寝台特急「北陸」矢澤にこ失恋ひとり旅   作:新庄雄太郎

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にこは、手紙を読みながら哀しい気持ちを抱えています

そこで、1人旅をすることに決心しました。


第一章 北陸ひとり旅

彼女の名前は、矢澤にこ。

 

貴弘さんから手紙が届きました。しかも速達です。こういう配慮ができる誠実さがある貴弘さんなのです。  

 

「きっと、その人は善子と一緒なのね。」

 

と、にこは手紙を読み、窓を眺めていた。

 

「とても悲しいにこ。」

 

と、にこは呟いた。

 

「じゃあ、どんな気持ちだったかな、にこの気持ちは?。」

 

と、にこは手紙を読んだ。

  

「にこ、お元気ですか、先日は大変な失礼なことをしてしまいました、どうか、お許しください、ただ、決して私はあの時は、ふしだらな気持ちではなかった、これだけはわかって下さい、あの一件で私は、私の人生を大問題と対決せねばと痛感しました、しばらくお会いできなくなると思います、どうか、わけを聞かないで下さい。」

 

と、手紙に書いてあった。

 

人生の大問題に向き合うため、しばらく会えないというのです。そして「どうか、わけは聞かないでください」と書いてあります。

 

帰りにに寄った所、旅行のクーポン券をもらいます。にこがタンスの整理をしていたら出てきたのです。

 

にこは、商店街へ行くと旅行代理店にやって来た。

 

「ひとり旅か。」

 

と、にこは旅行のポスターを見た。

 

「女のひとり旅も、ちょっとして見るか。」

 

にこは旅行代理店に行き、パンフレットを貰った。

 

「えっ、1人旅。」

 

 

「うん、行くとしたら3泊4日位。」

 

 

「へぇー、クーポン券を買ったの。」

 

 

「うん、何処へ1人旅しようかと考えてるの。」

 

真姫は、にこに旅行パンフレットを見せた。

 

「にこちゃん、ここはどうかな。」

 

と、真姫は飛騨高山のパンフレットを見せた。

 

「飛騨の高山か、これもいいね。」

 

「これはどう。」

 

「北海道か、スーパーとかちで行く北海道の旅か。」

 

にこは、考えた結果、このパンフレットを選んだ。

 

「やっぱり、にこはこれにするにこ。」

 

「どこに行くことにしたの、にこちゃん。」

 

「にこはやっぱり、北陸にこ。」

 

「へぇ、ひとり旅なら北陸路って言うからね。」

 

結局自分で考えて、金沢に行くことにします。

 

にこは上野駅へ行き、列車の切符を買いにやって来た。

 

「すいません、22時44分発の寝台特急「北陸」の特急券と寝台券を1枚ずつください。」

 

「はい、個室寝台が開いていますがどうしますか?。」

 

と、窓口の駅員は言う。

 

「あのー、個室B寝台は空いていますか?。」

 

「ええ、空いていますよ。」

 

「ありがとう。」

 

にこは身支度を整えて、旅行の日程表を管理人室のドアに貼り付けて、旅行に出発します。

 

にこの1人旅の日程は、次の通りだった。

 

1日目 PM 22時44分上野発 寝台特急「北陸」に乗車 金沢市内観光 金沢で1泊

 

2日目 AM 7時30分 金沢出発 金沢駅で七尾線急行「能登路1号」に乗車 輪島で1泊

 

白米千枚田と間垣の里と見附島を観光

 

3日目 輪島朝市見物 輪島-金沢-富山まで列車に乗り、富山で1泊

 

4日目 富山から長岡まで特急「北越7号」に乗り、新幹線で帰京

 

と、日程表と置手紙を残してにこは旅に出た。

 

上野駅

 

にこは、上野駅へやって来た。

 

上野駅は北の玄関口と言われ、東北や北海道や信州へ旅する人はここか出発点だ。

 

駅には、常磐線や高崎線、東北本線の列車が停車していた。

 

上野駅の改札を出ると、上野から発車する夜行列車はその名の通り、寝台特急「北陸」と夜行急行「能登」がある。いずれにしても東北本線・高崎線・信越本線又は上越線を経由して北陸本線に入る。また上越新幹線に乗った場合は東京から長岡まで行き、特急「かがやき」に乗り換える。今日きょうから金沢までは3時間58分で行けれて便利になっている、この日、にこが乗ったのは上越線経由の寝台特急「北陸」に乗って金沢へ向かった。

 

「13番乗り場は、22時44分発寝台特急「北陸」号金沢行でございます、この列車をご利用する際は特急券と寝台券が必要です。」

 

と、アナウンスが流れた。

 

「親不知の断崖がイラストのマークね。」

 

にこは、ホームで「北陸」に乗った。

 

「まもなくー、22時44分発寝台特急「北陸」金沢行が発車します、ドアが閉まりますご注意ください。」

 

プルルルルルルルルル

 

と、発車ベルが鳴り、にこが乗った寝台特急「北陸」は発車した。

 

ピィーッ!

 

「ごめん、今にこは1人にさせて。」

 

と、夜の上野を見ながら言った。

 

「なんだか夜逃げみたい」

 

矢澤にこが乗った寝台特急「北陸」は上野の夜を発車、翌朝金沢に着く。上越線を経由して北陸本線に入る。

 

上野を22時44分に発車し、大宮、高崎、水上、糸魚川、魚津、富山、高岡、津幡、終着金沢には6時33分

 

ヘッドマークには、親不知の断崖とオレンジ色のヘッドマークが描かれている。

 

北陸へ行く人には、便利な寝台特急である。

 

「おい、お前1人か。」

 

「1人旅なんてつらいわよね。」

 

そのカップルはサンドイッチを食べながら見つめていた。

 

そこへ、車掌がやって来た。

 

「すいません、乗車券を拝見させていただきます。」

 

「はい。」

 

「ありがとう。」

 

そこへ、貴弘がにこの家にやって来たが、日程表と置手紙を見てびっくりした。

 

「えっ、何これ、どういう事だよ。」

 

が、にこの置手紙を見てびっくりした。

 

「私は旅に出ることにしました、心の旅になると思うので、決して探さないでください にこより」

 

と、手紙に書いてあった。

 

「にこ、にこが出て行った。」

 

と、貴弘は唖然としていた。

 

そこへ、希がやって来た。

 

「どうした、貴弘。」

 

「それがな、にこが、にこが出てったんだよ、この置手紙が。」

 

「そう言えば、にこっちなんか悲しんでみたいたけど、しばらく1人旅するって言ってたわ。」

 

「そうなのか、希。」

 

「うん。」

 

「どこへ行くか聞いていないか。」

 

「そこまではやな。」

 

「そうか、知らないか。」

 

「もう朝か、今は、何だ魚津か。」

 

寝台特急「北陸」は、魚津を通り過ぎて5時38分に富山に到着した。

 

「富山、何か寂しい気持ちだわ。」

 

6時33分 にこが乗った寝台特急「北陸」は金沢に到着した。

 

 




そして、いよいよ事件が起きるのだ

次回もお楽しみに

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