「じゃあ5期生の1人は金髪Eカップの16歳妹で眼鏡をかけてて、性格は普段は若干のツンデレだけど1対1になると距離を詰めて来る清楚な子で良いですわね?あとはリスナーのことをお兄ちゃん、お姉ちゃん呼びしていて、お兄ちゃんお姉ちゃんの趣味自体は良く思っていませんが、どこか尊敬はしていると」
コメント:キャラ設定楽しい
コメント:欲望設定マシマシ
コメント:欲望が増える増える
コメント:問題は誰が応募してきてくれるかなんだよなあ
コメント:こんなパーフェクト妹が欲しかった
コメント:これ魂として合致する人がいないでしょ
「あー、魂は問題ですわね。まあでも、何とかしますわ」
Vtuberの企業を経営している側に立つと、中身の確保というのは凄く大変だということが理解出来る。ここまで膨れ上がってしまった期待値の高いアバターに、入ろうと思う気概のある人はそんなにいないし、いたとしても自信過剰な人や自惚れた人が来やすい。
まあでも、こんな企画をすればこうなることは分かっていたし。それでもこの企画をしたのは、既に中に入る人が決まっているからなんだよね。
「……じゃあお姉ちゃん、来月から私の妹としてデビューしてね?Vtuberやりたかったんでしょ?」
「……ねえ待って。理解が追い付かない。Vtuberやっててお金稼いでたのは知ってたけど、まさかあんたが華山亜季!?」
「え、私のこと知ってたの?」
「知ってたも何も、ほぼ毎回配信を見てたわよ?」
「お前姫守なのかよお!?」
「ええそうよ!?しかも株主よ!?」
前の世界では、それほど親しくないというかラインですら話すことが無かった姉。今の世界でもそれほど仲は良くないけど、同性だからかたまに相談とかはしてくれるようになったしラインでは時たま話すようになった姉。
前の世界と同じように、どこかのチェーン店の店員として働いていた姉は、前の世界と同じようにやせ細っていて働くのが辛そうだった。家を出る前は私と同じくオタク趣味だったのは知っていたけど、前の世界では刀剣乱舞とかBLとかそっち系統だったはずなのに、今の世界ではVtuberだった。
……いや、前の世界でもVtuberの推しを作ったりしていたのかな?前の世界では、仲が悪かったわけじゃなかったけど本当に関わりが無かったからなあ。年も離れてるし。
「というか配信切ってるのこれ?」
「切ってないから配信見てみな」
「はあ!?」
コメント:wwwwwww
コメント:魂確保済みwwww
コメント:配信切り忘れたかと思った
コメント:素の姫もすき
コメント:なんだこの神配信
コメント:推しの妹に妹にされる姉
コメント:ガチお姉ちゃん?
コメント:いえーい!お姉さん見てるー?
コメント:妹が聖夜に900Pして作った娘になって妹を姉と呼ぶことになるとは……
コメント:期待値上がりまくるわこんなの
コメント:期待値上げて大丈夫か?姫の姉だぞ?
コメント:名前の苗字部分は確定したねえ
「あ、あ、あ、あ、あ、あんた何してるのおぉ!?」
「株主総会は素の私を出す時もありますとちゃんと書いてありますわ」
「そもそも私、あんたがVtuberやってるなら私もちょっと興味あるなって言っただけで、Vtuberになるなんて一言も言ってない!それに私、結構忙しいし」
「え?年末年始フル出勤させられそうになったから辞表を叩きつけたのでは?だから今年のクリスマスは実家に帰って来れたのでは」
「……ああ、思い出させないで」
コメント:年 末 年 始 フ ル 出 勤
コメント:連勤……サービス残業……うっ、頭が
コメント:Vtuberなっちゃえ
コメント:今年のクリスマス「は」
コメント:姫の姉なら22~23歳と予想
コメント:姫と何歳差だろうなぁ
コメント:良い感じにツンデレキャラは出来そう
コメント:出来るのは突っ込みキャラでは?
コメント:姫って家族バレはしてたっけ?
「両親にはお金を借りる時にちゃんと説明していますわ。説明してなかったのは姉だけですわね。姉と私、2人の姉妹ですわ」
「ああ、配信画面を切っても目を閉じても配信が聞こえて来るわ。何か凄く落胆するわ」
「勝手に落胆しないで下さいまし」
コメント:これ切り取りしたらダメ?
コメント:メンバー限定は基本ダメって書いてあるだろ
コメント:声で気づかないものなんだなあ
コメント:基本ダメ、ということは……?
「ああ、今日のメンバー限定配信はアーカイブを一般公開いたしますわ。なので切り取りもOKですわよ」
クリスマスの夜、玉手箱外では他のライバー達が個性溢れる配信をしていたけど、たぶん私の配信が一番輝い……特徴的だったと思いたい。公認切り取り師達も結構メンバーに入ってくれているし、切り取り動画が上がるのは早そうかな。