最強の姉と屑な男   作:藤猫

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プロローグ書くために何文字書いたんだろう自分。
戦闘はやっぱり苦手。

ふと、タグを増やすべきか悩んでます。

これでプロローグ部分は終わりです。
ようやく、まがれって言わせられた。


受けた恩義、魅入られる狂気

 

「・・・・いないな。」

 

その日、禪院甚爾はいつも通り廃れた神社を見た。久しぶりの組み手の日だ。彼自身はけして認めないが、なんだかんだであの変わり者と会える日を楽しみにしている。

それでも、いつもよりも遅れてしまったのは単純な話、実家に着替えを取りに行っていたためだ。帰る最中に小雨が降った。いくら身体能力が優れていようと躱せるはずもなく、半端に濡れた衣服を着替えに向かったのだ。

遅れてやってきた神社では頬でも膨らませた命が待っていることを予想していた。が、向かった先では拍子抜けなことに、目当ての女はいなかった。

きょろりと辺りを見回していると、ふと、神社の中に見慣れない足跡を見つけた。

 

(・・・がきか。それも、あいつの弟と同じぐらいの。)

 

普段、見ることのないその足跡に甚爾の中で嫌な予感のようなものがあふれ出す。ざわざわとした、嫌な予感と言えるものがあふれ出す。

けれど、甚爾はそれに首を振る。嫌な予感なんて気のせいだろう。

子供の足跡も、大方夏休みに入った誰かが珍しくやってきたものだろう。甚爾は、少しだけ待って来なければ帰れば良いかと息をつく。

けれど、その時だ。

神社の本殿の上がり口。そこに、こぶし大の石を重しに置かれた紙の切れ端を見つける。甚爾はそれを無言で持ち上げて開いた。

それは、命からの伝言だった。

その切れ端には、端的に言えば今までの顛末が書かれていた。

子供のこと、神社の奥で呪霊が発生している可能性、そうして、すぐにこの場から立ち去ること。

 

(五条の方にも連絡がいってるから、さっさとずらかれってか?)

 

言いたいことはわかる。甚爾とて、腐っても禪院家の人間だ。子供のために山へ向かった命のこともある。ここで下手な勘ぐりをされればどれほど面倒かなんて理解ができる。

甚爾は、一度、神社から出るために鳥居の方向に向き直った。涼しい風が、山から下りてくる。

 

帰るのか?ここから、そうして家に帰って、くそして寝るのか?

それだっていいだろう。そんな風に生きたはずだ。あれが生きていようと、死んでいようとどうだっていい。

たとえ、命が死んだとしても、あれが愚かだっただけの話だ。

ああ、それだけで。

 

甚爾君!

 

弾んだ声が、耳鳴りのように響く。

すごいね、すごいねなんて子供が叫ぶように、声がした。きゃらきゃらと、子供のように誰かが笑っている。自分に、憧れに手を伸ばすようにじゃれつく女の姿がまぶたの裏ではねている。

無視をすれば良い、どうだっていいはずだ。

何をしたとしても、自分に損しかない。言ったところでどうなるというのだ。

ろくな装備もない、自分が何を。

本当に?

頭の奥で、誰かが言った。

幼い自分が、問いかけた。

ねえ、いいの?

捨て去ったはずの自尊心が悲しそうに己を見ていた。

狂ったあの女だけが、自分を確かに見てくれたのに。

 

だん、と甚爾は一歩だけ鳥居に向かっていた足を地面にたたきつけるように置いた。

甚爾は頭を乱雑にかきむしった後、あああああああと息を吐いた。

 

「くそやろうが、あの女!」

 

 

 

「飛ばないでほしいなあ!的が揺れるだけで本当にやっかいだ!」

 

罵倒のようにそう言って、命はひたすら呪霊に上を取られないことに集中する。太めの木を狙って、突き立てたナイフで体を支える。

命は必死にあるタイミングを狙っていた。そうして、ようやくその瞬間が訪れる。

相手も牛ほどの大きさであるとは言え、木の密集した山の中ではそう自由に動けるわけではない。そのために、できる隙。

命は木からナイフを抜き、そのまま呪霊の背に飛び乗る。すぐに振り払われる程度に暴れることはわかっている。けれど、命はそのまま刃鑓を数メートル伸ばした上体で振りかぶった。

 

「あああああああああ!」

「やった!」

 

羽を切り落とされた呪霊はそのまま失墜していく。命は呪霊の背から飛び降りて、また刃を伸ばして他の木に飛び移ろうとした。

けれど、落ちていく呪霊は命のそれを赦さない。自分に迫る蛇の尾を見た。

あまりに高所からの落下、そのままたたきつけられたときの衝撃。

 

(あ、死ぬ。)

 

