Dies irae -Silverio Godeater Resurrection-   作:フェルゼン

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第一話 神を喰らう者/God Eater 後編

3

 

 

 完全な生命活動の停止を確認し、フードを(かぶ)る青年と()げ茶髪の女は戦闘態勢を解除する。

 そんな二人に合わせる形で、リンドウと呼ばれた男が発動値(ドライブ)平均値(アベレージ)に移行させた。

 

 次瞬、雷氷と化していた彼の身体が元の生身の肉体に戻り、青年と女性に(いち)(べつ)*1ずつくれる。

 女は無言で(うなず)いたが、青年はリンドウから()(こつ)に目を()らすのみ。

 返事をするどころか、ふてぶてしい態度で鼻を鳴らす青年を、リンドウは苦笑気味に肩を(すく)めるだけで、それ以上は何もしなかった。

 

 彼の無愛想な態度は今に始まった事ではない。

 本来ならば、一上司として注意すべきなのだろう。が、注意した所で効果が薄いのもまた事実。

 加え、雨宮リンドウと言う男は、そういう()()()(いと)*2傾向にある以上、尚さら注意する理由が無かった。

 

 ゆえ、いつも通りなあなあに受け流す。

 口や態度で無関心を示す青年だが、仕事を放棄することは無い。

 女が(きびす)を返せば、その後に続く形で青年もまた踵を返し、女と共に周囲を警戒し始めた。

 

 背中越しで彼らが定位置に着いた事を感じ取ると、リンドウは(とび)(いろ)のコートを(ひるがえ)す。

 白煙を上げる()()()()のヴァジュラの下に歩み寄った彼は、右手に握った武装を上向きに構えた。

 

 すると、(くさり)(のこ)*3(ほう)彿(ふつ)*4とさせるその長刀が(うごめ)くように揺れ動き、その根元部分から黒い獣を思わせる異形の(あぎと)が出現する。

 武装を構え直し、既に物言わぬ(むくろ)と化した獣神に狙いを定め、解放。短い咆哮と共に、黒い獣の(あぎと)がヴァジュラの死肉に喰らいつく。

 二、三度ほど()(しゃく)*5すると、何かを成し遂げたのか。黒い獣は主人の意志に関係なく、元の長刀の姿に戻って行った。

 

 同時、リンドウの握る長刀の(つば)(ぞう)(がん)された琥珀色の宝石に光が(とも)る。

 一連の流れを見届けた主が光の点る宝石を己の視線まで持ち上げて、今日の収穫がどんなものか確認した。

 

 「···お、レア物だな」

 

 琥珀色の宝石には、獣神血石と呼ばれる素材が内包されており、思わぬ収穫にリンドウは知らず口元を(ほころ)ばせる。

 だがしかし、それも無理からぬこと。彼自身、あまり目にした事がない素材な上に、知る人によれば獣神血石の素材回収率は5%も満たない。

 まさしく()()()であり、下手をすれば臨時収入(ボーナス)が入る代物だ。

 

 「戦果は上々······って奴ね」

 

 リンドウが素材を回収した事を確認したのか、黒を基調とした(つやや)かな服を身に(まと)う女が彼に話し()けながら歩み寄る。

 やはりと言うべきか、手に持つ巨大な銃はその(あで)姿(すがた)*6に似つかわしくない。

 

 「ああ、また(さかき)のおっさんがはしゃぎそうだ」

 

 (おお)()()に肩を竦めて告げると、その姿を想像したのだろう。しなやかな指先で口元を(ゆる)く隠しながら、彼女はクスクスと微笑を()らした。

 

 「後は人手が増えてくれると()(がた)いんだけど······」

 

 地上を(ちょう)(りょう)(ばっ)()する荒ぶる神を討伐できるのは、ごく僅かな一握りの人間だけ。

 地球全体の人口が一度は三分の一にまで減少した影響もあり、彼ら神機奏者(ゴッドイーター)(よう)する組織に入隊してくる人数そのものが少ない。

 結果、組織全体で人手不足が深刻な問題と化している。

 特に彼女の所属する部隊のように、アラガミの討伐が主な任務である場合、必然として激務になるため何人いても足りないという状況が続くのだ。

 

