月の少年と星に願う短冊   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

それではどうぞ。


第2話 すれ違う二人

七夕祭りが行われている商店街に来た日菜。

そこでは、たくさんの人達が商店街を行き来していた。

 

「わあ~、すっごい人! けど、たのしそーっ! まずはどこからまわろーかな? 一番るんっとくる場所から……」

 

最初はどこから回ろうかと思った時、急に雨が降り出した。

 

「……わわっ、雨!? 嘘でしょ~!? 傘なんか持ってないよ~!」

 

突然の雨に、日菜は雨宿りができそうな場所に向かうのだった……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「いらっしゃいませー! ……って、日菜ちゃん!」

「あれっ? (あや)ちゃん! 何してるの?」

 

ファーストフード店にやって来た日菜。

店員が、同じバンドメンバーの丸山彩(まるやまあや)を見て驚く。

 

彩もお客が日菜だとは思わなかったが。

 

「ここでアルバイトしてるんだ。最近はあんまり出られてなかったんだけど……」

「そうなんだ。あたしはお客さんー♪ ちょっと雨宿りさせてー」

 

なるほど。そうだったんだーと彩の説明に納得する日菜。

 

「もちろんっ! せっかくの七夕祭りなのに、残念だね。日菜ちゃんは、誰かと一緒?」

「……ううん。おねーちゃんを誘ったんだけど、断られちゃった」

 

それを聞いて、残念だったねと言う彩。

 

「ま、しょーがないよね~。ところでところで、彩ちゃんのオススメはある?」

「そうだなあ……あっ、今ポテトの増量キャンペーンをやってるの! Mサイズの値段でLサイズのポテトが食べられるんだよっ!」

「いいねー、るんっとくるキャンペーンだね! じゃあ、それとコーラにしようかな」

 

ポテトの増量キャンペーンをやってると聞いて、るんっとした日菜は、それを注文する。

 

「はーい! ポテトLとコーラ、お願いしまーす!」

「は、はーいっ! かしこまいりました!」

「あれは、花音(かのん)ちゃん? 花音ちゃんもバイトしてたんだ」

 

奥から、彩と同じ学校に通ってる少女、松原花音(まつばらかのん)の姿を見つけた日菜。

 

「うん、そうだよ! それじゃあ、ポテトは揚げたてをもっていくから、席でお待ち下さい♪」

 

注文を終えて、彩にそう言われた日菜は、空いてる席を見つけ座る。

 

「……はあ。雨はやんだみたいだけど……全然、七夕祭りの気持ちになれないなー……」

 

外を見ると、いつの間にか雨はやんでいた。どうやら通り雨だったようだ……

しかし、とても七夕祭りを楽しめる気分じゃない。

 

もう帰ろうかな……と、日菜がそう思った時だった。

 

「(あれっ? 悠里くんだ)」

 

なんとなくレジの方を見ると、そこに見覚えのある人物の姿があった。

 

悠里だった。彼も雨宿りなのだろうか?

 

レジの対応してたのは、花音だった。

何かを話してるのは確かだが、内容は聞こえない。

しかし、日菜が見る限り、悠里の表情があまりよくなかった……

 

どうやら彼は、テイクアウト(お持ち帰り)するらしい。

頼んだ品を受け取ると、外に行ってしまった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「……すごい人だと思ったら、今日は七夕祭りの日なのね。早く頼まれた買い物を済ませて帰らないと……」

 

母から買い物を頼まれて商店街に来た紗夜。

それにしてもすごい人混みだと思ったら、七夕祭りだという事を思い出した。

 

「(日菜……誰かと七夕祭りに来ているのかしら?)」

 

日菜の事を思い出すと同時に、やっぱりこういう雰囲気は苦手だと思う紗夜。

 

そういえば七夕祭りで思い出したが……

 

『そもそも七夕祭りなんて……大嫌いだ』

 

日菜に誘われた日の練習終わりに、悠里がそう言ってたのがふと浮かんだ。

彼が帰った後、友希那とリサが何か引っかかるような表情をしてたのは今でも覚えてる。

 

