シャドウ・ボーダー珍道中   作:糞眼鏡ごっこガチ勢

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清編〜コウウーランド 復活の虞美人〜

『拝啓、クリプターの皆様方へ

 

私です、藤丸立香です。

最近北欧を破壊しました。やけに騒がしかったし、特別ゲストがヤバいし、某作品のネタバレが起きかけてえらいことになりかけました。

 

近況ですが、ゴッホちゃんの様子がおかしいです。人を罵倒する時に「お前絵の描けないゴッホみてぇな奴だな」とか言うようになりました。また、BBちゃんがメガネかけて胸元ばっくり開けたエッチな服を着て本屋さんごっこしてます。ユウユウはイタクァを探すと言って行方不明です。

 

エルトナムさんはフリーダムで、ネモ船長はガーゴイルを探しています。その他、ブラド部長とエミヤ様がテニスしてます。それから卑弥呼様と景虎さんがキャピキャピな魔法少女服を着て、マフラー巻いてガントレット付けた酒呑童子と遊んでいます。助けてください。あとレオニダスとムーブメントの話をしました。

 

中国異聞帯で僕は毒を盛られるらしいですが、あのパシリ来ますか? 部屋に置いてある槍を見て二度と来たくないとかのたまってましたけど。毒を盛られないなら盛らせるまで、と伝えていただけると幸いです。

ぐっちゃんパイセンは普通ですか? それとも既に汚染されていますか? 僕たちは一体何の為に戦っているんでしょうか。

 

次は中国です。

このあと破壊します。

 

PS

オフェリアは無事生存したので、シャドウ・ボーダー・ブリッジスで返品致します。シグルドが足で運んでいったので、なんか報酬上げてください。

 

あなたの敵、藤丸立香より。けいぐ』

 

「ヒナコ、これは?」

「私宛に届いた後輩の手紙よ。シグルドが運んできた奴」

「なるほど……あとでオフェリアと少し話すか。それで、君のところはどうなっている」

「既に大陸のほとんどが項羽様のグッズで埋め尽くされているわ。空想樹が項羽様タワーになるのも、そう遠くはないはずよ」

「ふむ……私も少し遊ぶとしようか。カイニス、ちょっと冒険してこよう」

「なん……だと……?」

 

虞美人 は こんらん している!

 

 

 

 

北欧は滅びました。

色々とゲルダちゃんとオフェリアさんとの感動エピソードがありましたけどここでは割愛させていただきます。詳しくは原作やってください。

 

さて、今私たちは虞美人先輩の故郷である中国の異聞帯を訪れているのですが、残念ながら誰も毒ってません。これもすべてコヤンスカヤさんが嫌になって仕事放棄したからです。

 

「マシュ。ちょっと出かけてくるね」

「はい、お気を付けて。先輩」

 

そしてそんなコヤンスカヤさんが呑気に昼寝しているのを見かけた先輩は、部屋に置いてある無骨な槍を片手に外へ出て行きました。

 

「おらこの駄狐ェ!! 毒を盛れ! そいで俺と所長を殺そうとしろや!! でねぇと話が進まねえだろうが!!! 腑抜けたことしてるとこの◯の槍で刺し殺すぞ白面金毛九尾の狐ェ!!!」

「やめてください! 死んでしまいます! どうしてこんなクソみたいなバグとネタとメタの塊なあなたに毒盛らないといけないんですか! シナリオなんてなぞっていないクセに!」

「うるせー! しらねー! さっさと毒盛れよこの駄狐!! 前時代のお色気担当キャラみてぇなエロ服着やがってこの!!!」

「せめて色気たっぷりな衣服と言ってくださいまし!? 前時代は余計です!」

「白スーツ、ミリタリーコート、チャイナ服にライダースーツとか差分大量にもらってんじゃねぇぞ獣のクセに!! 神父とクリプター見習え!!」

「それ言ったらあなただって大量に差分もらってるじゃないですか!!」

 

随分と仲が良さそうですね。

すごく複雑そうに所長が眺めてますよ。

 