漠然と、そんなイメージが彼女を満たす。

その時だ。

自分の腹の部分を何かがつかんだ。ひらりと躱した蛇の尾を、甚爾の顔越しに見た。

たんと、飛び降りた甚爾を命は小脇に抱えられて仰ぎ見る。

 

「なんでいるんですか?」

 

思わずそう聞いた命に、甚爾の額に青筋が浮かんだ。そうして、げんこつを握って命の頭にぐりぐりと押し当てる。

 

「あだだだだだだだだだだ!!」

「てめえ、助けられといてその言い草はなんだ、あ゛!?」

「だ、だって、本当に何でいるのかわかんなくて。」

「てめえが人との約束すっぽかしたからだろうが!!」

 

甚爾はそう言いつつ、後ろでのたうち回る呪霊に向けられる。羽を切り落とされたために動きが鈍くなったとはいえ、今でも十分に動きは速い。

自分たちを見つけて、蛇がごとく追いかけてきている。

 

「というか、どうやって入ってきたんですか!?ここ、結界が張られてて全然出られないのに。」

「知らん、ただ、逃げてくガキとっ捕まえて状況聞いたんだよ。そんで、どこだって叫びまくってたら入ってた。」

「うーん、がばがば。」

「おい、それより、あいつどうすんだ?」

「どうするも何もたぶん、倒さないと出られないと思うんですが。正直、私、数時間は格闘してた感じなんですけど、下手をしたら外と中で時間の流れが違う可能性もあるので。助けは期待できないかもしれないです。」

「ばかだろ!?てめえ、リスクを考えろよ!」

「でも、救えたんです!」

 

甚爾の怒り狂った言葉に、命はまるで嵐のように騒がしくて、嬉しそうな声で叫んだ。

甚爾は、自分が抱えた女を見た。それは、荷物のように抱えられて、ボロボロで、かすり傷といえども血がにじんで、土埃にまみれてなお、それでも女は星屑が散るように瞳を輝かせて笑った。

 

ねえ、甚爾君。

たとえ、愚かでも、ズタボロでも、それでも、私、救えたんです。子供を、助けられたんです。あのね、弟と、同じぐらいのあの子を、助けられたんです。

よかった、ああ、本当に良かった。

 

やっぱり、その女は変らなくて。変ることなく、その瞳には甚爾の尊厳があった。

かすれた声に甚爾は苦虫をかみつぶしたような顔をして、吐き捨てるように言った。

 

「んなもん、てめえが死んだら意味ねえだろうが!」

「それもそうですね!」

 

呪霊に追いかけられているというのに、愉快に響いたその声に命は思わずケラケラと笑った。

だって、嬉しい。助けられた、あの子は逃げた。そうして、何よりも。

それでも、助けに来てくれた誰かに、満たされる心があったものだから。

 

 

「それで、どうするんだよ?」

 

甚爾は変ることなくいつの間にか呪霊の元に飛び出す、結界によって阻まれた空間を命を抱えて走り回っていた。

何はともあれ、互いにそれ相応に壊れており、あっさりと次にどうするかと額を付き合わせる。

幸いなことに甚爾自身、あと数時間は走り続けることもできるだろう。

だが、そんなことを悠長に進める事もできない。

 

「こちとら呪力もないっつうのに。なんか勝算はあんのか?」

「悟が貸してくれた呪具があるのでそれでなんとか。今は羽もないので、そこまでの機動力もありませんでしょうに。」

「・・・・おい、命。」

「はい、おとりなら引き受けますよ。」

 

予想外にあっさりと返ってきたそれに甚爾はちらりと命を見た。それは、けろりとした態度で甚爾を見ていた。

 

「大丈夫です、まだ、そのぐらいの体力は残ってますから。」

 

甚爾はそれに少しだけ黙った。黙ったけれど、良くも悪くも、それはお世辞にもまともではないため。

 

「そんじゃあ、さっさと始めるぞ。」

「はい!」

 

命は軽くうなずいた。

 

 

 

呪霊は自分の獲物を探していた。自分の言葉に応えた、あまりにも弱いそれ。自分を阻むこともできないそれ。

また、狩り場の中に一匹入ってきたのだが、それもまた逃げ出してしまった。

狭い中で、弱いそれを追い詰めるのは、心の底から優越に襲われる。

その時だ、毛並みの違う一匹が呪霊の前に飛び出してきた。そうして、それは、先ほどと同じように木に蹴りを入れてたん、たんと、丁度呪霊の上を飛ぶ。呪霊は苛立ちながら、必死にその銀色を追うが、残念ながらあまりにも遠い。

それに、呪霊はいらだち、そうして羽もないというのに飛び上がった。

その時だ、もう一匹の黒が、木々の間から飛び出してきた。

 

 

