「...ここがGBNか。なんていうか....少しイメージと違ってたな。」
ゲートを抜けた先、ラウンジのような場所に降り立つ。
周りにはプレイヤーであろう沢山の人が老若男女問わず居る。
というか昔あったなんちゃらオンラインのようにみんなジオンや連邦の軍服というわけでなく、どちらかと言えばファンタジー色の強い恰好のアバターが多いな。
なんならケモいのとかも居るし。
まぁGBNはそういうゲームなのだろう。
前に転載動画でGBNは剣と魔法の世界観にガンダムぶち込んだみたいな、誤解を恐れなければそういう説明で良いとか言ってたし。
結構賑わっており、周りは活気に溢れていた。
流石今を時めく覇権ネトゲだけある。
しかしそれにしても....ログインしたは良いが何したら良いんだ?
受付のような物が見えるが、どこがどんな場所かあまりよく分からないな。
俺が周りを見渡していると、肩を叩かれる。
「おっアンタぁ、...多分だけど初心者だろ?」
振り返ると髪をかき上げたおっちゃんが一人立っている。
なんだコイツ、いきなり話しかけてきて。
しかも初心者って見抜かれるし.....
....いや、でも俺は初期アバター。
そして周りを見るとどことなくガンダムキャラに寄せた服や被り物をしている物もいる。
要するに何もしていない俺は初心者かもしくはそこまでアバターの外見に関心を抱いていないだけの二択に絞られる。
そしてさっきから俺は周りをキョロキョロと伺うように見回していた。
それなら初心者と見抜かれても仕方ないか。
「..えぇ、そうですけど。なにか?」
俺が頷くと男は笑顔を見せる。
「そうかぁ!懐かしいなぁ!俺はラガー。お節介だがGBNに来たばかりの初心者にお得な情報を教えてるんだ!よろしくな!!」
「はぁ.....どうも。」
俺は小さく頭を下げた。
俺が答えるとラガーは画面を操作する。
「せっかくGBNに来たんだ。まずは機体、扱ってみたいよなぁ?それならこのチュートリアルバトルがいいぞ。機体を扱い方をじっくりと試せてエネミー相手に試し打ち出来る。それだけで1000BCも貰えちまうんだ!!」
なんかそう言って画面を見せてくる。
正直、ミッションの相場が分からないから報酬が良いのかどうかよく分からないが、なにやら男が言うには酷く割の良いクエストであることは分かる。
てかそんな上手い話あるのか?
そしてそんな実入りの良いクエストを知らない親切なおっちゃんが教えてくれるなんて都合の良い、出来すぎたことが起こりうるのか?
なんかきな臭いような....
そう思っていると、誰かに後ろから肩を組まれた。
だ、誰!?
俺がその人物を見ると、SEEDのなんか白い軍服を着た金髪の少女。
...てかお前、ユイハだろ。
ユイハは目の前の男を見て口を開く。
「私のツレに何か用かな?」
「...なんでもねぇよ。....チッ。」
するとさっきまでの人の好さそうな態度はどこへやら、舌打ちをしながらどこかへ歩いていく。
「...はぁ、よかったぁ....。」
ユイハは胸を撫で下ろす。
そしてユイハは俺を見ると、詰め寄ってくる。
「あのねぇ、初心者の内は初心者救済とか言いながら話しかけてくるような奴に答えちゃダメだ!大して強くもないパーツ高値で売りつけられたり、変なクリエイトミッション受けさせたりする奴もいるんだから!ほんと冷や冷やしたぁ....。」
なるほど、やっぱりネトゲだけあって所謂初心者狩りなど食い物にしようとする連中も多いのだろう。
そこはやはりガンダム勢らしいな。
ガンダム勢はマナーが悪い!って今みたいにプラモのバトルが流行る前は言われてたらしいし。
ということは....。
「..じゃあ俺さ、さっきの男からなんか1000BCもらえるチュートリアルバトルがあるとか言われて画面見せられたんだが、それって.....」
俺が言うと、彼女はジト目で俺を見て、答える。
「チュートリアルでそんな報酬もらえるわけないでしょ?そもそもチュートリアルミッションとか公式のミッションは大体はあそこのミッションカウンターで受けるんだから。はぁ、案の定じゃない....。本当に見つけ出せてよかったぁ。危なっかしいんだから....。」
やれやれと言った様子で嘆息するユイハ。
おい、ちょっと待てぃ!
