ピクシブにも同じものを投稿しております。
また、ハーメルンに筆者が慣れていないためもしかしたらミスがあるかもしれません。
閲覧ありがとうございます。
こちら、ピクシブのほうでも投稿させていただいたカスミちゃんの短編となっておりますが、リアルのカスミちゃんとのお話となっております。
筆者がこういう系の小説は初めて書くので暖かく見守ってくれると嬉しいです。
岸君をどう読んだらいいか分らなかったため変な呼称になっています。
時系列とかもガバガバです。リダイブの後かもしれないけど、前かもしれないみたいな····
あと岸くんとカスミちゃんくっつかないのでそこらへんも許せる方よろしくお願い致します。
あとあとかすみちゃんについて筆者のかなりの独自解釈が入っています。
それでも許せるよ~という方、対戦よろしくおねがいします!!
では、本編をどうぞ!!
放課後。夏から秋へと移り変わる間の季節。少し残っている暑さを、爽やかな風が洗い流してくれる過ごしやすい季節。
都心近くにしては、のどかな街である椿が丘町の高校、都立椿が丘高校。一年A組にその少女はいた。
黒いストレートロングの髪型、黒いリボンの髪留め。
瞳にもっているのは青い宝石、ベニトアイト。おしとやかな少女という第一印象の少女である。
彼女の名前を霧原かすみという。終礼が終わって、これから部活に行ったり、友人とどこかへ行こうとする集団の中に、たった一人で。
帰ろう。静かに立ち上がり鞄を持つ。教室の後ろのほうの席に近い彼女は、近くの扉に歩き出そうと視線を向けると、そこには知っている人物がいた。
自身より背丈は上のぱっとしない少年だ。
彼女は周りを見回す。いつのまにか自身もクラスの噂の中心になっていた。先輩!!、とかすみは少年の元に歩み寄って廊下へと出ていく。
「先輩!?ちょっと····それは····大胆すぎませんか····?」
少年はその可能性を考えていなかったみたいで、手を合わせて謝っていた。
恥ずかしかったが、そこまで怒っているわけではないので、彼女は許す。
とここで、カスミは気が付いた。
「何で、先輩が······私の教室に?」
どこかで先輩と交わしたような問い。
なんとなくだが、次にくる言葉は予想が付いた。
「推理してみて」
「えぇっ?いやまぁ、推理とか大好きですし、私はお話の中の名探偵に憧れてますけど····いや、うん······がんばって考えてみます」
かすみは幼いころから本の中で活躍する名探偵に憧れていた。
彼女にとって名探偵とは、特撮ヒーローや魔法少女といった枠である。
今でもそれはきらきらと輝いて、彼女の頭上に広がる星のような存在だった。
名探偵に今でもなりたいと本気で思っている。しかし、現実はそう甘くはなく、引っ込み思案な彼女はリアルでは周りに流されるだけの少女であった。
そんな彼女の夢が叶えられる場所があった。VRゲーム『アストルム』。詳細は省くがそこで彼女は彼女が理想とする名探偵を”演じていた”。
そして、そのゲームの中で先輩と出会い、難事件を解決していっていた。
名探偵とは違う憧れの存在、誰かのために手を差し伸べられる先輩の姿。
人に手を差し伸べるのは簡単なようで難しい。引っ込み思案な彼女には特にそうで、だからこそ憧れたのだ。
先輩の挙動から推理してみる。
······やはり、わからなかった。小説の名探偵はあくまで作者の出した謎を作者自身が答え合わせをしている存在でしかない。
物語ではないリアルでは限度があった。ではなにかと考えると思い当たる節が一つ。
「······ぴんってきました!先輩がここに来た理由が」
こくこくと頷く先輩。
先輩に促されかすみは自身の推理を話し始めた。
「先輩は私がこないだ貸してた推理小説を返しに来たんです。それから、あの小説の推理について私と話すため····ですかね?」
「半分正解」
半分正解。中途半端な答えにかすみは困惑した。
半分正解、残り半分はどういう意味なんだろうか。
答え合わせの権利は彼が持っている。だから彼女は聞いた。
「······先輩、答えを教えてください」
「うん、わかった。かすみちゃんと放課後一緒に出歩きたいなって」
「へ······?先輩が······?」
信じられなかった。現実での自分を、アオハルと呼ばれる時間に色さえ付けられていない自分が誘われるなど一度も考えたことがなかったから。
だから困惑した。『なんで······私なんですか?』『私以外のもっといい人もいますよね?』胸にあふれてきたのはマイナス思考な言葉だけだった。
けれど、彼女は口から出そうなマイナス言葉を抑え込むと、頷いて先輩に付いていくことにした。
