GBNに初心者猿がinしたおwww   作:胡椒こしょこしょ

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乗り心地は、乗ってみなければ分からない。

あれから数週間。

度々ブリットと待ち合わせしたリアが居る店。

今回はタカネに呼び出されたのだ。

なんでも、エピオンパックが完成したと。

 

俺の前の机には一つのガンプラが大地に立っているかの如く鎮座していた。

他所から見るとバックパックの付いていないG-セルフ。

しかし、実際にはイージスガンダムの上にG-セルフの装甲を張り付けた機体。

右手にはイージスが持つ60mm高エネルギービームライフル。

左手にはトワサンガ製シールドを持っている。

名づけるのであれば....G-イージス。

俺の新しい機体。

 

「いやー、タカネよりも早く出来上がっていてよかったな相棒!」

 

「あれだけ...一緒に頑張ったもん。...た、楽しみ......。」

 

右横の席でレモネードを飲みながらそう言ってくるブリット。

そして肩に座っているリアも俺のプラモが完成する瞬間を楽しみにしていた。

思えばこの機体を創るのに、長く険しい道と言っても過言ではなかった。

実質ビルダー初心者である俺が手助けがあれどここまで持ってこれたのだ。

ブリットの指導がなければ完成することはなかっただろう。

....やっぱコイツガンプラに乗っけない方が良いのでは?

それにしても.....タカネ、遅いなぁ。

 

そう思っていると、店のドアが開き、タカネが入ってくる。

 

「お~い!!」

 

ブリットは大きな声を上げて手を振る。

すると、タカネはそれに目を向けるとこちらに歩いてきた。

左手には重厚なケースを持っていた。

 

「遅くなって申し訳ありませんわ。少し野暮用がございまして。」

 

「いや、別に誰も気にしてねぇよ。コーヒーでも頼んで来ればどうだ?」

 

俺が言うと、彼女は首を振る。

 

「私、すべきことは早めに終わらせたい性分ですの。まずは本題に入りましょう。」

 

そう言ってケースを地面に置いて開けると、そこから例のブツを取り出した。

それは有機的にも見える赤と黒の翼の様なバックパック。

エピオンの背についている鮮血の様な色をした翼。

そのバックパックには有線でビームソードが接続されている。

 

「中々の完成度だな.....。」

 

「スクラッチ部分も多くてかなり骨が折れましたわ。これで問題なくて?」

 

タカネが聞いてくるので、俺は首を猛烈に縦に振った。

 

「あぁ....寧ろ充分すぎるくらいだ。つけてみるぞ。」

 

G-イージスの背の接合部にくっつけようとする。

すると元はG-セルフのバックパックだけあってすんなりとくっつく。

ライフルを外して、ビームソードを持たせる。

....ライフル付けるところがないな。

 

「中々派手じゃねぇか....良いんじゃねぇか!相棒!!」

 

ブリットはまるで嘗め回すかのように首を動かしながらG-イージスエピオンパックを眺める。

すると、タカネがしっかりと頷いた。

 

「私が作っただけあって中々の完成度のバックパックですわ!!」

 

「本体には言及しないのかよ....。」

 

俺が呆れ顔で聞くと、彼女はしれっと答える。

 

「だってそこ私が作ったわけではありませんもの。ぶっちゃけ自分の機体でもないからどうでもいいですわ。」

 

「嘘だろお前....、自分が作ったバックパックが付くんだから、少しは気になるもんだろ.....」

 

「ふふっ、ジョークですわ。」

 

俺がそう言うとタカネは口元に手を当てて笑う。

どうやら冗談のつもりだったらしい。

人間性を疑う時が度々あるので一瞬マジかと思ったわ。

 

しかし、俺から見ても確かにバックパックが良く出来ている。

だけどなんだろう。

....これ、G-セルフにエピオンの羽は合っているのだろうか?

なんというかうん。

カッコいいとかいう前に派手という感想が出る。

 

そう言えばリアはどうなんだろう。

横を見ると。

 

「はぁぁぁ.....。」

 

目を輝かせていた。

....どうやら彼女はお気に召した様子だ。

 

「え、あっ...そ、その凄く...カッコいい!」

 

「そ、そうか?ありがとう....。」

 

彼女は俺が見ていることに気づくと、目をキラキラさせたまま俺にそう言ってくる。

なるほど、彼女はこういうのが好きなのか。

そう思っていると、彼女は二の句を継ぐ。

 

「機体も....喜んでる。」

 

そういえば初めて会った時も機体の声が聞こえる的なこと言っていたのを思い出す。

当時はただの不思議ちゃんと思っていたが....、彼女はエルダイバーなる存在。

GBNから生まれた存在なら機体の声も本当に聞こえていたのだろうか。

そう物思いに耽っていると、ブリットが立ち上がる。

 