甚爾は命がおとりになっている隙を狙った。

禪院甚爾は、認めるべきことに天才である。その肉体、格闘センスは彼へのまさに天からの贈り物だ。

からの贈り物だ。

けれど、この戦いはいささか不利が過ぎる。

いくらセンスがあろうと、才があろうと、攻撃が通らなければ意味がない。

何よりも、命も甚爾もまた、経験が圧倒的に足りなさすぎる。幸いなのは、命をかけなければいけない状況においても戸惑いを持たない程度に二人が壊れていたことだろう。

だからこそ、立っていられる。だからこそ、生きて帰るためにあがいていられる。

命が甚爾へ虎の子である短刀を渡したのは一番に勝機があるのがそれだっただけという話だ。

羽だけを切り落としたそれは、一瞬だけ動きを止められれば首を搔っ斬る程度造作もない。

生き餌に飛びつく魚のようにはねた呪霊を狙ったのだ。完全に、動きを封じたそれが、がばりと開けた口に向けて甚爾はとんだ。

そうして、伸ばした刃を口に添え、そのまま首へ振り切った。

 

(いける!)

 

手応えはあった。確実に、切り落とせた。そんな確信があった。

けれど、甚爾はそれと同時に、握った短刀の柄から空ぶるような軽い感覚が伝わった。

 

ばきんと、武器が砕け、破片が散らばるのを甚爾は見た。元より、散々使ったそれは、あまり丈夫でなかったのだ。

そうして、ぎょろりと自分を見た女の、無機質な眼もしっかりと認識していた。

甚爾は咄嗟に柄を離し、その場から離脱しようとした。が、辺りには足場にできる場所もない。重力に従うままに、甚爾は落ちていく。

そうして、見えたのは自分に迫る蛇の尾だ。

避けられない。そんな確信が湧き出た。

その瞬間だ、自分の横っ腹に鋭い蹴りが入る。鈍痛のようなそれの後に、吹っ飛ばされた先で、甚爾は自分の代わりに蛇の尾をたたきつけられ飛んでいく命の姿を見た。

甚爾は吹き飛ばされた中でも受け身を取り、地面に転がった。そうして、砂埃を立てている方に視線を向ける。

その時だ。

 

「いつまでええええええ!」

 

そんな鳴き声と共に、自分の腹に乗る呪霊。甚爾は腹に走った圧迫感と痛み、そうしてごきりと何かが折れる音がした。

自分に迫る女の顔を甚爾はなんとか手で遠ざける。

腕に力を入れれば、まったくなじみのない痛みが襲ってくる。

 

「くそが!」

 

怒号のように甚爾は吠えた。

 

 

すでに、消えかけた火のような意識の中で知覚できたのは痛みだけだった。

なんとなしに、腕や足は片方ずつ折れている気がした。

痛い。

消えかけている意識を、その感覚だけがつなぎ止める。

痛い、痛い、痛い、痛い、痛い。

幾度も、幾度も繰り返して、そうして、それでも命は立ち上がろうとする。血反吐を吐いて、折れた足で立ち上がろうとする。

いかなくては、助けなくては。

そうだ、自分のせいだ。自分が弱いから、こうなったから。だから、せめて、彼だけは助けなくては。

助けなくては、助けなくては。ああ、そうだ。彼だけは、自分の命だとか、尊厳だとか、願いだとか夢だとか、そんなものを放ってでも助けなくては。

己の何もかもを捨て去ってでも、それでも、助けなくては。

 

どうして?

 

頭の中で、声がした。

 

 

ちりんと、鈴がどこかで鳴っている。綺麗な音だと、命はなんとなしにそう思った。

 

「あら、そんなことを気にせずに。ねえ、あなた。どうして、そんなに彼を助けたいの?」

 

命は声の方を見た。もう、視界もかすれて、ろくろくに見えない中で、視界の中に黒の髪が映った。綺麗な人だと、漠然と思った。綺麗で、そうして、澄み切ったザクロのような眼がこちらを見ていた。

どんな顔をしているかはわからない。ただ、綺麗な人だと思った。

 

「ねえ、応えて。どうして、彼を助けたいの?」

 

声の主は、やたらとどうしてと問いかける。命は、すでに飛びそうな意識の中でその問いを聞いていた。

ああ、夢を見ていると思った。何か、途切れる瞬間のような、そんな刹那の忘れてしまうような夢を見ていると。

 

「もしかして、恋しい人なのかしら?それとも、愛しているの?」

 

恋?焦がれていると言えばそうなのだろうけれど。

愛?もちろん、甚爾という青年のことは大好きだ。そう、心の底から。

それでも、甚爾という彼は良くも悪くも屑であるし、はっきり言ってろくでもない部分は多々ある。

禪院甚爾は、命にとって、焦がれ続ける星であり、道を照らす篝火であるけれど、そんなものではないのだ。

 

「なら、どうして?」

 

声がする。声がして、命はそれに応えた。それに、声の主は少し黙った後に、驚くほどまでに優しげな声で話しかけてきた。

 

「もしも、あなたが願うなら。彼を助けられる力を上げる。あなたが、あがける力をあげる。でも、その代り。」

 

本当に?本当に、甚爾君を、助けられるの?

