写生連呼配信の次の日、無事に私の発言は切り取られ、ニッコニッコ動画にアップされていた。タイトルは「しゃせいは淑女の嗜みですわ」と至ってシンプル。この切り取り動画では、例の発言の後に慌てて否定しようとして、写生を連呼したシーンまで入っており、あっという間に10万再生を果たしていた。ランキング1位は予想外だったな。それだけこの時期は、Vtuberの中でも色物が強いということか。
このニッコニッコ動画での人気というのは、意外と重要だ。むしろこっちでの人気の高いVtuberは、最終的に多くのチャンネル登録数を確保することが出来る。
トレンドの方にも下の方ながら入っており、無事に初バズりを体験した私のチャンネル登録数は、一気に2400人を突破する。僅か1日で、チャンネル登録数が倍増したのだ。バズり方の割には、増えなかったなという印象だけど、これで良い。こういうバズりを繰り返すことで、徐々に名前が浸透して、有名になっていくんだ。あと切り取り動画が回り続けているから、数日後には3000人を突破するだろうし。
これで私は「しゃせい女」とか言われるのかな。まあ、想定済みだしダメージはないけど。あ、華山ふたなり説とか出て来た。これは嬉しい。
Vtuber界のエロ同人というのもあるのだけど、竿役が不足しているイメージなんだよね。だから勝手に女性に生やしたりしている同人もあるのだけど、こういうネタがあると竿役になりやすいし、そのおかげで僅かだけどコアなファンが付いたりする。
さて、今日の配信は視聴者参加型のマリ〇で良いかな。何かわりと好評だし、月1でならマンネリにはならないと思う。1位じゃなくなったら何か罰ゲームしますとは言ってるけど、今まで1位じゃなかったことないし。
「あ、抜かされた。お願い、手加減して!」
コメント:手加減必要ないぞ
コメント:ここまで9連勝とか頭おかしいし、そろそろ2位になっときなよ
コメント:スマブラの方はとうとう対戦相手の方が心折れたからな
コメント:負けたら罰ゲーム!
しかし9戦目で、青甲羅が大量に降って来たせいで1位陥落。2位になってしまい、罰ゲームを受けることが確定した。ヤバイ、何も考えてなかったんだけどどうしよう。
「ええっと、罰ゲームなんて用意してないのですが……」
コメント:今日も全部1位取るつもりだったのか
コメント:負けたら罰ゲームと言っておきながら罰ゲーム用意してないのは草
コメント:罰ゲームはホラーゲームとか?姫がホラーゲーム苦手か分からないけど
コメント:やっぱホラゲーっしょ
コメントには、ホラーゲームが並ぶけどホラーゲームはやったことないんだよね。とりあえず、怖いシーンで迫真の叫び声を上げればバズるのは知ってる。よし、ホラーゲームにしよう。
「それでは罰ゲームはホラーゲーム実況にいたしましょう。ただホラーゲームは初めてなので、オススメをマシュマロに投げておいて下さいな」
コメント:投げておいて下さいな♪(緑甲羅的中)
コメント:後ろ投げで緑甲羅当てるのか
コメント:姫の緑甲羅は実質赤甲羅。命中率は9割を超える
コメント:前投げ、後ろ投げ、後ろ投げで3命中は草
私が負けた後ぐらいから同時視聴者数は伸び続け、今日の配信を見に来てくれた人は321人だった。アクティブ率脅威の10%超え。あ、チャンネル登録数が激増してる。これはバズったのを見て、視聴してみようという層が一定数いたってことだね。
放送終了後、Twitterで正式に募集をかけたところ、マシュマロの飛んできた数が二桁に到達した、Vtuberを始めたばかりの時期を思うと涙が出そう。チャンネル登録数も増加し、一気に3000人の壁を突破する。これは、レールに乗ったか?
既に世界白さんはチャンネル登録数が10万人の大台にのり、頭取としての頭角を現している中、私の順位は既に二桁番台に突入し、埋もれて行っている。ここから巻き返しを図るためには、これからのVtuberの流行りを予測して動いて行かないと厳しい。
となれば、目を付けるのは人気急上昇中の彼らかな。彼らは企業系のVtuberグループでありながら、わりとコラボの制限がない。ゲームの腕さえあれば、誰でも対戦を受け付けると豪語している。
どう考えても前の世界より登場が1年以上早いけど、私の影響か、世界が違うためか。彼らは前の世界で人気最盛期にチャンネル登録数が30万人を超え、その人気最盛期の時期にトラブルが発生して全員の魂が入れ替わった。その結果、チャンネル登録数は1/3以下となる。
魂という名の中の人を、入れ替えるのはVtuber界隈のタブーの中でも最もやってはいけない部類のものだ。それをグループ全員にやってしまったのだから、大炎上した。元の中の人達は、全員が散り散りになっていて、5人中3人はVtuberとして復帰したけど、時間がかかり過ぎたのか元の勢いは最早なかった。
彼らにTwitter上で絡みに行って、コラボを実現させる。うん、この作戦で行こう。だからTwitterのツイートボタンを早く押すんだよ、このコミュ障め!絡みに行け!行かないとどんどん人気になって、手の届かない位置に行ってしまうだろうが!