「いや俺もなんとなく怪しいとは思ってたぞ。そこらへんの注意は払ってるつもりだ。」
「はいはい、分かったから。取り敢えず、あの初心者狩りと似たようなこと言うのは癪だけど、操作に慣れる意味合いでもチュートリアルバトルは良いと思うよ。取り敢えず適当にあそこのミッションカウンターで選ぼう。私がギャラリーモードでナビゲートするから。」
彼女は俺の言葉を流して、ミッションカウンターに行くように促す。
コイツ、俺をなんだと思っているのか.....。
まぁでもこのゲームはバトルが本筋の楽しみ方だろうし、それにチュートリアルで操作に慣れることはまぁ重要だろう。
彼女に連れられてチュートリアルバトルをどれにするか決める。
なんか色々あるんだな。
...まぁ最初なら無難にこれで良いか。
俺は『ガンプラ大地に立つ!』を選んだ。
やっぱガンダムゲーらしくそれっぽい名前になっているんだなぁ。
「まぁ今みたいに名前をモジった奴もそうだけど、モロ本編を追体験できるミッションもあるよ。難易度は上がるけどね。」
「ガノタには堪らないだろうな。」
そう言いつつも、不覚にも俺はその原作再現とやらに心惹かれた。
もしかしたらグレイズアインとか、ハシュマルのようなMA相手でも戦えるのかもしれない。
ミッションを受注する。
そして俺は彼女に向き直る。
「で、どうやって出れば良いんだ?」
「格納庫に行けばいいよ。」
「いやだから行き方も教えてくれよ。よく分からないんだよこっちは。」
俺が言うと彼女はメニュー欄を出す。
「そんな焦らなくて良いって。メニュー画面を開いてここを押せばいいよ。」
すると周りの風景が変わって機体が固定されている格納庫へと移動する。
なるほど、メニュー欄から移動することが出来るのか。
周りを見ると、目の前にはアニメの実寸大の大きさでイージスガンダムが鎮座している。
「...すげぇな。これ。」
「初めて見ると迫力あるよね。ここで機体を調整するんだ。まぁ取り敢えずどのスロットがどの武器に当たるか出撃して確かめてみたら良いんじゃない?」
なるほど。
まぁ武装の状況とかはチェックしとかないとな。
武装のチェックを終えた俺はコックピットに乗り込む。
凄いな。かなりリアルだ。
乗る前に口頭で基本操作を教わった。
まぁ出るとするか。
「発信前の口上はガンダムでは基本だよ。なんかないの?」
「なんかないのってお前.....、イージスガンダム、出撃する。」
簡単にそう言うと、スラスターを吹かす。
そうするとイージスは前方に加速し、格納庫から発信した。
周りの風景は森や草原など自然豊かだ。
これが仮想空間とは信じがたいな。
ミッションの対象である敵とはまだ接敵していない。
この間に動作を確認できるだけ確認しておこう。
手を握ったり閉じたりを繰り返し、指を一本ずつ握ったり開いたりする。
そして足も蹴りを放つように動かしてみる。
操作ラグは今の所ないな。
なら今度は.....。
なんとなく教えられたとおりに操縦桿を動かして計器を弄る。
するとイージスは形を変えて、飛行形態へと変わった。
次は戻す。
手順を逆にすると、イージスは元のMS形態に戻った。
....今は問題なく出来ているが、これ戦闘中だと忘れちゃうだろうな。
俺がそう思っていると、何か半透明の半円上の何かが見える。
「あれは?」
『あれはバトルエリアの境界。アレを超えたらミッションが始まって戦闘が始まるよ!』
「なるほどね。」
どうやら戦闘区画と非戦闘区画はしっかりと分けられているようだ。
結構しっかりしているんだな。
そう言うところは。
まぁネトゲだし、そりゃそうか。
そうして俺は境界を超えてバトルエリアに入る。
すると、アラートがなる。
計器を見ると、3機のMSが近づいて来ている事をこちらに知らせていた。
「確か...リーオーだったか?量産機だっけ?正直ウイングは見ていないんだよなぁ。」
そうぼやいていると、遂にセンサーだけでなく視認出来る距離にまで近づく。
3機は編隊を組んでこちらに近づいてくる。
チュートリアルで一気に3機相手させるって結構スパルタな気もするな。
テンパる奴はテンパるだろこれ。
『来た!じゃ、まずはビームライフルを構えて撃ってみよう!落ち着いて狙えば当たる。』
手には既にライフルを持っている。
モニターには照星と言えるような補助カーソルが出てくる。
普通にその場で止まれば狙いやすいだろうが、戦闘中に止まることなんかあり得ない。
ならばこそ動きながら射撃しよう。