「それなら取り敢えずGBNにログインしようぜ!新しく出来上がったなら使わなきゃ損だって!」

 

ブリットがそう言うと、タカネも同意する。

 

「私もその言葉に賛成ですわ。」

 

「うん....私も、それが早く動いてるの、...見たい!」

 

半ば欲しい物を前にした小学生並みに目を輝かせているリア。

まぁ、確かに俺もせっかくみんなで作った新しい機体。

使ってみたい。

 

「まぁそうだな。」

 

こうして俺は思考を一旦打ち切って、GBNの筐体に向かう為にも席を立った。

 

 

 

 

 

 

「あのさぁ....俺今日初乗りだよ?単騎でミッションやらせるとかお前.....」

 

コックピットの中。

一人ぼやく。

現在はG-イージスに乗ってバトルエリアへと向かっている。

GBNにログインした後、すぐに機体テストするなら戦闘のクエストを一人で受けてみるように言われたのだ。

なんでも他の人が助けると、性能を最大限出し切れない恐れがあるとか。

 

『NPC戦なんて私やりたくありませんわ。どうせNPCですもの。さっさと倒して戻ってらっしゃい。』

 

『相棒が無双するとこ、期待してるぜ!』

 

『頑張れ.....っ!!』

 

他のフォースメンバーは口々に観戦モードの状態で俺に声を掛けた。

未来の報酬という名前のクエストを受けており、どうやらエネミーは2体だけらしい。

正直、この時点で嫌な予感はしている。

たった2体しか敵がいない。

この時点で、その敵がそこそこ強そうな予感がしてきたのだ。

 

すると、クエストのポイントに辿り着く。

これは....原っぱ?

機体がそこに着陸したその瞬間、アラートが警鐘を鳴らす。

見ると凄い速さで2機のMSが迫ってきているのだ。

 

「...どんな機体だ。」

 

目を凝らすと、そこには紫の槍を持った、下半身が馬のようになっている機体と二本の斧を持った黒い機体が地面を滑るかのようにして、こちらに向かってきている。

キマリストルーパーとグレイズアインか...。

鉄血のオルフェンズの機体である。

鉄血の機体はナノラミネートアーマーの効果で生半可なビーム兵器ならはじけたはずだ。

ビームソードの火力ならいけるだろうか?

 

もっとも確実なのはバルカンによる掃射で削り切る。

もしくは装甲の継ぎ目には塗料が塗られていないからこそ、そこに突き立てるか。

どちらにしても、片手間でやってやる義理はない!

 

 

こちらもスラスターを吹かして相手に肉迫する。

するとトルーパーは槍からマシンガンを掃射する。

横に移動して避けると、さらにスピードを上げて接近しようとするグレイズアイン。

 

頭部バルカンを掃射するが、まるで生き物のような動きでバルカンを掻い潜っていく。

流石は阿頼耶識機体。

この程度じゃ捉えられないか....!

 

歯噛みしつつも、次は肉迫する。

すると目の前でアインがぐにゃりと首を動かす。

 

『クランク二尉!やりましたよ!!俺は貴方の意思を継ぐ!!』

 

「クランクニーってなんだよ?新手のオ〇ニーか?」

 

そう叫んで斧を振りかぶったアイン。

そんな彼の言葉を茶化しながら、ビームソードを起動。

防ぐ。

 

すると計器のアラートが鳴る。

見ると、トルーパーは後ろに回っているようだ。

 

「NPCが、....挟撃とはやるじゃないか。なら!!」

 

アインがもう片方の腕を振り上げた瞬間に、ホーミングダッシュでタックル!!

衝突されて姿勢を崩すアイン。

密着する機体。

そのままバルカンを掃射する。

 

頭部のバルカンは相手の頭部に当たり続け、遂に相手のメインカメラが壊れる。

しかし、相手もそれで終わるはずもなく俺の機体の左腕を掴む。

するとゴリゴリと音を立てると同時にアラートが鳴り響く。

 

「左腕を削ってる....新車に傷つけてんじゃねぇよ。トゥ!ヘア!!!」

 

蹴りを相手の機体の土手っ腹に叩き込む。

しかし、それでは動じず相手の肩の辺りからマシンガンが顔を出す。

そして首を動かすようにして銃口をこちらに向けた。

 

そして背後では遂にキマリスがこちらに突っ込んできている。

このままでは貫かれてしまうだろう。

この状況をなんとかする手段は....。

 

そう思って武装欄を見ると、ある事を思い付いた。

これなら.....

