Dies irae -Silverio Godeater Resurrection-   作:フェルゼン

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※ATTENTION

 オリ主によるヒバリちゃんのラッキースケベ発生。
 それにより、タツミさんのキャラ崩壊気味。
 注意されたし。




第二話 適合試験/Eignungstest 前編

1

 

 

 後悔とは、心を同じ(とき)に縛り付ける呪いの鎖だ。

 

 その鎖を断ち切らぬ限り、心の中にある時計の針を動かすことは難しい。

 

 言い得て妙とは、まさにこの事だろう。

 散り落ちた花が再び元の枝に(かえ)り咲くことがないように、壊れた鏡は元のように物を映すことは二度とない。

 それは当たり前の、()()でも分かる世の常識だ。

 

 だがしかし──いいや、()()()()()

 

 花一つ、鏡一つ。

 そんな小さな命の終焉でさえ、人は名残惜しいと思いを()せる。

 実際、不老不死や死者蘇生などが、その最たるものと言って構わない。

 いずれ朽ち果てる事を約束された刹那の命。ゆえに、(おの)が生きた証を(のこ)そうと、幻想の中にある永遠性を追及する。

 

 ならば──

 

 この呪いの鎖とは、何も"後悔"など負の感情だけに言えることでは無いだろう。

 歓喜、期待、希望、信頼──即ち、素晴らしい正の感情もまた、この縛鎖からは逃れられない。ましてや、(まぎ)れもない事実として功績が残り安いとあれば、()もありなん。

 

 誰かに()められる。良い評価をして(もら)える。

 そうした機会に恵まれた時、初めて人は自分以外の他人(だれか)に認められたと実感できるということ。ゆえ、充足感に満たされた刹那の幸福というものは、ただそれだけで停滞や劣化の色を帯び始める。

 過去に強い後悔を抱く人間と同じ。肉体的には()()を生きているのに、心だけが栄光を手にした瞬間に取り残される。

 呪いの鎖とは、一種の時間停止と言っても過言ではない。

 

 ああ、だから──そう結んだ上で、ゆえに強く感じるのだ。

 つまり()()は、睡眠神(ヒュプノス)の館に他ならないだろうと。

(やく)(どう)する生の陽光(ひかり)、痛みを()()する死の月光(ひかり)、その両者の強さと優しさを許す境の灰光(ひかり)······

 コハクは今、三相の狭間に揺蕩(たゆた)いながら、追憶の夢を見ている。

 

 「やれやれ···(けい)は物好きだな。また来たのかね」

 

 不意に、規則正しい足音が響いた。

(あき)れたように()れる吐息。言葉を(つむ)いだ声は自分のそれと比較にならないほど低く、真水のように雑味のない落ち着きの色を宿している。

 それは完成された彫刻の美と未完成の人間らしさが織り成す響きで、つまり死者だろうと生者だろうと口に出来るものでは断じてない。

()でるような、(えん)()と豊かさ。身の危険さえ感じさせるほど、存在感に満ちている。

 

 本能的に逃げ出したくなる感情を掻き立てる声だが、コハクの中に逃亡の選択肢は現れない。

 これが夢だからという前に、声の主自体が他者を害するつもりがないのだから、それも道理だろう。

 加え、住人歴と言う意味でも彼の方がコハクと比較できぬほど長い。

 結果、光にも闇にも灰色にも振り切れぬまま、その狭間に住み続ける存在、それが彼だった。

 

 「別に、私は卿の行為を責めるつもりはない。過去(うしろ)を向き、未来(まえ)を向く······それは人が()()を生きていく上で極めて大切な、当たり前の行為に過ぎん。

 取り立てて、特別に見る行為ではない。無論、逆もまた(しか)りだがね」

 

 言葉の使い回しが小難しいため、何を言っているのか理解が遅れた。つまり、こういうことだろう。過去(うしろ)を振り返り、未来(まえ)を向くのは()()()()()()()()。ゆえに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と。

 

 「その上で、私は卿を物好きだと称しているのだよ。今この時を生きる事を強く望む卿が何故、()()()の出来事を忘れぬように後ろを振り向くのか? とな」

 

 夢を見る──否、正確には(せき)(じつ)の出来事を繰り返し、夢として見る。

 炎の海に包まれ、燃え盛る街区。()き叫ぶ狂乱に人と神の()(せん)はなく、パチパチと(かしわ)()を打ちながら()ける()()の臭気が漂う、()()()の記憶を。

