AnotherStory―4番目の813スキル 作:有栖川アリシア
翌日――
アンダーウッド大樹――頂点
「・・・」
アンダーウッドの最上に龍嗣は胡座をかきながら何かを感じていた。というより、森羅万象のスキル
「(――やっぱりな・・・)」
空間因果が少し狂ったのが龍嗣にはわかった。そんな中
「ここにおったか」
「おう、アマテラスどうした?」
「少し気になってな」
「そうか――もしかして、ヘッドフォンの?」
「あぁ、ノーネームが、
「そうだな・・・まぁ、原因はわかっているがな」
「原因?」
「あぁ、多分、耀の持つ
「それは、使う人それぞれじゃろ?」
「そうだがな・・・」
「まぁ、おんしが心配せんでも大丈夫じゃよ、思ったよりほころびは大きくないからの」
そういうと、飛び降りていくアマテラス。
それから、星空を眺めながら樹の葉のベットに寝そべっていると
「(――十六夜か・・・)」
ほぼ龍嗣の反対側に十六夜がやってきて、ドッと勢いよく弾ませてその場に寝転んだ。
「・・・星の位置は箱庭も変わらねえんだな・・・」
十六夜は、夏の大三角を指先でなぞる。龍嗣も気づけば同様のことをしていた。
ガサゴソ・・・
後ろの木々が揺れた。龍嗣は感覚を鋭敏化させると
「……黒ウサギ、どうしたんだ?」
「どうしたもこうしたも、十六夜さんが挨拶に来ないから黒ウサギが探しに来たのですよ、"主催者"への挨拶は大事なことなのですよ?」
「そういうなよ、敵情視察は重要なことっだぜ?」
「敵情って・・・巨人族ですか?」
「いいや、この"アンダーウッド大瀑布"のことさ」
「(おやまぁ、壮大なこった)」
少し驚く龍嗣。十六夜は葉の上で立ち上がりこういった
「南側の下層で屈指の景観を持つ水舞台"世界の果て"の迫力とスケールには劣るものの、美しく整えられた土地は、さすがの俺も認めざるを得ない」
「(まぁな)」
そして、十六夜は不敵に笑いながら、
「なぁ、黒ウサギ、俺たちも、こんな舞台を作りたいと思わないか?」
その言葉に龍嗣は純粋に驚いた。
「(つまり、あいつはあそこをここまでのもんにするってか・・・面白いじゃねぇか、ここも十年でこうなったっていう事実もあるわけだ、ってことは実現不可能ってわけじゃないな)」
思考をめぐらす龍嗣
「――星空に旗を飾り、地上で最も華やかなコミュニティ、これならどんな奴の耳にも届くに違いない、それこそ、行方知らずの同士連中にもな」
「「――っ・・・!」」
思いもよらない言葉に、黒ウサギと龍嗣はつばを飲んだ。
「だが、何よりもまずは巨人族だ、魔王の残党だが知らねえが、やることなすこと無粋にもほどがある、"龍角を持つ鷲獅子"連盟の就任を待つまでもない、前夜祭のうちに俺から乗り込んで決着をつけてやる、本祭が始まってから、ざまされたんじゃたまらねえからな」
「十六夜さんらしいですね、ならば、この黒ウサギ不逞な巨人族を殲滅するのに一役買うのですよっ!」
シャキーン!!とウサ耳を伸ばして胸をはる黒ウサギ。十六夜も異論はない。そんな中
「なら――この俺も混ぜてくれよ」
龍嗣も起き上がってそういった
「・・・龍嗣さん!」
少し驚く黒ウサギだが
「えぇ、この三人が集まれば無敵でございますね」
「それじゃ、明日は四人でカチコミだな、英気でも養っておくかね」
「十六夜、三人じゃねぇよ――五人だ」
「はっ?五人って何言ってんだ?」
十六夜が聞いてくる。
「あれ、そっちに連絡してなかったか?桜出雲に新たな仲間がいくらか加わったこと」
「初耳でございます、龍嗣さん」
「・・・ぇ?」
「あぁ、桜出雲にアマテラスが戻ってきたのさ」
「「――ッ!!?!?!?!?!?!?!」」
黒ウサギの顔が一変する、見れば十六夜もその規模に驚いていた。