 

「ええ、本当よ。」

 

そうか、ああ、そっか。なら、うん、いいよ。甚爾君を、生かせるなら、助けられるなら。

私の、全部を上げるよ。

私の、幸福も、悲しみも、楽しみも、苦しみも、さみしさも、願いも、夢も、祈りも、尊厳も、私のものなら全部、あげるから。

だから、お願いします。

甚爾君、助けられるなら、何でも。

 

それに、赤い瞳のそれは苦笑気味に笑った。どこか、呆れるように笑った。

そうして、そっと、命の瞳をそっと、覆った。

 

「今日のことは、目覚めれば忘れるけれど。それでも、これだけは覚えておいて。私とあなたの約束。ねえ、お願いね。」

 

お願いねと、そう言って。誰かが何かを言っていた。けれど、そんなことは薄れていく意識の中に飲まれて消えた。

それでも、命は確かにそれにうなずいた。

 

 

めきりと、腹からなった音に甚爾はあばらかどこかが折れたことを察する。

けれど、その腹の痛みよりも、甚爾は転がったままの命のこと考えていた。

あいつはどうなった?死んだのか?いや、そんなはずはない。あの程度で死ねるほどではない。生きているはずだ、そうだ、生きている、はずだ。

呪霊が、いつまで、いつまでとわめき立てている。

自分にぎりぎりと迫るそれに甚爾はなんとか抵抗する。腹に伝わる確実な重さと衝撃、そうして痛み。

死ぬ。

明確なまでに感じるその気配に、甚爾は必死にこらえていた。その時だ、まるで狙ったかのように呪霊は甚爾の腹に力を込めた、その一瞬で腕の力が弱まる。それによって呪霊が一気に甚爾へとたたみかけてきた。がばりと、自分の視界に赤い口内と。ギザギザの歯が満たした。

その時だ。呪霊の顔を何かが蹴り飛ばす。弱まった力に、甚爾は起き上がった。

 

「お前!?」

 

呪霊を蹴り飛ばしたのは、命であった。数メートル先に蹴り飛ばされた呪霊が転がるのと同時に、命はその場にうずくまる。

甚爾は慌ててその女を支えた。

命の様相はひどいものだった。

尋常ではないほどに、右足と左腕が腫れており、明らかに折れている。着ていたセーラー服は所々がちぎれてしまっている。そうして、何よりも、額が切れたために、顔のほとんどを鮮血が染めていた。

命は、口元を引き結び、ぎらぎらとした赤い瞳で呪霊を睨んでいた。

 

「おい、ともかく、にげ・・・・」

 

甚爾は命を背負ってその場から逃げようとする。けれど、それよりも先に、呪霊が二人に飛びかかってきた。

 

「まがれ。」

 

女の声に、呪霊の首がねじ曲がった。甚爾は自分が何を見ているのか、理解ができなかった。けれど、命は、それに止まらない。

 

「まがれ。」

 

もう一度、女の声に、呪霊の体がねじ曲がる。

そうして、命の口から血反吐が吐き出された。甚爾は、それを止めようと命の肩をつかんだ。

 

「やめろ!お前、死んじまうぞ!?」

 

叫んだそれに、命は止まらない。彼女の、赤い瞳にらせん模様のような、黒い陣が浮かび上がる。それが、ぐるり、ぐるりと渦巻いて。

 

「まがれ、まがれ、まがれ、まがれ、まがれ、まがれええええええええ!!」

 

絶叫のような、声を命は血反吐と共に吐き出した。そうして、それに、呪霊の体はまるでぞうきんのようにねじれて、しぼむ。

 

「ねじまがれ!!」

 

その、絶叫と呪霊が砕けて消えた。それと共に、甚爾は辺り覆っていた結界が消えたことを感じる。それと同時に、命はまるで糸の切れた人形のように倒れ込んだ。

甚爾はそれを慌てて支える。

 

「おい、命!」

「と、うじ、くん。」

 

それは、かすれた声で、甚爾に聞いた。

 

よかった。いきて、た。とう、じ、くん。いきてた。

 

すでに視点さえあっていないような眼で、それは甚爾に微笑んだ。

 

 

体中が痛い。それこそ、引きちぎれるような痛み、じくじくした痛み、うずくような痛み、刺すような痛み。

痛いと感じられる全てがことごとく軋むように鳴っている。

誰かが背負ってくれている。大きな、背が自分を背負ってくれている。

それにふと、命は誰かに負ぶってもらえることが初めてだと思い出した。だからといって、なんと言うことはない。それでも、その大きな背はひどく安心した。

夢だと、なんとなく思った。暖かくて、大きな背中。優しくて、できるだけ揺すらないように気をつけていることがわかる。

 

なあ、お前、どうしてだよ。

どこから、声がした。甚爾の声だ。まるで、泣きそうな、かすれた声が命の耳に響いていた。

それを、なんとなしに、やっぱり夢だと思った。

だって、あんまりにもらしくない。

 

なにが?