高校から出ると、太陽は少し傾いていたがそれでもまだ明るいといえる時間帯であった。
いこう、そういってかすみに笑顔を見せる先輩。
二人はぽつぽつと世間話をしながら、椿が丘駅前まで向かう。
その道中の広い緑地公園に足を踏み入れていた。
椿が丘は都心に程よく近いこともあり、駅前は商業施設も充実している。
駅から少し遠のくと今二人がいる大きな公園と整備された河川敷、郊外に行くと閑静な住宅街があり、住むにはとても快適な環境の町である。
しばらくレンガで舗装された公園の道を歩いていると、広場に出る。
そこにはキッチンカーが一台止まっていた。
どうやらクレープ屋を営んでいるらしい。
「クレープ······へ、先輩のおごりですか?そんな、悪いですよ!」
「いいからいいから、後輩なんだし、驕らせてよ」
「じゃあ······お言葉に甘えて······」
かすみはイチゴの乗ったクレープ、先輩はチョコレートクレープを頼んだ。
近くのベンチに腰掛けて一口。味は可もなく不可もなくといった具合のものだった。
このクレープは万人が普通と感じる味を作っている。
ある意味すごいことといえるだろう。
「普通······ですね、先輩」
「ここは普通の味が売りなんだよ」
「へぇ~······そうなんですね······」
まだまだ自分が知らないこともあるんだ、そう感じた。
それに比べて、先輩は自分が知らない世界を知っている。
また、先輩への憧れが強くなった気がした。
ベンチで二人はもしゃもしゃと食べ続けていた。
先輩が食べることに夢中なことと、かすみが積極的に話しかけるタイプではないため、会話は特にない。
しかし、雰囲気が悪くなったわけではなく、かすみからすれば心地がいい静寂であった。
『カスミ』ならまた変わってくるであろうが、今の自分は『かすみ』だ。
クレープを食べ終わった先輩は、かすみが食べている姿を見て笑顔を見せていた。
「先輩······じろじろ見られると······恥ずかしいです」
「ごめん······」
顔が紅潮している。
異性の先輩にじろじろと見られるのはやはり落ち着かないものだ。
そう片付け、かすみはクレープと格闘していた。
「ふぅ····先輩、ごちそうさまでした」
「おいしかったね」
今度は駅近の商店街を歩いていた。
いつも活気で賑わっている椿ヶ丘の商店街は、今日も人通りが多く、呼び込みの声も大きく響いている。
飲食店からアパレル、なんでも揃っている。
「ついたよ」
「ここって······」
先輩が指を差したのは商店街にあるゲームセンター。
放課後の学生などで賑わう有名なスポットだ。
かすみがここを訪れるのは初めてだった。
日々謎に飢えながら過ごし、しかし引っ込み思案な
前に何処かで言っていたようなことを思い出す。
──先輩も私と同じで、灰色の青春を過ごしてるみたいですね。
目の前の先輩を見る。そう、彼はとことんまで優しいのだ。ゲームの中で出会って、そのあと
カスミとかすみ。先輩は『私』を見てくれていたのだ。出会った時から。
そして今、ふと何処かで漏らした彼女の望みに手を伸ばしている。
「······いきましょう、先輩」
「うん」
二人はゲームセンターの自動ドアをくぐった。
中は様々なゲームの音が混ざり合い、不協和音を作りだしている。
生まれて初めてというわけではないが、あまり慣れないゲームセンターの環境。
すこしおどおどしたかすみを見て、彼は道しるべのようについてきて、と手招きした。
たどり着いたのはゲームセンターと言えばこれという場所であった。
UFOキャッチャーエリアである。
様々な種類の景品が並んでいる。市販のお菓子より大量に入ったものや、深夜にやっているアニメ番組のグッズなど、それはもう沢山だ。
「一緒に見て回ろう」
「はい、先輩」
「何か欲しいものがあったら言ってね」
「え、でも······」
いや、この先輩の思いを無下にしてはいけない。
私の
私を見てくれたあなたの為に、私も楽しまないと。
「初めてで緊張してるの?」
「へ?あぁ、ちがいます先輩!!」
「それとも、ゲームセンター苦手だった?」
「いや、それも違います······」
かすみは一つ息を吸って、吐く。
それだけで良かった。
「······先輩、見て回りましょう」
「うん」
それから彼女は素直に楽しんだ。
UFOキャッチャーに入っているものがどれも魅力的に見えて。
「あの、大きなポテチとか······」
「うん、わかった」
彼はコインを入れて、筒に入ったポテチを取ろうと頑張る。
しかし、慣れていないせいかポテチへの道は険しかった。
