GBNに初心者猿がinしたおwww   作:胡椒こしょこしょ

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みんなが居たから

GBN内、エントランスでタカネとブリット、リアが観戦モードでサクランの様子を見ている。

 

『救難信号だとよ。どうする?』

 

「私は帰ってこいと言いましたわ。早くもどってらっしゃい。」

 

サクランがそう言うと、タカネが即答する。

するとリアが口を開く。

 

「で、でも...その人は誰かに助けてほしいと思って信号を出している。だったら助けに行こうよ!も、もしかしたら誰か既に行っているかもしれないけど....でも、行ってないかもしれないから!」

 

するとリアの言葉を聞いてタカネは二の句を継ぐ。

 

「私もそう思いますわ。無視しろだなんて...恥を知りなさい!ブリット。」

 

「え?俺?....おう!すまねぇ!」

 

ブリットはタカネに発言を擦り付けられたことに困惑しつつも、ただ謝罪した。

そんな彼らの様子に呆れた声を出すサクラン。

 

『漫才やってんじゃねぇよ.....、とにかくリアが言うように救難信号の所に行くってことで良いな。』

 

「私も言ってましたわ。付け加えなさい。」

 

タカネがここぞとばかりにリアの発言に乗っかる。

 

『....とにかく行くぞ。』

 

幾分かの沈黙の後に彼は救難信号の場所へと向かう。

リアはその沈黙の間にサクランが画面越しにジト目しているように思えた。

 

「だぁぁぁ~、うるせぇ!!!ビービービービーよぉ!!!」

 

「お前が通知切ってないのが悪いんじゃんwww」

 

そうして話している間に背後で男二人が話しているのが聞こえる。

 

「えっと....あの人達は何の話をしてるの?」

 

彼らの声が結構大きく、リアは少しびくっとしながらも内容が気になり、タカネに聞く。

するとタカネはメニューを開いて溜息を吐いた。

 

「アレですわ。初心者狩りとかそういう行動がどこかであった時に全プレイヤーになるアラームですわ。まぁ物好きでそういう初心者を助けようとか思っている志の高い方々以外は普通通知切りますわね。私も切ってますわ。リアさんは....設定された時に切ったのではなくて?」

 

タカネが言うと、彼女はメニューを見る。

 

「本当だ。切れてる.....。多分設定全部やってもらったからその時に切られたのかなぁ。」

 

彼女が言うとタカネは口を開いた。

 

「まぁリアさんは行っちゃいそうですものね。正直、そこまで実力に自信がないのであればあまり関わるのはお勧めしませんわ。助けに行って自分も狩られたら世話ないですもの。」

 

「....まっ、そういう行為があること自体がなんだかなぁと思うけどな。」

 

ブリットはどこか考え込んだ顔をする。

そんな彼を見て、タカネが口を開いた。

 

「そうですわね。...それにしても貴方もそういうこと言えるのですね。」

 

「...今のは流石に少し失礼だって俺にも分かるぞ。」

 

今度はブリットがジト目でタカネを見る。

するとタカネが口元に手を当てて面白そうに笑っている。

 

「冗談ですわ。」

 

「本当かぁ....?」

 

そんな彼女に懐疑的な目を向けるブリット。

そんな中、リアはずっと観戦モードでサクランの機体を見ているのだった。

 

 

 

 

「...地点的にここか。ん?アレって?」

 

救難信号が出た所までG-イージスを飛ばしていると、ある光景が目に入る。

それは赤い大型機体、ヤークトアルケーがほぼ全壊一歩手前のブラストインパルスを掴んでいた。

 

『出した!!出しました!!だから.....やめてくださいっ!!』

 

悲痛に叫ぶブラストインパルスのパイロット。

すると、アルケーのパイロットだろうか。

男の声でそのインパルスのパイロットに言った。

 

『撒き餌役ご苦労さん。ほら、解放してやるよ。』

 

そう言うとインパルスを手放した。

撒き餌役。

その響きに嫌な予感がしてくる。

様子的にアレは戦いの跡?