チュートリアルは動作確認もあるが、実戦っぽい動きを練習する機会でもあるのだから。
動きながら指を動かしてビームライフルで射撃する。
するとビームはリーオーのすぐ近くを掠める。
「チッ...外れたか。」
『大丈夫!もう一回!』
ユイハがそう言った瞬間、攻撃されたリーオーが散開し、一体がこちらにビームを撃ってくる。
スラスターを吹かして横に動いて回避する。
『大丈夫!?』
「あぁ。弾が出鱈目な誘導しないなら捉えられる。」
やっているガンダムゲーの射撃は一部の弱キャラを除き、調整ミスったんじゃないかってくらいの強誘導と速度だからな。
このくらいなら目で捉えられる。
ていうかそもそもただでさえ人口少なくなっているのに、どいつもこいつも環境機体使ってパワーゲームしてるからより一層コンテンツが死んでるんじゃないかと思う。
飛んでくるビームを避けて、試しにシールドで弾く。
相手の射撃に対しては初めてでもそこそこ対応できる。
問題は俺の攻撃が当たるかどうかだ。
飛びながらもしっかりと照星を見る。
相手にしっかりあった時ではない。
ある程度相手の動きを予想して先回りするように撃てば.....
メインカメラである頭に狙いを定めて引き金を引く。
発射されたビームは真っ直ぐに相手に向かって行く。
だが、相手は予想とは違った機動をする。
そして相手の肩に当たった。
相手のビームライフルを持った腕を破壊したのだ。
『GPDもやったことないのによくやるじゃないか!凄いよ!!』
「まぁ、攻撃の択減らせたなら結果オーライか。」
初心者の癖に多くを求めるのは落ちる原因になる。
このゲームでなくてもそうだ。
最初から基本操作もままならない癖にあがきムーブしようとすれば地雷になるのが関の山。
それは普段やっているゲームでよく理解している。
着実に、堅実に。
基本操作を身に付けるんだ。
正直言って機体を駆る時のこの疾走感。
これはこのGBNでしか味わえない物だろう。
ユイハが夢中になるわけだ。
俺も実際に射撃を避けるなど楽しい。
するともう一体がバズーカを撃ってくる。
バズーカはあのゲームのように誘導するのだろうか?
大きく空へと軌道してみる。
すると少し誘導するも、すぐにあらぬ方向へ飛んでいき、地面へと落ちていった。
「なるほど,,,,マキバシリーズみたいな出鱈目誘導ではないみたいだな。」
なら脅威性は薄らぐ。
実質これが怖いのは弾幕を貼られて逃げ場がなくなったときだろう。
もしくは自分以上の機動力の機体に近距離でぶち込まれた時か?
『凄いよ、まさかここまで出来るなんて、...正直教えることないかも。』
「まだ格闘が残ってんだろ。次はバルカンだ。」
スロットを変えて使う。
するとイージスの頭部のバルカン、イーゲルシュテルンが火を噴く。
狙うのは腕をぶち壊されたリーオー。
バルカンを放つと、リーオーは盾を構えてバルカンを防ぐ。
「接近する!」
バルカンを撃ちながらリーオーに直進する。
盾固め。
そして相手に肉迫すると、すかさずに足のビームサーベルで蹴りを放つ。
盾を横一文字に真っ二つにするとそのまま相手の胴体に蹴りを捻じ込む。
相手のリーオーは動きを止めて火花を散らし始める。
爆発するか。
急いで離脱すると、リーオーは爆発して跡形もなくなる。
それにしても....いちいち操縦桿を動かさないといけないのは面倒だな。
「なぁ、なんで格闘するのにいちいち操縦桿動かさないといけないんだよ。コンフィグでボタン一個ポチれば多才な格闘出るようにならねぇの!?」
『そんなん出来るわけないでしょ。実際に操縦しているのはダイキなんだから....。』
呆れた声音で答えるユイハ。
うっわ、これ格闘する時にいちいちやらなきゃいけないのかよ。
こんなの事前にどんな格闘するか決めとかないと。
てか決めても出せるか?これ。
「面倒くさっ、やっぱGBNゴミゲーじゃねぇか。あ~、つっかえ。よく考えたらこの機体特射ポチって自動で変形して照射ビームとかしないんだよな。態々全部自分でやんないといけない。....控え目に言ってうんこじゃねぇか?このシステム。」
『...でも、最低限の格闘は当てれてるんだから良いじゃん。本当に格闘当てれない子とかに聞かれたら殴られるよ。ダイキ。』
溜息を吐きながら言ってくるユイハ。
知るか、見ず知らずの他人の事なんて。
こちとらボタン一個でウッキー出来る世界から来たんだぞ。
そこらへんの格闘に対するこだわりは誰にも譲れない。
....これ追加アドオンとかでゲームパッドに繋げたり出来ないかな?