結局ポテチが落下したのは彼がチャレンジしてから25回目であった。
「先輩、ありがとうございます!!」
「うん、いいんだよかすみちゃん」
うすしお味のポテトの丸い筒を大事そうに抱くかすみ。
クレーンゲーム先輩はそれを見て、また笑顔になっていた。
彼は他のゲームも見てみようといい、色々見て回った。
デジタルカードゲームや格闘ゲーム、ロボットに乗ったような感覚が味わえる筐体やコインゲームなどなど。
そのどれもがかすみには新しく見えた。
ゲームセンターから出ると辺りはすっかり暗くなっていた。
かすみはスマホを取り出し時刻を見る。ちょうど6時を過ぎた辺り。そろそろ晩御飯の時間だ。
隣にいた先輩が聞いてくる。
「かすみちゃん、晩御飯はどうする?」
「ごはんですか?」
「うん、良かったら一緒に食べたいなぁって」
「······わかりました、一緒に食べましょう。今日は······先輩と一緒に食べたいです」
「うん、わかった」
そういって二人は移動を始めた。
ご飯の時間にはまだ少し早めだが、もう少しすれば平日とはいえ飲食店は何処も人であふれ始めるだろう。
それもあってか、先輩は少し急いでいる感じがあった。
たどり着いたのは学生の財布にはうれしいファミリーレストラン。
イタリアンをメインにしている店はこの時間でも活気に溢れている。
中に入ると店員に通され二人が向かい合うような席に通された。
メニューを貰うと二人はてきとうにぱらぱらとめくる。
そんななか、ふとかすみは考え付いてしまった。
(······あれ、これって、まさか······先輩とデート····!?)
呑気にメニューを決めていく先輩を目の前にして、突き付けられた現在の状況。
名探偵を目指している身として、冷静に振る舞うべきなのだろうが、15の少女にとって憧れの先輩と二人きりという状況で落ち着けるわけなかったのだ。
今頃と言われればそうなのだが、突然誘われて動転していたのもあり、かすみ自体そこまで考えが及んでいなかった。
(気づかなかったら良かった······けど······)
「かすみちゃん、大丈夫?」
「······あ、先輩、なんでも····ないです」
かすみはごまかす様に先輩からメニューを奪い内容を見る。
先程公園で食べたクレープで少しお腹がいっぱいだと感じた彼女はドリアを頼むことにした。
一方先輩はというともりもりと頼んでいた。スパゲッティとピザである。
電子ベルを鳴らし、店員に注文を伝えると先輩はかすみに話を振る。
「そういえば、小説読み終わったよ」
「先輩、毎回思うんですけど、先輩って本を読む速度けっこう早いですよね」
「あ、変な意味じゃなくて、その······すごいなぁって」
「うん、かすみちゃんが進めてくれる本いつも面白いからね」
「そう、ですか······」
嬉しかった。改めて言語化されると。
自分が面白いと思ったことは誰とも共有できなかった。
寂しさを感じていた。だからこそ、かすみは彼のことが······
(って、私は何を考えて······)
先程から考えがまとまらなくなっていた。
何度も心を落ち着かせようとするも、目の前で座っている先輩を見ると元に戻ってしまう。
こういう時憧れの名探偵ならどうしていたのだろうか、一度そう考えてみると特に有効といった対処法もなく、気が付けばテーブルには料理が並んでいた。
流石理系のレストランとまで言われているチューン店。独自のシステムが為す提供速度の速さである。
「じゃあ、たべようか」
「······はい、先輩」
二人で手を合わせていただきます。
そこからは先程のクレープを食べた時と同じだった。
少し違ったのは、本についての話をしていたことか。
しかし、かすみはそれどころではなく半分ほど記憶が飛んでいた。
自分の好きなことを語る故に語りも熱くなって、先輩はそれを優しく聞いてくれていたような気がする。
ドリアは少し残してしまった。食が細い彼女には少しきつかったのだ。
家族からももうちょっと食べてほしいと心配されるのだが、細いものは細いのだ。致し方がない。
一方の先輩はぺろりと全てを食べつくしていた。流石男子高校生の食欲である。
先輩は自然と皿の端っこに少し残ったドリアに目が行く。
「これ······残り少し、食べますか?」
「······うん、もらうよ」
そういってドリアを一口。
豪快においしそうに食べる姿は先輩らしいなとかすみはぼーっと考えていた。
あとでまた頭を爆発させたのはまた別の話。
そこからは、しばらく小説の話をしていた。
「······あの謎、私はこう推理したんですけど····」