しかしだとすれば嫌な予感がしてくる。

 

『ごめんなさい....巻き込んでしまって....ごめんなさい.....』

 

『やっぱテメェ目障りだわ。死ねェや!!』

 

謝ってくるインパルスのパイロット。

するとそのままヤルケーはブレイドで飛ぶのがやっとなブラストインパルスに剣を突き刺した。

 

「なんだアレ....あれが救難信号の現場?」

 

サクランが呟くと、計器からアラートが鳴る。

背後!?

機体の後ろを確認すると、どこからともなくビームが放たれていた。

 

「なんなんだ!!」

 

上空に飛行する。

するとその瞬間、目の前のヤルケーのパイロットが叫ぶ。

 

『テメェは俺を楽しませてくれよぉ!!ファング!!!!』

 

ヤルケーから放たれるファング。

ファングは俺の機体を貫かんと殺到してくる。

それを避けつつ、ビームソードで切り払う。

数基が爆散する。

残りの数基はヤルケーの元に戻っていった。

 

が、また虚空からビームが放たれる。

それは自分の直下。

まるで鳥かごのように動きを封じると、そのままヤルケーが切りかかってきた。

 

「っ....お前いきなり!なんのつもりだぁ!!!」

 

鍔迫り合いをしながら叫ぶと、男がなにやら拍子抜けと言った様子で言ってくる。

 

『てめぇ....有名コテじゃねぇのかよ。....チッ、とんだ雑魚が引っかかったもんだぜ。まっ、俺は優しいからな、雑魚にはGBNの基本の必勝法ってのを教えてやるよ。』

 

「何を意味の分からないことを.....!!」

 

歯噛みするも、鍔迫り合いしていて、分かる。

コイツ、強い。

力が強く剣戟を弾けない!

 

そう思っていると、ヤルケーの肩の砲口がこちらの頭部に向いた。

まずい。

咄嗟にヤルケーの身体を蹴って、後方へと跳ぶとスラスターを切って自由落下する。

するとその瞬間、衝撃で身体が揺れる。

 

「なんだ!!...スラスターが....そんななんで......!?」

 

見ると、エピオンパックにフィンファングらしきものが突き刺さっているのが分かる。

しかしあの時ファングは見えなかったし、第一目の前のヤルケーがファングを出す様子はなかったはず。

いきなり現れたファングによってバックパックは損傷。

スラスターは.....駄目だ。

本体のスラスターで戦うしか.....。

 

『へっ、派手な機体使いやがって....見掛け倒しが一番カッコ悪いんだよぉ!!!』

 

ヤルケーはミサイルを真下の俺に放ってくる。

これは....

スラスターを吹かすか?

だが、バックアップのスラスターは死んだ。

本体のスラスターで行くしかない。

 

だが、本体スラスターだけでバックパックも背負っている状態なのに、ミサイル武装を避ける程の操縦技術が俺にはあるか.....!?

いや、ない。

どうすれば.....。

 

急に襲われて窮地に追い込まれる。

そのことが俺の頭を更に混乱させていた。

すると、通信が入る。

 

『出力最大のビームソードで切り払いなさい!!!』

 

その声はタカネ。

いつもよりも語気の強い口調。

しかし、それが頭にすっと入った。

 

武装欄を素早く弄り、ビームソードの出力を上昇させる。

すると、ビームソードが膨れ上がる様に大きくなる。

それを横薙ぎに振るった。

 

ビームソードの刀身に飲まれるミサイル。

それをそのまま見ながらも、地面に着地する。

 

『どうやら初心者狩りに首を突っ込んだみたいですわね。』

 

タカネがそう言ってくる。

 

「多分....そうなんだろうな。」

 

それ以外にもなんか教えてやるとか言って気になるところがあるが、大方そう分類しても間違いはないだろう。

するとリアも声を上げる。

 

『だ、ダイキ!だ、大丈夫!?』

 

