「.....ダメだ。参考にならねぇ。」
ダイキはスマホをベッドに放り投げる。
そこにはGBNの対戦動画が再生されていた。
GBNのチャンピオン、クジョウ・キョウヤ。
彼のバトルを映した動画だ。
格ゲー経験のあるダイキは立ち回りを勉強するには自分よりも上手いプレイヤーのプレイ動画を見ることが有効であることを知っていた。
だが、正直なんかトライエイジシステムやらなにやら特殊な兵装を積んでいる為に、正直何をやっているか意味分からない。
立ち回りを真似しようとも彼自身しか持ってないような物を見せられて無双されても参考になりはしないだろう。
「そういうところだぞ...GBN。ノリが良いのかもしれないけど、一部のプレイヤーがなんか優遇されてないか?」
そう呟く理由、それはチャンプの動画を漁って見ているのもあるが、もう一つはGBNの伝説的なフォース、ビルドダイバーズのリクという少年、その機体。
なんかマスダイバーやら有志連合やら背景に色々あるらしいし、なんか翼で飛びながらリクという少年が演説をしているが、正直そこら辺はあんまり興味ない。
ただあのようなトランザムは普通無い感じがコメント欄から窺えた。
....ああいう機体に改造してるのか。
それとも運営による働きかけ?
よく分からない機体が頻見されるのはどういう了見だろうか。
まぁ正直色眼鏡で見ているのは否定しない。
なんだろうか、チャンプを褒めたたえるコメントにもリクという少年の演説やそれによる肯定や持ち上げのコメントから、どこか薄ら寒い臭さを感じたのだ。
正直、俺がそういう空気感が苦手と言うだけなのだが。
綺麗言を言っているのを聞いていると、いやいやと思ってしまう。
なんというかこの人たちは恵まれて来ただろうとかそう思ってしまう。
いやいや言うてお前らガンダム勢やん。
そんな綺麗な言っているけど、このゲーム実際初心者狩りも多発していて、上位ランカーが見張っていてもなくならないじゃん。
狩られて既にやめたユーザーも多いだろ。
それなのにそんな啖呵切られても誰しもがGBNが好きというわけじゃないのにと、そう思ってしまうのだ。
「....まぁ、俺みたいなのは少数派だろうけど。」
もしくは途中から入ってきたユーザー特有の自分が入る前に起こった出来事に対する無関心及び反発心だろうか。
なんにせよ動画を見たのはそれが目的ではない。
どうでもいいことに思考を割くのはやめよう。
正直、ガンプラを買う金がない。
ウチの学校は自称進学校であるからか、バイトは禁止されている。
必然的に親から支給される小遣いが俺の自由に出来る金だ。
...まぁ理由話せば小遣いとは別にお金くれるんだけど。
だが、ガンプラ買うから金くれと言ってもくれはしないだろう。
そういう趣味の範囲は小遣いから出すように言われている。
小遣いが入るよりも早く、イージスの修復が終わってしまった。
...確かに以前、ユイハにガンプラ作ってないのやると言われていた。
しかし彼女はコンクールの練習が大詰めらしいし、そもそも彼女は一緒のフォースに入るからああ言った可能性もある。
少なくとも別のフォースに入るし、それなのにガンプラだけもらうのは筋が通らないだろう。
だからこそ立ち回りを見ようとして上位ランカーの動きを学ぼうとしたが、このザマだ。
...どうするかなぁ。
考え込むダイキ。
しかし答えは依然として見つからない。
◇
「バトランダムミッション?」
「そうですわ!ついにこの時が来ましたの!!つまんねぇミッションではなく、歯ごたえのある対人戦!あ^~たまりませんわ!!」
少しトリップ気味にタカネがまくしたてる。
機体が直った所、彼女からチャットが入ってログインしたらすぐにこれだ。
どうやらフォース同士でバトルできるイベントが月一で開催されているらしい。
「対戦相手もフィールドも全てがランダムなんだぜ。腕が鳴るなぁ!相棒!」
「はいはい、そうですね。」
コイツは何度言っても呼び方を改めるつもりがないようで、いつの間にか諦めていた。
まぁ暑苦しいだけで別に会話に支障はない。
気にしなければ良いだけだ。
