最終決戦で殉職した元水の呼吸剣士がまどマギ世界に転生したら 作:ドレミ24
深く深く沈んでいく、二度と覚める事がないであろう夢の中。あの鬼、俺の家族を皆殺しにしたワカメ髪のクソ野郎との戦いを何度も思い出し、なぜ自分が止めをさせなかったのかと嘆き続ける。
何度も夢の中でやり直しては一撃で殺される、基本的な全ての型は通用せず、自分にできる限界まで回転して威力を上げた拾の型ですら簡単に弾かれてしまった。途中、何度もやり直した、十二鬼月の下弦程度なら難なく倒せるレベルまで己を強くした。それでも奴には傷一つ負わせる事はできない、自分の夢であるのだからいい夢位見させて欲しい。
夢の中ですら勝てない程に痛感しているのだ、自分では奴に「どれだけ足掻いても足元にも及ばなければどんな努力をしようと柱にすら成れない」と
・・・でもやっぱり、夢の中だけでも勝ちたかったなぁ。そんな事を思いながら、もう一度やり直す。
ふと、本来ならば聞こえないはずの声がする
「・・勝・・・かい?・ら、・と・・・て・法少・になっ・よ!」
なんて言っているのだろう、気になる。少し耳を澄ましてみようか。
「奴に勝ちた・かい?なら、僕と・約して・・・・になってよ!」
アイツに勝てるのか?なら、俺の願いはただ一つ。そう考えた瞬間何かに手を引っ張られる感覚がしたかと思えば夢さえ見られない程深い眠りの感覚へと落ちていった
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パチリと目が覚める。顔を上げ、右を見てみるとそこには海の様に深い青色の髪の毛をした可愛らしい女の子がいた。・・・って「いた」ってなんなのよ。私なんだから映るの当たり前でしょ。
疲れてるのかな、自分に少し呆れて視線を下に向けるとそこには付箋の何枚か貼られた歴史の教科書があった
「あれ、私・・・もしかして寝落ちしちゃってた?」
明日は歴史のテストがある、私は苦手なので勉強してたはずだがどうやら寝てしまっていたようだ。うっかりしていたがもう一度勉強するために教科書を捲り
「・・・げ、そうだよ。この大正時代にも侍が生き残ってて日本各地に出没してたってとこ、ここの暗記やってたんだった。」
なんとも現実味の無い話である、当時は既に刀なんて持ち歩いている人はいないはずだし訳が分からない。それにこんな事を書いてあるのはこの教科書だけだと聞く、この訳の分からない事を勉強させるとかあの教師もそうだが、出版社も信じられらない。普段はいい本ばかり出すのだが、偶にこの産屋敷出版社はこの手の本を出すのが玉に瑕だ。本当にもったいない。
「大人になったらこんなくだらないフィクション忘れるんだから覚えなくてもいいだろうになんで先生は覚えろなんて言うのかなぁ。」
それに、もうあの学校にはあまり長い間いれないんだからさ。テストなんかよりも思い出作りをやりたいよ・・・
せめて、我妻君や故蝶ちゃん達ともう少し一緒に居たかったなぁ
そう考えながら私は引き出しの中から、ある1枚の紙を取り出す。そこには「見滝原中学校案内」と書かれていた。少し眺めてから仕舞い、もう一度勉強するためにノートを取り始める。
その光景を、遠くから猫のような生物が感情の無い顔で首をかしげながら見ていて、しばらくしてから何もそこには居なかったかのように消えてしまった