「....ちょっとヤバいかもしれないな。バックパックが完全にいかれた。正直さっきもビームソードにエネルギー供給出来てちょっと安心したし。」

 

スラスターなどの機構を壊されたと見て良いだろう。

しかし、それでもとても気になるのはあのファングだ。

出した様子もないファングにやられた。

あれは一体なんだったんだ。

 

そう疑念に思っていると、ブリットからも通信が入る。

 

『...正直、どうなってるのか分からないんだが....』

 

ブリットが申し訳なさそうに言ってくる。

そんなの俺には分からない。

ただ分かることは一つ。

 

「アイツらは初心者を撒き餌と呼んでた。つまりは...多分俺はここにおびき寄せられたんだと思う。」

 

『おびき寄せられた....ははぁなるほど。あなたはよくもまぁそんな質の悪い連中に出会うものですわ。』

 

得心を得たように頷くと、彼女は呆れた顔で俺に言ってくる。

 

「なんだよ、知ってんのか?」

 

俺が聞くと彼女が話し始めた。

 

『最近は一部の迷惑プレイヤーの中でわざと初心者を助けに来たプレイヤーの機体を壊して晒し上げる行為が見られるようになっていますわ。なんでも正義面してる雑魚だと。』

 

『....それは、なんか酷いね。』

 

リアがそう言うと、タカネが頷く。

 

『えぇ。反吐が出る行為ですわ。しかし、そういうのをやる連中の中にはランクが高くて強い連中も居ると報告されている。ましてやあなたは機体が手負いなのですから、ここは一旦.....』

 

そうタカネが言おうとしたその瞬間、右方向の森から砂ぼこりが立った。

そして木々をなぎ倒して何かが浮かび上がってきた。

全身白い機体。

それはリボーンズガンダム。

その直下には大きな穴。

コイツ、埋まっていたのか....!?

砲口からは光が漏れてる。

あれはまさか....。

 

「ッ、バックパック分離!!」

 

背中のバックパックを分離する。

そしてスラスターを最大出力で吹かしてその場を離れる。

その瞬間、放たれる光の柱。

地面を抉り、背後の森が爆風に包み込まれた。

 

「なんて威力だ.....。ん?あれは.....」

 

周囲に舞い上がる砂塵。

そこに妙な揺らぎが見える。

空中でちらちらと点滅するように見えるそれは、リボーンズガンダムのフィンファングだ。

なるほど、分かったぞ。

 

アイツら、どんな改造をしたか分からないけど透明なファングをヤルケーの見えるファングに織り交ぜていたんだ。

だから避けれない。

クソッ、どんだけコスイことやってんだ.....。

 

「アンタら、....初心者狩りでこんなせこいことまでして恥ずかしくないのかよ。」

 

俺が言うと、彼らは鼻で笑う。

 

『君は勘違いしているようだね。戦いというのは勝とうとしないことこそなによりも愚かなことなのだよ。』

 

『そういうこったぁ!!』

 

するといきなり横から通信が聞こえる。

見ると、そこにはいつの間にやら肉迫していたヤルケー。

機体は赤く光っている。

トランザムか!?

 

ビームソードはバックパックを切り離したから手元にはない。

なら今使える武装はビームサーベルだけ!!

襟からもう一本ビームソードを出して構える。

更に武装欄からフォトンアタックを選択。

動きを止めて....!!

 

しかし、飛ばした残像は奇しくも避けられる。

目の前から消えるヤルケー。

すると背後から衝撃。

続けて右肩、左手、頭と斬撃を振るわれる。

 

『なます切りにしてやるよォ!!!邪魔すんなよリボンズ!!!!』

 

『良いだろう。私は拝見しておくよ。』

 

「くっ.....!随分余裕だな.....!!」

 

連撃を受けるG-イージス。

TP装甲しているからこそ、衝撃に強く相手の斬撃に対しても耐えきれているが、このままではいくら何でも限界が来る!