「私も時計を持ってくるべきだったかなぁ……指パッチンで発火とかできなくもないんだが」

「ゴルドルフ所長、それ君のお父さんのネタだよね」

「そういえばまだ私の声帯は無かったな」

「一体誰になるのか推理するのも悪くない。一番の難問はガブリエルくんだが」

「ムニエルです」

「言われてみれば中々難しいよねアルシエルくん。いっぱい思い付くからさ」

「ムニエルです」

「アークエンジェルくんは誰だと思うかね?」

「ムニエルです。最後にエルって付けばなんでも俺だと思ってませんか?」

「「「うん」」」

「ふぁっきゅー」

 

……どうやらサマエルさん弄りをしてたみたいですね。

ちなみに私はシオンさんからバレルレプリカをもらったのでイン◯ィージョー◯できるようになりましたよ先輩。

 

おや、お二人が血相を変えて戻ってきました。しかもそのままシャドウ・ボーダーに乗り込んできました。どうしたことでしょう? 先輩はコヤンスカヤさんのことを色気しか取り柄のないパシリックビーストとか言ってたのに。

 

「……おい狐。あれ見た?」

「見ました見ました。下手しなくても相当ヤバいですアレ」

「ヤクト・◯ーガにソード◯ィッシュII、そして◯天光って……」

「しかもあのエレクトリカルでパレードな曲は……」

 

戦慄しながらお二人はシャドウ・ボーダーのカメラを操作し、私たちに何を見たかを見せてくれました。

 

そこはまるで清の広大な大地を占領せんとばかりに広がる遊園地。事前にピックされてた項羽さんのイラストや着ぐるみ、グッズなどが大量に存在し、そこに住む人々は皆項羽さんのお面か、何かよくわからないけど漆黒の仮面と漆黒のマントを装備していました。

そして看板にはデカデカと。

 

『月下コウウーランド』

 

……なるほど。

 

「ゴルドルフ所長、私はこの異聞帯がとても危険なものに思えるのですが……」

「うむ。これは分枝世◯の中でも極め付けに消えていいものだろう」

「だからそれ君のお父さんのネタだよね」

「犯人は虞美人かな。恐らくこの様子だと私たちにとって最悪の敵が待ち構えている。そして兄さんもいるだろう。◯.Cとス◯クを連れて行くと良い」

「急にロ◯になるなよホームズ!? マシュ、デップー! 北斎ちゃんとマーリン連れて来て! あと狐お前も来い、地獄に道連れだ……!! イスカンダル、CQC!」

「アナワンバイツァダッ!?」

 

私と坂本さんに指示を出すと同時に、唐突に現れたイスカンダルさんがコヤンスカヤさんをジュウドーのような技で投げ飛ばしました。眼帯とバンダナを装備していますが何故か上半身裸のイスカンダルさんです。コヤンスカヤさんは何故か頭の上に星を浮かべてます。レアリティの自己申告でしょうか。

 

そして簀巻きにしたコヤンスカヤさんを引きずりながら、私たちは出撃しました。

 

「そういえば先輩。この前シオンさんと二人きりで何をしていたんですか?」

「ん? ああ、軽く永久コンボしてもらってエーテライトで脳みそくちゅくちゅしてもらっただけだよ。シオンファンとしては最高だったね」

「……先輩」

「大丈夫大丈夫。アトラシアとソカリスとエルトナムの三人のシオンに囲まれる幻覚を見せてもらっただけだから」

「あとで爆裂魔法です」

「許して」

「おい、ピザはどこだ? チミチャンガではピザの代わりにならんぞ」

「マーリン、幻術でピザ出せよ。俺ちゃんがせっかく渡したチミチャンガの扱いが酷すぎて泣けるんだけど」

「興味無いね」

「混ざりすぎだろ」

 

そういえばオジマンディアスさんとランスロット卿、そしてサリエリさんがいなくなっていましたが……何故でしょうか?