「あら? あそこにいるのは、日菜……?」

 

そんな事を考えていると、日菜を見つけた。

 

「日菜……っ! 人が多すぎて声が届かない……!」

 

声をかけてみるが、人が多いせいで紗夜の声は届かなかった。

 

 

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「はあ……日菜、どこへ行ったのかしら」

「あれ? 紗夜ちゃん!」

「丸山さん。それに、松原さん」

 

日菜を探していると、彩が声をかけてきた。その隣には花音も。

 

「こんにちは。紗夜ちゃん、どうしたの?」

「私は、母から買い物を頼まれて……それより丸山さん、日菜に七夕祭りに誘われなかった?」

「私? ううん。私は元々今日バイトのシフトだったから。それに、日菜ちゃん、紗夜ちゃんと七夕祭りに行けなくて残念がってたよ?」

「日菜が……?」

「うん。さっきお店に雨宿りに来てくれたんだけど、その時にそんな風に話してたよ」

 

彩に七夕祭りに誘われなかったかと訊ねる紗夜に、彩は元々バイトのシフトだったし、先程の出来事を紗夜に話した。

 

「そう……私は人混みやお祭りの雰囲気が得意ではないから、丸山さん達を誘ったほうがいいと言ったんだけど……」

「紗夜ちゃん。日菜ちゃんはきっと、私達じゃなくて、紗夜ちゃんと一緒に行きたかったんだよ!」

「う、うん……! 私もそう思うよ。雨宿りをしてる時の日菜ちゃん、ちょっと寂しそうだったし……」

「日菜……」

 

彩の言葉に花音も自分もそうだと思うよと言った。

それを聞いた紗夜は、彩と花音に母から買い物を頼まれてるから、これで失礼するわと言った後……

 

「日菜のこと……教えてくれてありがとう」

「ううんっ! それじゃあね!」

 

2人にお礼を言って、その場を後にするのであった。

 

「紗夜ちゃんと日菜ちゃん……大丈夫かな?」

 

紗夜と別れた後、花音が心配そうに彩に言う。

 

「うーん……どう、だろう……? 日菜ちゃん、紗夜ちゃんの話になるといつもと違う感じになるんだよね」

「そうなんだ?」

「うん……さっきの日菜ちゃんも、寂しそうだったでしょ?」

「確かに、そうだったね……」

 

彩と花音は、ポテトを食べてる時の日菜をチラッと見たが、表情が明らかに寂しそうだったのを思い出した。

 

「2人に何があったのかは分からないんだけど……なんだかすれ違ってる感じがして……」

「ちょっと、心配、だね……」

 

少なくとも、彩が見た時は、そんな風に感じたのだ。

 

「そういえば……悠里くんもさっき来てたよね?」

「う、うん」

 

ふと、思い出しかのように彩が呟く。

自分はポテトを揚げていたので、花音が代わりに対応してくれたのだ。

 

「なんか……悠里くん、七夕祭りがあんまり好きじゃないって言ってて……」

「え? そうなの?」

「うん。でも悠里くんって、お祭り自体は好きな筈だから、腑に落ちなくて……」

 

彩の疑問に花音がそう話す。

花音がそう言うのだから間違いないのだろう。花音と悠里は幼馴染みだから。

それに彩も去年、悠里には色々とお世話になったから、彼の性格もそれなりに把握してる。

 

「それで気になって、嫌な事でもあったのって聞いたの……そしたら……」

「そしたら?」

 

彩が花音に続きを促す。花音はちょっと言いにくそうに口を開く。

 

「今日の七夕祭り……()()()()()()()()()()()()なんだって……」

「えっ……」

「それで……悠里くんが七夕祭りがあんまり好きじゃないって意味が……なんとなく……分かっちゃって」

 

今まで見た事ないくらい辛そうな表情をしてたよ……と付け足す。

それを聞いた彩は……

 

「そう……だったんだ……(あの言葉、そう言う意味だったんだ……ね……)」

 

以前、悠里が彩に言ってた言葉の意味を理解してしまうのだった。

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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