なんとか捉えようとバルカンを掃射しつつ、ビームサーベルを振るうも、当たることはなく翻弄されていく。

 

『おい小僧、なんでテメェが俺を捉えられないか知ってるか?』

 

「っっ、知らねぇよォ!!!!!」

 

呑気に話しかけてくる奴に対して台バンで応酬する。

しかし奴は怯むこともない。

 

『簡単な話だ.....んな、しょうもねぇ機体乗ってるからだよ!!!!』

 

そう言って奴は地面に俺の機体を叩きつけた。

さっきの連撃で....左手は限界が近い。

 

『良いか!?このGBNにおいてなぁ!そこそこの完成度でトランザム積んでれば勝てるんだよぉ!!!』

 

そう叫ぶと、奴はバスターソードを捨てて、こちらに肉迫すると拳を振るう。

2回目のフォトンアタックも当たらない。

ダメだ、コイツのトランザムは早い。

早くて捉えられない!

 

『最近伝説とか持て囃されてるビルドダイバーズだったか?そこのリクとか言った演説したガキだって、あれはGNドライブを積んでいたからこそあんな良く分からない芸当が出来てたんだよ!分かるか?所詮このゲームも変わらぬガンダムゲー。優遇されているトランザムを搭載している機体としていない機体とでは天と地ほどの差が存在する!トランザムは人権なんだよォ!!!!』

 

そう言って拳をこちらに振り下ろし続ける。

顔面をぶん殴られたことで、左目が潰れた。

カメラにノイズが走る。

 

ビームサーベルを目の前で交差するように振るも、相手は飛び退いて蹴りを入れる。

蹴り飛ばされる俺の機体。

そして肩の砲口が光ったので上空へと跳ぶ。

が、そこを突くようにヤルケーが俺に肉迫し、機体を掴むとそのまま投げ飛ばした。

 

『逃げなさい!もしくはクエストをリタイアして....』

 

タカネが言うが、俺も言い返す。

 

「逃げてぇけど、相手に隙がねぇんだよ!!!」

 

今の落下で右脚部も損傷。

走ったりも出来ない。

ここでメニュー欄を弄るのは簡単だ。

だがそうなればきっと奴は機体を完全に破壊するだろう。

 

『だから見ていてムカつくんだよなぁ。これが好きだからとか、あの機体カッコイイからとか馬鹿みてぇな理由でトランザム積まずに作っているニワカども。ゲームってのは勝ちに行くもんだろォ?機体作る時点で捨てゲーすんじゃねぇよ。だからガチ勢の俺が洗礼してやるわけ。上級面してる奴らにもそういう奴が居るからな。こうやって初心者教育しつつも、有名コテも潰してるんだよ。俺たちがプレイヤーの質を上げてやるためにもなぁ?』

 

『そうだね。ガンダムは神話でなくてはならない。環境機体すらも選べない白痴には、このゲームをやる資格すらないよ。』

 

膝を付く俺を前に好き勝手に言う二人。

それを見て、笑ってしまう。

そうだ....そうだった。

このGBNもガンダムゲー。

こういう連中も居て当たり前なんだ。

このゲームを始めた初期には当然いつも思っていたこと。

 

始めた当初はどいつもこいつも初心者狩りするかもしれないと疑いの目で見ていたし、他のプレイヤーだってろくでもないのが大半だと思っていた。

だけど、いつからだ。

そんなことさっぱり忘れ去っていたのは。

それはやっぱり....最近はそんなこと考えることがなくなっていたからだ。

 

アイツらとフォースを組んで以来、色んな人と出会ったが、グラハムぶっている奴だってプレイングはおかしいが真剣に戦い、相手をリスペクトしていた。

リアは言わずもがな、ブリットだって機体に乗ると猿になるけど話せば普通に良い奴だし、タカネは人間性を疑うこともあるが、俺たちを引っ張ってくれている。

今思えば、このゲームだって切っ掛けはユイハだ。

楽しそうに誘ってくるユイハに乗せられて始めたこのゲーム。

 

