輝きたくて   作:インスタント脳味噌汁大好き

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寿命

「今までに、何人の人を騙して来たの?」

「まだこの事業は始めたばかりでな。お前で127人目だ。誇っていいぞ。10億円に僅か5年で手が届きそうなのはお前が初めてだし、今後もしばらくは出て来ないだろう」

 

私で127人目と言われたけど、要するに126人はこの悪魔の被害を受けたということか。……何か釈然としないな。もしかして、寿命どうこう出来ないというのも嘘かな?

 

「疑うのは結構だぞ。あとは126人の内、半数は稼ぐのを諦めてダラダラと人生を過ごしていたな。そういう奴らも基本は私を恨んでくれるから、楽な商売だったんだが」

「そう。

それは今後も、続けるつもり?」

「辞めるように言うつもりならさっさと私は去る。

まあなんだ、私からすれば残り少ないその命、存分に楽しんで生きろ」

「……この後、部屋にトラック突っ込んで来ないよね?」

「そこまで疑い深いなら大丈夫だ。そうか、元からお前はそういう性格だったから……。

私としては人選を誤ったか」

 

確認を取ると、そこまで疑い深いなら大丈夫だという意味深なことを言う悪魔。結局、私は無事に今後も生きられるのか分からないけど、それは他のどの人も同じだろう。自分の寿命を知っている人なんてこの世にいないだろうし、もしも知ってしまったら、それはそれで悲しいことだと思う。

 

「あ、未来知識を利用してのぼろ儲けって、どこまでがアウトだったの?結局分からなかったんだけど」

「……まあお前が考えていた通りだ。競馬や競輪は転倒させて潰せば自責の念も得られて二度美味しい。仮想通貨なら流出させればすぐに暴落する。そもそもFXや株や仮想通貨は元の世界と値動きが違う。変に介入しなくても基本は失敗するな」

「地震とか、その手の災害が予言した時だけ的中しなかった理由は?」

「大きな災害の日程はほとんど被っていない世界だ。逆に言えば、一部は被っている世界だな。

その一部が被っていただけで元の世界通りだと判断するのはお前らしくない」

「……コロナって流行るの?」

「さあ?そこまでサービスしてやる義理はない」

「私が未来知識を使ってVtuberとして成功したのは別に良いの?」

「未来知識を使うにしても、職業選択に使うなら過度な介入はしない。まあ全部私が決めたマイルールという奴だ。邪魔をするのも、基本はその日の気分次第だな」

「……真面目に検討していた時間を返して」

 

悪魔と会話し、一通り疑問を解消したら「ではそろそろ去るとしよう。おそらく、二度とお前の目の前には現れん」と言って消える。……上位生命体を相手によく口が回ったけど、Vtuberやってたお蔭だなあ。とにかく、寿命の件の問題は解消されたかもしれない。

 

……ということは、だ。私は頑張らなくても良くなった。もう既にVtuberを引退して、ダラダラと余生を過ごすことも出来る。でも私は、今日もいつも通り配信を開始した。

 

「こんばんは。世界の皆さん。世界初のバーチャルユーチューバー、華山亜季ですわ」

 

コメント:こんばんはー

コメント:こんばん

コメント:麻雀コラボの時間だあ!

コメント《5000円》:いつも楽しみにしています!

コメント《500円》:奉納金

 

今日は玉手箱と2D3Dの合同麻雀大会で優勝した小鳩さんと、玉手箱Exとして活動を開始した黒桜さんと仙黒さん。そして私の4人で麻雀配信。明日は沙羅さんと雨鳥さんと星月さんでテトリス配信をするし、しばらくはコラボ配信で私のチャンネル登録数を分け与える感じになるかな。

 

玉手箱Exの存在意義としては、コラボの活性化、新しい組み合わせの開拓というのもある。長くVtuberを続けていると、必ず人が離れるタイミングというのがあるし、新しい要素をどんどん取り込まないと生き残れない。

 

既に株主総会も、少々飽きられ気味だしね。毎回数字が伸びているし、企画の募集とかもしているから人は多く集まるけど、マンネリ化というのは否めない。

 

「今日の麻雀は、満貫以下の手で上がったら罰符ですわよ。あと跳満以上への差し込みは、上がった人の半分の点数が貰えますわ」

 

コメント:要するに跳満以上じゃないと上がっちゃ駄目

雨鳥美心:点数計算出来にゃい……

コメント:三麻でやれ

コメント:いやでもこの面子ならいけるでしょ

コメント:全員全ツッパ麻雀が始まる

コメント:差し込み点が重要そう

コメント:この中で一番差し込みが上手いのは……あっ

 

別に生き残る必要はない。マンネリ化しても良い。しかし私はきっと、トップVtuberであるために色々と手を尽くすだろう。もう未来知識はほとんど使えない。コロナ流行が始まれば、そこから先の世の中なんて読めない。

 

でも今までだって、完全に流れを読み切って対応出来たわけじゃない。人類はみんな、明日死ぬかもしれない可能性を秘めて生きている。なら命尽きるその時まで、私はVtuberとして輝き続けたい。




これにて「輝きたくて」は完結です。これまでたくさんのお気に入り登録や評価、感想をありがとうございました。完結出来たのは読者の皆様のおかげです。

このあと番外編として掲示板回などを投稿するかもしれませんが、前に完結後のあとがきで同じようなことを書いて結局書いていないので、今後この作品が更新されるかは不明です。

今は少し疲れたので、ちょっとだけお休みして新作を書きたいと思います。たぶんTS系で異世界でキャッキャウフフをする話になると思います。一応骨組みは固まっていますが、主人公最強系ではないと思います。

改めて読者の皆様、ここまでの読了お疲れさまでした。最後に評価を付けて下さると非常に嬉しいです。また次回作や他の場で会えることを楽しみにしています。これまでありがとうございました。


↓次回作
https://kakuyomu.jp/works/16818093074303916494

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