コイツが一番アレなのは戦闘中なのだから。
「た、対人戦.....、ど、どんな感じなの、かな......」
「...まぁ対人戦なら今までのNPCのようにいかないのは確実だな。」
NPCとは違ってプレイヤーはプレイヤー同士で腹を探り合い、思考が出来る。
相手の裏を掻いたり、わざと非効率的な行動をして相手の油断を誘ったりなど合理性に従っているNPCと比べても複雑な戦略を行うことが可能だ。
「そ、そうなんだ...だ、大丈夫かな......」
不安げな表情を見せるリア。
確かに彼女の気質からしてみれば中身の入った人相手は少しやりにくいだろう。
だが、彼女の実力は確かな物だ。
「リアは今まで通りにしてくれれば大丈夫だとは俺も思うけどね。」
「ほ、本当!?」
「本当か!相棒!!」
「お前じゃねぇよ、座ってろ。」
リアに言ったにも関わらず、ブリットが立ち上がる。
何だコイツ(困惑)
ちょいちょい意味分からんことするのやめろ。
前言撤回、コイツナチュラルに会話が成り立たないな。
猿になると脳の言語域でも委縮するのだろうか。
怖いなぁ~とづまりすとこ。
「そんで、それはいつから始まるんだ。」
「一応エントリーはしていましたし、もうすぐだと思いましてよ。」
もうすぐって...随分とアバウトだな。
それにしても.....。
「一応、俺達フォース組んだばっかりだろ?それなのにバトランダムとか良いのか?」
俺が問うと、彼女は頷く。
「まぁ対人戦は実践あるのみですし、それにマッチングはフォースのレベルを考慮して行われるはずですわ。」
そうか、それなら安心だな。
それに確かに対人戦は普通のミッションでは練習のしようがない。
数こなすしかないだろう。
マッチングがしっかりしているのは好感が持てる。
なんだ神ゲーじゃん。
「まっ、偶に初心者が経験者に当たるとかマッチングが狂っているとしか思えない事例もあるみたいでしてよ。」
「駄目じゃん。」
やっぱGBNはクソゲーだったわ。
しかしタカネが矢継ぎ早に言葉を続ける。
「まぁそんな例は少数派だから気にする必要ないってはっきり分かりますわ。だから気にする必要ありませんの。」
「だと良いけどな....おっ、来た。」
フォースメンバーとカフェエリアで駄弁っていると、メッセージが入る。
運営からだ。
見ると、次の対戦相手が表示されていた。
「場所は地上エリア。対戦相手のフォース名は”Gファイター”か....」
どんな機体なのだろうか。
コックピット内部でメッセージの内容を見る。
名前的にも初代系統の機体で構成されたフォースだろうか。
『皆さん、初めてですしそこまで気負わずに行きますわよ。』
『まっ、華々しいデビューと行こうぜ相棒!』
『わ、私が、....みんなの背中を守る......』
「....ま、やれるだけやってみるか。」
初めてのフォース戦だ。
まずは感覚を掴む所から始めるか。
するとハッチが開く。
操縦桿を握った。
「サクラン・ズラ、イージスガンダム。出るぞ!」
『ギャン・ノーブル。タカネ、出撃しますわ!』
『ガンダムAGE1・サルトビ、行くぜぇ!!』
『か、神薙ガンダム幽尼魂...ぃ、行きます!』
フォースメンバーは同時に出撃する。
隣を見ると、馬鹿。
そして後ろにはタカネとリア。
イージスを巡航形態で出撃させたので同じくらいの速さで並走できるのが横の猿しかいなかったのだろう。
「まずはどこから来ても良いように、私とブリットさんが接地しますわ。貴方がたは空の方を...って、お相手は案外下品ですわね。こんなにも手が早いだなんて!!」
「なにが...ッ!」
タカネがそう言った瞬間アラートがなる。
前方から4機がそれぞれ違うスピードでこちらに迫ってきている。
そして4機居る内の2機はとんでもない速さであり、こちらに急行してくる。
「あ、相手の機体は......、ひ、飛行機.....?」
「フラッグカスタムとブレイブですわね。」
フラッグカスタムとブレイブ。
どうやら予想を裏切り、OOの機体がこちらに迫る。
もしや名前はただのブラフだったのだろうか。
なんにせよ迎え撃たないと!
