蘇る勇者 ジーっとしててもドーにもならね!   作:タッツー氏

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ウルトラマンジードこと海道拓哉はラステイションにある
最古の遺跡を調査していた。
その遺跡には先代女神の歴史を描いた壁画が描かれていた。
そこにはかつて地球を修復し世界を救ったウルトラマンキングが
壁画に描かれていた。
ウルトラマンキングが描かれていた事に驚いていた束の間
海道拓哉はキングの側に描かれていたウルトラマンジードを
見つけた。


5話:放て炎の鉄拳

「ウルトラマンジード・・・俺?」

 ウルトラマンキングの側に描かれていたのは

 ウルトラマンジードこと海道拓哉本人だった。

 

「まさか俺も歴史に刻まれていたとはな

 まぁ確かにベリアルと決着をつけたのは

 俺だけどさ・・・

 よし!遺跡の調査は大体終わったから戻って

 ノワールに報告するか。」

 調査が終わり遺跡から出ようとした時

 

「?」

 拓哉は壁画の隙間から吹いてる風に気づいた。

「なんで隙間から風が・・・」

 風が出ている隙間に触れた時、触れた部分

 から徐々に亀裂が生まれ壁画が崩れていった。

 

「壁画の裏にこんな広い部屋があったなんて

 暗くてよく見てないな。」

 拓哉はライトを点けて辺りを見回し部屋の

 奥へと進んでいった。

 

「ある程度進んでみたが変わり映えのしない

 道が続いてるな、それに進み始めてから変だと

 思ったが道が斜めになってる。

 まるで地下へと進んでるような・・・」

 歩き始めて20分が経とうとした辺りで

 拓哉の目の前に大きな扉が現れた。

 

「今度はデカイ扉かよ・・・

この扉の奥には何があるってんだよ。」

 拓哉が扉に触れた時扉が勝手に開いていく

 

「触れただけなのに何故?

 それにさっきよりも広い部屋だ誰かが住む部屋

 と言うよりかは何かを封印す・・・」

 

 拓哉は言うよりも先に目の前にある現実に

 言葉を失った。

 そこにあるのは人の骨や何かを封印した箱の

 ようなお約束の物があったからじゃない。

 拓哉が見たことのある物がそこにはあった。

 それはこの世界にあるはずのない物、ましてや

 存在してはいけないものがあった。

 

「ダークロプスゼロ・・・」

 そこには拓哉がダークロプスゼロと呼ぶ

 ウルトラマンに似た巨人がいた。

 眠っているのか動く様子はない。

 

「何故ダークロプスがここに!

 ノワールはこの事を知ってるのか!」

 拓哉がそう言ったその時目の前の巨人の目が

 ヒカリ雄叫びを上げ動き出した。

 

「くっ!

 よりにもよってこのタイミングで動くとはな」

 拓哉は急いで来た道を戻り遺跡から脱出した。

 

 同じくしてダークロプスゼロが遺跡を破壊して

 地上に出てきた。

 

「ダークロプスが地上に出てきたから

 ノワール達も気付いて動くか」

 その頃ラステイションでは

 

「ノワール今遺跡から未知の巨人が姿を現して

 こちらに向かっていると警備隊から

 連絡が来たぞ!」

 警備隊からの連絡をラステイションの教祖ケイが

 ノワールに報告しに来た。

 

「遺跡からですって!

 その遺跡に海道拓哉を調査に行かせたのよ

 彼は無事なの?」

 

「すまないが警備隊は彼を目撃してないそうだ

 直ちに彼を捜索させる」

 ノワールが拓哉の携帯に連絡しても彼は出ない。

 

(拓哉無事でいて!)

 

 その時ラステイション内の警報が鳴りアナウンスが

 流れた。

「現在謎の巨人はラステイションに向けて進行中

 残り10分程でラステイションに侵入します。

 なお3カ国の女神様が軍を引き連れてこちらに

 向かっています。」

 ネプテューヌ達の援軍の報告を聞いて

 安心したのも束の間

 

「きゃあ!」

 爆発音と共に教会全体が激しく揺れた。

「何なのよいきなり!現在の状況は?」

「たった今ラステイションから10キロ程離れた位置

 から巨人がレーザー攻撃をラステイションに

 向けて放ったようで教会付近の町に直撃しました」

 ノワールは現場の映像を見て青ざめた。

 

「町の人たちは?」

 ノワールの問いにケイが

「大丈夫だ巨人が現れたと一緒に地下シェルターに

 避難させてるから地上には誰もいないよ。」

 ケイの言葉に安心したが巨人の進行は止まらない

 

 とうとう巨人はラステイションの目の前まで

 来てしまった。

 ノワールは軍を動かすも巨人はビクともしない。

 

「こうなったら私が行くしかないわ!」

 ノワールが巨人の元へ行こうとした時

「待つんだノワール!」

 ノワールの進行をケイが止める。

 