それからまた孔明さんがいない上に、アンデルセンさんもキアラさんもいなくなっています。

まともなのはアビゲイルさんだけです。だっていつも「違うわ……違うわ……」って泣いてるってことはおかしいことを認識しているわけですし。

──ええ、私は自分が正気だとは思っていませんよ。

 

そしてコウウーランドの入り口まで辿り着きました。アウトなようでセーフに見えるけどやっぱりアウト気味な外見は相当にヤバいです。

 

「よく来たわね、後輩たち!!」

「パイセン!」

「虞美……芥さん!」

「別に私に対するネタバレとか気にしなくていいわよ! だって公式からネタバレされてるもの! 芥ヒナコ=虞美人はどこぞのエグゼ◯ドのコピペみたいなもんよ!」

「では虞美人さんと」

 

すごく投げやりなのか、あるいはテンションがおかしいのか、とにかくヤバい虞美人さんが現れました。横でくたびれている蘭陵王さんは、何やらプリティーでキュアキュアな衣装でした。似合っていますね、男性なのに。

そういえば景虎さんとジキルさんがソワソワしていましたね。なんでもヴ◯ルキスがとか、エンブリ◯がとか……卑弥呼さんも急にガラ悪くなったりとか謎でした。

その時に限ってサリエリさんがいなかったのは何故でしょう?

 

「そしてよく来たわねカルデア! 私の永遠の楽園! 全て遠き理想郷! 全項羽様ファン歓喜の聖地! 月下コウウーランドへ!! 紹介するわ! ここにいるほとんどのキャラクター!! 全員項羽様よ!」

「◯ちゃんじゃないですかパイセン!! 七色の声を持つ人はあかんですって!!!」

「どこへ行っても項羽様よ!? 最高じゃない!!」

「そりゃ俺も嬉しいですけど!」

 

全身から狂喜乱舞している虞美人さんとは対照的に、先輩は全身から冷や汗を垂らして焦っています。そこまで焦るほどのことでしょうか? あくまでもここはそれっぽいだけで、そのものというわけではありません。

先輩が危惧するような──

 

「それに見なさい! この愛らしい項羽様を! どう後輩! こんなに国民的に愛らしいのよ!? 音楽もかけるわ!! これで項羽様の魅力がアップよ!」

 

「グワ〜」

(ぐっちゃんが青い服を着たアヒルを抱える)

(流れ出すエレクトリカルでパレード感溢れる軽快な音楽)

 

「パイセンッッッッッッッ!!!!!!!! ダメッッッッッッッ!!!!! デップー!!!!!! マシュ!!!!!!!! カメラと音を止めろォォォォォォ!!!!!!」

 

「あいよマーちゃん!!」

「了解しました!!!!」

 

パキュンパキュン。

とりあえず音響とカメラマンを始末したのでセーフなのかもしれません。

関係各所ごめんなさい。

 

 

 

 

なんとかコウウーランドから脱出した私たちは、その後も延々と続くコウウーランド近辺の項羽さんグッズ販売店と空想項羽さんタワー樹だとかを虞美人さんに見せられながら、コヤンスカヤさんを引きずりつつ始皇帝の待つ城へと歩を進めています。

 

「パイセン、李先生と良ちゃんは?」

「あの二人なら始皇帝の暴走に付き合ってられないって職務放棄中よ。戦争好きのデブはコミケ行ってるわ」

「だからコウウーランドがここまで。始皇帝はどんな様子?」

「そうね……仮面を付けたり外したり、ペル◯ナ出したりギア◯使ったり。ぶっころころころとか言ったり。あるいはたまねぎ剣◯やってたり。あと変色するタコにもなってたわね。あんたのとこの英雄王だってタコになってたんじゃない?」

「なってましたねぇ……」

「あとはそうね……なんか変な魔眼持ってたり、女装したり、DTだったり、願いを叶える◯にいたり、モビ◯スーツに乗ったり……」

「もういいです。勘弁してください」

「何よ、この程度で根を上げるの?」

 

虞美人さんのもたらした情報はあまりにもヤバかったのでさしもの先輩とて泣きそうです。坂本さんも疲れたため息吐いてます。北斎さんはピザ食べてますね。あとなんだかセクシーな巫女服のようなもの着替え、後ろに三角形のビットを三つ並べています。マーリンさんは……あれ、いつの間にアーサーさんになったんでしょう? 蘭陵王さんはふて寝してます。

 