変形状態からスキュラを照射する。
そして後ろからは幽尼魂がビームボウを射る。
すると相手は空中変形してスタンド形態に移行し、射撃を回避する。
ブレイブは分かるが、フラッグカスタムは確か空中変形に対応してないんじゃなかったか?
それが出来るからこそグラハムスペシャルと言われていたわけで。
すると向こうの通信が聞こえてくる。
『敢えて言おう!人呼んで...グラハム・スペシャル!!』
『敵対戦力と接敵、相手は3機ガンダムタイプがいる。....おとめ座の私には、センチメンタリズムな運命を感じずにはいられないな。』
そう言うと相手はビームライフルを撃ちながらこちらに迫る。
MS形態に変形し、ビームライフルをこちらも構える。
牽制に撃つも、相手はふわふわと捉えどころのない機動で避けると2機が一気にこちらに迫る。
「や、やらせません...!」
幽尼魂がバズーカを撃つ。
しかしカスタムフラッグはそれを銃で撃って破壊した。
相手の射撃を盾で防ぐと、目の前でブレイブはビームサーベルを出す。
こちらも腕部サーベルで出すと、相手の斬撃を受け止めた。
「チッ...速攻かよ。こちらを荒しに来たのか.....!」
『悪いが私は我慢弱く落ち着きのない男だ。楽しませてもらうぞ、ガンダムっ!!』
どうやら相手はグラハムのRPをしているようだ。
だが、手ごわいのは本当だ。
今まで相手したどんな相手よりも、強い!
すると、計器が再度アラームが鳴る。
見ると斜め上からフラッグカスタムもビームサーベルを展開してこちらに迫ろうとしていた。
(まずい...!流石に2対1は!!)
『わ、私が相手です!こ、こっちを...見て、くださいっ!』
そう言って薙刀を構えたリアのガンプラがフラッグに突撃する。
すると、それを読んでいたのか相手は後方に跳ぶと変形、そしてそのままリアに激突する。
『きゃあああ!!』
「リア!!」
『余所見とは!妬けるじゃないか、ガンダムっ!!』
「クッソぉがぁ!!!」
相手の斬撃が一層激しくなり、受け止めるのに苦労する。
そんなことしている間にもリアはカスタムフラッグと戦っていた。
『まさか君から来てくれるとは!嬉しいぞ、ガンダムっ!!』
「な...なにこの人...こ、怖い.....」
リアの声は震えている。
まぁグラハムは気持ち悪いしな。
そう言う意味では人見知りの彼女からしてみれば恐怖を覚えても仕方ない。
このままでは彼女もやられかねない。
援護しないと!!
「すまない!誰か援護に行けるか!!?」
『難しいですわねっ!こちらも絶賛戦闘中ですもの!そこの横格猿も難しそうですわぁ!自分でなんとかしてくださいまし!!』
『ウッ!ウッ!!アァァイ!!!』
「マジかよ.....」
まさかここまで攪乱されるなんて...。
そう思っていると、相手が迫ってきているのに気づく。
しまった!意識を外した隙に.....!!
「隙だっ!ハムキック!!」
鍔迫り合いを制したかと思えば、そのまま加速の勢いを活かして蹴りを入れられる。
加速込みの蹴りはイージスを蹴り飛ばすのには充分だった。
「うぜぇ!!やりかえしてやるよぉ!!!ボケが!!!」
台バンをするも、操縦桿を握る手は離さず。
距離が開いたのなら!
足のサーベルを展開し、蹴りを入れる。
相手はビームサーベルで受け止めるが、蹴りの勢いに負けてサーベルを取りこぼす。
これで近接武器はないはず!
間髪入れずに近距離攻撃を仕掛けようとする。
腕のサーベルを振り上げた。
まずは一撃!
そのつもりで攻撃しようとすると、相手が変形する。
何を!?
そして次の瞬間、変形でスタンド形態に戻ることで後方に飛び上がる。
何だ今の機動は!!
『スタンドマニューバー!!!』
そのまま足の部分から何かがこちらに向かって飛んでくると、目の前で炸裂した。
その瞬間、アラートがけたたましいくらい鳴り、計器が乱れる。
(なっ!駄目だ。センサーがやられている!ジャミング武装か....)
相手によって狂ってしまい、正常に動かないセンサーを見てさらに台バンする。
相手の方が何枚も上手だ。
翻弄されている!
