前回の続きになります。
それではどうぞ。
「ただいま」
練習を終え、自宅に帰宅した紗夜。
…夕飯を食べ終えたら、ギターの練習と生徒会の資料も纏めないと……
「おねーちゃん、お帰り!」
「日菜……ただいま」
そんな事を考えてると、日菜がリビングにやって来た。
「あのね……っ! おねーちゃんに話があって、待ってたんだ!」
「話?」
日菜は紗夜に話があると言う。
一体、何の話なんだろうか……?
「あ、あのさ! 商店街の七夕祭り、一緒に行かない?」
「(……っ! 今井さんが言っていた……)」
その内容は、今日の練習終わりにリサが言っていた事だった。
「週末にあるんだよ! クラスでもその話題で持ち切りなんだー。もちろん、あたしもるるん! って楽しみにしてて!」
「……そ、そう」
「そ、それで……その……おねーちゃん、一緒に行かない?」
なんとなく……本当になんとなくだが、日菜は紗夜を誘ってきた。
「そういうお祭りってたくさん人が来るのよね?」
「えっと、それは……そうだけど……で、でも! な、なんかライトアップとかもあって、商店街の人達がんばってるんだって! きっとおねーちゃんも、るん! ってなると思うよ~」
「わ、私は、人混みが苦手だから……」
そう。紗夜は人混みが苦手なのだ。
「えっ……で、でも……っ! 屋台もいっぱい出るって聞いたよ! りんご飴とか、焼きそばとか、射的とか……あと、えっと……あ! パレードもあるって聞いたよ!」
「パレード……?」
「うん! 子供達が織姫と彦星の仮装して歩くんだって!」
ピピッて感じがするし、あたし見たいな~と言う日菜。
「……悪いけど、私は遠慮しておくわ。別の人を誘ったら?」
「おねーちゃん……?」
「私よりも、今井さんや同じバンドの
さっきも言ったけど、自分は人混みは苦手だし、屋台の食べ物もあまり得意ではないからと付け足す紗夜。
「……そっか。おねーちゃん、ごめんね? 無理に誘っちゃって……」
「いいえ、いいのよ。それじゃあ私は、部屋でやることがあるから」
それだけ言うと部屋に行ってしまう紗夜。
「…………」
そんな姉の背中を見て。
「あたしは、おねーちゃんと行きたいのになあ……」
ポツリと寂しく呟く日菜だった。
「……(日菜のあの顔……少し、悪いことをしたかしら)」
自室に入ってからも、先程の妹の表情を思い出す紗夜だった……
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「はあ……結局おねーちゃん、OKしてくれなかったなあ……」
そして週末。七夕祭り当日。
分かっていた事だが、紗夜を誘う事ができなかった日菜。
ダメ元で最後にもう一回声、かけてみようかと思い、姉の部屋に向かう事にした。
「おねーちゃ……」
「……」
「ギターの練習、してる……」
部屋ではギターの練習をしてる紗夜がいた。
邪魔したらダメだと思った日菜は……
「……仕方ない、かあ。七夕祭り、1人で少し見てこようかな……」
本当は紗夜と行きたかったが、1人で七夕祭り見ていく事に。
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同時刻。水無月家。
「……(はあ、寝過ごした……)」
Roseliaの練習もなく、珍しく二度寝した悠里。
私服に着替えリビングに向かうと……
「にゃ~♪」
「わんっ♪」
「……おはよ。メル、メラル」
愛猫のメルと愛犬のメラルが悠里を出迎えてくれた。
この2匹は元々、悠里が高校1年になる春休みの時、旅行に行った帰りに海岸で捨てられていて、瑠菜と他4人で動物病院に連れて行ったのがきっかけ。
ある程度、回復した時に何故か悠里に懐いてしまったのである。
2匹は性別がメスで、種類はミックス種。
猫のメルが『ノルウェージャンフォレストキャット』と『メインクーン』のミックス、犬のメラルが『ポメラニアン』と『パピヨン』のミックスという珍しい種類。
ちなみに悠里は幼い頃から、特定の動物と会話ができる為、2匹の言葉も分かるのである。
「……今日が七夕祭り……か」
よく耳を澄ますと、商店街の方角から賑やかな声が聞こえた。
あぁ……そういえば今日が七夕祭りだったっけ……と溜息を吐きながら思う悠里。
「…ん。遅くなったけど、ご飯だよ」
「にゃ~」
「わん」
2匹の食事を用意しつつ、冷蔵庫に入ってた缶コーヒーを飲む悠里。
一応、ブラックコーヒーである。
そういえば、商店街で屋台があったような気がしなくもないが……
「……ああは言ったけど……」
練習の終わりに、リサ達に自分は七夕祭りが大嫌いだと言ってしまったが厳密には違うのである……
「……商店街に行くだけ……と思うなら行ってもいいよね……」
その考えでいこう。
そう思った悠里は部屋に戻って支度をし、食事中なのに見送りに来た2匹に出かけてくるねと言い、外に出るであった。
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。