かすれた声で、そう応えた。それに、やっぱり声がした。

どうして、あのとき、呪霊から俺を庇ったんだ。

何故、そんなことを聞くのかわからない。庇うのは当たり前だ。だって、この事の顛末というか、理由は自分だ。

甚爾はそれに巻き込まれたようなものだ。だから、庇うのは当たり前だ。何よりも、命は甚爾に死んでほしくなどなかった。

ただ、それにつきる。

それに、また、何故だと問いかける声がした。

命は、夢うつつの中で応えた。

 

君は、優しい人だから。だから、生きてほしいんだ。

どこがだ、俺のどこが、優しいんだ。

 

声がした。必死に、なんだか泣きそうな声だった。それに、命はきっとこれは夢だと確信を持つ。だって、甚爾がそんな声を出すはずがないから。

命は今にも真っ暗などこかに身を投げ出してしまいそうになるけれど、それ以上にその声に応えなくてはいけないという義務感に突き動かされた。

 

泣かないでよ。ねえ、泣かないで。

泣いてねえよ。泣いてなんて、ねえんだよ。そんな、お優しい人間じゃねえんだ。

違うよ、君は優しいよ。ひねくれていても、優しいよ。

 

命は、温かな背に頬をすり寄せてかすれた息を吐き出した。

 

だって、君は、君だけは私の心を踏み潰さなかったじゃないですか。

 

「あなた、だけが。わたしの、ゆめをわらわなかった。」

 

ただ、それだけだ。それだけで、命は甚爾のことを心の底から優しいと思ったし、生きてほしいと願ったし。笑ってほしいと思った。

それは、それは、きっと命をかけるほどの恩であったのだ。

 

命が術式もなく、なおかつ跡取りに相応しい存在があらわれれば、彼女が呪術師になる理由も、意味も、義務もなかった。

それこそ、家の人間は彼女が呪術師になること自体を嫌がった。何せ、天与呪縛といえども血筋だけは太鼓判を押せる程度によろしいのだ。

彼女は、端的に言ってしまえば貴重な母体だった。体だけは頑丈なのだ。数人産んでも死ぬことはないだろう。

けれど、命は、そんな家の中で大人たちの意図をなんとなしに察しながら、それでも呪術師になりたいと意思を曲げなかった。

たった一人、命のことを守ってくれた弟でさえも、彼女が呪術師になることを否定した。

 

お前は弱い。呪術師になったとして、何ができる。術式も持たないお前が。

 

幾度も、幾度も言われた。

自分にだってわかっている。何ができる。何をなせる。

自分の弱さは、自分自身が一番に知っている。誰よりも強い弟がいた。呪術師としてある程度の水準を保った一族の中で育った。

そんなことは知っている。

それでも、それでもなお、走り続けなければと、魅入られてしまった夢と美しいものがあったのだ。

だから、笑っていた。

事実だから、そうだと笑って。それでも、頑なに傷つこうと、悲しかろうと、うなずいて全てを受け入れて笑っていた。

それで折れる程度の夢ではなかった、願いではなかった。

それを諦めるには、あんまりにも、世界は綺麗で、魅入られてしまいそうなほどに美しい青を知っていた。

だから、よかった。だから、どんな人間の言葉も平気だった。

それでも、誰かの強さに蹂躙される己の心を哀れまなかったと言えば嘘になる。

否定され続けた、命の夢。それで平気だった。だって、ああ、だってそうだろう。

命は所詮、呪霊を見ることしかできない存在だ。

誰かを守れるほどの強さもない。

弟を、小さくて愛おしくて、自分を見た澄んだ青。それも遠くに、いつの間にか行ってしまって。

 

「よくやるな。」

 