 と言うのも、理由があり──

 

 「無いものねだりをしたって仕方ないだろ〜。昔みたいに、ただ感応できればそれで良いって訳じゃないしな」

 

 そう、それが主な理由だった。

 

 アラガミが出現する以前、第二太陽(アマテラス)から地上に降り注ぐ星辰体(アストラル)粒子と感応できる素質さえあれば、軍に士官した者なら誰だろうと星辰奏者(エスペラント)の強化施術を受けられたものである。

 だが、神機奏者(ゴッドイーター)はそうもいかない。

 彼らが(たい)()する敵の性質上、星辰奏者(エスペラント)としての素質以前に、神機と呼ばれる専用武器との適合率が求められるのだ。

 

 そうなればどうなるかなど、愚問にも等しいだろう。

 星辰体(アストラル)との感応適性に加え、神機との適合率まで求められてしまえば、どちらか一方が無いと言う人間が現れるのは自明の理と言えた。

 

 無論、その事実を女が知らないのかと聞かれれば、否である。

 

 「もう、そういう事じゃないわよ。さっき、出撃する前にヒバリちゃんが教えてくれたの。もしかしたら、新しい人が二人も入るかもしれないって。

 二人全員とは贅沢な事は流石(さすが)に言わないけれど、一人ぐらいは私達の部隊に入ってくれると良いなーと思って言ったのよ」

 「ほーん、なるほどな〜」

 

 事実は事実と受け入れた上で、彼女は誰かが入隊してくる事を前提に話題を取り上げたのだ。

 初めて教えられる事実に、リンドウは(あご)に手を当てた後、悪びれる様子もなく続ける。

 

 「ま、サクヤの言うことも一理あるか。せめて、エリックの誤射をカバー出来る奴が居てくれたら、もう少し仕事が楽になるもんな」

 「そうそ──···って、ちょっとリンドウ! 何てことを言わせるの!」

 

 頷きかけた言葉の真意に気付き、サクヤと呼ばれた女は慌てて言葉を打ち切り、意図して()()にはいない同僚に対する評価を彼女の口から引き出させた相手に怒りを(あら)わにした。

 

 「え〜、だって〜、本当のことじゃん」

 「え〜、じゃないわよ! 貴方(あなた)、今年でいくつになると思ってるの?」

 「23歳だ。文句あるか?」

 

 キリッとした顔で告げるリンドウに、サクヤは頭を抱えて深い溜息を吐く。

 

 「···もう、何を言ってるの······今年で27歳でしょう? 何、さりげなく年齢詐欺してるのよ」

 「あれ、そーだっけ?」

 

 無造作に後頭部を()きながら問い返す辺り、本気でリンドウは自分が23歳の若造だと思っていたらしい。

 瞬間、サクヤから再び沼にも沈むような深い(ため)(いき)(こぼ)れたが、本人は目を丸くして首を(かし)げるばかりだ。

 

 「······くだらん」

 

 漫才の即興劇(コント)じみた二人のやり取りに、青年が覇気のない声が冷水をかけるのだった。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 どこまでも殺伐と()り切れている、冷えた声。

 言語の異なる者が聞けば、(こう)(りょう)とした風が吹いたように思えるだろう(くら)い声。

 されど重く、()(かか)るような圧が宿る声。

 比較的馴染み安い(ふん)()()(かも)し出す二人とは対照的に、彼は()()までも(けん)(のん)な雰囲気を身に纏っていた。

 

 目深く(かぶ)る瑠璃色のフードの下、声と同じように覇気のない紺碧色の瞳を(のぞ)かせる。

 

 「······人手じゃなくて、足でまといの間違いだろ」

 

 開口一番、彼はさらりと言い切った。

 一概に的外れな発言ではないため、否定し切る言葉をリンドウもサクヤも持ち合わせてはいない。

 ゆえに、彼ら二人は手の掛かる子供を相手にした際の大人のような呆れを見せ、(おお)(ぎょう)に肩を竦める。

 そして、目を半眼にさせたリンドウは青年に視線を向けて問い返した。

 