「ケイなんで止めるのよ!こんな事してる間に

 アイツはラステイションに向かってるのよ!」

 ノワールの問いにケイは

「考えてみるんだ以前現れた怪獣に女神は傷を

 ひとつも与える事ができなかったんだぞ。

 あの巨人に軍の兵器も効かないんだ

 だからって女神の力が通用するとは

 限らないんだぞ!」

 

「だからってこのまま黙って見てろって言うの!」

 二人の豪語が飛び交う、その時

 

「ノワール様!ケイ様!巨人の前に謎の光が!」

 その言葉に二人は目の前な映るモニターを見た。

 そこに映っていたのは・・・

 

「あの時の巨人?」

 拓哉の言っていた巨人ダークロプスゼロの前に

 現れたのは3ヶ月前怪獣の脅威から

 プラネテューヌを救ったあの光の巨人がいた。

 

「軍でもダークロプスに対抗できるかと思って

 見ていたが流石にダメだったか」

 ダークロプスの前に立つウルトラマンジードこと

 海道拓哉がそう言った。

 

「プラネテューヌ程でないがラステイションも

 ダメージを負っているな見た所避難も完了

 しているしこれなら少し派手に

 動いても大丈夫だな。」

 ジードは戦闘態勢に入りダークロプスへと

 向かって行った。

 ジードの戦闘が始まったと同じぐらいに

 ネプテューヌ達がラステイションに到着した。

 

「ノワール援軍に来たわよ。」

「ネプテューヌそれに皆んな来てくれて

 ありがとう。でもあっちはもう・・・」

 ネプテューヌ達の視線の先には2体の巨人が

 戦っていた。

 

「あの巨人はプラネテューヌを救ってくれた

 巨人ね」

「見た所黒い巨人からラステイションを

 守ってくれてる様に見えるな未だに味方か

 敵か分からん奴だな」

「えぇですが今はあの赤い巨人を信じるしか

 ありませんわ」

 そう話しながら巨人達の戦いを見ていた。

 

 そしてジードはというと・・・

「なんとかラステイションから離す事は

 できたがこいつの装甲怪獣と比べると

 硬すぎる!

 ダークロプスにはこっちの攻撃は効いて

 ないようだな。」

 同じ事を女神側も思っていてらしく

 

「なぁアイツの攻撃黒い巨人に全く効いてない

 様に見えるんだが」

 ホワイトハートがそう言ってきた。

 

「やっぱりねいくら殴っても相手はビクとも

 してないわ」

 

「巨人さんどうやって倒す気なのかしら」

 

「確かに素手で頑丈な鉄板をいくら殴っても

 意味ないよな・・・だったら!」

 そう言って拓哉は新しい2本のカプセルを

 取り出した。

「だったらこっちも鋼鉄の鎧を着ればいい!」

 拓哉は2本のカプセルを解放した。

 

「ユウゴー」 「アイゴウ」 「ヒヤウィーゴー」

 

「燃やすぜ勇気!はぁ!」 「ジード」

 

「ウルトラセブン・ウルトラマンレオ」

 

「ウルトラマンジード! ソリッドバーニング!」

 

 黒い巨人の前に現れたのは

 赤を基調とした体に手・足・胸に装着された

 鋼鉄の鎧そして変化した頭部に生えた刃

 ウルトラマンジードソリッドバーニング!

 

 タイプチェンジした巨人に女神達は驚愕

「何なのよいきなり体が光ったと思ったら

 もう姿形が変わってるんだもの!」

 ノワールの言葉に他の女神達も頷いた。

 ネプテューヌはある事を思い出した。

 

「ブラン今日貴方が教えてくれた先代女神の

 歴史の事だけど」

「あぁ私も思い出したぜ

 巨人は戦う度に姿を変え怪獣を圧倒した。

 それはこの事だったんだな。」

 

「どういう事ですの?」

 ベールは何のことかまだわからなかった。

 

「さっきまで赤い巨人の攻撃は黒い巨人に

 全く効いてなかった多分だけどあの姿だと

 パワーが足りてなかったんだと思う。

 だから全く効いてなかったんだ。」

 

「つまり今の姿はパワーに特化した姿という

 事でしょうか?」

「多分だけどそういう事だ」

 ブランの説明にベールは応えた。

 

 ブランの言う通り今度は赤い巨人が

 黒い巨人を攻めていた。

 

「思った通りだ装甲硬い奴にはこれが一番

 だな!」

 ソリッドバーニングはパワー、格闘に特化

 したジードの姿。

 

 ジードはダークロプスにパンチを繰り出す。

 その時に腕のアーマー後部のブースターが

 起動してその力でパンチの威力は上がり

 ダークロプスを吹っ飛ばした。

 

 次にジードは胸のアーマーからビームを放った。

「ソーラーブースト!」

 攻撃は直撃しダークロプスは倒れた。

 ダークロプスは頭部の2本のアイスラッガーを

 外しジードに向かってきた。

 