それだけだった。

闇の中で、光が瞬いた気がした。

初めて会った、命の同胞。真っ黒な髪に、自分よりもずっとたくましい体、無愛想な表情、どこか諦めたような、濁った眼。

彼は、命に欠片だって興味はなかった。命にだってわかっていた。彼が、命への憐憫やむなしさはあっても、特別な興味だってないことぐらい。

それでも、命がわざわざリスクを冒してまで甚爾の元に通い続けた。

その強さが憧れであった、その人への冷たさは気楽だった。

けれど、それ以上に、どうしても忘れられなかったのだ。

甚爾だけだったのだ。

命の夢を、否定もせず、ただ好きにしろと言ってくれたのは。

甚爾だけが、命の夢を笑わなかった、否定しなかった、受け入れてくれた。

それが、それだけで、甚爾は命にとって命をかけられるほどの恩人だった。それだけが、命にとって、返すべき恩だった。

残光が、冷え切った命の心を温めた。遠い昔、憧れた何かから唐突に微笑んでもらえた気がした。

何かを返したかった。何でもいい。自分が与えられた救い、泣きたくなるほどの嬉しさを、欠片でも良いから甚爾に返したかった。

ねえ、ありがとう、ありがとう、甚爾君。

君は、お世辞にもまっとうな人だとか、真面目な人ではないけれど、それでも、君は痛みを知っている人だから。だから、その痛みへの哀れみに自分は救われたのだ。

けれど、自分は、甚爾を巻き込んでしまった。

 

(どうして、私はいつだってこうなんでしょうか。)

 

せめてと、願うことさえもうまくいかない。甚爾のことを、巻き込んでしまった。

甚爾には、幸せになってほしかった。呪術師になるのとよくやると呆れたように言ったときそうだろうと自分は笑い返した。

所詮は、呪術師になるというのは命を削り、命を見限り、死と踊りながら誰かの幸福に微笑んで地獄に落ちると言うことだ。

命はその生き方に憧れていた。きっと、死と踊りながら見る世界は、滅多にないほどに綺麗なはずだ。

それでも、その生き方はきっと歪だ。

 

(だからねえ、甚爾君。どうか、あなたは、遠いどこかで笑っていてくださいよ。)

 

ここでは、きっと術式をもたない私たちにはあんまりにも、昔から響いていた残響に傷つけられてばかりだから。

だから、こんなまともではいられない世界から、どうか君だけ、どこかで幸せになってほしい。

 

(いつか、あなたなら、幸せになれますよ。だって、だって。)

「あな、たは、やさし、い、ひと、だから。」

 

誰かの声が耳に響く、甚爾に恋をしている、愛しているか?

 

いいえ、いいえ、恋と言うには抱えたそれは星を見上げるように果てがなく。

いいえ、いいえ、愛していると言うにはそれはたった一人で完結しきっている。

 

命はただ、感謝する。

甚爾がいたから星を見上げ続けた。寂しい夜に、心の灯火は消えなかった。彼の言葉で命の今までは確かに無意味ではなかった。

共に戦えたことが、どれほどまでに心強かっただろうか。

命は笑う。

返せなかったことの方が、今だって多いけれど。それでも、甚爾が生きていることが、ただ、ひたすら嬉しかったものだから。

 

 

 

血みどろの中で倒れ込んだ女に思ったのは、呪霊がねじ曲がった現象だった。

なんだ?あれは、いったいなんだ?

女の瞳に映り込んだ、らせんのような模様を思い出す。

頭の中でいくつもの可能性が駆け巡る。

術式はないはずだった。いや、もしかすれば、本人がそれに気づいていなかったのでは?

術式を持たぬ代わりに超人的な肉体能力を持ったのではなく、もっと違う約定の上だったのでは?

いくつもの疑問が頭を巡った。

そうして、次に訪れたのは怒りだった。

 

(・・・・てめえもか。)

 

同じだと思っていた。それでも、こんなところで、命をかける程度に引きずった情がまるで薪のように怒りをたきつける。

初めて会えた同胞だった。初めて、甚爾のことをはっきりと見た人間だった。初めて、甚爾のことを認めてくれた人だった。

なのに、なのに、なのに。

ああ、なんだ。笑える話じゃないか。

 

(誰も、いなかったんだよ。)

 

誰も、誰も、誰も!!

誰も、いなくて。

 

「・・・・・とーじ、くん。」

 

怒りが爆発する瞬間、子供のようにつたない声が割って入る。それに、甚爾は思わず声を出した女の方を見た。

女は、血みどろで、今にも死にそうで、それでも笑っていた。

とうじ、と男の名を呼んで、今にも死にそうな中で、微笑んだのだ。

よかった、生きてた、と、笑ったのだ。

 

 

(何してるんだよ!俺は!)