 

「ビームソードの出力増加!」

 

『お前がクランク二尉を!!っ、なにっ!?』

 

相手は驚いた声を上げる。

それもそのはず、ビームソードの出力が上昇したことで肥大化。

斧を防ぐどころか、斧ごと腕を切断した。

それに、機体が赤く輝いているのだ。

 

「これは....光るのか、この機体。いや、そんなことよりも!」

 

背後を振り返る。

すると、もう既に目と鼻の先までトルーパーが近づいて来ていた。

だからこそ、武装欄を回して望みの物に合わせる。

付けた覚えがないが、これがG-セルフならば当然あるもの。

 

『取ったぞ!....うぐぁ!動きが.....』

 

NPCの癖に勝ちを確信したような声を上げるトルーパー。

だが、目の前のG-イージスの体から残像のような物が飛び出してくると、それが機体に振れた瞬間、スタンした。

これが付けた覚えの無い武装、フォトン・アタック。

G-セルフのフォトン装甲による攻撃。

 

「NPCがぁ!!プレイヤーに勝てるわけ、ないでしょうがぁ!!!」

 

そう言って上空へと跳び上がる。

そして全エネルギーをビームソードへと回す。

それをそのまま振り下ろした。

 

肩にかけてビームソードが差し込まれる。

ビームソードは肩と胴体の装甲の間に滑り込み、フレーム自体を焼いていく。

そしてしばらくそのままにすると機体が段々と赤熱化していく。

これで充分か。

そう思ってエネルギー供給を減少させて刃渡りを元に戻す。

 

『カルタ...マクギリス.....俺は、こんな所で.......』

 

その言葉のまま爆散するトルーパー。

振り返るとその光景を収めて、アインが震えている。

これは怯え....ではないだろう。

原作を知っているなら、当然怒りの震えだと分かる。

 

『貴様、クランク二尉だけでなく、ボードウィン特務三佐まで....これほどまでに、罪を......お前の罪は加速する!!俺が、裁く!!!』

 

「原作再現要素に付き合ってやるつもりはない。...タカネにもさっさと戻れと言われてるしな。」

 

アインは片腕で斧を持ち、こちらに肉迫しようとする。

肩から掃射される弾丸。

しかし、避けることはしない。

銃弾が機体へと届く。

しかし、ダメージは少ない。

装甲自体が衝撃を吸収しているようだ。

TP装甲。

自分がブリットに助けてもらいながら、作った装甲が有効に働いていた。

エネルギーに目を向けると、フォトン装甲から随時供給されるからか、大して減少もしていない。

ビームソードにエネルギーを回したにも関わらずだ。

 

「なんて燃費の良さだ....イージスの時とは雲泥の差だ。」

 

思わずそれに感嘆の声を上げる。

もういちいちエネルギーを気にする必要もないのだ。

俺達のビルドは安定した運用を可能とした。

 

突っ込んでくる敵に対して飛び上がる。

相手のメインカメラは潰した。

阿頼耶識だからこそ、俺を察知するかもしれない。

しかしその前に!!

 

左手を確認すると、まだぎこちないが動く。

ならば!!

 

盾を手放して、ビームサーベルを襟元から出す。

そしてそのまま相手に向かってスラスターを吹かしてホーミングダッシュ。

距離を一気に詰める。

 

『この....罪深き子供!!』

 

人違いと言える叫びをあげてアインも腕を振りかざす。

 

そして交錯する二つの機影。

二人は、背中合わせにその場で残心している。

しかし、その直後にグレイズアインは崩れ落ちた。

 

「その機動は厄介だが、....俺の方がずっと速い。」

 

そう言うと、目の前に<Mission Clear !>の文字が表示される。

すると、通信が入ってきた。

 

『やったな相棒!マジでつえぇじゃん!!!』

 

『流石私の手掛けたバックパック。目を見張るものがありましたわね!』

 

『凄い....とても、カッコよかったよ!ダイキ!!!』

 

「お、おう....てかアンタまたバックパックのこと言ってんのかよ。」

 

褒めてくるフォースメンバー。

それに照れつつも、タカネに対して呆れ笑いを浮かべる。

しかし、それでも自分も確信した。

この機体、強い。

エネルギー効率においても一つ一つの火力においてもイージスから進化している。

 

「あそこまで苦労したけど....でも、よかったな。」

 

自分が頑張って作った機体が強い。

それだけで報われる気持ちだった。

 

『それで、ミッションも終わったことだし早く戻りなさって?私対人がしたくて堪りませんわ!!!』

 

「はいはい。どんだけバトルジャンキーなんだよお前....。」

 

タカネが待ちきれないと言った様子で帰るように促す。

コイツ戦闘狂の癖に、他人に対してシャゲダンかましたりするしなぁ。

交戦的なマナーの悪いプレイヤーなんて質が悪いにも程がある。

そう呆れながらも、戻ろうとしたその瞬間。

 

けたたましい程のアラーム。

なんだ!?

 

困惑していると、目の前にあるウィンドウが表示されていた。

 

「救難....信号......?」

 

場所はちょうど近くの森林エリア。

それが戦いを終えた俺の目の前で鳴り響いているのだった。

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