GBNに初心者猿がinしたおwww   作:胡椒こしょこしょ

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オフ会四人

「...ここで良いのかな。」

 

目の前にはガンダムベース。

しかしそれはいつも俺が行っている所ではない。

隣町のガンダムベースだ。

 

なんでもオフ会をやるにあたって何か事情があるらしく、リアの指定した場所に集まることになったのだ。

それにしても....ここを集合の指定場所にするとかやっぱガンダム好きなんだなぁ。

そう思いつつ、ガンダムベースに入る。

 

「あら、遅かったですわね。こちらですわ。」

 

店に入ってキョロキョロと周りを見回すと、カフェスペースで一つのテーブルで二人くらいが手を振っている。

見ると、縦ロールの女子高生と大学生くらいのイケメンが座っている。

....なんだ、もしかしてアレか?

アレが俺のフォースメンバーなのか?

し、信じないぞ!あんなまともそうな奴らなんて!

特にイケメン、もしかしてアレが猿か!?

...いや、もしかして一番まともそうだし、リアの中の人なのかもしれない。

アレ....なんかそう思うと凄いテンション下がってきたぞ。

 

取り敢えず、近くまで寄ると声を掛けた。

 

「サクラン・ズラっす。えぇと...チンパン動物園のメンバーで合ってますかね?」

 

すると二人は首肯する。

 

「おいおい、分かってなかったのかよ。俺だよ俺、ブリット・サルノだよ!」

 

「まぁ気品あふれる私を見て分からないはずないでしょうけど、タカネですわ。」

 

な、なんだ...コイツら、まんまGBNのアバターのイメージの通りじゃねぇか。

タカネは制服的に確かお嬢様高校の制服だった気がする。

それに縦ロールだしな。

 

そんでもってイケメンがリアルでもイケメンなのに驚きだ。

男の場合、大抵反比例するものだが。

てかリアルでも人間だったんだ。

てっきり研究所のチンパンジーにやらせているのかと思った。

 

どうやら二人は俺より先に着いていたようだ。

しかし、それにしても....。

 

「集合場所ここにしといて、リアはまだ来てないんだな。」

 

「こ、...ここに、いる...よ?」

 

俺がそう言うと、リアの声が聞こえる。

!?どこだ!!

辺りを見渡していると、二人が俺を残念な物を見る目で見ている。

な、...なんだその顔は!

二人を睨むと、タカネは机を指さした。

 

なんだ....。

机にはコーヒーやケーキが置いてある。

そしてそこに美少女フィギュアのような物が....てかこれリアに似てんなぁ。

 

「や、やっと....気づいてくれた....」

 

「しゃ、喋った!?」

 

おい、美少女フィギュアが喋ったぞ!!

なんだこれ、アレか?

呪いの人形的なアレなのか?

遂に心霊体験も萌えに対応してきたのだろうか?

 

戸惑う俺を見て、タカネがこれまた呆れた顔で溜息を吐く。

 

「はぁ...下らないこと考えているっぽいですし、私がGBNについて一つ教えて差し上げますわ。」

 

 

 

 

「エルダイバー....か。」

 

タカネの説明を受けた。

GBNの蓄積されたデータから生まれた電子生命体。

それこそ有志連合やリクといったプレイヤーなど色々なことを経て、リアルへこうしてサルベージすることが出来て、エルダイバーという種族が生まれたらしい。

ガンプラの技術を応用した身体に精神を映したことでこうして俺たちと同じく現実に生きている。

技術の発達は凄い物だ。

しかし...それにしても電子生命体か。

まさかGBNにそんな存在が居たなんて。

マジで謎だな、あのゲーム。

 

「そ、そのっ!ダイキ!あのっ!!!」

 

「....私の説明の途中で何やってるんですの?」

 

タカネが俺をジト目で見る。

見ると俺の手の中で彼女が上目遣いでこちらを見つめている。

 

「いや...ご、ごめん。どんな感じかなぁって思って....。」

 

俺は手を離して俺の前に居る彼女に謝る。

すると、彼女は顔を赤くしながら口を開く。

 

