Re:DJ道   作:Lycka

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☆10 ぴきっくりりっく様
☆9 ファイターリュウ様 スズメの涙様

新たに評価して頂きありがとうございます!
お陰様で第一の目標である評価バーに色をつけるという事を達成出来ました。

感想、評価等ドンドンお待ちしております。



#3 転校生って響き良いよな

 

 

 

 

 

 

 

~翌日~

 

 

 

 

「......ねみぃ」モグモグ

 

「お兄早く」ウキウキ

 

 

 

いきなり結論から申し上げますと、アラームをセットした時間通りに起きれました。ただ、それは天音がセットした時間よりちょっと早めに起こしにきたからです。理由は簡単、今日も昨日と同じく響子と一緒に登校出来るからだ。

 

 

 

「寝癖、付いてるわよ」

 

「親父は?」

 

「朝早くに仕事に出たわ」

 

「相変わらず早いんだな」

 

 

 

マジで台風の様にやってきてウチを荒らしていっただけか。あんな親父だが一家の大黒柱だ。親父と母さんのお陰で生活出来ているということだけは忘れてはいけない。仕方ないからメールしておいてやろう。

 

 

 

一週間は帰ってくんなよっと......あ、そういや母さん」

 

「どうしたの」

 

「昨日愛莉さんのとこ行ってたんだけど、また今度ウチに来たいってさ」

 

「分かったわ。出来れば今日連絡取ってみるわね」

 

 

 

マスターはどうするんだろうか。昨日は会えなかったから分かんないや。まぁそれも母さんと色々と話し合って決めてくれるだろう。でも今週土日は響子との予定あるから無理って言わないとな。

 

 

 

「今週土日は無理って言っといて」

 

「何か予定でもあるの?」

 

「響子と二人で遊びに行ってくる」

 

「.......は?」

 

 

 

さーて、先程の氷の様に冷たい"は?"は誰の声でしょうか!?もう勘の鋭い皆さんならお分かりですね?そうそう、響子大好きな俺の妹である天音ちゃんでした!!

 

 

というかそんな声どこから出してんだよ。ちょっとお兄ちゃん鳥肌止まらないんだけど。母さんも"アンタやらかしたわね"みたいな顔するのやめて。仕方ないじゃん、昨日は響子の機嫌取るので精一杯だったんだから。

 

 

 

「お兄」

 

「ちょっと待て、俺にも言い訳させて」

 

「お兄」

 

「天音ちゃん?偶にはお兄ちゃんって呼んでも良いのよ?」

 

「お兄」

 

 

 

怖い怖い怖い!!ぶっ壊れたロボットみたいになってるし!そんなに響子と遊びたいなら放課後にでも遊べば良いのに!

 

 

 

「あ!そう言えば愛莉さんも天音に会いたいって言ってたから、今度響子と俺と天音の三人で行くのも予定してるぞ!」

 

「本当に?」

 

「嘘ついたら鼻からブラックコーヒー飲むから」

 

「でもなぁ......」

 

 

 

何とか収まってくれた様子。みんなは妹を怒らせるのやめておこうね。しかし何か不服な顔をしている天音。あれだけじゃ満足しないのだろうか。

 

 

 

「何か問題でもあるのか?」

 

「いや、お兄が邪魔」

 

「母さん、妹が辛辣」

 

「馬鹿言ってないで早く準備しなさい。響子ちゃんもうすぐ来るわよ」

 

 

 

 

確かに時計を見るともうすぐ時間だ。あんまり響子が遅れて来る事無かったからな。逆に俺は遅れるのが当たり前みたいになってた時期もあったけど。仕方ないじゃん、朝弱いんだもん。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「おはようございます!」

 

「おはよう天音ちゃん」

 

「んじゃいってくる」

 

「気を付けてね」

 

 

 

天音に急かされてゆっくり朝飯も食えず、結局バタバタ準備してその間に響子が来てしまった。響子は待つと言ってくれたが天音がそれを許してくれるはずもなく、あーだこーだ言われながら着替えましたとさ。

 

 

 

「大丈夫?忘れ物とかない?」

 

「大丈夫だと思う、多分な」

 

「この前みたいに教科書全部違うのとかやめてよ」

 

「......数学と国語、それに科学と物理で合ってるよな?」

 

「正解。それじゃ行こっか」

 

 

 

 

無事答え合わせも済んだところで学校へと歩き始める。ここからは昨日と変わらず、響子と天音の二人が仲睦まじく話している後ろを不審者の如くついて行くだけ。最早これがルーティーンと化しているのは気のせいだろうか。