まぁ、それだとこの操作の複雑さをパッドでやるとなると更に面倒なことになるか。
そもそも俺は本当はアケコン派だし。
システムが違うんだよな、あっちは格闘の動きとか決められているし。
そういえば覚醒もないしな。
そう考えると相手の攻撃を盾するのも身を守る以上の意味は持たないというわけか。
「まぁ射撃は大体わかったから次は格闘でガン攻めする。」
『えっ、ちょっと待って。』
静止の声を聞かずに相手に突っ込む。
相手のリーオーはバズを撃ってくる。
だがバズはこちらが動かなければ真っ直ぐこちらに迫ってくる。
ならビーム連射で!
『ちょっ、避けようとしなさい!初めから飛ばしすぎ!!』
注意の声を無視してビームライフルを連射する。
てか、チュートリアルなんだからここで躊躇しては本末転倒。
試せることは何でも試さないと!
5発撃った後、3発は外れて4発目は掠める。
そして5発目には直撃した。
爆発する。
すると目の前が粉塵で見えなくなる。
「チッ!近すぎたか!!」
すると肩を相手のビームが掠める。
相手は完全にビームを構えている。
もしかしたら連射してくるかもしれない。
なら、こちらが出来ることは!!
「オラッ!盾だオラァァ!!盾があるなら当たらないだろ!!当たらないだルルォ!!」
盾を信用はしている。
イージスの盾はビームを拡散吸収するコーティングがされている。
実弾など受ければそのコーティングが剥がれるかもしれないが、今は無事だ。
なら相手のビームライフルを押し通るにはこれ以上の武装はない。
しかし、すこしでも盾が外れて仮にそこにビームが当たればボデーにダメージが行く。
それに相手が実弾武装を構えている可能性も無きにしも非ず。
...てか俺はチュートリアルの機体に何読み合いしてるの?
対人戦でやれや。
この調子だろ対人ならボコボコにされますね、間違いない。
盾を構えながら突撃すると、盾を押すような衝撃や横を通り過ぎる光。
しかし煙を抜ければ、目と鼻の先にあのリーオー。
「オッラッッ!!」
イージスでザクタックルの真似事をする。
相手は大きくよろける。
その隙に盾を持っていない方の手に握ったビームライフルを手放し、ガシッガシッと適当に猫パンチのごとく拳を突き出した。
すると相手の体や頭に腕に付いているビームサーベルが突き刺さる。
そしてリーオーは動きを止めて火花を出し始めた。
正直酷いコンボだとは思う。
だが当たればビームサーベル君が仕事してくれるからな。
ビームサーベル君ほんとすこ。
「おっし!よく考えればイージスは四肢にサーベル付いているから格闘はどんな振り方でも振り得なんだよ!!Foo↑気持ちいい!!これ真理掴んだか?神ゲーじゃん!!」
『なんて危ない戦い方してるの....でも凄いね。やっぱダイキはGBNやるべきだよ。というか私のフォースに来なよ!』
「分からんからその話後でっ!!次は変形してやる!!」
ユイハはダイキの掌返しなど頭に入らない程に彼のプレイを見て褒め、自分のフォースに勧誘しようとする。
しかし、正直格闘を振って敵を倒したことで熱が入ってしまい、彼女の言葉は耳には入っていない。
変形する。
正直速度はそこそこ。
遅いというわけでもないが、早いというわけでもない。
『(まぁ幾ら整えたとしても素組だしね。)』
ユイハは褒めるのをやめて、冷静に分析する。
大してダイキは冷静さを失っている。
「スキュラをぶち込んでやるよ。...えっと、これか。」
武装スロットをスキュラに合わせて発射する。
すると青と中心が赤のビームが相手の機体に迫る。
アラートは出ていない。
『(しっかり処理して作った分、発射した瞬間故障はしなかったか。でも...変形状態の操縦は難しい。いけるのか....)』
「チッ、避けられた!」
すると相手は横にスラスターを吹かして避けると、ビームライフルを撃つ。
ダイキは右斜め下に移動しようとして、後ろの羽に当たった。
「クソッ!もっと吹かさないとダメか!」
そう怒鳴ると、更にスキュラを連射しようとする。
が、あることに気づく。
(発射速度が遅い。ゲームみたいに連射は出来ないか。それに方向やスラスターの出力の調整がムズイな。....ここはMS形態にしとくか。変形は非戦闘時に練習した方が良いな。)
MS形態へと変形を解く。
変形を解くと、少し滑るように落ちることが分かる。
なるほど、こういう軌道は出来るのか。
俺は相手に盾を投げつける。
相手は盾を跳び上がるように避ける。
その状態でバルカンを撃ちながら接敵する!!
