ツグミさんの炎上から3日後、謝罪配信から2日後に無事ツグミさんの炎上は完全に収まり、ツグミさんは罰を受けることになった。まあごめんなさいだけじゃ誠意は見せられないからね。
「本当にすまないという気持ちで胸がいっぱいなら……Steamで『ほぼ不評』を受けている500円ぐらいのゲームを3本、実況プレイするぐらい何でもないことですわ」
コメント:やめたげてえ!
コメント:Steamの闇は深い
コメント:もしかして、3本全部クリアするまで?
コメント:スチームでほぼ不評とか糞ゲー未満しか……
コメント:ほぼ不評はゲームとして成り立っていないレベルしかない
コメント《500円》:スチームのクソゲー代
コメント:たまに掘り出し物のような面白さを持つものもあるから……パクリとかも多いけど
「もちろん、3本ともクリアまでプレイしてもらいますわ。クリアが見えないゲームであれば、実績50%で良いですわね。あ、全部自腹は可哀想なので1本は私が選んでプレゼントしてあげますわ」
コメント:プレゼント(爆弾)
コメント:炎上を起こす方が悪いから(震え声)
コメント:問題発言しても炎上してもプレゼントされたゲームをクリアするだけで許されるとかヤサシイナー
コメント:これ内心ブチ切れてますね間違いない
鶴見鈴:私もプレゼントしてこよう
コメント:あ、これダメな奴だ
コメント:姫「やれ」年神「はい」
というわけで、クソゲーを3本ほどプレイさせる。常人にとって、クソゲー配信は精神に効きそう。別にツグミさんはクソゲーハンターみたいな存在じゃないし、罰ゲームとしては機能するはず。3本やり切った後なら、炎上は完全に消火出来ているだろうね。
雨鳥美心というVtuberとして活動している女性は、一冊の本を手に取った。パンチの穴が空いており、それに紐を通しただけの如何にも手作り感溢れるその本は、玉手箱ライバーがデビュー時に姫から直接受け取る『Vtuberの心得』である。
玉手箱ライバーは、全員が姫のことを尊敬し、同時に恐れている。そんな風に思っている雨鳥は、1ページ目を開く。姫が全部を書いたという『Vtuberの心得』の第1章は、引退についてだった。
これからVtuberとしてデビューするような人間が、まず最初に目に映すであろう1ページ目。それがVtuberの引退の方法についてということで、雨鳥は驚愕したし他の人間も驚いていた。しかも引退後、復活を考えた引退の仕方についても詳しく書かれており、これを1年以上も前に書いていたということに雨鳥は冷や汗を掻いた。
第2章は長期休暇、休業について書かれており、第3章は炎上した後の対処法について。第4章で炎上の予防が書かれており、デビューする人にとって一早く知りたいデビュー時に気を付けることやチャンネル登録数を伸ばす方法については第5章以降に書かれている。
おそらく玉手箱ライバーの全員が、今回の件で第3章から第4章までを読み返しただろう。今回ツグミが行った炎上後の流れは全てVtuberの心得に則ったものであり、それによって謝罪配信の翌日にはチャンネル登録数の減少が無くなり、プラスに転じている。
第3章 第6項目 他者を威嚇する、馬鹿にする等の失言をした時の対処法
1.翌日の朝一、遅くても昼までにはTwitter上で謝罪。その日の夜までに謝罪配信を行うことを告知。
2.炎上時のチャンネル登録数の減少や低評価については絶対に言及しない。
3.謝罪配信ではどうしてそういう発言をしてしまったかを自己分析し、二度と行わないことを配信上で約束する。(自己分析の方法はP121を参照)
4.謝罪配信でもチャンネル登録数の減少が続く場合、別途運営より指示を出す。Vtuberでチャンネル登録数の減少が起こること自体、異常な状態という自覚は持つこと。
5.何らかの形で罰を受け、罪を認めて自身の成長に繋げること。
今回、ツグミの謝罪配信では「焦っていたこと」「新人への配慮が足りなかったこと」「ストレスが溜まっていたこと」「調子に乗っていたこと」などなどをツグミ自身が理由に挙げ、今回の件を深く反省していることを話した。Twitter上でも、配信枠を被せた新人である火ノ川に謝罪しており、リプライで許されている。
更に姫が罰としてクソゲーを与えるという話に持って行き、既にリスナーの関心はどんなクソゲーをツグミにやらせるかで盛り上がっている。チャンネル登録数は3000人の減少で留まったどころか、3日後には元の水準まであと1000人という状態まで持って行っており、また10万人突破まであとわずかという位置に来た。
ふと、雨鳥は第1章の引退の項目を見る。興味が無かったので読み飛ばしていたが、引退後についての項目で、個人勢として再デビューした場合というケースすら書かれているのを見て雨鳥は心底驚く。そして引退したライバーへの接触の仕方まで書いてあるのを見て、個人勢として再デビューし、チャンネル登録数を今の数字まで戻すのはとても難しそうだと苦笑した。