 

 

 

「お、そう言えば」

 

「どうかしたの?」

 

「昨日の曲の話。夜も遅かったから詳しく相談出来てなかったと思ってな」

 

 

 

響子はしのぶに任せるつもりだと言っていたが、やはりリミコンの近いしのぶ一人に任せるのは少々酷ではなかろうか。あの後ベッドで横になりながら考えていた。だがしかし、俺が手伝える事はあまりないのが現実だ。こうなったら天音にでも手伝ってもらうか。

 

 

 

「何かあるの?」

 

「いんや、やっぱりしのぶ一人だと心配だなと思って。別にしのぶの実力とかを疑ってる訳じゃないんだけどさ」

 

「やっぱりそう思う?」

 

「あんな中途半端な感じだと尚更な」

 

「ちょ、お兄中途半端とか何言ってんの」

 

 

 

少し怒った顔をして迫って来る天音。しのぶに任せたい気持ちもある一方で、やはり一人だけに背負わせたくない責任感との葛藤。きっとそれが響子にはあるのだろう。その結果が昨日渡された曲というわけだ。

 

 

 

「良いんだよ天音ちゃん」

 

「でも響子さん......」

 

「馴れ合いとかで上手くいくほど簡単じゃないからね」

 

昔っからそういうところも変わんねぇな

 

 

 

 

絵空は親御さんの手伝いとかで忙しい時期もあった。由香だって写真が認められたって嬉しそうにしてた時もある。しのぶなんて過去にはアルバム制作の仕事の話があったって言ってたしな。決してピキピキだけが4人のあるべき姿では無いということ。だがしかし、今まで結成した瞬間からずっと側で見続けている俺からすればなんて事ない問題だ。

 

 

 

「そこで俺から良いお知らせがある」

 

「何か良い案でも思いついたの?」

 

「お兄?」

 

 

 

せっかくの久しぶりのDJライブなんだ。この絶好の機会を逃すわけにはいかないんだ。響子やしのぶ達にも刺激になるだろうし、天音にも良い影響があれば尚の事良し。

 

 

 

「また母さんにでも練習見てもらうか?」

 

「そんなの黒那さんに悪いよ」

 

「大丈夫だって。まぁ別に母さんが見たところで何が変わるわけでもないんだけどな」

 

「お母さんには伝えてるの?」

 

「ん?俺の独断だけど」

 

「......流石お兄」

 

 

 

 

今までも何回かピキピキの指導的な事をしてきた母さんだが、最近はめっきり無くなってしまったからな。母さんも親父も何だかんだピキピキのファンだから絶対ok貰えると思うんだけど。駄目なら俺が土下座で頼み込んでok貰うけどな。男は時にプライドを捨てるのも必要なのだ。親父には絶対土下座なんてしたくないけどな。

 

 

 

 

「だからお昼休みにでもみんなで集まって話し合うか」

 

「なら私も─」

 

「お前は駄目。というかそもそも中等部の天音が来られるわけないだろ」

 

「お兄のケチ、意地悪、あんぽんたん」

 

「はいはい、響子もそれで良いか?」

 

「私は大歓迎だけど」

 

 

 

良しこれで決まりだな。帰ったら母さんにも許可貰わないといけないな。親父は帰って来ない事を祈ろう。帰って来ても追い返せば済む話だ。最悪の場合、愛莉さんのところにでも泊まって貰えば良いか。

 

 

 

「この話は決まり。んじゃ学校急ぐぞー」

 

 

 

 

 

~陽葉学園~

 

 

 

 

「それじゃあ放課後に!」

 

「うん、またね」

 

「また天音と約束でもしたのか?」

 

「さっきの件もあるから今日は天音ちゃんの家」

 

「てことはウチに来るのか」

 

 

 

無事到着して天音は中等部へ向かう。俺の知らない間に響子がウチに来ることが決定していた。内緒で事を進めるの上手だね天音ちゃん。まぁ俺が一人で考え事しながら後ろついて行ってたからなんだけどな。

 

 

 

「取り敢えず教室行くか」

 

「そうだね」

 

 

 

上履きに履き替えて響子と二人で教室へと歩き始める。お昼休みに話すとは言ったものの、予め他の三人には俺からそれとなく伝えておくか。話がいきなり過ぎるとしのぶに怒られる可能性も微レ存。絵空とかは乗り気でok貰えそうだけどな。

 

 

 