 

甚爾は己の着ていたシャツを引きちぎって無理矢理に命に応急処置をした後、彼女を背負って転げ落ちた山を急いでいた。

おそらく、神社には呪術師か誰かが来ているだろう。彼らに預けることが何よりも最短のはずだ。

それでも、命の傷に障らない程度の速度で甚爾は必死に急いでいた。

 

「おい!寝るなよ!」

 

甚爾は必死に命に声をかけていた。なんといっても、出血量が尋常ではない。命が人よりも頑丈であると言ってもこのまま意識を失えばそれこそ本当に詰みだ。

だからこそ、甚爾は必死に命に話しかけていた。そんな中でも、いらだち続けていた。

 

(なにしてんだよ、俺は。こんな、こんなやつに、俺は。)

 

それでも、甚爾は命に語りかけるしかなかった。

女が、血反吐を吐いて、自分に微笑んだその瞬間、ああ、死ぬのだろうと思った。

漠然と、その女の命が潰えると思った。

死ぬならば、死ねば良いと思った。

だって、それは自分と同じではなかったから。自分とは、違った。あいつらと、同じものだったのだ。

ならば、いっそ、死んでくれれば。そこで、恵まれた存在になったその女を見ることなく、死んでくれれば思ったのだ。

惨めに、そのまま死んでくれと、ただ、切に思ったのだ。

なのに、なのに、甚爾は女を生かそうとしている。死ぬな、死ぬなと、女の軽すぎる体を背負っている。

 

女の、赤い瞳から、消えていく色を見た。自分を映した、かすかな尊厳が消えていく。

ああ、ああ、それは、それはあんまりなことじゃないか。

死んでくれと願った。そのまま、惨めに死んでくれれば、裏切られた自分とトントンのはずだ。けれど、良かったと微笑んだそれを、自分を見ていた瞳に映った尊厳が、薄れて消えていくのは、あんまりな気がした。

だから、叫ぶしかなかった。死ぬな、死ぬなとそういうしかなかった。

自分でさえも、その女にどうなってほしいかわからなくて。

死んでほしいと思った。けれど、そのくせ、女に死ぬなと叫んでいる。

 

死ぬと叫んだ中で、ぽつんと放り投げた言葉に命がようやく反応した。

何故、自分を庇って尾の打撃を受けたかと、そういったときだ。

それは、かすれた声で言ったのだ。

生きてほしいからだと、甚爾に、生きてほしいから。優しい人だから、生きてほしいのだと。

笑える話だ。

どこがだ。己のどこに、そんなところがあるというのだ。

夢でも見ているというのか、ふざけるのも大概にしろ。

優しくなどないと、吐き捨てて。それでも、何故か頬にぬるい何かが流れ落ちた。汗だ、冷や汗がべったりと頬を流れたのだ。

泣かないでと、か細くそれはいった。

何を言っているんだ、泣いてなどいない。泣いたとしても、何になる。その嘆きに耳を傾けてくれるものなんていなかった。

どうせ、どうせ、そうだろう。多数派の少数派には仲間がいる。けれど、少数派の独りには誰もいない。そうだ、誰も、いなかった。

感情を表に出すのは、それを知ってほしいと思うからだ。

虚勢として、偽りとして、仮面として微笑むことはあっても、威嚇として怒ることはあっても、嘆きなど何の価値がある。

そんなもの、とっくに忘れてしまった。なのに、か細い声が、泣かないでとささやいて。

心の内で何かが暴れる。ずっと、蓋を閉めていた、幼い己がじっと遠くで甚爾を見ている。

それを振り切るように甚爾は否定の言葉を紡いだ。

泣いてないのだ、優しくなどないのだ。何を思ってそんなことを言うのだ。

それの、震えるような、叫びのような声に命はあっさりと返事をした。

 

「あなた、だけが。わたしの、ゆめをわらわなかった。」

 

喉の奥が熱くて、風が無遠慮に顔を隠した髪を押し上げた。見開いた眼と、呆然とした口元で甚爾は前だけを見た。暖かな、女の体が、やけに軽い。

 

「・・・・ちがうんだ。」

 

かすれた声で、そういった。

そんな、そんな、優しい思いからではなかったのだ。ただ、わかることだろう。

術式もない、呪力もない自分たちが呪術師を目指すと言うことの過酷さなんて当人が一番に知っていることだろう。

わざわざ言う必要もないことだ。

そうだ、言ってやろうと思ったことは幾度もあったのだ。幾度も、幾度も、あったのだ。

なのに、結局甚爾は、それを言えないままだった。

あざ笑うように、無駄だと言ってしまえることはあったはずなのに。なのに、甚爾はいつだって当たり障りのないことばかりを言った。

優しくなんてないのだ。そうだ、自分は、優しくなんてないのだ。

ただ、哀れんでいただけで、無駄だと思っていただけで。

ただ、否定をいえなかっただけのはなしだ。

 

(たった、たった、それだけか。)

 

己の夢を嗤わなかった。それだけで、こいつは命をかけたのだろうか。

甚爾を巻き込んだと思っているのだろう。確かに、きっかけはそうだった。けれど、ここに来ると決めたのは自分だった。赤の瞳が消えることを惜しいと思って、ここに来たのは自分だった。

