彼らゲーミングクラブとのコラボの約束を無事に取り付けられたけど、結構先の日程になったということは後回しにされたのかな。まあ良いや。コラボまでの間に、色々と準備をしよう。
この時期、まだ多産型の企業系Vtuberは数が少ない。だから箱推しという概念は浸透してないし、来年辺りにならないと出来ない思想だ。
箱推しは、面白くないVtuberでもチャンネル登録数を増加させる存在だし、それによって見る人に面白い人だと錯覚させることも出来る。その後で離れていく人が多いだろうから、最終的には増加に急ブレーキがかかるんだけど、それでも効果は大きい。
なので私も、箱を作る。というか起業する。10億円を稼ぐには自分一人の力じゃ無理だと思うし、この時期、在野には凄い人材がいっぱい埋もれている。
今回のコラボは、間違いなく私一人の時よりも人が集まる配信だ。その最後に時間を貰って、箱を作るという宣伝をする。箱の名前は、玉手箱で良いや。箱推しという概念を作るためにも、分かりやすい名前が良いと思う。
絵は自分で用意できるし、配信用のパソコンは私が格安で組める。マイクや配信用の機材も、安いのを知っている。それを一通り渡して、Vtuberの基本をまとめた冊子を作り、将来バズる人に渡す。
メンタルがタフな人ほど、Vtuberでは成功しやすい。前の世界で人気を博した人の中で、Vtuberの面接にいっぱい落ちて、最終的には個人勢で始めた人もいた。同じ企業に、何度も面接を受けに行った人もいた。
上手くその人を見抜くことが出来れば、相当強力な箱になる。そして今回の一期生は、布石でもある。将来的に何期生になるかは分からないけど、中身の入れ替えで追い出される彼らを、まとめて回収したい。
ま、将来のことはここまでにして、配信を頑張ろうかな。今日は前のゲーム配信で決定した罰ゲームの、ホラーゲーム実況だ。だからプレイしているゲームはホラーゲームなのだけど……大してこのゲーム、怖くないなぁ。
『キャアアアアアア！』
「なんですの。画面の女がうるさいですわ」
コメント:ホラー音声にうるさいという女
コメント:罰ゲーム……？
コメント:いやめっちゃキモイのいっぱいで普通に怖くない？
コメント:怖い
コメント:いやああああああああ
今日は生配信に390人も集まってくれているけど、ホラーゲームで怖がり叫ぶ私の姿を見たかったのかな？いやでも、所詮はホラゲーもゲームだし、全部子供騙しでしょ。
「よっわ」
コメント:丁寧に殺される幽霊君可哀想
コメント:全部ヘッドショット決めてやがる
コメント:FPS系も得意だからなあ
コメント:メンタルくっそ強いとかお嬢様辞めたら？
コメント:何でこの子伸びないの？
「メンタルがクッソ強いお嬢様が居ても良いじゃありませんか」
淡々とホラーゲームをした結果、1時間の予定が30分でクリアできてしまうという放送事故が起きる。罰ゲームにならなかったから、今度はもっと怖いゲームを募集しよう。ついでにホラーゲームが罰ゲームにならない可能性を考慮して、辛い食べ物も買ってこよう。
「次回の配信では、引き続きもっと怖いホラーゲームを募集してプレイいたしますが、私が怖がらなかった場合は激辛焼きそばを食べるだけの配信になります」
コメント:まず姫は辛いの大丈夫なのか？
コメント:このホラゲーが怖くない時点で怖いホラゲーはないかも
コメント:ホラゲーを淡々と進める方がホラー
コメント:俺らは一体何を見せられているんだ……
「恥ずかしいセリフ集とかも募集いたしますわよ。もう吹っ切れたのでなんでも言いますわよ」
コメント:普段からキャラ作ってる奴は強い
コメント:ん？今なんでもって
コメント:なんかここだけコメント層が違うんだよな
コメント:えらい！とかすごい！みたいなコメントは見かけないからな
Vtuber黎明期の生配信では、可愛い女の子の配信では「○○できてすごい！」みたいなコメントが多いんだけど、私の配信ではそんなことはなかった。私もえらいとかカッコいいとか言われたいけど、私の配信ではそんなことはなかった(2回目)
まあ、他の可愛い女の子は3Dなのに対し2Dだからね。この差は大きいし、埋めるのが難しい。2Dは2Dで軽いというメリットもあるけど、視聴者にとってそこは重要ではないからね……。
最近になって覚えたウインク芸をして配信を切り、今日の成果を見る。最大視聴者数は372人で、放送直後の再生数は697回。チャンネル登録数が3734人になってるから、放送中に25人ぐらい増えてるけど、そろそろ写生連呼切り取りから流れてくる人は減ったかな？あれだけで、2500人ぐらい増えたとか草。
放送を見てくれる人も増えて来たし、順調と言っても過言ではない。世界白とか、海外の人からも注目を集め始めてチャンネル登録数が急上昇。30万人を突破しているけど気にしない。……世界白とのコラボ動画から流れてくる人とかもっと居ても良い気がするんだけど、あの放送はひたすら私が白さんを虐殺する放送になったからなあ。
あの頃の私は、上手く喋って場を保つことが出来なかった。私のチャンネル登録を押させるところまで行かなかったのが、本当に悔しい。だからこそ次回のコラボでは、もっと会話を出来るように頑張らないと。