AnotherStory―4番目の813スキル   作:有栖川アリシア

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神上の舞踏会

「お主ら――ここから逃げろ!?」

顔面を蒼白にした白夜叉がやってきた

「白夜叉様!?そんなに顔を蒼くして」

龍嗣は空の一点を睨むように見ていた。ツクヨミもだった。

「十六夜――飛鳥を連れてここから早急に立ち去れ、いいな?」

「いや、立ち去るも立ち去るもなくってところだ――どうやら、おチビの方にもいるみたいだぜ」

さすが十六夜だった

「ここは引き受ける、お前は飛鳥を連れていけ・・・いいな?」

「わかった」

「十六夜様、ご武運を」

「あぁ」

そういうと、飛鳥を抱きかかえ、十六夜が黒ウサギと同じ速さで飛び出して行った。

 

「白夜叉、お前ならこの場合、どうする?」

「お主でも撃退できるのがやっとではないのか?」

白夜叉が構える

「かもしれないな――黒ウサギ」

「はい」

黒ウサギが帝釈天の槍を構える

 

 

そして、それは現れた

 

「やぁ」

白髪金眼の小さく笑っている少年

「どうも――レティシアのバイヤーさん?」

龍嗣にそう言われても泰然とした態度を取り続けている少年、そして、彼にしか聞こえないようにこう言った

「――魔王連盟の殿下様」

皮肉ったらしい声でいう龍嗣

 

「ハハハ、ここに来て時間も経ってないのに、君は面白い――マーベラス、大正解だ、まさかそこまで見抜いていたなんて思いもよらなかったよ、本当に見直したわ、龍嗣君」

龍嗣は、気づかれないように――スキルをいくつも発動させる

「さてと、おとなしく投降しな…今なら、命は奪わねぇよ」

龍嗣の言葉に怒気が含まれる――龍嗣内心ではかなり冷や汗をかいている

「ふぅん、投降、ねえ」

笑みを噛み殺しながら、メンバーを確認する

"サウザンドアイズ幹部"白夜叉

"箱庭の貴族"である黒ウサギ

"夜の神"ツクヨミ

"ノーネームE+"九十九龍嗣

「そうだ――取引だ龍嗣君」

「……取引だ?」

さも妙案を思いついたとばかりに満面の笑みで

「全員、生かして帰してやる――だから、お前は軍門に下れ」

「おいおい、笑えないな――白夜叉!!」

絶句した龍嗣は白夜叉に向かって叫ぶ

「おう!!」

瞬間的に、白夜叉のフィールドが展開され、雷鳴と共に、帝釈天の神槍を解放させる黒ウサギ

「そうか……やるのか"箱庭の貴族"なら仕方がない」

そして、少年は泰然と両手を広げ――さあ、好きに撃てと言わんばかりに不気味な笑みを浮かべる

 

「穿て……"疑似神格・梵釈槍(ブラフマーストラ・レプリカ)"―――!!」

ゴォオオオオォォン!!

そんな中、黒ウサギから鳴り響く雷鳴に、勝利の運命を宿す神槍が、激しい雷光と共に少年の背中に叩き込まれる

神霊さえも一撃で打倒する必殺必勝の槍は、幾千万の天雷を放出して、白夜叉のフィールドを焼け焦がす。運命そのものを恩恵として宿している神槍は一度突き刺されば最後、あらゆる概念を凌駕して敵を撃ち殺すであろう――しかし、状況は違った

 

「な……なんで!?」

黒ウサギは驚いていた、理由は――その槍がはじかれていたのだ

「相性が悪かったな――この類の武具は、生まれついて効かないんだよ」

冷ややかな笑みを浮かべる少年

「今日は残念だぜ、こんなことになって月の御子」

「――ッ、お逃げください!!白夜叉様!!龍嗣様!ツクヨミ様」

絶叫上げる黒ウサギ―――しかし、その時には既に

「楽しかったよ、月の御子」

「黒ウサギ!!」

白夜叉が叫ぶ――龍嗣は、瞬間移動のスキル『足しげく通う(ルートセレクション)』で一気に黒ウサギの横まで飛び、そこから緊急避難のスキル『反射舞踊(ダンシングエスケープ)』で彼の攻撃を回避した。態勢を誤り、黒ウサギ共々――空中に放り出される龍嗣、しかし、そこで態勢を立て直し

 

「生意気なガキだ!!」

そういうと、龍嗣はリミッターを解除するスキル『人間的得意点(シューマッチポイント)』でリミッターを解除して、敵が強いほど強くなるスキル『髪展途上(マイインフレーション)』を使って一気に殴りかかる

ズガァァァン!!

