【ドイツ産】SSSレート喰種だけど質問ある?【パツキン巨乳】 作:ちゅーに菌
キリが良いので短めです。メンゲレちゃんちお出かけ編は後、1~2話ぐらいで安価スレに戻ると思います。
『えへ、えへえへえへえへえへひとつ……ふたつ……みっつ』
毛虫のような下半身に、有馬が知るエトという女に似た上半身が生えたという表現は的を得ているが、そのおぞましさを知るには正確ではない。
まず、それはさながら抉り出され、剥き出しになった筋肉のように肉々しく湿っぽい赤みを帯びている。そして、毛虫ならばトゲの部分は、その全身の肉を突き破るように生えた黒っぽい骨のような質感で出来た巨大な
そして、それは祀られる巨木のように太い上に、30m以上の全長を持つ巨体であるため、明らかに重鈍な見た目にも関わらず、驚くほど速く動く。また、幼虫特有の動きからかなり強靭な腹足が大量についている事もわかる。
明らかに赫者であり、そのような姿の半喰種の少女――グレゴールは花が咲くような無垢な笑みを浮かべながら有馬と、2体の半喰種に迫って来た。距離はまだ40~50mほどだろう。
『ごちそう、いっぱい!』
そう言ってパチンと手を鳴らした――刹那、グレゴールの眉間にシムナの対戦車ライフルが射ち込まれ、踏み潰したトマトのように彼女の巨体に比べれば余りにも小さく可愛らしい頭部は血と脳漿を撒き散らす。
(迷いがないな)
明らかに狂っていようとも、恐らくは身内であったであろうグレゴールを、一切感情を起伏なく一撃で潰して見せたシムナは、兵士としては極めて高い完成度なのだろう。
有馬としては、頭部が完全に欠損して無事な喰種は見たことがなかったため、無意識に終わったと考えたが、頭部を喪って尚、こちらに迫る速度が一切緩まない様から死んではないのだと理解する。
「――――ッ!」
シムナはよく見れば軍服に付いている赫子用の袖から赫子を覗かせる。それは発生位置から尾赫だと思われ、その尾赫が対戦車ライフルを呑み込むように覆うと、構えから即座に次弾が放たれ、グレゴールの胸に大穴が空き、長針は後方の毛虫の胴体に沈むように深く突き刺さる。
それに加えて腰に下げていた短機関銃型のクインケを手で構え、嵐のように放たれたそれはグレゴールの少女の両腕を容易く千切り飛ばし、最早少女であったという名残しかないクズ肉に変えた。
最初の発砲からその間、僅か1~2秒の出来事であり、クインケの性能もあろうが、それを差し引いても異常なほど射撃センスにも優れているだろう。しかし、それは捜査官や狙撃主としてであり、怪物相手ではまた別の問題とも言える。
何せ、小さな上半身を喪って尚もグレゴールの体躯は決して止まらない。そして、次の瞬間、グレゴールの損傷を受けた部分の身体が火をかけられたかのように一斉に燃え盛った。
『いたいいたいあついおいしそううふぅうねえさんあついよああ!!』
そして、燃え盛りながら少女の胴体、腕、頭が急速に生え直し、幾らか当たった下半身の銃創すらまるで無かったかのように再生しする。そのため、こちらまで20mという地点で既にシムナの攻撃はまるで無かったことになっている。
半喰種などの実戦経験を積む程に戦闘能力を向上させられる発展性を秘めた筋肉の超回復の性質を持つRc細胞管の発達促進能力。それに明らかにそれとは異なる何かしら由来の"炎"が加わった事で肉体の超速再生を可能としているのだろう。
それだけでも喰種として余りにも異常な光景だが、更に下半身から無数に生えた巨大なトゲの先に淡く赤い羽のような光が灯り――それらが数多の"羽赫の赫子"だと気付いた時には、既に有馬と2名の喰種は全力で回避行動を取っていた。
『ねえさんねえさんねえさんねぇぇさああんこんばんわわわああおいしそぉおうう!!!』
刹那、赤が全てに降り注ぐ。
何かが爆発したとしか思えない勢いで放たれたそれらは、無差別にグレゴールの360°全てに飛散し、あらゆる空間そのものに降り注いだ飛沫のような横殴りの赤い嵐が何もかもを抉り穿ち、破壊し、四散させる。
それは羽赫を持つ喰種ならば誰でも出来る基本的な遠距離攻撃でしかないが、単純に発生源の数と同時発射数が狂っており、無限のように錯覚するほど底無しのRc細胞から来る連射によって、広域殲滅と言ってしまえる程の攻撃を可能としていた。
グレゴールによる戦艦の対空放火にすら等しい羽赫の乱射によって、まず研究所内が何一つ原型を留めたモノが残らないほど粉々に粉砕され、壁面さえも元の状態が推し量れない有り様となる。