「そ、そのっ...いいよ?わ、私も....ダイキが話を聞いてる途中で、...ちょっかい、出したりしたし....」

 

「なんか傍から見てて腹立ってきましたわ。」

 

タカネが紅茶を飲む。

しかし、リアが言う事も間違いない。

話を聞いている時に指を引っ張ってきたりしたしな。

 

「まっ、要するにリアも居るってことだろ?じゃあ良かった。これでフォースメンバーが全員揃ったな。」

 

俺がそう言うと、タカネは目を丸くした後に笑った。

 

「そうですわね、馬鹿なりに理解が早くて助かりましたわ。」

 

「オイ、リアルでは初対面だろ。いきなり馬鹿認定するには早いんじゃないか?」

 

俺がタカネをジト目で見る。

そんな時、隣のブリットが口を開いた。

 

「それより、タカネは良く知っているな。俺も相棒と同じでエルダイバーについて知らなかったしな。」

 

ブリットが関心した様子で言うと、タカネは上品にも口に手を当てて笑う。

 

「当たり前ですわ!なんてたってお父様がGBNの運営の一人ですもの。」

 

さらっととんでもない事を言うタカネ。

 

「は?マジで?」

 

「マジもマジ、大マジですわ。この方ですわ。」

 

彼女がスマホを操作すると、画面をこちらに差し出す。

そこには〝ハザマべ・クニオ”の名前。

 

「へ~、じゃあ君はハザマべ・タカネと言うのか。」 

 

「えぇ、そうですわ。以後お見知りおきを。」

 

ブリットとタカネが談笑する。

てか自分の下の名前そのままGBNの名前にしたのか...。

リテラシー的に避けた方が良いが、まぁ運営の娘なら何かあった時の対処とか速いだろうしな。

てか、そんなことより!

 

「アンタ、身内が運営の一人なのにあんなGBNボロクソに言ってたのか!?」

 

俺が問うと、彼女は涼しい顔で答える。

 

「えぇ。だってクソゲーなことに変わりないですもの。私、身内だからって評価を変えるような甘い女じゃなくってよ。」

 

いや身内って言っても父親だし...それにそのクソゲー運営の金で生活してるんだろ....。

しかし、いちいちそんなこと言ってもしょうがない。

なんかコイツのことだ。

ここを追求してもこれまたお嬢様口調で煙に巻かれる、もしくはボロクソ言われるに決まっている。

 

「そ、そっかぁ....わ、私、その...くそげ?って所から生まれたんだ.....」

 

「やっぱGBN神ゲーでしてよ。生命体が生まれている時点で神の御業ではありませんの!」

 

「掌返しまくりじゃねぇか。」

 

どうやら彼女もリアについては思う所があるらしく、発言を一転させる。

ていうかそれよりも!

 

「本題に入らせてもらってもいいか?俺のプラモの件だ...。」

 

俺がそう言うと、タカネが口を開く。

 

「そのことですが、私も改造案、考えてきましたわ。」

 

「本当か!?」

 

まさかタカネが考えて来てくれるなんて。

店でプラモを見ながら考えようと思っていたが、まさかそこまで考えて来てくれるとは。

タカネはGPDをやっていた分、そういう面ではとても信頼できるのではないだろうか?

 

すると、タカネがスマホを操作してプラモの画像を見せる。

 

「私の考えた案は、イージスにG-セルフの装甲を付ける案ですわ。G-セルフはフォトン装甲で装甲自体がバッテリーの役割を果たしていますの。だからこそ、PS装甲とは相性が良い筈ですわ!」

 

「なるほど...確かに装甲自体もバッテリーならTP装甲で消費を控えつつ、下のPS装甲のエネルギー効率も良くなるな。」

 

確かに理にかなった改造案だ。

聞くだけでも強そうに思える。

 

「これで良いんじゃね?G-セルフならバックパックとかで戦術に幅が出るしな。」

 

ブリットはタカネの案を聞いてそう言ってくる。

そう言えばそうか。

リフレクターパックや高トルクパックなどG-セルフにはバリエーションがあったな。

 

「あっ...うん、そうだよね...。」

 