でも自然と、機体を使うのが楽しくなって。

幼馴染と共に作った機体を仲間と共に改良した。

その時だってアイツらは好きな機体を語ったり、他人の機体なのにプランを考えてくれたり。

 

『ならばG-セルフとか良いのではなくて?』

 

『やっぱ男は白兵!欲しいなぁイフリート改!』

 

『尻尾が可愛いから.....。』

 

アイツらの理論で行けば言語道断。

ましてやリアなんかエピオンを進めた理由が尻尾が可愛いからだ。

でも....それでも、彼女らは間違いなく楽しんでいて、それを他人が否定する権利なんかないはずだ。

いや...違うな。

もっと根本的な理由だ。

このイライラは....このモヤモヤは......。

 

ただ単にこういう連中には負けたくない。

今のまましたり顔で終わらせるなんて、俺には耐えられないんだ!!

 

『ダイキ!大丈夫!?ダイキ!!』

 

リアの声が聞こえてくる。

それになにより、初乗り一日目で負けたくないよなぁ!

 

動かそうとするが、損傷が激しい。

あの男、しっかり接合部などの急所を狙っている。

立ち上がろうとするも、また膝を付く。

 

「頼む....G-イージス。」

 

リアが言っていた。

お前が俺を乗せることを喜びとしているなら。

ならば、頼む....。

 

「俺を勝たせてくれ....立て、立ってくれG-イージス!」

 

『あばよ、テメェの事は3秒くらいは忘れませんってなぁ!』

 

そう言って肩の砲口からビームが放たれる。

迫るゲロビ。

俺はただ叫んだ。

 

「立てよォォォォォォォ!!!!」

 

その瞬間、機体が火花を上げながら立つ。

そして、手元でなにか種の様な物がはじける音がした。

そんな気がした。

 

 

 

 

 

立ち込める砂ぼこり。

 

『あっははは!他愛ねぇ!.......あ?』

 

勝ち誇った笑みを浮かべていたヤルケーのパイロット。

しかしその笑みが消える。

砂ぼこりが払われたように掻き消えるとそこには、右足と左腕がなくなっているにも関わらず飛んでいるG-イージスの姿。

 

「やった....飛んだ....!」

 

機体が飛んだことに喜びの声を上げる。

反対にヤルケーのパイロットは不快だと言わんばかりに口を開く。

 

「チッ、猪口才な....。ならバラバラにして....クソッ、制限時間か.....。」

 

その言葉の直後にヤルケーの色が普通に戻る。

トランザムが切れたのだ。

であれば多少なりとも動作に支障が出るはず。

 

今がチャンスだ。

距離を詰める。

 

『強気じゃねぇか....だが、動きがとろくなってもテメェを倒すにはわけねぇんだよ!!ファングゥ!!!!』

 

彼はファングを飛ばしてくる。

飛び回り、殺到してくるファング。

でも、俺にはそれの機動が分かる。

避ける為の間隙、空間がさっきよりも把握できる!!!

 

間を滑り込むように避けつつ、バルカンなどで着実に墜とす。

そして飛んできたミサイルにフォトン・アタックを当てる。

ミサイルはフォトン・アタックに当たると火花を発してその場で爆発する。

 

『奴はどこに!テメェ....一体どんな手品使ってんだ!!!』

 

相手の遠距離攻撃を全て無力化し、サーベルを振りかぶって接近する。

が、視界の端でリボーンズガンダムがライフルを構えているのが見えた。

後退して、避けやすい姿勢に戻すと、相手の攻撃を避ける。

 

『今、そっちに向かっていますわ。なんとか持ち堪えてくださいまし!』

 

「言われなくても.....!」

 

タカネ達が向かってきている。

それはつまり相手に数的有利を取ることももうすぐ可能となるということ。

ならばより一層、やられるわけにはいかない!