『あははははははっ――きれーいっ!』
更にグレゴールの上半身の背から痩せこけた白樺の樹のような赫子が幾つも生え、それが指で輪を作るように纏まると、その中央に赤黒い閃光が迸り――光線のような極太の羽赫が放たれた。
3名は直感的に大きく回避行動を取ったが、その威力は凄まじく直線上にあったあらゆるモノを蒸発させ、突き当たりのRc細胞壁に先が見えない程の穴を抉るまでに至る。
その回避行動により、研究所に隣接する24区の地下通路へと飛び出すと共に3名はそのまま駆け出した。流石の彼らと言えども殲滅兵器のような異常な火力を持つグレゴールに勝算も無しに挑む自殺行為はせずに逃走したのだ。
しかし、地下通路は左右の二方向へ伸びており、それぞれが近い方向に避けていたため、片方は有馬とシムナ、もう片方はジャックの2名と1名で別れる。
地下通路に這い出たグレゴールは一度それぞれが走り去った方向に首を向け、嬉しげに嗅いで鼻を鳴らす。
『まってよおおおいてかないでェ!!くらいいたいさみし……ウフふふうふゥうフフフフフフ……私の……あれ?……わたしわたたたあはははははははははあはは!!!――待ってて……今いくわ……』
そして、彼女は"有馬とシムナが逃げた方向"を向くと、そのまま何対もある複足を進めた。
◇◆◇◆◇◆
「どーもどーも! お疲れ様ですジャックちゃん! あなた方の奮闘で良いデータが取れましたよ! ありがとうございましたっ!」
ジャックが撤退した先の区画にて、 待ち構えていたと言わんばかりのタイミングで白衣姿のヴェーヌスベルクがひょっこりと現れ、彼女に労いの言葉を掛けて来た。
「いやー! なんだかんだ
相変わらず、調子外れにまで高いテンションでジャックに語り掛けてくる。彼女の反応や態度などまるでお構い無しなそれはマトモな常識や感性を持つ者ほど目障りで耳障りに思えるだろう。
「今後はもっと地上での実地活動を視野に入れて――おや?」
そんなヴェーヌスベルクの首筋に向け、ジャックが己のクインケである長剣のレポレッロを突き付けたことで、ヴェーヌスベルクのお喋りが止まった。
ジャックは薄目を開けて笑みを浮かべているが、僅かに開かれた瞼の奥にある瞳はまるで笑ってはいない事は明白だろう。
しかし、ヴェーヌスベルクの態度は特に変わらず、ニコニコと満面の笑みを浮かべるばかりだ。
「グレゴールの収容房を開けた上で、拘束機構を全て解除出来る者はメンゲレ様を置いて他にいませんね? それも我々の戦闘中にです」
「…………? そうですけれど……それが何か問題ですか?」
余りにも当然のようなに吐き出されたその言葉にジャックは閉口する。むしろ、ヴェーヌスベルクはジャックの方が何を言っているのか理解できないと言わんばかりの様子だった。
「ねぇ……ジャックさん――?」
その瞬間、ジャックの視界にほんの僅かなノイズが走り、ヴェーヌスベルクの姿が消える。まるで最初からそこには何も居なかったかのように痕跡ごと消えている。
「――あなたは少々、殺す対象に深入りし過ぎですね。そもそも早く彼を殺していればこんなことにはならなかったのです」
そして、気付けばジャックの手に長剣はなく、いつの間にか背後で長剣を手に遊ばせているヴェーヌスベルクの姿があった。
ヴェーヌスベルクが瞬間的に動いたとすれば、生物として極まった動体視力を持つジャックですら視認できない速度で動いた事になる。尤も、それは音速を遥かに置き去りするほどであり、不可能と言い切れてしまえる。
「そういう意味では、誰かさんに似て情が深いから殺す相手と関係を持とうとしないシムナさんの方が遥かに利口ですよ? 殺す相手に敬意を払うのは
「……………………」
そう言ったヴェーヌスベルクが眺めたジャックは、表情こそまだ取り繕ってはいたが、剥き出しの殺意を隠そうともしていなかった。
しかし、それさえもまるで意に介していない様子でヴェーヌスベルクは相変わらず調子外れに笑う。
「尤も……かくいう私も半世紀で随分甘くなりました。殺れと言った相手をタイミングはあったのに殺れなかった兵士など、本来ならば即座に銃殺していますもの……ね?」
ヴェーヌスベルクはジャックに長剣を返し、彼女はそれを無言で受け取った。たったそれだけのやり取りだが、そこには実力だけでは埋まらない明確な差があるだろう。また、それは培われた狂気とも言えるかも知れない。