教室へ入り母さんにどういう風に伝えるか悩んでいると担任が登場。そのままの流れで朝のSHRの時間。やれボランティアの活動の募集やら委員会からのお知らせやらを長々と聞かされる。話の中には昨日絵空から聞いた転校生の話題もあったが、正直俺はあまり気にならないタイプなので右から左へ受け流した。

 

 

 

「それじゃあこの続きで授業始めるぞー」

 

「先生ちょっと早くないですか」

「まだちょっと時間ありますよー」

 

 

「文句言わずに教科書開け〜」

 

 

 

 

1時間目が担任が担当する教科だったのでSHRの続きから授業開始となった。ご覧の通り、一部生徒からはブーイングがある様子だが先生の言う事には逆らえないのが良くも悪くも学校というところだ。逆らうとお叱り受けるからな。響子の方をチラッと見てみると黙々と準備してて偉いと思いました。

 

 

 

「まずは前回の宿題からだな。誰が当たってたんだ」

 

「......あ、やべぇ俺じゃん」

 

「じゃあ藤咲は黒板に書きに来いよ」

 

 

 

そういえば前回の授業の最後であみだくじやって俺になったんだっけか。すっかり忘れてたわ。というか授業の宿題担当をあみだくじなんかで決めるのは如何なものかと。まぁやってないわけじゃないから良いんだけどさ。

 

 

 

「えーっと、問1がこれで......」

 

 

ガラガラガラ

 

 

「ん?」

 

 

 

やっと俺がやる気だして黒板に答えを書こうと思った矢先に教室のドアがオープン。他のクラスはまだ1時間目始まってないから仕方ないね。にしても見た事ない子なんだけどもしかして噂の転校生だったりする?

 

 

 

「失礼します!」

 

『......』

 

「あれ?もしかして授業中?でもまだ1時間目始まってないよね?」

 

「ウチのクラスがおかしいだけだから気にすんな」

 

「おい藤咲」

 

「だったら良かった!」

 

 

 

凄く元気の良い子なのはこの数秒で理解出来た。ウチのクラスがおかしいと言った後に担任が反応してたがそれはスルーの方向で。この子が噂の転校生だとしても、ウチのクラスに入るとは一言も聞いてないんだがそれはどういうことだろうか。

 

 

 

「私の名前は愛本りんくです。今日からこのクラスで一緒に勉強することになりました!よろしくお願いします!」

 

「......愛本さん、悪いけど多分ウチじゃないよ」

 

「へ?でもさっき隣のクラスに行ったら違うって言われたよ?」

 

「ウチの反対にも教室あるからそこじゃないか?」

 

 

 

隣のクラスの奴らも方向くらい言ってやれよ全く。そりゃ隣って言われたら間違えてウチに来ても仕方ない。担任もクラスのみんなも静まり返っている中、俺は転校生らしき愛本さんと二人で話している奇妙な状況。響子なんかちょっと笑ってるしな。それはどういう笑みなのか聞いてもよろしいか。

 

 

 

「ごめん間違えちゃった!ありがとう!」

 

「まぁ愛本さんは悪くないと思うよ」

 

「優しいんだね。名前聞いても良い?」

 

「藤咲絢斗。というか早く行った方が良いぞ」

 

 

 

何故なら担任が俺を睨めつけているから。そんなに授業早く始めたいなら先生が対応すれば良いのに。俺に丸投げしといてそれはどうかと思いますね。というか何で俺は素直に自己紹介なんかしてんだよ。

 

 

 

「ありがとう絢斗君!それじゃあまたね!」ガラガラ

 

「お、おい!教室は出てから右だから......って聞いてないし」

 

 

 

話を聞かずにドアを開けて飛び出してしまった転校生の愛本さん。隙間から若干左向いて歩いて行ったのが見えたが気のせいだろう。いきなり名前呼びなのも気のせいだと思いたい。

 

 

 

その後は特に何事も無く授業は進み、次の国語の授業と科学と物理の授業を終えて昼休みを迎える。

 

 

 

 

 

「はぁ〜疲れた!」

 

「まだ2時間残ってるけどね」

 

「午後の授業は楽だし良いんだよ」

 

 

 

午後からはHRとなっており、何でも次のリミコンの応募者を増やす為にも前回や前々回のリミコン優秀曲をみんなで研究しようというものだ。これも我が陽葉学園特有だといえるだろう。個人的な解釈をすれば適当にやってれば終わるから楽なんだよね。DJクノイチであるしのぶの曲や響子がリミックスした曲は聞く必要があるけどな。聞いてないと響子に怒られるし、何ならしのぶにバレて愚痴られるし。何故バレるし。スパイは響子で間違いないんだろうけどさ。