 

『どうしたんだい?手こずっているようじゃないか。ならば私が墜としても良いかな?』

 

『あーあー、勝手にしやがれ。』

 

そう言うと、リボーンズガンダムも赤く光り出した。

2体目がトランザムした。

更に戦況が苦しくなっている。

しかし、さっきとは比べ物にならない程、闘志は溢れて消えない。

 

『リボーンズキャノン、フィンファング。』

 

リボーンズガンダムはリボーンズキャノンに変形し、ファングを打った瞬間また変形して元の形態に戻る。

 

トランザムの相手に対抗する。

それなら、地上スレスレを飛行する。

空中で戦闘すれば四方八方からトランザム切り抜けされる可能性があるが、地上なら少なくとも下の心配はしなくていい。

そして厄介なのはアイツのファング。

 

少なくともアイツのファングは透明だ。

そして現状、今の俺の武器はバルカンと再チャージが必要だがフォトン・アタック。

そしてビームサーベル一本。

 

そんでもって片足がない。

それでもやらなくちゃいけないんだ。

そう思っているとまた通信が入る。

誰だ?

 

見ると、赤毛ツインテールの少女。

誰だコイツ?

こんな奴知らんぞ。

 

『ブラストインパルスに乗っているメイリです!巻き込んでしまってごめんなさい!』

 

彼女は頭を下げる。

あのさぁ....今は良いから。

普通さ、こうやって必死に攻撃よけてる奴に通信飛ばす奴があるか?

コイツ、絶対空気読めないって言われてるだろ。

友達居なさそう。

 

『その、後ろの林が抉れたところに私が投げたジャベリンがあります。』

 

メッチャ空気読めるやんけ!

友達一杯居そう。

後退すると、ビームジャベリンの近くに移動する。

 

『私が終わらせよう。かわしてくれても構わないのだよ?』

 

そう言うとフィンファングを射出する。

飛んでいる途中でファングは姿が消える。

 

『じゃ、支援射撃でもしておきますかねぇ。』

 

ヤルケーはビームライフルを撃った。

そこだ!

 

ヤルケーの撃ったビームライフルにビームサーベルを投げる。

一か八かだ。

だが、やる価値はある!

そしてビームライフルはクルクルとブーメランのように回転すると、刀身部分とビームが衝突し、拡散する。

 

「これが俺の、ビームコンフューズだ!!!」

 

拡散したビームは簡易的な弾幕となって周囲のフィンファングを撃ち抜く。

 

『私のファングを....、君は自分が何をしているのか分かっているのかい?』

 

そう言いつつも高速で距離を詰めるリボーンズガンダム。

実際今の俺は近接武装も失った。

だが!

 

後退すると、地面に突き刺さっているビームジャベリンが見える。

これか。

それを掴み際に引き抜く。

そして前を向くとすぐ近くにリボーンズガンダムが居た。

 

『終わりだよ。』

 

刹那、振り下ろされんとするビームサーベル。

このままでは両断されてしまう。

そう思うと、反射的に武装欄をその武装に合わせていた。

 

『何!?』

 

「一度見た武装くらい、ちゃんと覚えておけよ!」

 

フォトンアタックを反射的に撃ったことで、相手の動きを止められた。

そしてそのままビームジャベリンを持って!

 

「そして終わりじゃない!ジャベリンは、まだある!!!!」

 

そしてそのまま胸にジャベリンを突き刺した。

ビクビクと一瞬動くも、そのままぐったりと動きを止める。

 

『油断したね。....でも、私の勝ちだよ。』

 

そう言い残して機体が爆発する。

捨て台詞か?