「うんうん。かすみちゃんって賢いよね」
「か、賢いですか······?」
「うん、名探偵って感じで」
「そんな、私なんて······」
ごちそうさまから小一時間ほど語りこんで、会計を済ませてお店を出れば八時を回っていた。
黄色い月が夜空に浮かんでいる。帰り道を歩く二人の頬を撫でる風は今日の熱気を冷ましてくれる心地よい温度と、やってくるお別れの時間の寂しさを運んできていた。
「かすみちゃん、家まで送っていくよ」
「えぇ、でも」
「夜道は危ないし······」
「······わかりました、先輩。ありがとうございます」
「うん、いいんだよ」
街灯がぽつぽつと付いた閑静な住宅街。
二人はゆっくり歩きながら、色々な話をしていた。
といっても、かすみが話先輩がそれに頷いてという形ではあったが。
「今度また、その小説貸しますね」
「うん、楽しみにしてるよ」
「はい!、って着きましたね」
どうして楽しい時間というものはあっという間に過ぎるのだろうか。
名探偵が活躍する推理小説を読んでいるとき、アストルムでカスミを演じているときにしか湧いてこなかった感情。
今日先輩と過ごして、初めてそのような感情が自分の中で生まれた気がした。
リアルではいつも自分に謎を舞いこませてくれる人物。
「······ありがとうございました。先輩、今日はとても楽しかったです」
「うんうん····あ、これ返すね」
学生鞄から取り出された貸していた推理小説。
かすみはそれを受け取ると先輩を改めて見つめた。
彼が私の
「それじゃあ、またね」
「はい、先輩。今日は楽しかったです」
自分に背中を向けて去っていく先輩。
······胸がざわついた。自分がまだ彼と一緒にいたいと、そう言っていた。
「先輩、待ってください!!」
「ん?どうしたの?」
「······また、先輩と····放課後、遊びに行きたいです!」
気づけば自分からそのような言葉が飛び出していた。
引っ込み思案な自分が一歩を踏み出していた。
心臓の音が鼓膜を揺さぶり、体中が熱を訴えてきている。
恋なんて知らないと思っていた。でも違う、目を逸らしていただけ。
でも、今の自分じゃそんな気持ち伝えられない。だから、最初の一歩。
「····うん、また行こう。今度は放課後以外も。かすみちゃんが行きたいところに」
「······!?ありがとうございます····とても、とても嬉しいです!」
赤くなった自分の顔が先輩の目に映る。
とてもきれいな黒色。磨かれた黒曜石のような瞳に映る自分に向けて、笑顔をきめた。
先輩もそれにつられて、いつもの柔らかな笑みを浮かべる。
かすみを動かしたのは赤だとしたら、今の雰囲気は黄色といったところか。
自分の周りには見えなかっただけで、こんなにも色が溢れている。いや、あの人······先輩が、謎と一緒に運んできてくれている。
かすみは今ある尊い時間を噛み締めた。
次はどこにいくんだろう、先輩と行く未来に想いを馳せながら。
あとがき
完走した感想(激うまギャグ)なんですけど······なんだこれ?(驚愕)
自分でも途中から何書いてるかわからなくなっていて気が付いたらこんな感じになっていた······ちゃちなもんじゃないぜ。
さて、たのしんでくれましたでしょうか?ここまで読んでくださってありがとうございました!!
ほんと推しへの愛が爆発したのと、カスミちゃんの小説がすくねええええええええええ!!!!!!!!となった故に書き出したものですが、ほんと纏められてほっとしています。
いやぁ、安心したぁああ!!とくに岸君がまったくわからなくて、いつの間にかただのイケメンになってた······皆さん的にはどうでしたか?
感想とかくれると作者が死ぬほどよろこびます。もう顔中が笑顔まみれになって走り回りますね。あとカスミちゃんのここがいい!!みたいな話とかがあったら是非いっぱい聞きたい!!
やっぱり誰かの推し語りを見るのはとてもたのしいですからね。
自己解釈がめっちゃ多かったと思いますがその辺もこれを読んでくださったみなさんにどう映ったとか書いてもらえると、次回書くときとても参考になります。
あと、本職はガンプラ小説書きなのでそちらのほうもまた是非読んでくださると死にます()
ではでは、そろそろお別れです!!
次回(あるかわからない)を楽しみしてくれるとうれしいなあ
作者のカスミちゃん狂いTwitter→https://twitter.com/Kasumityaninioi
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