何故かリアが控え目に返事する。

どことなく残念そうだ。

どうしたというのだ。

 

「ま、技術的なことは後にしてとにかくそのプラモを買いに行こうぜ!」

 

ブリットは立ち上がるとそう言ってくる。

...まぁ金なら余裕はある。

今日の為に、床に頭を擦り付けて来たというものだ。

次の月のお小遣いを先取りしたのだから。

....来月は寄り道せずに家で大人しく暮らそう。

それにプラモ一つ買ったくらいでは痛くもないくらいにはある。

 

「それもそうですわね。」

 

タカネも立ち上がる。

じゃあ、俺も立つとするかぁ....。

そう思って席を立とうとすると、リアが指を引っ張る。

なんだ....?

 

「そ、その....私、一人では移動できないから.....、その肩に乗せて....?」

 

...確かにその体躯では無理だな。

俺は彼女の申し出に首を縦に振る。

 

「いいぞ。ほれ。...てかここまでどうやって来たんだ?」

 

俺は彼女を手の平に乗せると、肩の方に手を持っていく。

するとリアは肩に移る。

なんか叔母の家で飼っている文鳥と遊んだ時を思い出す。

俺が尋ねると彼女は答える。

 

「私、ここの店長のお家でお世話になっているから。わぁ、...結構高いね。」

 

なるほど、さしずめここが家と言った感じか?

...GBNをやるにはもってこいの環境だな。

 

「まぁ、そりゃあな。....大丈夫か?」

 

俺が聞くと彼女は答える。

 

「うん...大丈夫、だよ...?」

 

...なんか耳元で声が聞こえるからこそばゆいようなそんな感じがする。

まぁ何はともあれプラモの方に行かないとな。

 

販売スペースではガンプラを物色する人が頻繁に見られる。

どうやらタカネとブリットが先行しているようだ。

 

「あぁ~、イフリート!買いてぇなぁ!!金溜まったら買うかぁ!!」

 

「トールギス...ふふ、ギャンとは違うエレガントさを感じますわ。こういうので良いんですのよ、こういうので。」

 

....なんかアイツら自分の興味あるプラモ見始めたんだけど。

まぁ、ガンダム好きならすぐ目が移ってしまうのは分からなくもない。

かく言う俺もそうだった。

 

ちらっとエピオンを見る。

正直、家でやっているゲームで使っているから結構愛着のある機体なんだよなぁ....。

すると、肩の彼女もそちらを見ているのが分かった。

 

その目線は熱っぽい。

 

「そ、その....。」

 

「なんだ?」

 

俺が問うと、彼女がおずおずと切り出す。

 

「そのっ...あのっ....私も実は考えてて......」

 

「えっ、そうなの?なんだよ...あの時言ってくれればよかったのに」

 

俺がそう言うと委縮したようにあうあう言い出して、口を再度開く。

 

「そ、そのっ...みんな話が纏まったのに切り出すのは気が引けて....」

 

彼女のその言葉に納得する。

確かに彼女の性格的に輪を乱してまで自分の主張を出そうとするはずがない。

ましてや他人の機体で、全体の方針も決まっていた。

 

納得する俺を他所に彼女の言葉は続く。

 

「そ、それに....みんなちゃんと考えてて....私の理由が恥ずかしいし.....。」

 

恥ずかしそうに言う彼女。

しかし、逆にそこまで言われると聞いてみたくなる。

俺は彼女に尋ねた。

 

「いや、一回言ってみてよ。気になるしさ。」

 

そう言うと、彼女は俺の目を上目遣いで見た後に恐る恐る言った。

 

「そ、その....そこの赤黒の機体が...そのっ、し、尻尾が可愛いなぁ~って。」

 

彼女は指を指す。

その先を見ると、俺も見ていたガンダムエピオン。

尻尾?

エピオンに尻尾なんかあったか.......?

....あっ!変形した時に盾についている奴か!