「まあまあ、シムナちゃんには援軍を送っておいたので安心してください! もう解決したようなものですよ! あー……でもグレゴールちゃんはもう少し狂ったままのサンプルで居て欲しかったのになぁ……」
そんな事をまたいつもの調子で声を張り上げて話したヴェーヌスベルクは、肩を竦めて溜め息を吐いて見せる。これほどまでに他者に理解されない胡散臭さと気色の悪さ備えた喰種はそうは居ないだろう。
「ああ、これだけは言っておきますね? いいですか? 私の不利益や無駄になることは別に構いません。私に如何なる感情を持とうと、嫌悪や殺意を向けようと、何をしても構わないですし、そんな下らない事に興味もありません――ですが、大隊長のお目汚しだけは絶対にしないでください」
また、ジャックの視界にノイズが走ると、その場からヴェーヌスベルクが跡形もなく消え去る。
『…………私の最愛の方を失望させたら――死ねる身体でいられるとは思わないことね?』
そして、最後の言葉は近くの天井に取り付けられたスピーカー越しに聞こえ、周囲を見渡しても自身以外の喰種が居た残り香すらジャックは感じ取ることが出来なかった。
◆◇◆◇◆◇
「無理」
有馬と共にグレゴールに追われているシムナはポツリとそんな言葉を呟く。
彼女は後方から延々と放たれる羽赫の嵐を掻い潜り、赫子の対戦車ライフルと短機関銃で応戦し、グレゴールの急所や砲台のような羽赫への的確な射撃を繰り返している。しかし、何処を欠損しようとも即座に損傷部が燃えて再生するため、まるで意味を成しているように思えないので、彼女も遂に匙を投げたらしい。
Rc細胞が尽きれば普通なら赫者形態の維持は出来なくなるので、背後から時折飛んで来る羽赫の量を考えれば、普通の喰種ならばそう長くは持たない筈だが、グレゴールもまた
『ごちそう、にげないでぇ!』
その上、グレゴールの下半身に生える数多のトゲから飛来する羽赫以外に、グレゴールと通路の上下左右にある隙間を埋めるようにガス状の羽赫も発生しているのだが、それは外気に触れた直後に発火して広範囲を燃焼させているため、グレゴールの側を通り抜ける事さえ出来ない。
更に有馬とシムナが駆けている地下通路は分岐路のない一本道。こちらの方が移動速度は上のため、追い付かれる事はないが、暫く走り続けていても分岐路や出口がある様子もないので、このまま続けてどうなるのかは有馬も予想がつかなかった。
「………………」
シムナは少し考え込むような様子で近い位置を走る有馬を見つめる。
シムナの攻撃が止まった事で、背後のグレゴールの羽赫の弾幕が厚くなり、シムナが発生前に潰していた光線状の羽赫が再生し、有馬目掛けて放たれたため、彼は大きく回避をした。
「――――!」
それに有馬がどうしたのかと考えつつ、再びシムナの方に意識を向けると、彼女から放物線を描いてソレらが軽く投げ付けられ、驚きつつも彼は受け取る。
それはベルグマン MP18と呼ばれる短機関銃に似たクインケと、ナチスの鷲の紋章が柄に刻まれた親衛隊勤務短剣であった。
「羽赫のベルグマンは……見た目のまま使え……。SS短剣は……伸びる……」
更にシムナは渡したふたつのクインケを説明した。どうやら有馬も戦えという事らしい。彼がこの場でシムナを駆逐しに掛かるリスクがゼロではなかった筈だが、それをリスクと思わないほど自身に自信があるのか、その真意は彼女のみが知るだろう。
有馬は黒い配色とチェーンが付いた鞘が印象的な親衛隊勤務短剣の鞘を取る。そこには
(これは――いいな……)
すると親衛隊勤務短剣の剣身から伸びるように黒い刃が瞬時に形成され、全長100cmほどの長剣になる。
重量自体は短剣の形態より多少重くなったが、それでも彼の感覚で400~500g程に感じ、彼が知る同型のクインケと比べれば異様なほど軽い。軽さは元々高速戦闘を得意する有馬にとって非常に有用であり、とても彼の手に馴染む。
標準装備であろう装飾品に近い近接武器ですらこれだけの性能を持たせる事に、ヴェーヌスベルクの余りに高過ぎる技術力と、不可解なまでの拘りを感じると共に、有馬はどうにかして持って帰れないかと考えていた。
「………………この先行き止まり……約1100m」
「…………なるほど」
そう言ってシムナが指差した直後、前方の遥か先にRc細胞壁の赤々とした壁が見えた。更にそれまでの呆れるほど整った直線には全く分岐路や脇道が見当たらないことも見て取れる。
クインケを渡した理由はそう言うことらしい。このまま追われ続けて共倒れするよりは二人掛かりで挑むべきだと思ったのだろう。