わかっている、わかっているのだ。

甚爾とて同じだ。

願いも、夢も、ことごとく、ことごとく、踏み荒らされてきたから。だから、それを大事にしてくれることの意味ぐらい、その恩義の重さぐらい、わかるのだ。

ゴミのように、捨てられるはずだったそれを、拾い上げてくれたときの嬉しさだってわかるのだ。

自分だって、そうだった。

放り捨てるはずだった尊厳を、何よりも、命だけが拾い上げたのだ。

だから、わかるのだ。

 

(やめてくれ。やめろよ。)

 

やめてくれと、甚爾はただ、まるで溺れるように浅く息を吐いた。

今更だ、今更になって、どうして、捨て去ったはずの腐っていくはずだった半端な善性を掘り起こす。

誰かに大事にしてほしかった、きっと、そうだった。けれど、無視され続けた甚爾の善性が今になって掘り起こされて、どうして、それを宝物のように扱うんだ。

遅いのだ、そうだ、きっと、遅いはずなのだ。

それでも、遠い昔の残光が今更になって甚爾の元に届いてしまった。それが、赦さないというように、甚爾の心を照らすから。

いつの間にか、本当に日が暮れているせいか、辺りが夕焼け色に染まっている。明るくてまばゆい西日が自分たちを照らしている。

女の瞳と似た、その色が、甚爾のことを照らしている。ただ、ただ、照らしている。

今更、何を尊べば良い。今更、何をすれば良い。

そうだ、自分で、捨て去るのだと、そう思うのに。

命が、甚爾を、優しい人だなんて言うから。

 

そうだ、そうだ。

 

「死ぬな。」

 

呆然と、免罪符のようにそういった。

死なないでほしい、生きてほしい。生きて、また、自分を見てほしい。

漠然と思った。

それは、それは、けして恋だとか、愛だとかではない。

それは、どこまでも甚爾のためのエゴだった。

捨て去るはずだった善性が今になって甚爾の中で暴れている。甚爾の世界の全てが、無視し続けた彼の尊厳がそれを生かせとわめいている。

ああ、そうだ。

 

「・・・・命、俺は、呪術師になってやる!」

 

吐き捨てるようにそういった。甚爾がそんなことを言うのは、己の負ぶった女のせいだ。女が、今更になって甚爾の尊厳を掘り起こしたのだ。

ただ、漠然と、その女のことだけは死んでほしくないと願ってしまったのだ。

この世はくそだ。くそで、くだらなくて、それでも、尊いと思ったもののために命をかける人間がいるならば、せめて、それだけは死ぬのは間違っているじゃないか。

ああ、ああ、ああ。

忌々しい、吐き気がする。

今更になって、己の尊厳を、誰かへの願いを、思い出すなんて。

命のなしたことに、自分がどうしてそんなことを言ったのかわからない。ただ、その女がどんなふうに死ぬのかを、見送りたいと思ったのだ。

それまでは、自分の尊厳を忘れぬように生きると誓った。

命が生かしたのだ、命が埋まっていたものを掘り起こしたのだ。

自分のことを尊んでくれたその女が死ぬまで、せめて、何かを信じてみたいと、そう思ったのだ。

 

「命、綺麗に死んでくれ。なあ、ふさわしく死んでくれ。お前の善性を俺に信じさせろ。」

 

頼む、頼む、甚爾は山を下っていた呪術師たちに、そうして、それに紛れていた五条悟に会うまでまるで祈るようにとつぶやき続けた。

 

それは願いだ。どこまでも、歪な願いだ。

自分がどんな存在か、命がどんな存在か、甚爾はわかっている。

力の存在を知れど、何の術式も持たず生まれた落伍者の自分たち。どうしようもない、マイノリティの中のマイノリティ。

命だけが、甚爾の苦さを理解した。甚爾だけが、命の命をかける理由をわかった。

自分は、腐っていくだけだった。己を捨てる考える頭のないくそったれの世界。

それでも、どこまでも綺麗に生きようとする、全うにあがこうとする人間に、甚爾は夢を見たのだ。

自分も、遠い昔願ったように。誰かを尊んで、誰かに尊ばれて、認められて、そうして死んでいく。

そんないつかがやってくると、その女を見ていると信じられる気がしたのだ。

 






甚爾は憧れてる兄ちゃん感覚、屑だと知っているし、ろくでなしではあるのは理解している。それでも、男だけが踏み荒らさなかった尊厳があるのをわかっている。

甚爾
命は妹のような珍獣のペットのような。
少しだけ、自分を大事にするために頑張る気。

次、書くとしたら五条の視点かな。オリキャラのタグっているのかなと悩み中。

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