「まぁ、そう驚くなって」
「驚くもなにもなぁ、太陽の神格化した神だろ?誰だって驚くわ」
「し、白夜叉様だって頭上がらないんですよ!?どうして、そんな人を?」
「(・・・えっ?)」
龍嗣はここに来てようやく、ことの重大さを理解した。
「・・・」
少し無言になった後
「なぁ、それってホントか?」
「はい、白夜叉様の上に当たる存在なので」
「・・・うわぁ」
やっちゃったなという顔をする龍嗣
「りゅ、龍嗣さん?」
黒ウサギがおそるおそる聞いてくると
「やべぇよ・・・俺そんな人に頭下げてお礼されたよ・・・やべぇよ」
「「・・・」」
声にもならない絶句をする十六夜と黒ウサギ。その直後
「まぁ、太陽を司るスキル『
「「(よくねぇ・・・!!)」」
呆れかえる二人。直後、龍嗣と十六夜はすぐに我に返って、腰をあげると一陣の不吉な夜風が三人の間をすり抜けた。三人の見間違いでなければ――一瞬、複数の星が光をなくしたのだ。
「……何だ、今のは」
訝しげに眉をひそめる十六夜に対して
「――!」
何かを感じた龍嗣は、飛翔するスキル『
大空に飛び出していった。直後
――目覚めよ、林檎の如き黄金の囁きよ――
不吉な言葉を聞いた。
空中の龍嗣は顔を歪めて、全速力でサラ=ドルトレイクの元に向かっている。
「(この詩は、マズイ!――これは、来冠の書の詩篇より召喚されたトゥアハ・デ・タナンの神格武具――よりによってあの黄金の竪琴か!?)」
その直後――夜空が二つに裂けた。晴れ晴れとしたはずの夜空は暗雲に包まれて稲光を放ち、アンダーウッドの空を黒く染めていくと同時に
『――ギャオオオオォォォン!!』
常識はずれの雄叫びがアンダーウッドの総身を揺り動かす――龍の頭部は、かろうじて見えたものの、その全長は計り知れないものだった。
「まさか――龍の純血種だと!?」
威圧感に少し冷や汗が出るものの、冷静になる士郎。
「――なら、こっちもそれで行かせてもらうぞ」
そういうと、龍嗣は、座標操作のスキル『
『ギャゴゴゴゴォォオオオオォォオオオオンッ!!』
龍嗣の足元に神々しいまでに白く輝く巨体に紅い雷を纏った純白の龍が現れた。龍の顔にはうっすらと紅の線が入っている。
大きさは、目の前のあの計り知れないくらい大きい龍と同等なくらいだった。
「アンス!!」
『グギュガオオオォォォオオオォォンッ!!』
叫ぶと同時に、アンスの放った雷が巨龍の鱗を全て打ち抜く。そんな中
「――十三番目の太陽を撃て!!」
僅かに聞こえたレティシアの声とともに、アンダーウッドに魔王の"
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ギフトゲーム SUN SYNCRONOUS ORBT in VAMPIRE KING
・プレイヤー一覧
・獣の帯に巻かれた全ての生命体 ※但し獣の帯が消失した場合、無期限でゲームを中断する
・プレイヤー側敗北条件
・なし
・プレイヤー側禁止事項
・なし
・プレイヤー側ペナルティ条項
・ゲームマスターと交戦した全てのプレイヤーは時間制限を設ける
・時間制限は10日毎にリセットされ繰り返される。
・ペナルティは、串刺し刑、磔刑、焚刑からランダム選出
・解除方法は、ゲームクリア及び中断された際のみ適用
・ホストマスター側勝利条件
・なし
・プレイヤー側 勝利条件
一.ゲームマスター・魔王ドラキュラの殺害
二.ゲームマスター・レティシア=ドラクレアの殺害
三.砕かれた星空を空に集め、獣の帯を玉座に捧げよ
四.玉座に正された獣の帯を導に、鎖に繋がれた革命主義者の心臓を撃て
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――