 

 それは言わば、過去に負った古傷を自らの手で掘り返す行為に他ならない。

 カサブタ程度の古傷ならば、傷口が治る段階で身体が(かゆ)みを訴える。無論、耐えられるモノではないので、カサブタを()(むし)る経験は誰だろうと一度は経験するものだ。

 

 しかし、コハクの背負う古傷は一般的にカサブタ程度の古傷で済むものではない。

 良くて重症、悪くて()()()()──比較するものではないが、少なくとも自らの手で掘り返せる傷の類ではないのは、語るまでもない事実だろう。

 にも関わらず、彼は繰り返し傷口を掘り返す。まるで、忘却した所で誰も責めはしないにも関わらず、記憶の中に埋もれさせたくないのだと言うように。

 

 「人の生は苦しみと迷いに満ちている。私にはな、まるで卿の行動は自らの胸を痛めつけているようにしか見えんのだ」

 

 男が口にする疑問は、至極真っ当なものだった。

 

 誰だろうと、致命に近い古傷を自らの手で掘り起こす者を見たら不思議に思うし、中には(たま)らず止める者もいるだろう。

 すると、過去を振り向いていたコハクの視線が男の方へと向けられた。追憶のサイクルを終えた彼は、やや悲しみの色を(たた)えた苦笑を口元に浮かべる。

 

 別に、胸を痛めつけている訳ではない。

 ただ忘れたくないだけであり、思い出せなくなるのが恐いから過去を振り返る。

 その上で自分の胸が痛むのは構わない。それは、自分が彼女との約束を忘れていない証になるから。

 だから、自分はずっと胸が痛いままでいいのだと。

 

 返答に、男は言葉を失う。

 僅かばかりの間を開けて、一言。

 

 「···愚かだな······」

 

 加えて酷く単純だ。たかがそれだけの事で笑えるなど、(いささ)か欲が薄過ぎる。

 

 「だが──」

 

 ふと、目を伏せて男は続けた。(おう)(よう)と。

 

 「それが人間的なのだろう。()くあれよ、ひ弱でか細い我が片割れ。卿は私()()のように、痛みの在処(ありか)を失くしてくれるな」

 

 ならばこそ、望まぬ"終焉"に異を唱えよう。

 生来有する“資格”さえ捨て去り、定められた“運命”に抗い続ける。それが、■■の概念ゆえに。

 

 「さあ、“運命”の幕開けは近い。その痛みと決意(こたえ)(もっ)て、■■の狼煙(のろし)を上げるとしよう」

 

 今度こそ、本当の(けつ)(べつ)を果たす為に。

 黄金を冠する天駆翔(ハイペリオン)は、同じ決意(こたえ)を目指して空を羽ばたく。

 たとえどれほどの真実が待ち受けようと、別の可能性(みち)()れるようなことは無い。

 忘れられない過去があり、手離したくない現在(いま)があり、形にしたい未来がある。

 必ずや、今度こそ──

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 ──さあ、■■■を始めよう。

 

 決意を形にするために。訣別を果たすために。

 神宿コハクは、新たな天駆翔(ハイペリオン)の片翼を担う者として新生を果たす。

 

 そして──

 

 「──きゃぁ」

 

 ああ、そして──

 

 「んぅ、ッ······。

 ちょ、ちょっと待って下さいね。人前ですので、あぁぅ···わわ、そんなに情熱的に()まれるのは、ちょっと······流石(さすが)に···」

 「────·········」

 

 そし、て──

 甘い声に(いざな)われ、()()(まなこ)を二・三度ほど(まばた)きをして見れば、()()には眠気が吹き飛ぶような光景が広がっていた。

 

 一体何があったのか、コハクはタブレット端末を抱えた赤毛の少女を押し倒しており、()()()()(わし)(づか)みにしている。

 瞬時に状況を理解し、顔から血の気が引いていく。

 いや、待て。ちょっと、待て、待ってくれ、本当に頼むから──これは一体、何がどうしてこうなったのか、誰か説明して欲しい。

 先程までの決意やら何やらが(こな)()(じん)に砕け散ったが、そんなことは()()()()()()だろう。(しょ)(せん)は夢。たかが夢。されど夢とも言うが、シリアスの高低差など現実の問題と比べたら()(わい)いものだ。