『君はあまり変形しないようだな、少年!活用できない機能は腐るだけ、足を引っ張る結果となる。覚えておくと良い!トランザム!!!』
<TRANS-AM>
すると相手の機体は赤く光る。
そしてサーベルを取り出すと、周りを高速で飛来すると此方を斬りつける。
(クソっ!早すぎて防げない!!どうなってんだ運営!これ持ってる機体と持ってない機体でかなりのハンデあんだろうが!!!クソシステムがぁ!!!)
防ごうとして、ビームサーベルを構える。
しかしあまりの速さに対応できずに左腕と右足を切り落とされる。
そして相手は一旦距離を取ると、ドレイクハウリングを構える。
銃身が横に二分割し、エネルギーがチャージされる。
ゲロビを撃つ気か!なら!!!
「ッッ!!!そんなに変形が見たいなら見せてやるッ!!!」
ならばと変形するが、スキュラの狙いを定めることが出来ない。
まさかここに来てジャミングがこんな形で効くなんて.....。
『さらばだ!ガンダムッ!!』
そして相手はゆっくりと引き金を引こうとした。
こうなったら一か八か.....!!
『どうした!防ぐばかりでは私に一刃与えることすら叶わんぞ!ガンダムッ!!』
「うっ、うぅぅ.....」
相手の猛攻にビーム薙刀で受け止めるリア。
しかしその声は委縮しており、相手のペースに呑み込まれていた。
自分から攻撃しない為、相手の攻撃を専守することが出来ているが、それもいつまで続くか分からない。
すると、近くでなにかの炸裂音。
見ると、そこは傷ついたイージスととどめを刺そうとする敵。
今にも引き金が引かれようとしている。
対抗しようと放たれたイージスの放つビームは何故か見当違いな方に飛んでいく。
どうやら何かしっかりと射撃出来ない理由があるのだろうか。
なんにせよこのままではダイキがやられてしまう!
そう思うと、鼓動が早くなる。
駄目、それは駄目だ。
彼と一緒に行動し、戦ってきたからこそブリットさんやタカネさんと出会い、今フォースに入って楽しい日々を送っている。
彼が居たから、今の日々があるのだ。
それに、背中を守ると言った。
なのに、私は守れてないじゃないか....!
「駄目...駄目.......」
このまま見てるだけなんて嫌。
私はみんなの役に立ちたい。
してもらった分、返したい。
そう思っているも、相手は銃を彼に向ける。
それを見て思わず叫ぶ。
「ダメェェェェェ!!!!」
すると、幽尼魂の動きが急に止まる。
そして画面にはある文字が浮かんでいた。
<神降モード>
その文字と共に、機体の赤い部分が緑色に光を発する。
そしてスカート部分からリフレクタービットが数基飛び出してくる。
そしてそれは凄い速さでブレイブとイージスの間に割り込む。
『何ッ!!?』
そして放たれた高出力のビームを跳ね返す。
一基が跳ね返したビームを更に数基のリフレクタービットが弾くことで相手のビームを拡散した状態で返すことが出来る。
『うぐぅ...中々やるっ...ぐあっ!』
トランザム状態のブレイブは跳ね返ってきたビームを避けようとするも、片腕に当たる。
右腕が破砕した。
だが、それでも未だ優位なのは変わりない。
『トランザムが持つのは数秒、だがこの数秒で勝負を決めさせてもらう!!!』
相手が迫ってくる。
勝利を確信している様子だ。
それが気に喰わない。
ゲームで、相手に舐められたまま倒されるなんて一番御免被りたいのだ。
せっかくリアが作ってくれたこの機会。
もし目の前の男を倒して、勝ちを確信した奴の顔に泥が塗れたならどんなに気持ちいい事か。
実力は劣っていて、機体の損傷率も高い。
だからこそ、出来ること全てやる。
自分をかき集めてアイツにぶつける。
例え卑怯に見えようが、悪あがきに見えようが勝ちに手を伸ばし続ける。
勝とうとしないゲームなんて、時間の無駄でしかないからな!