 「何か言ったかー、ソーマ」

 

 すると、ソーマと呼ばれた青年は再び鼻を鳴らして、逃げるように顔ごと視線を逸らされる。

 全くコイツは······と、眉根を寄せて溜息を吐いた──その時。

 

 「さぁ、帰りましょう。お腹すいちゃった」

 

 突然、サクヤが話題を切り替えたのだ。

 別に剣呑な空気が溢れ出していた訳では無いが、発端は彼女の人でが増える(うん)(ぬん)という発言にある。

 それを自覚しての話題変更だと即座に悟り、リンドウもまた、サクヤの案に乗ることと。

 

 「それもそうだな。んじゃ、ぼちぼち帰るとしますか」

 

 仕切り直すように告げると、三人は踵を返し、その場から離れるのだった。

 

 

4

 

 

 帰投場所へと向かいながら、そう言えば···と何かを思い出したように、サクヤがリンドウに向けて口を開く。

 

 「今日の配給、なんだったかしら?」

 「うん? 何か、この前の食糧会議で言ってたな······」

 

 言って、リンドウは(しば)(あご)に手を当て、さして良くもない記憶力を回した。

 やがて思い出したのか、彼は意地悪い笑みを浮かべる。

 

 「ああ、アレだ。新種のジャイアントトウモロコシ」

 

 新種のトウモロコシの部分だけ強調して言えば、サクヤの顔が不快げに歪んだ。

 しかしそれも、無理もないだろう。彼女は(くだん)のトウモロコシが、あまり好きではないらしく──

 

 「えー。また、あの()()()トウモロコシ? 私、アレ、苦手なのよねー」

 

 このように、話題に上がるだけで不満の声を上げる。

 予想通りの反応に、リンドウは思わず苦笑を()らした。

 

 無論、サクヤの言い分も理解できなくはない。

 確かに、トウモロコシの味はするし、それなりに()()しくもあるのだが、その大きさは通常のものと比べると、遥かに図抜けた大きさを誇る。

 彼女が避けたがるのも無理はない。調理一つ大変な食材など、ありがた迷惑というやつだ。

 

 だが──

 

 「このご時世だ、食えるだけ有り難いと思えよ」

 

 それはそれ。これはこれ。

(アラ)(ガミ)が出現して以降、人手だけでなく、食糧もまた同様に不足しがちな代物と化している。

 今は食糧プラントで(まかな)い切れてはいるが、最近は人口が増加傾向にあるのも(あい)()って近い将来、()()()()の食糧不足に陥るのは間違いない。

 ゆえに、リンドウはサクヤの()(わい)らしい態度を()でながらも、やや素っ気ない態度で(たしな)めるのだった。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 しかしそれは、受け取り手次第というものだろう。

 雨宮リンドウと(たちばな)サクヤは故郷を同じくする幼馴染だが、(いく)ら幼馴染と言えども思考回路が全く異なる他人である事実は変わらない。

 たとえ、本人にそのつもりが無くとも、発言の真意を余すことなく理解できる人間など、そうはいないのと同じ理屈だった。

 

 「もう、他人事だと思って······」

 

(もち)(ろん)それは、サクヤとて例外ではない。

 むしろ、幼馴染だからこその色眼鏡(バイアス)()かるのだ。

 

 雨宮リンドウは無類の酒好きである。

 中でも麦酒(ビール)を好み、それは配給品にも含まれており、彼からするとそれさえあれば食べ物など些細な問題に過ぎないのかもしれない。

()()()()()(かんが)みれば、()()ないと断言するのは難しかった。

 

 加え、サクヤにとって料理はファッションの次に大切にしているものである。

 これらの事情が先の発言一つにも反映され、素直に受け取れないずにいた。

 

 「ねぇ、ソーマ」

 