「ところで後輩、なんか自爆している馬を見たんだけどあれなに?」

「ヒイ◯ごっこしてる赤兎馬ですね。サリエリが後ろから眺めつつ、オジマンディアスとランスロットが横にいるのはウィングってるんでしょう」

「それから見たこともないくらい陳宮のテンションがヤバいんだけどあれなに?」

「孔明と睨み合ってるからキャベツでしょう。横にアンデルセンとキアラさんと景虎さんが並んでるのは2、3、4、5って感じでしょう多分」

「あんたも苦労してるのね」

「項羽様ランド作るパイセンほどじゃないっす」

「コ ウ ウ ー ラ ン ド だ。二度と間違えるな人間」

 

あ、先輩が殴られた。

まあ、イントネーション違いますし。

それにシオンさんにうつつを抜かした先輩にはいい薬でしょう。

 

 

「よく来たな……カルデアのマスターよ。シコーテー・ヴィ・シンタニアが命じる──」

「北斎ちゃんシールド!」

「魔女使いが荒いなまったく……」

「何!?」

「マーリンキック!」

「俺は、生きなきゃいけないんだ!」

 

開幕から何を見せられているのでしょう。

パイロットスーツを着たマーリンさんが黒いマントを着た始皇帝を蹴り飛ばしてます。辿り着いた先がこれですか。ひどいものです。

 

「……うむ、まあ予想はしていたぞ。こうなるだろうとはな」

「始皇帝。早速で申し訳ないんだけど伐採していい?」

「良いぞ。というかしてくれ。これではマズイ。各方面によろしくない」

「よし、そうと決まればシナリオなぞるぞ。デップー、そこの駄狐捨てといて」

「そういやトンズラしてたね。あとで契約はちゃんと履行しにきたけど。つーわけでほら、簀巻き解いてやったからさっさとインド行ってこい」

「……はぁ……疲れた……」

 

かわいそうなコヤンスカヤさん。嫌なキャス狐のアナグラムさん。

 

しかし。

 

「何を言っているのよ。コウウーランドは終わらせないわ」

「パイセン……」

「汎人類史にコウウーランドが無いとか許せない。だから私は──空想樹を守る」

「……パイセン、ちょっと待って。項羽様との戦いはどうなったの? この感じ始皇帝倒した後の会話だよね?」

「見なさい、後輩」

「なに……あっ」

 

そんなギ◯ネイみたいな声を出した先輩ですが、無理もありません。だってマーリンさんが始皇帝さんをエクスカリバーで貫いていたんですから。

 

「R2してるじゃない」

「R2しちゃってますねぇ……け、けど項羽様はまだ!」

「ここに来る前に弱っちい吸血鬼を倒したでしょ。あれも項羽様よ」

「彼岸◯◯じゃねぇか!? パイセンそりゃずるいっすよ!!!」

 

そうしてツカツカと虞美人さんは空想樹まで歩き、手を添えて。

 

「それにしても……これは、いい丸太ね」

 

引っこ抜いて、肩に担ぎました。

 

「私の幸福を未来を項羽様を──守り抜かんと願う限り、私は無敵よ。来るがいい、我が理想郷は奪わせん!! "勝つ"のは私だ!」

「待ってパイセン!!! そんな光武蔵ちゃんみたいなことを言わないで!!!」

「うん、ありゃダメだマーちゃん。こっから先はガチだぜ」

「行きましょう、先輩──きっとこれが、私たちがこの先踏み躙る輝きそのものです」

「うわーん!!! パイセンが一番おかしかったよォ!!!!」

 

この後は死闘に次ぐ死闘でした。

しかし爆裂魔法×爆裂魔法=超爆裂魔法の法則を見出した私が、バレルレプリカ・フルトランスをしたので勝ちました。

そして帰り際、始皇帝さんは何かを思い出したかのように先輩に言いました。

 

「そういえば言伝を預かっていてな。カルデアの者からだ」

「え」

「四章では出番あるから、光を浴びて待っていろ……と」

「おま……お前も光ってるのかよぉ!?」

 

ああ、おいたわしや、先輩……




人物紹介

・パイセン
最強の存在

・項羽
どこにでもいる

・始皇帝
一番まともな人

・ゴルドルフ
割とフリーダムな人

・ムニエル
ムニエルです……

・北斎
ピザの魔女

・マーリン
裏切りの騎士

・シオン
厳密に言えばエルトナムさんは別人である

・カルデアの者
光を宿している
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