AnotherStory―4番目の813スキル 作:有栖川アリシア
「(チッ…――逝ったか)」
龍嗣は、口から血を出してその場に崩れ落ちる。なぜなら、世界からの「修正力」が働いたためだ。
そもそも、『
は、その強大な強さの反動によって身体に相当の負担がかかるのだ。
「龍嗣!!」
駆け寄ってくる白夜叉
パシッ!!
龍嗣は、白夜叉をはねのけ、大ダメージを受けたツクヨミと黒ウサギのところに向かう。そして、二人の傷口に手をあて
血を司るスキル『
ガバッ!!
真っ先に二人が起きた。と同時に
ドサッ
龍嗣もその場に完全に倒れ込んで意識を失った
「――龍嗣さん!?」
「龍嗣!!」
その凄惨な状況に、驚嘆の声をあげる二人
「黒ウサギ!!おんしらの工房に運ぶのじゃ!!早く!!」
「はい!!」
そういうと、いつもより速い速さで龍嗣はその工房に運ばれるのであった。
コミュニティの談話室には、ツクヨミと十六夜とジンと飛鳥がいた
「――黒ウサギ、何があった?」
十六夜が告げる
「あのあと、襲撃があって龍嗣さんが撃退したものの、無理をしたらしく、現状危篤状態です」
「まさか――龍嗣が本気を出したってのか?」
「はい、白夜叉様にあの時の映像を見させていただきました、その最後の方で敵がこうつぶやいてました"ありえない…空間歪曲、時間軸操作、因果律変更、神格鬼化、無限加速度、宇宙創造"と」
「仮に、それが本当だとしたら――それで生き残っている奴は化物だな」
「いえ、なにかしら手加減なさっとところはあるだろうと思われます」
「本気状態でわざと加減すると?」
「はい」
「どういうつもりだ――」
「多分、ギリギリ生き残れるラインまでやったんでしょうね」
「生き残れるラインか――らしいな」
全員の顔が暗くなる
「黒ウサギ――聞いていいかしら?」
「はい、なんでしょう?」
「――龍嗣はそれ以外、何か言ってなかったの?」
「いえ、特に――ですが、黒うさぎの耳では完全に感知できなかった声で何か言ったことは分かりました、これも白夜叉様の表情のおかげなんですけどね」
「それで、なんて言ってたの?」
「おうとめいしか、きこえませんでした」
「――黒ウサギ、今なんて言った?」
「聞こえませんでした、ですが?」
「その前だ」
「おうとめいとしか――」
それから数秒後
「魔王連盟」
十六夜の言葉に、その場にいた全員の表情が凍りついた
「十六夜君、それは本当なの?」
「考える限りではな、コミュニティ"ペルセウス"が去ってから来訪ときたものだ、いくらサウザンドアイズだからといって黒ウサギを襲うわけないしな、それにあの場には白夜叉もいたしな、そうなると襲ってくるのは、魔王くらいだろう」
「けど、なぜ、このタイミングで魔王が?」
「簡単な話だと――コミュニティが完全復活を恐れてってところじゃないのか?」
「ってことは、彼らの目的は龍嗣さんだったと?」
「かもしれないな、桜出雲、ノーネーム、おそらく共通で何かあったとしか考えられないしな」
「なぜ、彼が?」
「多分――さっきのペルセウスが逃げていったことに関係しているのだろう」
「逃げていった?あぁ、そういえばそうですね」
「いずれにせよ、目覚めしだい、俺と黒ウサギで事情聴取だ――」
「はい、わかりました」
それから、数日が経った
「――ん……」
龍嗣の視界がゆっくりと明るくなる――と同時に五感がゆっくりと復活していく。風の感覚や空気の感覚がわかる。視覚も目覚めていき、月明かりが自分を照らしている。時間は夜だった――
「(誰も・・・いない)」
周りを見渡すと誰もいない、龍嗣の感覚がどうやらここは襲撃されていないと告げている。
ゆっくりと体を起こす龍嗣――右腕と左腕を動かしてみる。足の感覚も先っぽまでちゃんとある。それからゆっくりと立ち上がる龍嗣
体を見てみると、所々に包帯があった――龍嗣はそれをとってみる。
そこそこ外傷もあるが、もっとも内傷はひどいものだが。
「――外を回ってみるか・・・」
ゆっくりとベットから立ち上がる。この状態では走れないだろうが、目覚めた以上――スキルの一個か二個使ってなんとか回復できるだろう。
壁伝いにコミュニティの廊下を歩いていく。そんな中、階段を降りて下に向かおうとしたら
「龍嗣!!」
こちらに気づいた春日部耀が、慌ててこっちにやってきた
「春日部か」
「起きたの?」
「あぁ、寝てるわけにもいかないからな」
ゆっくりと春日部に抱きかかえられる龍嗣
「大丈夫なの?」
「あぁ――立てるまではな・・・」
「とりあえず、黒ウサギのところまでいこ」
「あぁ、すまない」
それから、春日部に連れられ、龍嗣は精一杯の力を使って黒ウサギの部屋まで行った
コンコンと控えめなノックが響いた
「はーい、いますよ~あけます、あけます~」
そう言われ、黒ウサギが部屋のドアまで来て、ドアを開けると
「ッ!?龍嗣さん!?だ、大丈夫なのですか?」
「まぁな」
そういうと、龍嗣は黒ウサギに介抱され、近くの椅子に座る。そこで、一旦息を付く
「それで、龍嗣さん――私は気絶してしまったのですが――あの後、何があったんですか?」
「あぁ、俺は白夜叉の空間でソイツとゲームなしでの対戦を行った」
「決闘ですか?」
「みたいなものだ、そこで本気を出したら、このザマだ・・・すまない、黒ウサギ」
「いえ、あれだけの者がやってきて、被害がなかっただけすごいです」
「まぁな――それで、あの場にいた白夜叉は?」
「えぇ、難を逃れました――ひとついいでしょうか」
「なんだ?」
「なぜ襲われたか?原因とかわかりますか?」
「原因は――おそらく俺だろうな、あれだけのものを魅せられたら、誰でも今すぐにでも消したくなるさ」
そういう龍嗣
「ってことは、彼らは?」
「あぁ、また俺だけを狙いに来るだろうな」
「そう・・・ですか」
顔を曇らせる黒ウサギ
「大丈夫だ――それより、内傷含めて何処か一気に回復できるところある?」
「はい、それならば――白夜叉様も及びですし、サウザンドアイズに向かうのがよろしいかと」
「わかった――ツクヨミを連れて行く」
「はい、わかりました」
そういうと、龍嗣はツクヨミを探しに向かった
「(――ここにいたか)」
芝生の上、そこで悠々とツクヨミが佇んでいた。
「・・・・・・誰?」
振り向かずにいうツクヨミ
「俺だ」
・
・
・
それから数刻の後
ガバッ!!
「まったく、心配させないでよ!!」
抱きついて、目元を涙で真っ赤にしながら言ってくるツクヨミ
「すまないな」
龍嗣は何も言わずに抱きしめてやる。
「とりあえず、サウザンドアイズいくけど、来る?」
「うん、いく」
涙をぬぐいながらいうツクヨミであった。