 

 ああ、だが、しかし──。

 

 などと、我ながらに信じられないほど冷静に思考回路が巡っていく。されど、フリーズしていることに変わりはなく、未だに収拾がつかないままグルグル巡る思考回路は、そろそろショート寸前にまで陥っていた。

 これで相手方の少女が抵抗して、勢いよくぶっ飛ばしてくれれば離れる事も可能なのだが、(くだん)の少女の方はと言えば、これまた唐突に押し倒されたためだろう。産まれたての()鹿(じか)のように震えるだけだった。

 

 更に周囲の人間も突如として発生した(ひっ)(ぱく)の状況を理解し切れておらず、早めに対処したいのだが、自分の手は彼女の胸の上にある訳で。

 そして当然、彼女が呼吸する度に胸は上下に動くものだから······。

 

 「きゃ、ちょ、ちょっと待って下さいね、今······やん」

 

 しかも、(した)()きにされている少女の方が脱出を試みようと()(じろ)ぎをするため、その度にもにゅりと(つつ)ましながらも立派に自己主張する()()()()()()()()()(てのひら)に伝わってくると言う悪循環。

 豊満とまではいかないものの、しっかり(ふく)らみを主張するものに()(まい)がする。

 そこに(たた)()けるかの如く、掌の中心には独特な()()()のようなものがあり、自分の手と(こす)れ合う事に自己主張を強めている気配さえ感じ取れた。

 

 タブレット端末で口元を隠しながら、至近距離で(のぞ)き込む少女の顔は、()ずかしさに(ほお)(こう)(ちょう)させながらも、全く(けが)れの知らない見事な(じゅん)(ぼく)さに満ちていた。

 

 「あの、その──。

 こ、こういうのもあれなんですが···決して嫌な訳ではないものの······わたしとしましては、もう少し優しく···。それと出来れば、()()()はやっぱり二人きりが良いなぁ······なんて、うぅ」

 「──、──────」

 

 などと、恥ずかしげな言葉を聞き、コハクの中で衝撃が走る。

 何かが盛大に折れる音を聴いた気がした。失笑したくなる感情を必死に(こら)え、辛うじて床の方に投げ出されていた右腕を使い、少女の胸から手を離し、ゆっくりと起き上がった。

 

 「···なんか······悪ぃな···」

 「いえ、寝ているあなたを不注意に起こそうとしたわたしにも落ち度が······」

 「落ち度···? 君に落ち度なんざないだろう。俺のような(ごみ)(くず)が、初対面の······しかも、交際前の女性に対し、公衆の面前で(はずか)しめたんだぜ。

()の英雄様に殲滅光(ケラウノス)を撃たれても(よう)()できないし、文句も言えねぇ···。つーわけで······」

 

 言うと、コハクは至極自然で土下座する。

 さながら、時代劇に登場する忠義溢れる武士のように綺麗な土下座だった。

 

 「不可抗力だ、などと弁解はしません。した所で、辱めを受けた君からして見れば、ただの言い訳にしか聞こえないでしょう。婦女子の胸を事故でも揉むなど、冥王様の裁きを受けるほどの罪。

(ゆる)しを()うことはしません。しかし、せめて謝罪させて欲しい。この度は、大変ご無礼を働き申し訳ありません」

 

 加え、目撃した第三者でさえ()()れる程の誠心誠意を込めて謝罪する姿は、極東地域では珍しい髪色とは言え、様になっている。

 ゆえに、ごく自然な流れで短刀──その割には刀身が長いように思えるが──を(さや)ごと取り出すのを、誰も不思議に思わなかった。

 

 「君の胸を揉んでしまった罪は、この命を(もっ)(あがな)おう。俺一つの命で、君の心が()えるのであれば、俺のような産廃物以下の(ゴミ)(クズ)の命にも価値があるというもの······」

 「えと、あの···何もそこまでして頂かなくても······」

 「いいえ、恋人ならばいざ知らず、まだ赦される余地はあるのでしょうが、初対面の、しかもまだ成人していない女性の胸を触るなど、公序良俗以前の問題。よって(しか)るべき罰を己に課すのみ」

 