頭から出るバルカン。
それはリーオーの身体を撃ち抜き続ける。
そして相手の苦し紛れのビームを回避して、そのまま降下して蹴りを機体の胸に突き刺した。
相手の機体は機能を停止する。
そして目の前にはMission Clearの文字が。
「あのゲームのようにはいかないか。」
戦闘が終わった後、イージスを地面に立たせる。
変形後の変形解除のように少し似た機動が出来るのもあるが、大体はまったく違う機動になると考えた方が良いだろう。
あちらの強ムーブの大半が出来ないんじゃないか?
強ムーブと考えると、ある行動が頭に浮かんだ。
それはピョン格。
ピョン格キャンセルことでブースト消費や硬直を誤魔化すことが出来るというムーブだ。
通常ジャンプから降下するような格闘を持っている一部の機体にしかできない強行動であるが、このゲームにおいて格闘などは全部自分の操縦次第だ。
なら、イージスでも出来るんじゃないか?
硬直など誤魔化す必要は正直、このゲームではない気がするが、だが相手にとってみれば予測できないだろう。
それに急降下することで相手の射撃などの攻撃行動を避けることが出来るかもしれない。
練習しとく価値はあるかも。
『おつかれ様。ちょっと危なっかしい所はあったけど初心者とは思えない戦い振りだったよ。...ってなにしてるの?』
ユイハは通信を繋げると、困惑した声を上げる。
それもそのはず幼馴染がただひたすらイージスをジャンプさせた後、降下しながら斬撃しているのだから。
「ちょっとこれからの戦闘に使えるかどうか考えていてな。」
『あっ...そうなんだ。う、うん!戦闘後に自分を見つめなおすのはとても良いことだ!でももうすぐ時間がアレだし、今日はこのくらいにして帰ろう?』
「...そういえばログインした時には夕方だったな。...帰るか。」
そう言うと、飛び立とうとする。
するとモニターの端、林が動いた気がした。
『どうしたの?』
「...いや、なんでもない。」
今誰か、見ていた?
...いや気のせいだな。
初めてのGBNだ。
風とかで林が揺れたのを過敏に感じ取っただけだろ。
そう結論付けるとイージスガンダムを飛び立たせた。
「不思議....。傷ついたのにあの機体、戦えることを喜んでた。...どんな人が乗っているんだろう。」
森の木々に包まれた物陰。
一人の人影が飛び立っていく赤い機影を見つめていた。
「で、そのフォースとやらに入れと?」
「そう。みんな優しいし、上手い人達ばかりだから!直ぐにランクも上がること間違いなしだよ!」
帰り道。
既に時刻は夜になっており、街燈に照らされた道を二人で歩く。
「...いや普通に嫌だわ。俺の知らない知り合いで、しかもみんな上手いとか地獄じゃねぇか。」
「そんな気にしなくて良いって!みんな最初は初心者なんだから!大丈夫!大丈夫!」
帰り道ではフォースという別ゲーで言うところのギルドに参加させようとするユイハと気まずくなるのを簡単に想像できる為、なんとか断ろうとする二人の間で攻防戦が行われていた。
既に、ダイキの頭の中にはGBNを適当に話合わせるためにやるかといった気持ちは薄れていた。
ガンダム猿が機体を初めて動かした回です。
その世界でエクバに当たるゲームとGBNの間での違いを明確に感じるんでしたよね?
コイツ、いつの間にか幼馴染に載せられて次の戦いの為にピョン格の練習始めましたよ?やっぱ(ガンダム)好きなんすねぇ~。
主人を乗せて戦うことに喜びを感じているイージス君は正妻の可能性が微レ存?