 ふと、サクヤは助けを求めるように、後ろを歩く青年に声を()ける。

 彼女が立ち止まれば、殿(しんがり)を務めるソーマもまた立ち止まるしかない。

 目深く被るフードの下から、鋭い視線だけを向けてきた。

 

 別に、睨んでいる訳では無い。

 切れ長な目がそう思わせるだけで、決して意図したものではないのだが、()(かん)せん極東地域では珍しい浅黒い肌と、肩に担いだ彼の神機がリンドウのそれよりも二周りほど大きいため、より彼を威圧的に見せてしまっている。

 されど、サクヤは気兼ねのない調子で話を持ちかけた。

 

 無論、その内容は配給品に関するもので──

 

 「なにかと交換しない?」

 「断る」

 

 即答。一瞬の(しゅん)(じゅん)もない。

 手に持つ神機を()け直す姿から、さして興味もないのが(うかが)える。

 決して、他者との()()いを強要するつもりはないが、もう少し考慮してくれても良いのではと、思わずにはいられない。

 だが、この青年は昔からこうなので、早々に諦めることとした。

 

 「おーい、お前ら。置いてくぞー」

 

 ふと、サクヤとソーマの二人が遅れていることに気付いたのだろう。

 先行していたリンドウが振り返り、片手を挙げながら声を掛けてきた。

 

 帰投途中だったことを思い出し、二人は改めて踵を返す。

 彼らがこなすべき今日の仕事は、無事に終わりを告げるのだった。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 そして同刻──事態が動き出す瞬間を、ただ静かに待ち受ける者が一人いた。

 

 並べられた調度品が、清潔感の保たれた部屋を厳格に彩り、部屋にいる男の威厳をより一層と際立たせる。

 黒革製のエグゼクティブチェアに腰掛けている事から、彼がこの部屋の主に違いあるまい。

 机に(りょう)(ひじ)を立てて寄り掛かり、口元を隠すように両手を組んでいる姿は、彼の背後の壁に掲げられたフェンリルフラッグも相まって、この世(すべ)てを威圧している印象を与えた。

 

 と、その時──

 

 『支部長──』

 

 卓上に置かれたディスプレイから受信音と共に、少女のものと思われる声が響いた。

 

 『照合中のデータベースから、新型神機の適合候補生が見つかりました』

 「そうか···」

 

 待ち望んでいた報告では無かったのだろう。本来ならば喜ぶに値する報告でありながら、少女に応じる男の声は、(ずい)(ぶん)(よく)(よう)のないものだった。

 無論、感情を制御している可能性もある。

 しかし、たとえどれほど感情制御に長けていようと、(しょ)(せん)は彼も人間だ。表情や態度に現れずとも、抑え切れない感情は声となり、音となる。

 繊細な人間ならば、喜んでいるのだな、と(おお)(ざっ)()に感じ取れる程に。

 

 されど、男の声には()()()()()()()()()()()()()()()

 

 感情の起伏がない。必然的に喜びもない。

 むしろ、()()()。男の声には()()か、()()()()()()()()()()()()()()()()()という怒りが含まれている。

 だが、それは僅か一瞬のこと。

 

 「名前は何という?」

 

 続く言葉には、()()()()()()()()()()()()()()()()()()という、ある種の(てい)(かん)が込められていた。

 

 『すぐに資料を送信致します。少々お待ちください』

 

 そして、当たり前に通信先の少女は男の()()に気付かない。

 彼の要請に応じた少女は、かなり手際良い人材なのだろう。程なくして、卓上のディスプレイに資料が届けられた。

 

 黒手袋をつけた男の指がキーボードを操作すれば、表示されるは神機の適合候補者達のデータベース。

 神機の適合候補者と、星辰奏者(エスペラント)の適性候補者はイコールで繋がっている。そのようになるよう作ったのだから、当然と言えば当然の結果だ。

 

 “──······これは”

 

 突如として浮上した、渦中の人物。

 その顔と名前、そして神機の適合率などを確認し、男は僅かに厳格な表情を崩す。

 不動と思われた無の瞳が、やや驚愕に揺れ動いた。

 