 何が役得、何がラッキースケベ、そんなものは等しく死ねば良い。

 期せずして女性の()(たい)に触る、都合よく着替えに遭遇するなどなど、自分の人生を改めて振り返ればラッキースケベだらけである。

 ああ、なんと罪深い。こんな事もあったなと、笑い話にも出来ないとか、どれだけ自分は(ゴミ)(クズ)なんだ、死ね。

 

 「早まらないで下さい。あなたの誠意はきちんと伝わりましたので。それに、そこまで言われてしまうと──流石(さすが)に」

 「非常に心が傷ついたとッ。ならばもはや是非もなし」

 

 取り出した短刀の(こい)(ぐち)を切り、一も二もなく抜刀する。脳内で落ち着けと呼びかける声が聞こえたが、既に許容量(キャパシティ)を超えた脳では呼び掛けに対して冷静に対処する余裕すらない。

 現世を離れる覚悟は完了。(いん)(わい)()()()へ罰を下すべく、己の無力を再確認して。

 

 「いざ、ご照覧あれッ──」

 「いや、アホかぁぁぁぁぁぁああッ!!」

 

 切腹しようとした瞬間、突如として後頭部に叩き込まれたのは盛大な回し蹴り。

 あまりに唐突かつ強烈な一撃に切腹は中断され、強制に宙を舞うこと約三回。反射的に受身を取るが、頭部を強打されたからだろう。頭の奥が揺れて軽く平衡感覚を失い、その場に(ひざ)をついた。

 

 痛みに(こら)えつつ、何事かと顔を上げれば、そこには赤いジャケットを羽織った男が呆れ顔で此方(こちら)を見下ろしている。

 

 「おっと、悪いな。最初は何事かと思って、状況を把握出来なかったけどよ。本気で切腹発言とか、流石にちょいとやりすぎだぞ。

 そりゃあ、ヒバリちゃんの胸の価値は安かないけど、少なくとも命で償うほどじゃないだろ。というか、お前さんの価値が低すぎやしないか?」

 「? 当然、胸以下だ」

 

 さも、何か問題があるだろうか? と問うようにコハクは首を(かし)げた。

 

 彼の無意識に男の()(けん)と乙女の涙は釣り合うことはない。初対面の女性を辱めたなら、死を(もっ)て償うべし──という、認識が存在している。

 また、今までラッキースケベに遭遇してきた経験がその認識を更に助長させたのは語るまでもなく、不可抗力や不慮の事故で許されるような事柄ではないと思ってきたのが非常に大きかった。

 

 要するに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という事である。

 それを理解してか、赤ジャケットの男から(たん)(そく)()れた。

 

 「いやいや、そんな分けないだろ。よく分かってないのに言い切らないでくれよ。見る限りあんた、ブレンダン以上の堅物には見えないんだしさ。

 それにしても、ヒバリちゃんもまた厄介な男に引っかかっちゃったね。虫払いはオレがしとくから、その後オレと一緒にお茶でも──······」

 「あ、いえ、お気持ちだけでも結構です。それに、あそこまで誠心誠意に謝罪されてしまうと、むしろ何と言いますか···災難ではないと感じる自分がいまして······ふふっ」

 

 これもアマツ末裔の宿命なんでしょうねと、彼女は押さえられていた胸に手を当てて、柔和な笑みを浮かべて見せる。

 因果関係とはまるで()()()()()()()()()とでも言うように、自分の愚かな行為による被害者であるはずが、幸せそうに頬を染めてタブレットで口元を隠した。

 

 それを受けてか、隣の男が強烈な殺気を向けられるのが全くもって理解が出来ない。彼女もそうだが、この男は一体何なのだろう。

 

 「はは、ははははは──やっぱ死ねこの野郎。

 え? 何? なんで、ヒバリちゃんのファーストパイタッチ奪った奴が、どうしてヒバリちゃんとフラグ立ってんの? 詐欺だ詐欺! こんなの立つ瀬がないじゃんかッ。

 出会って1.5秒でフォーリンラブとか、恋愛ナメるなよ! というか、絶対おかしいだろコレ! とにかく、いっぺんまじで死んでみてくれ!!」

 「だから、切腹するって言ってるじゃねえか。それに、俺は·········はぁ、もうどーでもいいわ、面倒くせぇ」

 