と同時に、空間をも砕くほどの一撃が少年を襲う

「――なにッ!!」

驚愕な表情を浮かべる少年――無理もない、なにせ少年は、後ろを取られ――殴られ吹き飛ばされたのだ。無論それも龍嗣のスキルのせいだが。

龍嗣は、まず敵より強いスキル『無様な背比べ(ユーモアコントアスト)』で強くなり、そこから、後ろをとるスキル『背中這わせ(ラーニングバック)』と

運動力学無視のスキル『非学者論に負けず(ドクターアゲインスト)』で後ろを取り、やり返すスキル『反撃必殺(カウンタースナイプ)』で黒ウサギに当たったであろう攻撃をそのままやり返すために、因果混乱のスキル『冷や水で手を焼く(スタートプレイ)』で彼の恩恵にかかっている因果を混乱させ、失敗しないスキル『失態失敗(オートファンブル)』で文字通りやり返した。

 

「なら、こっちだ!!」

と同時に、少年の攻撃でツクヨミと黒ウサギが吹き飛ばされ――二人とも、大ダメージを受け、その場に倒れ込んだ。

 

 

そして、龍嗣は"ソレ"を放棄した

 

ゴォォォン!!ゴゥン!ゴゥン!ゴゥン!!

「――」

頭上には、ブラックホールを操るスキル『穴崩離(ダークホール)』でできた恒星級のブラックホールが現れた。

「こ、これは……お主、こりゃいかん――離れるぞ!!」

白夜叉は倒れ込んでいたツクヨミと黒ウサギを抱きかかえ、自らを象徴とするフィールドを放棄してその空間から離脱した

 

 

龍嗣は神になるスキル『過身様ごっこ(スペックオーバー)』で神格を得て、そこからさらにパラメーター操作のスキル『自由自罪(フリークライミング)』でありえないレベルまでパラメーターを底上げする。そして、無限を操るスキル『無人造(インフニティクエスト)』と時を操るスキル『時感作用(タイムバニー)』、次元を超えるスキル『次元喉果(ハスキーボイスディメンション)』を使い時間軸を自分の都合のいいように改変する。そして、拳に宇宙を作るスキル『生まれたての宇宙(ベイビープラネット)』で生まれたてばかりの宇宙を拳に纏わせ、空間歪曲のスキル『掌握する巨悪(グラップエンプティ)』で少年の前に移動し

 

その一発が星をも揺るがす一撃を超え、空間をあっさりとぶち抜く攻撃の力を以た状態で乱れ撃ちのスキル『溜息呵成(ノンストップハウス)』で少年を殴りつける

 

「ガッ!」

少年も、警戒していなかっただけではない、相手がものすごく悪かったのだ。

少年が攻撃してもそれは、瞬間的に相殺いや、倍とまではいかないがそれに等しいレベルで跳ね返ってくる。なぜのこのようなことがあり得るか――そもそも、神格を得た状態でパラメーターを底上げされた時に少年は勝負を放棄するべきだった。それに加え無限を操るスキル『無人造(インフニティクエスト)』と時を操るスキル『時感作用(タイムバニー)』で、少年がどれくらい速い速度で攻撃を行おうとも、時間でそれを遅くされ、その直後、手には原初の宇宙そのものがあり、べらぼうに底上げされたパラメーター状態(この状態で軽く、それも力を抜いた状態で地面を殴ると、星が砕けかねない――ジャブに至っては、空間に著しい損傷が生まれるレベル。)での拳が飛んでくる。それに加え、無限を司るスキルで時間速を無限速さにされたら―― 一瞬のうちにK.Oされるのは、必死なことだった。彼の瞳からは、もはや感情が消え――機械のように冷たく見下すように少年を見ている。その瞳の奥からは、この世のすべての憎悪を彷彿とさせる漆黒紅の何かが溢れ出している。

 

「チッ…まさか、これほどまでなんて…ありえない、このぼくが」

ゆっくりと立ち上がる少年

「侮るなよ――この身一つで世界を滅ぼした、言う意味がわかるな?」

「――消失時間軸DCLXVI、まさかそこの張本人だというのか!?」

そんな時――ついに白夜叉の空間が砕け、外に戻った。

 

降り立つ"神上の者"と少年――

 

「殿下!?」

そこに現れたのは、長い黒い髪を靡かせる可憐な容姿の少女を筆頭に、背後にはこの箱庭で実力者であろう者達が一堂に介していた。

 

「殿下の様子はどうですか、アウラさん」

「大問題ね――何発も急所に入れられている、ありえないわ、ある程度紙一重で急所は、交わしているけどね」

「何!?われらが旗頭が、何処ぞの馬の――「やめろ」殿下!?」

「それ以上言うな――これ以上ことを大きくすれば帝釈天に気づかれる」

言葉を静止する殿下と呼ばれる少年

「殿下、如何しますか、望まれるのでしたら我々は今すぐにでも」

飛び出そうとする少女をこれまた制する

「やめろ――この僕がこの状況なのだ――君たちだと足元にも及ばないだろう」

肩で息をしながらボコボコにされ、話すのもやっとの状況みたいだ――眼下には、神上がいる。

 

「ありえない――ありえないぞ…空間歪曲、時間軸操作、因果律変更、神格鬼化、無限加速度、宇宙創造――」

そして、少年が言うなか――睨みつけられた誰しもがそのありえない規模の気迫いや覇気に圧倒されている。なぜなら、立つだけでその場の地面が刻一刻とその範囲を広げ地面が抉れていっているのだ。そして、こう言った

「撤退だ――」

「「「殿下!?」」」

そういうと、龍嗣は壊れたようにこの状況で少し微笑見ながら言った。

 

「甘ぇよ――だが、その甘さ嫌いじゃあないぜ」

 

龍嗣がそういうと、その場から、雲のように魔王連盟は消えた

 

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