 

 

 

「中庭行きますかね」

 

「うん」

 

 

 

朝の転校生の件もあり、他の三人には母さんに指導してもらうといった話は伝えられなかった。1時間目が終わってからクラスの奴らから質問攻めにされる始末。やれあの子と知り合いなのかとか可愛い子ばっかり周りにいるだの何だの。後者に関して言えば完全にクラスの男子からの意見なんだが。別に俺悪くないよね?確かに響子とかしのぶ達ピキピキのメンツは全員可愛いけども。何なら今朝の愛本さんも可愛い子だったけども。何故それが原因で俺が責められるし。

 

 

 

 

その事を響子に話してみると"確かにそれは言えてる"と笑いながらの返事を頂きました。

 

 

 

 

「あ、絢斗来たよ」

 

「悪いな待たせて」

 

「別にアタシ達もさっき来たところだし」

 

「んなら良かった」

 

 

 

中庭に行くと既に三人が揃っていたので、昨日と同じくみんなが座れるテーブル席へ腰を下ろす。何故か絵空との距離が近い気がする。しのぶも若干ではあるが怒ってる?

 

 

「ちょっと、由香さんや」

「どしたの絢斗?」

「何で絵空としのぶは怒ってんの?」

「あー、それはね......」

 

「絢斗〜、由香と何話してるのぉ?」ギュッ

 

「うおっ!?」

 

 

 

元々隣に座っていたので近かった絵空。由香とコソコソ話していたのがバレたのか俺の腕ごと引っ張ってくる。お陰様で何がとは言わないが柔らかいものが腕に当たる。由香も由香で知りませんよみたいな顔するのやめてね。

 

 

 

「ちょ、絵空近いんだが」

 

「私達に話しておく事なぁい?」

 

「えーっと......」

 

 

 

話しておくこと?はてさて、絵空には何が見えているのだろうか。もしかして母さんの事?俺絵空達には伝えてないはずなんだけど。響子が先に伝えてるとすればあり得る話だが、そんな話も出てこなかったしな。

 

 

 

「......俺の母さんに練習見てもらう件でございますか?」

 

「んふふ♪ハ・ズ・レ♡」ギュッ

 

「ちょっと!?絵空さっきから当たってるんだが!?」

 

 

この()()()()()は話の的がとかではなく、絵空のダイナマイトな部分がですね。響子達も黙ってないで助けて欲しい。

 

 

 

「転校生の子とイチャイチャしてたのは本当かしら?」

 

「イチャイチャ?」

 

「アタシもそうやって聞いたよ」

 

「待て待て、話がおかしな方向へ進んでる」

 

 

 

一体誰がそんな根も葉も無い噂話を広げたのだろうか。大方、俺の状況を好ましく思わない連中だろうと推測は出来るんだけどな。でもそれにしたって斜め右上のラインいっててちょっと笑えるな。

 

 

 

「クラス間違えたみたいだから教えてただけだ」

 

「あ〜、確か愛本さん?だっけ」

 

「私の名前呼んだ!?」ヒョイ

 

「そうそう、こうやってひょっこり現れてだな......って愛本さん!?」

 

「ちょっと反応遅れたね絢斗」

 

 

 

まさかのご本人登場でビックリした。お昼休みだし中庭に居てもおかしくはないけど。グッドタイミングなのかバッドタイミングなのか分かんねぇなこれ。しのぶなんて警戒する機嫌の悪い子猫よろしく威嚇っぽくなってるし。それでもちょっと可愛いと思ったのはここだけの話。

 

 

 

「愛本さんはどうしてここに?」

 

「お昼ご飯食べに!そこで絢斗君っぽい人見つけたから来てみたら正解だった!」

 

「ふーん、この子が絢斗の浮気相手と......」

 

「絵空さん?いつの間にか愛本さんが浮気相手にランクアップしてるんだが─」

 

「アンタはちょっと黙ってて」

 

「あ、はい」

 

 

 

 

何が起きているか分からずポカンとしている愛本さんを他所に、しのぶと絵空は吟味していくようにマジマジと見つめる。それこそ足の指先から頭のてっぺんまで事細かくだ。多分だが、あれを男の俺みたいなのがやるとセクハラだの変態だの言われるんだろうな。

 

 

 

ピンポ-ンパンポ-ン

 

 

『さぁ本日もやって参りましたお昼休みの時間!』

 

