AnotherStory―4番目の813スキル 作:有栖川アリシア
現在――
「色々あるな~」
二人は、赤いガラスの歩廊を歩いていた。足元には、キャンドルスタンドが二足歩行したりしている。まさにハロウィンのようなところだった。
「いつ見ても、にぎやかねこの町は」
「そうだな、にぎやかだな~」
龍嗣とツクヨミは肩を並べて歩いていた。そんな中
「テクタイト結晶か~」
赤窓の歩廊の中心にある、龍のモニュメントの前で休憩することにした。龍嗣は、看板を見ると
『出展コミュニティ"サラマンドラ"――タイトル 霊造のテクタイト大結晶で彫像された、初代頭首"星海龍王"さま 製作者・サラ』
「へぇ~でかいな」
そう感嘆の声を上げる龍嗣。
「(なんか、モンハンのミラ〇ーツに似ているな‥・)」
「そういや、サラマンドラって、主催者じゃない」
「あぁ、今宵の火龍誕生祭のな」
「ってことは、もしかして、このサラって人が?」
「コミュニティーのトップかもな」
「ふ~ん」
視線の先には、かぼちゃのお化け
「(さすが・・・あれは、ジャックオーランタンってかな)」
飛んでいるかぼちゃのおばけを見ながら休む龍嗣。それから、周りを見渡してみると、
「(鼠のステンドグラスか・・・)」
やけにそれが目に付いた。
周りを見渡している中――南東の方角から異様な気配を感じた
「(この気配・・・なんかどっかでおんなじ感覚したんだがな・・・)」
龍嗣は、"この感覚はどこでしたものか"という質問を答えを知るスキル『
「(・・・あの時のかよ!?)」
予想外の回答に龍嗣は若干戸惑う
「(けど、なんか違うな)」
パズルの1ピースやふたピースが間違ってくっついているかのように何かが違う感覚がする。
同時に龍嗣はその感覚の答えを得るために、千里眼のスキル『
そして、数分もかからずに
「(BINGO・・・)」
同じ南東の方角の先に龍嗣の神になるスキル『
「あの店は・・・白夜叉だからなんでもアリか・・・」
そう呟く龍嗣――視線の先には四〇〇〇〇〇〇外門・三九九九九九九外門、サウザンドアイズ旧支店がある高台。あの店は、話を聞く限り移動しているわけではなく"境界門"と似通ったシステムで数多の入口が全てひとつの内装につながるようになっているらしい。まさに"どこで〇ドア"のような感じだ
時刻はちょうどいい感じだった。龍嗣は動こうとしたとき
「龍嗣、そんな怖い顔をしてどうしたの?」
突如、ツクヨミが龍嗣の顔を覗き込んできた。
「ん、ちょっとな」
「なになに?」
興味津々で聞いてくる
「聞くな――」
「わかった、なら気分転換に、ハイ」
ツクヨミが二つあったクレープのうち一つをこちらに差し出してくる
「これは?」
「クレープっていう美味しい食べ物なんだよ?食べたことある?」
「ん~ないな~」
遠い日の記憶を探る士郎
「なら、食べてみな、美味しいよ」
「わかった」
かぶり
龍嗣はそれをかぶりつくと、チョコムースの甘い感じが口いっぱいに広がる
「おぉ、うまい」
口元にベッタリとムースがついてしまった。何かで拭おうとしたとき
「あ、龍嗣動かないで」
「???」
ツクヨミがそういった直後
ペロリ・・・
「///!!」
突如頬についたムースをツクヨミが自身の舌でそれを舐めとった
「な、ツクヨミ!?」
「いいじゃんこんくらい」
猫のように行ってくる彼女。今に始まったことではないとは理解はしているが、いざとなるとやはりドキリとするものだと感じる龍嗣――そんな中、なにかに気づいたように龍嗣は彼女に言った。
そういうと、ツクヨミと別れる龍嗣――そして、龍嗣は動き出した
「ちょっと、すいません?」
「あら、なにかしら?」