「そっちがそうくるなら!」

 ジードも頭部のアイスラッガーを外した。

 

 アイスラッガー用いての戦闘は互角に見えるが

 ジードは腕のブースターの力で

 相手を押し除けその勢いで鋭い斬撃を

 食らわせた。

 

 そしてダークロプスは胸のコアにエネルギーを

 溜め始めた。

 そしてジードは・・・「これで終わりだ!」

 そう言った時に腕のアーマーが形態変化し

 その腕にエネルギーを溜め始めた。

 

「これで決まるのね。」

 ネプテューヌはそう言ってただ

 赤い巨人を見つめていた。

 

「いくぜ!ストライクブーストォ!」

 ダークロプスとジードの光線が同時に

 発射された。

 ジードの光線がダークロプスの光線を押し除け

 見事ダークロプスに光線が命中し

 ダークロプスは爆発と共に散り散りになった。

 

 戦いが終わりノワールは緊張が解れたのか

 足から崩れていった。

 そしてノワールは赤い巨人の方に視線を向けた。

 赤い巨人はノワール達の方を向きゆっくり

 近づいていった。

 巨人がノワール達の目の前まで来ると

 右腕を前に出し親指を立てた。(グッドサイン)

 

 それを見てノワールも同じようにサインを出した

 その時のノワールの顔はまるで感謝を告げる

 ように優しい笑顔を巨人に向けた。

 

 巨人は優しく頷き彼方へと飛んでいった。

 

 ダークロプスゼロとの戦闘後・・・

 海道拓哉は困っていた。

「なぁノワールごめんて(>人<;)」

 何故か拓哉はノワールに謝っていた。

 

「別に怒ってないわよ・・・」

 

「じゃあなんでこっち見てくれないの?」 

 拓哉が話してもノワールは顔を見ず後ろを

 向いていた。

 

「人がすっごく心配してたのに何も連絡

 くれなかったからじゃないの。

 (折角連絡先も交換したのに・・・)」

 

「えっ最後なんて言ったの?」

 

「何でもないわよ!」

 恥ずかしくなったのかノワールは拓哉を

 怒鳴った。

 

「だからごめんて(>人<;)」

 どう言えばいいか考えていると。

 

「海道さん。」

 呼ばれて向いたらそこにはリーンボックスの

 女神ベールがいた。

「ノワールにどう謝ればいいか

 考えてますのよね?」

 何でもお見通しですよって感じで

 ベールが聞いてきた。

 

「そうなんです。ただ謝っても意味ないので」

 

「でしたら今から私が言う言葉をそのまま

 ノワールに伝えてみてください。

 絶対許してくれますよ?」

 

「はい!お願いします。」

 数分後・・・

 

「ノワール・・・」

 

「なっなによ!」

 ノワールが返事をしながら振り向いた時

「ガシ!」    「⁉︎」

 ノワールが振り向いた時に拓哉がノワールの

 肩を掴んだ。

 いきなりのことにノワールもビックリした。

 

「ノワール俺は君の事が嫌で連絡しなかったん

 じゃない。

 君が余りにも綺麗で可愛過ぎて逆に

 連絡ができなかったんだ!」

 

「えっ!」

 ノワールは拓哉の言葉を聞いて顔が

 真っ赤になっていた。

 ノワールの後ろにいたネプテューヌとブランは

 (何言ってんのこいつ)と思っていた。

 

「そりゃあ俺だって君が心配してると思って

 連絡しようと思ったよ。

 可愛い君の事を思うと胸が苦しくなって

 余計に連絡できなかったんだ!」

 

「ちょっと落ち着いて・・・」

 

「胸が苦しいしなんだったら

 俺の下の息子も苦しくなっ」

 

「だから落ち着きなさいよ!」

 そう叫んだと一緒に拓哉の顔を殴った。

 

「ったくあなたが反省してるのはわかったわよ

 と言うかあなた最後なんて言おうとしたのよ!」

 

「え?だから俺の下の息子が苦しくなって」

 最後まで言おうとしたらノワールに

「いい!話さないで分かったから。」 

 そう言いながらノワールは後ろを向いた。

 後から見ても分かるぐらいノワールの顔は

 赤くなっていた。

 

「なんか怒ってたのが馬鹿らしく思うわよ。」

 

「じゃあ!」

 

「えぇもう怒ってないわよ。

 ただし!」

 

「なんだ?」

 

「これからは1日一回でもいいから私と

 連絡取り合う事これが条件よ!」

 その場にいた全員が「え?」と言った。

 

「ダメなの?」

 ノワールが拓哉に近づき上目遣いで

 そう聞いてきた。

 さすがに拓哉もこれには勝てなかったようで

 

「分かったよ。

 電話ぐらいなら何時でも付き合うよ。」

 そう言った時のノワールは満面の笑みだった。

 

 

 

 

 




ラステイションでの戦いが終わり
海道はルウィーへ向かうそしてルウィーで海道を待っていたのは
次回「ルウィーの双子」

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