 

「ねぇ絢斗君。この放送って何やってるの?」

 

「ここで話を俺に振るのか......。まぁ簡単に言えば音楽でも聴きながらお昼ご飯食べようねってことだ」

 

 

 

 

それを聞いて"凄い!ワクワクしてきた!"とか言ってはしゃいでる愛本さん。話を振られて答えただけの俺はというと、またしても絵空としのぶに問い詰められる始末。何でこんなに二人は愛本さんを敵対視しているのだろうか。響子と由香も相変わらず笑ってるだけだし。まぁいつものことなんだけどさ。

 

 

 

『それでは参りまショータイム!!』

 

 

「毎度毎度こいつは下らん言い方しか出来んのか」

 

 

 

 

そして、DJが曲を流し始める。誰もが知っているような有名なものから、ウチの学園でリミックスやトラックメイキングされたものまで様々だ。リミコンがあった時には優秀曲や優勝曲等が披露されることもある。

 

 

 

「んー!!」

 

「......今度はどうした」

 

「これどこでやってるの?」

 

「えーっとな......何処だっけ?」

 

「放送室。アンタこの前アタシと一緒にやったじゃん」

 

 

 

 

そう言えばそうだった気もしてきた。この前はしのぶがお昼に流したい曲あるからって言い出したと思えば強制連行されるし。おまけに"ちょっとやってみなよ"って言われてDJっぽいことされられるしで散々だった。しのぶは後ろでちょくちょく笑ってるしな。仕方ないじゃん、俺って天音みたいに音楽の才能やセンスがあるわけでもないんだからね?

 

 

 

「放送室ってどこにあるの?」

 

「......もしかして放送室行きたいのか?」

 

「うん!」

 

 

 

目を輝かせて頷く愛本さん。連れて行ってあげても良いんだが、まだお昼ご飯も食べ終えてないしなぁ。愛本さんは話しながらもパクパクと食べ進めてたお陰で、お弁当の中身はほとんどすっからかんだ。俺はというとまだ半分程度。お昼ご飯はゆっくり食べたい派なんです。というかお昼に限らず食事はゆっくり楽しみたいのが本音だったりする。今朝天音に急かされたのも納得いかん。

 

 

 

「ん〜」モグモグ

 

「絢斗君?」

 

「ああ、ごめんごめんちょっと考え事。しのぶ、ちょっと良いか?」

 

「何となく想像つくんだけど」

 

「だったら話は早いな」

 

 

 

俺としのぶの様に付き合いが長いと何となくで察せる部分も出てくるわけだ。まぁ長いって一口に言っても、時間に直せばそこまでなんだけどな。でもそういった関係になるのは付き合いの時間の長さではなく、あくまでそれまでの過程の方が重要だと個人的には思う。兎に角、俺の言いたい事を理解してくれてるなら話は早いって事よ。

 

 

 

「ん、ご馳走様。愛本さん今から放送室行くけど来る?」

 

「え、良いの!?」

 

「勿論。何なら今日はDJクノイチのパフォーマンス付きだ」

 

「あれ?しのぶ今日やるって言ってたっけ?」

 

「残念ながらさっき決まったんだよ」

 

 

 

 

お昼ご飯も何とか食べ終わったし行きますかね。あんまり時間も無いことだし。ピキピキの面子とぞろぞろ放送室に向かってたら、何人かにはバレそうだけど仕方ないね。俺の目の前でスゲェ嬉しそうにしてる愛本さんを見てると、何だが天音の小さい頃を思い出すな。昔は飴ちゃんあげるだけで喜んでたのに......今じゃ響子大好きっ子になってしまって。

 

 

 

「私達も行っていいの?」

 

「当たり前だろ。この前みたいに俺にDJやらされても困るから、逆に響子達居ないとしのぶの制御が出来ないからな」

 

「何でアタシが悪いみたいになってんの」

 

「私も絢斗のDJ見てみたいかも〜」

 

「マジでやめてくれ」

 

 

 

 

そして、中庭を後にして6人で放送室を目指した。その間に、愛本さんがピキピキにDJやライブの事について楽しく話してたのを見て、ついつい微笑んでしまったのはここだけの話だ。

 

 

 

 

 

 

 

Next→

 

 





アニメもやっとピキピキの出番ですな。
前回は真秀のダイナマイトォ.....が印象的でしたが、今回はりんくも交えてのライブで主も感動致しました。
(クラスとかその他諸々の設定は曖昧なのでご了承を)
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