 男が乱入してきてくれた光明か、徐々に余裕を取り戻し、頭も冷えた。とにかく切腹など被害者自身が望んでいない、というぐらいには冷静に理解しつつある。

 目の前にいる赤毛の少女──その顔を見るだけで自己嫌悪に陥りそうになるがしかし、このままでは話が進まないのもまた事実。

 恨めしい男の視線から目を()らし、身体ごと少女の方に向き直る。

 手に残る柔らかい感触を忘れるように(つと)めながら、目線を合わせて改めて頭を下げた。

 

 「本当に申し訳ない。いくら混乱していたとは言え、過剰な謝罪で更に君を困惑させてしまった。

 しかし、正直に言うと個人的には、まだ納得していない部分もあります。君が望むのであれば、法の罰も受ける所存ですが······」

 「いえ、本当に良いんです。わたしも不慮の事故に繋がる事も考えずに起こそうとしたのが要因の一つでもありますし、あなたの誠意もきちんと伝わりました。なので、そこまで(かしこ)まらないで下さい」

 「だが···」

 

 下げていた頭を思わず上げ、異論を唱えようとする。

 しかし、(ほが)らかに微笑む少女を見て、本当に心の底から気にしていない気持ちが伝わり、コハクは口を(つぐ)んだ。

 ならば、彼女の慈悲を受け入れるのが妥当だろう。これ以上、罪の所在を問うた所で少女の迷惑にしかならない。

 

 「話が大分それてしまいましたが、本題に移ります。あなたは、今日行われる適合試験の受験者・神宿コハクさんで間違いはありませんか?」

 「え? あ、はい」

 

 あまりに脈略のない確認に、思わず情けない返事で肯定する。

 すると、赤毛の少女は脇に抱えたタブレット端末を(いち)(べつ)して言葉を続けた。

 

 「では、こういうのはどうでしょう? この後コハクさんには、神機奏者(ゴッドイーター)としての適合試験が予定されています。その試験を無事に終えて帰って来て下されば、わたしはあなたの事を許すということで」

 「は?」

 

 少女の要求に、コハクは今度こそ()(とん)(きょう)な声を上げ、()(げん)そうに目を(すが)める。

 されど、少女の顔に()(じん)も迷いは見られない。心の底から()()()()()()()()()と望みながら、(ほが)らかに微笑んで。

 

 「わたしは竹田ヒバリ。フェンリル極東支部にて、神機奏者(ゴッドイーター)のバックアップ及び、オペレーターを務めています。

 なので、これは本心です。無事に生還してくれるだけで、わたしはとても嬉しく思うので」

 「···············」

 

 含みのあるヒバリの要求を、神機奏者(ゴッドイーター)の父がいたコハクは胸中で納得する。

 テレビCMで紹介されている適合試験は捏造された情報であり、実際はそんなに生易しいものではない。

 彼女がオペレーターを務めているのならば、()()()()()()()()()()()()()()()()()という事になるのだ。

 

 ゆえに──

 

 「りょーかい──約束するぜ」

 

 彼女の求めに応えること、それが一番の最善手だと理解して承諾する。

 すると、ヒバリは年相応の少女らしい笑顔を浮かべて見せた。知らず、コハクは心の底から安堵する。

 記憶の中で鮮明に残る彼女の笑顔。ああ──やはり女性には笑顔でいて欲しいものだと、改めてコハクは思うのだった。

 

 




 リメイク前のようにラッキースケベ回にするか、しないかと導入部分で(つまず)いた結果、盛大に連載が遅刻(^ω^;)

 後、GEB以降の男ボイス15のキャラに掴み所がない。
 やる気皆無だが仲間想いの情に厚いタイプ。やや天然でクーデレ、加えて何を考えているのかイマイチ分からないミステリアス。しかもコミュ障の朴念仁。
 特大ダメージで「クソッタレがァッ!!」というボイスが聞ける。某笑顔動画のソーマとキャラ(かぶ)るが更に強調されてる気がしなくもない。

 公式からして男ボイス15に属性盛りすぎ感パネェ。
 どこのカルナさんだよ。
 (尚、リア友はやる気皆無のリヴァイ兵長と表現)

 しかも、BGMより声が小さい。
 マジで何なんだ、この男ボイスはッ。
 もしも他にイメージがあったら聞かせて下さい。

 では、今回はここまで。
 また次回でお会いしましょう|・x・)ノシ


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