(旧)娘が悲劇の悪役令嬢だったので現代知識で斜め上に頑張るしかない   作:丹波の黒豆

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2.2)【別視点】空の領の公爵令嬢

 おおぉー。

 ここどこだっけ?

 

 ボク、空の領主の娘ソランはただいま絶賛迷子中。

 今紫の公爵様のお家に来てるんだけど。

 いつも通り魔力のままに好奇心に惹かれながらフラフラ~ってしてたら、迷っちゃった~。

 

 あ。何だろこのいい匂い~。

 

 フラフラ~

 

 おお。ここは厨房みたい。

 すっっっっごくいいにおい。

 ねね、そこの料理人の人。

 

 それって今日のボクらのお昼ごはんかな?

 

 え~違うの~。

 ボクそれとっっても気になるんだけど。

 ねぇちょって味見させてよ?

 

 え。

 コレって紫の公爵様の指示で作ってる特別な料理だからダメなの?

 じゃあ公爵様から許可とったらいいんだ~。

 ボクお願いしてくるから。

 

 いっぱい美味しいの作っててねぇ~。

 (ぴゅーーーー)

 

 …………

 

 (ぴゅーーーーと戻ってきて)ねぇねぇそれで今、公爵様ってどこにいるか知ってるかな?

 

 

 うぁぁぁい。

 

 お友達と一緒にみんなでうるうるってお願いしたら、特別に食べさせてくれるって。

 うれしいなぁ。

 

 でも公爵様最後に何か言ってたような?

 まぁ、別にいっかぁ

 

 おおおおお、すっっごくいいにおい。

 もうこれだけで、おいしい。

 ゆうしょお。いっとーしょー!

 

 いっただきま~す!

 

 んーーーーー。

 ふぁぁぁ、何これ何これぇ~、

 すっっごくて、もう。

 

 すっごぉい!

 

 何にも入ってないスープのはずなのに、お肉とお野菜いっぱいだよぅ♪

 いくらでも食べられちゃう!

 

 お肉をそのままスープにしちゃったみたい。

 お野菜そのままスープにしちゃったみたい。

 ふしぎ、ふしぎー!

 

 なんなの、なんなのぉ。

 

 おいしぃー!

 

 こんなおいしいの初めてだよぉ。

 ありがとー公爵さまー。

 

 え、こんなおいしーのに失敗作なの?

 そんなの絶対おかしーよ!

 

 ボクが食べたので一番おいしかったのに。

 ほら、みんなもそういってるよ?

 

 ……だめなの?

 ……ホントに?

 

 エグミが残ってる?

 味のまとまりがまだ悪い?

 

 そ、そんなことないよぉ!

 そんなのホンのちょっとじゃん。

 え、料理人さんが一番分かってるの?

 

 妥協は出来ないって?

 完璧って意味のスープだから?

 

 ふぇぇぇ、すごすぎて全然わからないよぉ~~~ 

 

 でもすごい。絶対すごい。

 

 コンソメスープ絶対すごいよ!

 

 ねぇねぇ。

 この料理。

 紫の公爵さまのトコでしか食べられないよね。

 

 ボクこれ毎日食べたいな。

 

 え。

 

 完成したらこのすーぷをこの街の特産品にするの?

 領民なら毎日飲めるような値段で売るって。

 

 ならボクも欲しい!

 え、外には高くして買いにくくするの?

 領民の分がなくなるから?

 

 ふぇぇぇ、ならボクここの子になりたいよぉ。

 うう、ダメなの分かってるけどぉ。

 

 え。

 

 スープでダシをとった料理を出すから機嫌直して?

 

 ダシって何?

 このスープで下味つけた料理ってこと?

 

 ぜったい、食べる!

 

 

 ふぁぁぁ、しゃぁぁわせぇぇぇ。

 もうボクこのスープなしの料理食べられないよ~。

 

 え、そうなるから最初に言った?

 うう、聞いてたかもぉ。

 

 でもそんなの。

 こんなにすごいってわからないもん。

 

 ほら、ボクの友達もみんなそんな顔してるし。

 むずかしー顔してるの、ウーちゃんだけだよ。

 いつもの事だし!

 

 ねー公爵様。

 このスープ使ったら他にも料理って作れる?

 え、色々ありすぎて困る位、作れるの?

 

 ボクそれも知りたーい!

 

 ねぇねぇ公爵様。

 このスープいつ完成するの?

 何が足りないの?

 

 ボクもお手伝いするから、早く作ってよぉ。

 

 え、色々材料を試してる?

 一から作るのにみ、3日もかかるのぉ?

 

 お、おいしいハズだよぉぉぉ!

 

 ぜったい頭おかしい!

 

 じゃあさ、じゃあさ。

 ボクが食べ物いっぱいある緑の領のユリちゃん家からたくさん食材運んでくるから、それでいろいろ試すのはどぉ?

 

 ボクの風魔法ならお空飛んでもうピューんだよ。

 ピューん!

 

 ほらほら。

 みんなも協力したいって言ってるしさぁ?

 

 うん、頑張る!

 

 (上目遣いで)えへへ。

 だからボクタチがここにいる間ね。

 スープの味見させてもらえるかなぁ?

 

 わぁぁぁぁい。公爵様だぁいすきぃ!

 

 完成したら絶対買いにくるからね!

 ボクの分、残しておいてね♪

 

 

 こうしてアーディン領は、自領と他領を繋ぐ優秀な風使いの少女と契約した。

 この空色の髪を左右に2つ揺らす、幼く見える少女の存在が後に、急速に拡大するアーディン公爵家にとって大きな福音になることを。

 今はまだ誰も知らない。

 

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