「なめるなぁぁぁぁぁ!!!!」
MS形態に換装して相手に迫る。
バルカンを吹かすと相手の装甲をガリガリと削る。
『くっ、足りん!足りんぞガンダムッ!これでチェックメイトだぁ!!』
相手の間合いに入り、ブレイブはサーベルを振り上げる。
「やらせるかぁぁぁ!!!!奥の手を使う!!」
出来れば使いたくなかった武装。
盾を相手に差し向けて、それを射出する。
『何ッ!?ウミヘビだとッ!!?』
(なんだ....急に動きが良くなった.....?)
ブレイブのパイロットは困惑する。
さっきまで圧倒していた筈の相手が急に動きにキレが出てきたのだ。
未だジャミングの効果を受けているにも関わらず。
だからこそ笑みを深くする。
(面白い....貴様の真価、見定めさせてもらう!)
一方ダイキは操縦桿を強く握りしめている。
相手に当たったウミヘビ。
それはいつかのミッションで手に入れたウミヘビ。
それを盾に内蔵していたのだ。
相手のサーベルを振り上げ、高速で肉迫したブレイブはそれを避けることが出来ずにもろに胴体に食らう。
これで動きを封じられた!
すると、イージスの計器からアラームが鳴る。
(バッテリーが一気に減ったな....。だから使いたくなかったんだ。)
何故今まで肉迫された時に使わなかったのか。
それは盾に無理やり内臓した為に、ウミヘビの電気がこちらの電気回路から供給される設定になってしまっており、使えばこちらもフェイズシフトダウンまで秒読みになってしまう。
正直、新しいプラモを買うまでのビーム兵器が効かない敵に対する切り札のつもりだった。
だが、まさかこんな形で役に立つなんて。
そのまま変形すると、動けるようになって高速で逃げられないようにそのまま爪で挟み込む。
「俺が....お前を撃つ!!」
『なっ!くっ、ここで落ちるわけにはっ.....!』
そう歯噛みするも、イージスの砲口が光る。
それを見てブレイブのパイロットは確信する。
これは....自分の敗北だと。
多少の乱入はあったものの、トランザムを使う自分を倒した。
しかも慣れていなさそうな初心者っぽい少年にだ。
自然と笑みが漏れる。
『前言を撤回しよう。心地よい戦いだったぞ少年。その変形、興味を通り越して好意を抱かせてもらった!』
「破壊する!!」
相手の発言には取り合わずにそのまま引き金を引く。
ブレイブの胸をスキュラが撃ち抜く。
そして爪を放すと力なく地面に墜ちていき、数秒後に爆発した。
「はぁ...はぁ....終わった...か....。いや、リアの援護に....」
そう思い、リアを見るとビームマグナムを構えるリア。
フラッグカスタムは引き金を引かれる前にそれを蹴って銃口をずらす。
そしてそのままサーベルで貫かれた。
「...間に合わなかっ.....。」
声を出す前にリアの機体は墜ちていく。
間に合わなかった。
いや、それどころか彼女がやられたのは俺を助けて隙が出来たからだ。
ならば、俺が仇を取る!
たとえ機体がボロボロでも!!
「お前が...リアを、リアを倒したぁぁぁ!!!」
先の戦闘の勢いのまま、叫びを上げてスラスターを吹かして肉迫しようとする。
しかしその瞬間、機体が一時停止する。
「な、なんだ!?お、おい!進め!進めよオイ!!」
台バンすると画面にはバッテリー残量0とPhase Shift Downの文字。
遂に電力が落ちたのだ。
まともに動くことが出来ず、機体カラーが鈍色に変わる。
『...グラハム2には感謝しなければな。ここまで消耗させるとは、流石だと言わせてもらう!!』
そう言ってフラッグカスタムはライフルを連射する。
PS装甲も機能していない今、それを凌ぐ術はもうない。
機体は攻撃を食らい、爆発損傷。
ゆっくりと墜ちていく。
「クソっ!クソッッ!!!」
台バンをするダイキ。
唯一まともで、いつも助けてくれる彼女を助けられなかった。
これは一重に己の力不足故だ。
それに成す術もなく一方的に墜とされたのだ。
悔しくない訳がない。
悔しさから歯噛みしながらも、台バンするの止めて背もたれに身を任せる。
機体は地面に墜落すると泥に塗れ、まるで無念さを堪えるかのように地面に顔を突っ伏していた。
次は猿とお嬢様の視点になります。
Gファイターというフォース名の由来は次の話に分かります。