確かに龍型に変形するから尻尾に見える。

 

彼女は笑みを浮かべる。

 

「そ、その...忘れて?た、タカネちゃんが考えてきた案の方が良いし.....」

 

....やっぱ俺もエピオン好きなんだよなぁ。

格闘性能高いし。

見た目もカッコいいしな。

ただこれも買うとなると金が.....。

 

エピオンのプラモとしばしの間にらめっこする。

 

 

 

 

 

 

「あっ、戻ってきましたわね....あら?プラモが一つ多くなくって?」

 

タカネとブリットは先にカフェスペースでコーヒーを飲んでいる。

この野郎.....自分が買いたいプラモ偵察しに行っただけじゃねぇか。

俺の腕の中にはG-セルフと...エピオンのプラモの箱が。

結局買うことに決めたのだ。

 

「なんとか、エピオンも改造に組み込みたくてな。...いけるか?」

 

俺が問うと、タカネは答える。

 

「多分いけますわ。...ただ、PS装甲にフォトン装甲を張り付けるだけから作業量が増えてしまいますわ。それにエピオンをどのように改造に盛り込むのか考える時間が必要ですわ。」

 

まぁそりゃあな。

当初はG-セルフだけだったからな。

すると、ブリットが口を開く。

 

「それならさ、G-セルフって確か背部がユニバーサル・スタンダードに準じてるんだろ?だったらトリッキーパックとか既存のバックパックをエピオンのパーツに代えて独自のバックパックを作ろうぜ!さしずめエピオンパックをよぉ!!」

 

ブリットが言うと、タカネはすかさず声を発する。

 

「そうするとかなり手間がかかりますわ!それに技術的にもかなりの水準が要求される。本気で言ってまして?」

 

すると、ブリットが返答する。

 

「確かに手間がかかる。でもさぁ....ただ武器持つだけとかつまんなくねぇか?こういう所で妥協しちゃいけねぇって思うわけ。なぁ?」

 

「お、おぉ。」

 

ブリットの言葉に流れで答えてしまう俺。

しかし、それにしても戦闘中では想像できないくらいガチな顔をしているブリット。

ビルドに関しては真摯なんだな。

 

すると、そんなブリットの様子を見て彼女は溜息を吐く。

 

「..まぁ妥協云々は同意しますわ。それならバックパックはスクラッチする部分もあるかもしれませんの。そこは私が担当しますわ。機材が揃ってますし。装甲を削ってくっつけるのは貴方たちに頼みますわ。」

 

「お、おう....。」

 

そう言われると少し不安になる。

なんせ改造は初めてだ。

初心者故に緊張してしまう。

 

すると、ブリットがリアが載っていない方の肩に手を置く。

 

「まぁそんな硬くなんなって。俺が一緒にやってやるから大丈夫だよ。」

 

そのあっけらかんとした態度が今は頼もしい。

俺はブリットの目を真っ直ぐ見返した。

 

「頼りにしてるよ。」

 

そう言うと奴は嬉しそうに笑った。

 

「おう!任せとけって相棒!!」

 

...やっぱコイツ機体動かさない方がいいわ。

出来た人間してるもん。

機体動かそうとした瞬間、猿になっちゃうから。

 

すると、タカネは口を開いた。

 

「それじゃどうするか決まったところですし、プラモを開きましょう?バックパックは私が持ち帰って考えさせてもらいますわ。だから今日は装甲ですわね。...今日中に機体が全て出来上がるとは思わないことですわね!!」

 

タカネは俺達に指を突きつける。

隣でブリットがウキウキでプラモの封を切る。

肩から彼女の声がした。

 

「ご、ごめんね...大変なことになって。」

 

確かに作業は増えたし、出来上がるかも分からない。

しかし....俺の心には楽しみしかなかった。

 

「いや気にすんなよ、なんか却って楽しみになってきた....。」

 

思えばフォースメンバーとガンプラを協力して作るなんて貴重な経験。

しかもビルド上級者が二人も居るのだ。

そして自分の好きな機体も用いたビルドだ。

確かに製作期間も長くなりそうだし、大変そうではある。

だがそれ以上にフォースメンバーみんなで作ったガンプラの出来上がりが早くも楽しみになっていた。




イメージ的にはG-セルフにエピオンの羽とスラスターが付いていて、そこに有線でビームソードが繋がっている感じ。
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