無機質な声で返答が返ってきた
龍嗣の目の前にいるのは、白黒の斑模様のワンピースをきたかわいらしい少女
「すいません、ちょっと此処にきたのが初めてで、案内してもらえますか?」
「案内?なぜ、私が?」
「そのきれいだからですよ、お嬢さん」
「・・・」
その言葉に絶句?する彼女――いや、"
「ま、行きましょうか」
そういうと、魔王とのデート?が始まった。
「はい、これ」
「どうも」
クレープを買って、二人で食べながら龍嗣は回廊を歩いていた。
「ここはステンドグラスとかが有名なのよ」
「へぇ~勉強になります」
「それにしても、あなたどこから来たの?」
「えぇと、異世界から来て間もないのです」
「へぇ、どんな世界だった?」
「まぁ、平凡な世界でしたよ――人が殺し合い、人が笑いあいっていう世界さ」
「平和だったの?」
「そうですね」
スカートを翻しながらこちらを見る彼女
「(ますます、こいつ欲しくなったな)」
少し黒い笑みを浮かべると、こちらを向く彼女
「あなた――面白そうな人ね?」
「よく言われますよ」
龍嗣も微笑むと
「ちょっと、あなた、来なさいよ?」
「ん?なんですか?」
少し警戒するものも、言われたとおりついていくと
人気の無い店と店の間の横道の路地裏につれこまれた。そして、ある程度のところまでいくと
ドンッ・・・
壁際に追い詰められ、彼女が腕をついて腕と壁で龍嗣を囲みこんだ。
「ちょ、あの」
流石のこれは、予想もしなかった展開なので龍嗣は、あせり始める。そして、彼女がゆっくりと迫ってくる。その姿は、まるで獲物を見つけた小悪魔が全力で襲ってくる感じだ。
「ねぇ、あなた――」
紅い瞳が龍嗣を嘗め回すように見る。そして、ワンピースの下のスカートの部分にある、彼女のふとももを龍嗣のふとももに擦りつけて、突き放そうとした手を絡め取り、完全に龍嗣の動きを動けなくさせる。
「私の
「
「そうよ――気に入ったわ、貴女私のものになりなさい」
「えっ・・・」
突如、そんなことを言われるものだから龍嗣は何が起こったかさっぱりわからない状況だ。
「あ、あの・・・そんな、何も出来ないですよ、僕?まだ来たばっかりだし」
「隠さなくていいわよ?私は、色々とわかるんだから」
上目遣いで見てくる彼女。どうじに控えめな胸を押し付けてくる――少し油断すれば、吸い込まれそうな感覚に堕ちるのは明白だった。
それから、龍嗣が何かを言おうとした時
「ンッーッ!?」
突如として頬に唇が触れた
「あらあら、赤いわよ・・・?」
まるで、悪魔むしろ悪魔、いや魔王だった
ミイラ取りがミイラなったみたいに遭ったのだった。
それから隙をうかがうように、なすがままにされる龍嗣
「(なんで、襲われてるんだよぉぉぉ!?俺の馬鹿やろぉぉぉ)」
能力は使わないものの、その大胆な行動に心拍数が常に上がりっぱなしであまりよろしくない状況だった。というか、刺激が強すぎて困る。助けをよぼうと思うが、ここで姿をばらしては問題になってしまう。それから馬乗りになり、ちゃくちゃくと龍嗣を喰う彼女だった。
それから、数刻後
「あなた、名前は?」
「九十九龍嗣です」
「へぇ~龍嗣ねぇ・・・私はペストっていうのよろしくね」
無邪気に微笑むペスト
「よろしく」
「それで、あなた火龍誕生祭でるの?」
「えぇ、どうやら怪しい気配がしましてね――」
心の中で少し自嘲する龍嗣
「へぇ・・・そうなんだ」
顔を曇らせるペスト
「まぁ、いいわ――私の所有物には、変わらないんだからね」
独占欲が強い魔王少女様であった。
それから、彼女の元を離れる――ほっぺには、親愛の証として斑模様の斑点がある。というか、何か色々と厄介事が増えてる気がするのは気のせいだろうか?