 「ふむ···、では早速、適合試験を受けてもらうとしよう」

 『分かりました』

 

 言って、通信を切る。

 男は深く椅子に腰掛け、天井を(あお)ぎ見た。

 

 “(しゅ)(しょう)なことを···。お前はまだ、()()()()()から降りたつもりはないということか······”

 

 横一文字を描いていた口角が釣り上がる。

 くつくつと(のど)を鳴らしながら、遥か彼方(かなた)の存在と化した者に、挑発的な言葉を胸中で吐き捨てるのだ。

 

 “···面白い。その()()、喜んで続けようではないか。なぁ? 我が親友、イオンよ······”

 

 卓上のディスプレイに映し出されているのは、一人の青年の名前と、その顔写真。

 

 

 

 神宿コハク──

 

 

 適合神機名:ロンギヌスランゼ──

 

 

 神機適合率────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────99.98%

 

 

 

 

 

*1
ちらっと見ること。ちょっとだけ見やること。

*2
嫌って避ける。嫌がる。

*3
チェーンソーの和訳

*4
よく似ていることの意。

*5
食物を細かくなるまでよく噛むこと。

*6
なまめかしい姿。色気のあふれたなりふり。




 シックザール支部長が黒い?
 この人、元から黒いぞ?
 ※)リザレクのプロモアニメ、地底&天国アリサetc.

 個人的に、シックザールは『テイルズオブヴェスペリア』の実質的な黒幕である「アレクセイ・ディノイア」と同タイプの人間だと思う。
 目指した理想は高潔で尊ばれるモノだけど、()(せつ)を経験したことで、一気に外道化したのと同じ。
 ただ、ヨハネスが「ガチの元から外道」に対して、アレクセイの「元々黒い」は自称みたいな違いはあると思う。

 では、ステータス開示。

 【星辰光(アステリズム)

生存せよ(Barca)可謬の理(lay)継承されるは(Blood)恵みの雷光(Suge)
AVERAGE(基準値) A
DRIVE(発動値)AA
STATUS
集束性A
拡散性B
操縦性A
付属性A
維持性A
干渉性A



 バルカレイ・ブラッドサージ

 雨宮リンドウの星辰光(アステリズム)
 その能力は、肉体強化・気象変換能力
 天候という普遍的な現象を、あくまで()()の肉体強化の為に用いるという、風変わりな異能である。

 雷も氷も出るし、風を吹き荒らすし、気温も光も流動するが、世界は変化しない。
 六性質全てに()いて優秀な数値を叩き出しているが、あくまでこれは他者に己の星光を付属(エンチャント)させた上に干渉して、肉体強化を施し、仲間の逃亡や追撃・支援等に向いている。

つまり、リンクエイド(ウ)さん

 総合して、敵を倒すことはあくまでオマケであり、勝つことよりも生き延びることに特化しているこの星光は、まさしく彼の思想を具現化させたような異能である。

 詠唱の元ネタはハンニバル・バルカの逸話。


詠唱

創生せよ、天に描いた(せい)(しん)を──我らは煌めく流れ星

強大な敵と戦い続けて(いく)(せい)(そう)
局所的な優勢は勝ち取れど、全体の優位に立てたことは一度もなく、運命は()()()()の如く(もてあそ)ぶ。

ならばこそ、我は()()を切り(ひら)く一助とならん。
前人未踏の(しゅう)(きょく)山脈さえ踏破して、戦地竜王は統治繁栄が花吹く天理へ牙を()く。

強敵を囲め、視点を変えろ、死を(もたら)す勝利の果実など捨ててしまえ。
諸行無常・盛者必衰──生の(むな)しさを(うた)うのが常世の(ことわり)なれば、今ある生を華々しく彩ろうぞ。

さあ(おご)りに満ちた神々よ、黄昏刻は終わりを告げた。
我が忠告を聞き入れられぬと(のたま)うなら、今ここで内側より滅び去るが良い。


超新星(Metal nova)──
生存せよ(Barca)可謬の理(lay)継承されるは(Blood)恵みの雷光(Suge)

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