そう思った瞬間、爆炎を斬りはらうようにヤルケーが肉迫していた。

 

「コイツ、リボーンズが気を惹いている隙に!」

 

『勝てて嬉しかったかぁ!?大局的に物事見ようよ、大局的にさぁ~~?アッハハハヒッヒッヒヒヒヒ!!!』

 

バスターソードを横薙ぎに振るう。

それを屈んで避けようと思うが、頭部を切り離される。

 

「メインカメラが!」

 

画面は真っ暗。

サブカメラである小さなウインドウの映像でしか周囲が見えない

 

『ほらっ、言いなよぉ?たかがメインカメラがやられただけってさぁ?あれれ?もしかしてビビっちゃったぁ?ギャハハハハハハハ!!!!』

 

そう言うと、機体ごと斬りあげられる。

上空を舞うG-イージス。

そして肩の砲口がまた光る。

 

『あばよ、クソ野郎。』

 

このままでは、やられる....。

そう思った矢先、うねり回転しているビームが奴の肩のGNランチャーを撃ち抜いて破壊した。

 

「な、もしかしてみんな着いたのか!」

 

そう思っていると、地面に仰向けに墜ちる。

そして見えたのは1機のAGE2を改造した機体。

なんだあの機体....見覚えが......。

 

それを見て、ヤークトのパイロットは叫ぶ。

 

『ありゃ...チャンプじゃねぇかぁ!!!!へっ良いのが釣れたぜぇ!!!!!』

 

『高い技術を持ったビルダーでありながら、初心者を自分のエゴで狩る。君は、許しておくわけにはいかない。』

 

そう言うと、かの機体は凄まじい機動を見せる。

俺達とは別次元。

そのような言葉が出るほどに早く、捉えどころがない。

 

『やれるもんならやってみろよぉ!!!!』

 

相手のヤークトも飛び上がるが、一度トランザムを使い切っただけあってAGE2には到底及ばず、腕や足を切られて達磨状態にされた後、ライフルを数回撃ち込まれて爆散した。

 

『大丈夫かい?』

 

仮面をつけた金髪の男性が通信で話しかけてくる。

こんなのがチャンプなのか....。

いや、まぁそういう人こそ見た目に特徴があるんだろうな。

 

「は、はい....チャンプのお陰で.....」

 

『チャンプ?勘違いしているようだが、私はチャンプではないよ。チャンプに憧れてGBNをやっている者だ。』

 

彼はそう言うが、明らかに機動が動画で見た頭おかしい機動だった。

あんな機動できる人間が何人も居て堪るか。

 

「いや、明らかに動きチャンプでしたよね?誤魔化しても無駄ですよ。あんな変態機動出来る人間が何人も居たらそれこそインフレゲーですよ。」

 

『....』

 

俺が言うと彼は暫く黙る。

そして口を開いた。

 

『ま、まぁそんなことより、君の名前を教えて欲しい。』

 

彼はそんなことを言ってくる。

俺はただ答えた。

 

「俺は....サクラン・ズラって言います。」

 

そう言うと彼は頷く。

 

『サクラン君か。面白い名前だ。覚えておこう。生憎今日は用事があってね。次に会える時を楽しみにしているよ、サクラン君。』

 

そう言って彼は飛び去って行く。

あれ....仮面にばっか気を取られていたが、もしかしたら俺チャンプに名前を憶えてもらったのか?

いや、でもなんで?

....取り敢えず機体から降りるか。

 

そう思った瞬間、近くでスラスターの音が聞こえて、通信が入る。

『無事でして?』

 

「あぁ...一応終わったぞ。」

 

俺がそう言うと、ブリットが食いついてくる。

 

『も、もしかして全部自分で倒したのか!?』

 

『ほ、本当!?凄いよダイキ!!!!』

 

リアがブリットの言葉を聞いて、食いついてくる。

 

「いや、1体はやったけど...もう1体がチャンプが......」

 

『は?なんでそこでチャンプが出てくるんだ?』

 

ブリットが首をかしげる。

本当、俺もお前らの立場だったらそう思うよ。

 

『と、とにかく近くに降りたからソッチに行くね。そ、その...ダイキも機体から降りてて?あ、あと間に合わなくてごめん。』

 

「いや、別に良いよ。降りて待ってればいいんだろ?分かった。」

 

そう言って通信を切ると、機体の外に出る。

....それにしても、説明って難しいな。

なんであの人こんなところに居たんだろう?

チャンプの件でそう思いながら地面に降りた。




珍しくまともなサブタイトル恥ずかしくないの?
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