月の少年と星に願う短冊   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

それではどうぞ。


第5話 二人を結ぶカササギ

「ねえー、知ってる? 七夕の日に雨が降った時は、カササギっていう鳥が橋を作って、織姫と彦星が会えるようにするんだって」

 

3人で商店街に戻る途中、日菜がそんな事を言った。

もしかしたら短冊をくわえた鳥はカササギかもねと付け足しながら。

 

「カササギ?」

「白黒の鳥なの。サギってつくけど、カラスの仲間なんだよ」

「そうなのね。その話、初めて知ったわ」

「…あれ一応、カラスの仲間だったんだ……それは僕も初めて聞いたよ」

 

カササギの生態について初めて知ったと言う悠里と紗夜。

 

「この間、花咲川と羽丘との合同で、天文部の部活動やった時にこころちゃんに教えてもらったんだ!」

「日菜、天文部に入ってたのね」

 

まあ、合同の部活動といっても、花咲川の部員はこころちゃんだけで、羽丘の部員はあたしだけしかいないんだけどねと苦笑い気味な日菜。

ちなみに彼女が言ってる『こころちゃん』というのは、弦巻(つるまき)こころという人物で、悠里も話した事はある。

 

どんな人物か一言で説明すると、『笑顔という感情の具現化、もしくは精霊か女神』というのが悠里の認識である。

 

一方で紗夜は、そういえば、自分は日菜の事をほとんど知らないという事を思い出す。

……今までずっと、日菜から避けていたから。

 

「うん! さっきも言った通り、部員はあたしだけだし、天文部は『変人の住処』なんて言われて誰も寄り付かないんだけどね」

「……まあ、日菜が部員ならそうなるでしょうね」

「……あー、それは僕もなんとなく分かる気がする」

「えー! それ、どういう事ー!? もう、おねーちゃんてば! 悠里くんも!」

 

頬を軽く膨らませながら紗夜と悠里に抗議する日菜であった……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「わあっ……! 見て見て! ライトアップされてて、すっごくキレイ!」

「本当だわ。見慣れた商店街が、こんなに変わるなんて」

「……この光景を見るのもいつぶりだろ」

 

商店街に着くと、ライトアップされていた。

 

「あっ、屋台もでてる! おいしそー♪」

「…というか、昔より屋台の種類が増えてない? 僕の気のせいかもだけど」

 

近くの屋台を見て日菜が言う。

小さい頃の時より屋台の種類が増えてるのは気のせいかと悠里は首を傾げながら呟いた。

 

「あの……おねーちゃん……」

「……仕方ないわね。お母さんには私から連絡をいれるから。ただし、あまり遅くなってはダメよ」

「やったあ! ありがとう、おねーちゃん♪」

 

日菜の言いたい事が解ったのか、あまり遅くならないようにと言う紗夜。

 

「何がいいかなっ? おねーちゃん、何がいい? 半分こしようよっ!」

「私はあまり、屋台の食べ物は得意じゃないから……」

「あっ! たこ焼きは? これなら半分こしやすいよねっ?」

「……ちょっと日菜、話を聞いてるの?」

 

そんな氷川姉妹のやり取りを見て……

 

「日菜ちゃん、たこ焼きもいいけど、半分こしたいなら、あそこの屋台のたこ焼き屋がオススメだよ。『双子たこ焼き』っていう裏メニューがあるから」

「悠里さん!?」

「なにそれー♪ るんってするー♪」

 

真顔でオススメの屋台を日菜に教える悠里。

紗夜は驚き、日菜は瞳をキラキラさせていた……

 

「じゃあ悠里くんオススメのそれにしよー♪ おねーちゃんと半分こ♪ あたし、買ってくるねー!」

 

そう言って、裏メニューのたこ焼きを買いに屋台へ向かう日菜。

 

「……本当に、仕方ないわね……」

「……そういう所も含めてほっとけないんでしょ? 姉としては」

「そうですね……」

 

裏メニューを注文してる日菜を見て呟く紗夜と悠里。

 

「…注文する流れまで、汐里にそっくりだな……日菜ちゃん」

「? そう、なんですか?」

「うん」

 

特に仕草が日菜に似てるという悠里。

それを聞いた紗夜は、悠里の双子の弟はどんな人物なのかと考えていた。

 

「おっまたせー! あれ? ふたりともなんで笑い合ってるの??」

 

すると、例のたこ焼きを買ってきた日菜が戻ってきた。

日菜は悠里と紗夜が笑い合ってる理由を訊いてきた。

 

というか、自分達は笑っていたのかと目線で会話する悠里と紗夜。

 

「なになに、なんの話をしてたの? あたしにも教えてー」

「……内緒」

「内緒よ」

 

なので、とりあえず内緒だと悠里と紗夜は答えた。

 

「えー! 気になるから教えてよ~」

「悠里さんとの秘密だから」

「…ふむ。僕はちょっと、そこの屋台でベビーカステラを買ってくるよ」

 

すぐ戻るよと言って、ベビーカステラを買いに行った悠里。

 

「…………」

「まだ、拗ねてるの? 日菜」

「だって、あたしだけのけ者にするんだもん。ずるいよ、おねーちゃん達だけー」

「別にのけ者にしてるわけじゃないわよ」

 

未だに拗ねてる日菜に紗夜は別にのけ者扱いしてる訳じゃないと言った。

 

「…ほいほい。ただいまなのです。日菜ちゃん、まだ拗ねてるの?」

 

そんな話をしてる内に悠里が戻ってきた。

紗夜に訊くと、ご覧の通りですと言われた。

 

「…………」

「…やれやれ。ちょっとだけなら教えてもいっか。日菜ちゃんは汐里にそっくりだなーって話だよ」

「えっ、そうなの?」

「うん。それ以上は内緒。紗夜ちゃんとの秘密だし」

「えー! 悠里くん教えてよ~」

 

気になるから教えてよ~と言う日菜に、悠里は紗夜との秘密だからと言うのであった。

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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