じゃないけど、それでもある程度は空中散歩ができる。深雪ちゃんは達也くんにしっかり捕まりながら、やっぱり頬は赤いまま空を楽しんでいた。

 そういう子なのかな?

 それから一通り空を楽しんだら、地上に戻る。夜遅くまで外にいるのはダメだからね。

 

「新さん、今日はありがとうございました」

「ううん。これからも達也くん共々、仲良くしようね」

「はい!いつかまた、今日のようなことをお願いしても?」

「もちろん。真夜様からも、深雪ちゃんには呪文をいっぱい見せるようにって言われてるし」

「真夜叔母様から?」

「うん。今回危ない目に遭ったし、こういう危険もあるって覚えさせて、だったかな。ボクの呪文はボクだけのものじゃないかもしれないからって」

「そうですか」

 

 世界は広いからね。どこかにはボクのようにドラクエを知ってる人がいるかもしれない。

 だから警戒して欲しいんだろうなあ。ボクがいるってことは、可能性があるってことだろうから。

 




深雪は原作通りお兄様ラブですよ?
その辺りの恋愛模様は基本弄らない予定です。
あーちゃんは許して。
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