仮にこの場で有馬がシムナを駆逐しに掛かり、殺せたとしてもその後に待っているのは、背後のグレゴールとの避けられぬ戦闘だ。はっきり言って、現状でグレゴールを止めることは明らかに不可能。ならば僅かでも可能性を広げるのは自然な事だ。
『足止め――しろ』
その直後、シムナの全身が対戦車ライフルごと尾赫に覆われ、即座に新雪のように白い毛で覆われた4mを超える程の巨大な狼のような赫者の姿へと変わる。
僅かに開かれた狼の口からは対戦車ライフルの銃口が舌のように顔を覗かせており、狼の片眼だけが赤々と鈍く輝いていた。
そのまま、シムナは力強い四足で地を蹴り、人間や喰種を遥かに超えた速度で直進し、有馬とグレゴールを置き去りにして地下通路の行き止まりへと駆けて行く。
(………………大変な事になってしまったな)
定期的に行っているもぐら叩きに参加したばかりに大変な事になってしまったと、有馬は内心で溜め息を吐く。
とは言え、これまで有馬は何度かもぐら叩きで、SSレート級のヴェーヌスベルクの失敗作に出会うとそれを駆逐し、その度に拡張器越しに口汚く罵られて来たため、完全に逆恨みとは言え、彼女が本気で殺しに来るのは時間の問題であった。
それを考えるならば、少なくとも純粋な
有馬は駆ける速度を緩め、完全にその場で止まると、まだ幾らか後方にいるグレゴールに立ち塞がるように向き合った。
『…………? ……? ねえさん……? ねえさん……えへへいいにおい……たべていいぃぃたべたべたべたひいいよおお』
口の端から涎を滴ながら蕩けた表情で有馬を見下ろすグレゴールは、彼に対してそんな言葉を言い放つ。最早、彼女には有馬ですら姉と言う存在に見えているらしい。
どちらにせよこのままグレゴールを放置し、これが地上に這い出て来るようなことがあれば、東京が大惨事になり兼ねないため、捜査官の責務としても野放しにするわけには行かないだろう。
「…………やるか」
誰に言うわけでもなく小さく呟き、意思を固めた有馬は、ベルグマンと長剣をそれぞれ手にグレゴールの間合いへと飛び込んだ。
~クインケ紹介(メンゲレ談)~
ベルグマン
羽赫のSSレート量産型クインケ。短機関銃モデルのベルグマンに似た羽赫のクインケ。他に自動拳銃モデルのクインケも存在する。
ベルグマン MP18を忠実に再現したクインケなので、銃として以外のギミックは付いてはいないが、その分とんでもなく燃費がよい。具体的に言えば、ガンシューティングのマシンガン並みに何処から弾を持って来ているんだと疑うほど弾が出る。しかし、撃ち続けるとストックごと徐々に発熱して行くため、400~500発も連続して放てば、喰種ですら持てなくなるレベルにクインケが熱くなるため、人間がマトモに扱うのなら精々、100~200発ほど連続して撃つ事が限度。また、クインケが一定温度を超えた状態で発砲を止めると、直後に自動でクインケ内部機構の保全のために緊急冷却モードに入り、内部温度の低下まで最低1.5秒~最大30秒ほど発砲出来なくなる欠点を持つ。
また、CCGからすれば複雑なギミックを搭載した高度なクインケに当たるが、ヴェーヌスベルクからすれば単純な部類に入るため、日本人がイメージするAK-47並みに雑に扱っても全く問題なく発砲可能で、そもそも強度が凄まじいため、銃本体を鈍器として使って喰種を撲り殺せる。
ちなみに
親衛隊勤務短剣
SSレートかつ羽赫と甲赫の量産型キメラクインケ。
短剣の部分が甲赫であり、そこから羽赫の刃を発生させる。また、形成する刃の長さは可変であり、ギミックの動作機構を押し込んだ強さで、3cm、30cm、60cm、90cmと伸縮自在。
更に羽赫の刃を弾丸のように飛ばすギミックもあり、刃が短い程初速が速く飛距離も上がる。その上、甲赫の短剣部を突き刺してギミックを動作させると、赫子由来の高圧ガスを噴射し、対象を体内から爆砕出来る。また、鞘のギミックにより鞘の内側から刃渡り30cm程の甲赫の刃を生やす事が可能で、コンパクトな短剣でありながら二刀流でも扱える。最後におまけのギミックを動作させると刃の先端が一点に目掛けて強く発光する懐中電灯モードになるため、災害時にも安心等とキメラクインケであることを十全に使い切った性能をしている。
デザインについては相談して貰えればお好みのモノが選べます! ちなみに原料の赫包の確保方法は、
※懐中電灯モードの光量は近距離なら喰種でも一時的に視力を奪うぐらい眩しいので、絶対に人間の目には直接向けないでください