秘密遊戯 -I must be cruel, only to be kind-   作:流火

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プレイヤー:カード:オッズ:解除条件
御剣総一 :A:5.1 :Qの殺害
川瀬進矢 :3:7.3 :3人の殺害
長沢勇治 :4:7.2 :首輪を3つ収集する
漆山権造 :7:DEAD:開始6時間以降に全プレイヤーとの遭遇
桜姫優希 :9:9.8:自分以外の全員の死亡
姫萩咲美 :Q:8.5 :2日と23時間の生存
北条かりん:K:5.1 :PDAを5個以上収集
矢幡麗華 :?:3.8 :???
郷田真弓 :?:4.1 :???
手塚義光 :?:4.1 :???
???  :?:??:???
???  :?:??:???
???  :?:??:???



第十話 2ndステージ

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

全ての悪事と同じく、残酷な行為に動機はいらない。その機会さえあればいいのだ。

ジョージ・エリオット (英国の作家)

――――――――――

 

 

 

 

 

 

「か、川瀬さん……! 何が!?」

 

「先輩! 走って!!! 兎に角、走って! 来た道を引き返します!!!」

 

「は、はい……!」

 

 

 銃撃を受けたと理解した俺は、階段を転がり落ちるように駆け下り、困惑した表情の姫萩先輩に叫ぶ。

 後ろからは階段を駆け下りる音がする、一刻の猶予もない。これは、逃げ切れるか……? 銃だけなら、まだ良い。問題は追加ソフトウェアの存在だ。郷田社長のようにシャッターを操るソフトウェアがあったら、俺達は詰む。……無い事を信じて、今は逃げるしかない。

 

 

「川瀬さんは逃げないんですか……!?」

 

「牽制するだけですよ! 先に速く逃げてください!」 

 

 

 階段上から聞こえる足音から判断して、ギリギリ見えるか見えないかのタイミングを聞き分け、腰に差していたナイフを投擲する。その後結果を見届ける事なく振り返り、姫萩先輩の後を追いかける。背後からは階段にナイフが当たる衝突音がした。当てるに越した事は無いが、別に当たらなくても良い。向こうのスピードを遅らせるのが主目的だ。

 

 

 郷田社長、逃げながらあんな的確な投擲をやったのか!? とある意味で感心する。他人がやっていたからそこまで難しくないと思っていたのだが、コントロールは上手く行かない。

 

 

 しかし、考える余裕はない為、逃げるしかない。相手は交渉も降伏勧告無しで問答無用の射撃を行ってきたのだ。交渉の為のカードは複数持っているが、相手が交渉のケーブルについてくれなければ意味がない。

 目の前を走る姫萩先輩と一定の距離を取りつつ、走り続ける。

 自分と姫萩先輩、二人の走るスピードと体力を考えるに、俺が後ろいくのが合理的だ。

 

 

 

「次を右! その先、真っ直ぐ! 突き当たり右!」

 

「……! そういうことですね!? 分かりました」

 

「正直、ルートを考える余裕はないので、絶対間違えないでくださいよ!」

 

 

 誘導ポイントは、この階で唯一発見した罠がある場所だ。

 現在の所、確認した罠は二種類。罠を発動させた人間に危害を加えるタイプの罠と、分断するタイプの罠。期待している罠は後者のものだ。 

 だが、実際の所、罠の種類は分からない。前者であった場合、逃げに使える手を一手失うばかりか、最悪発動させて怪我をし、逃げられなくなってしまう可能性がある。

 

 

 普通に走って撒けるとは流石に思えない。正確に言えば、二手に分かれれば逃げ切れるかもしれないが、万策尽きる前にそれを選ぶ気はない。

 次点でエアダクトの使用だが、それも一度は相手に自分達を見失わせる必要がある。

 

 

――パァン!

 

 

 

「きゃっ!?」

 

「冗談きついですよ! 矢幡さん!」

 

 

 銃弾が俺のすぐ近くの床を抉る。

 すぐさま曲がり角から出てきた矢幡麗華に向かって、投擲ナイフを投げる。すぐに彼女は引っ込み、ナイフは壁にぶつかった。

 距離は体感で十数メートル、俺の知識の中では追って追われる中で易々と銃弾は当たらない距離ではあるが、安心はできない。

 

 

 

 走る、走る……走る。

 

 

複数回ナイフを投げた所為で右肩が痛くなってきた。拳銃に投擲用ナイフで対抗するのは、他に選択肢がないとはいえ我ながら無謀に過ぎるだろう。

 

 

 

―パァン! パァン!

 

 

 銃声が鳴る。

 すぐ真横を銃弾が通り過ぎた錯覚を覚える。

 いや、それは錯覚ではなかった。いつの間にか、服の裾が破け左腕辺りから痛みを感じる。

 辛うじて振り向きざまにナイフを投擲し、男は曲がり角の手前に引っ込んだ。

 

 

―あの男、銃の持ち方が堂に入ってるし、狙いが正確すぎやしないか!?

 

 

 郷田社長といい、あの男といいこの殺し合いゲームはきっとバランスが崩壊している。もしかしたら、銃弾が掠った事すら運が良かっただけなのかもしれない。

 ……これは勝てない、武装が同条件であっても、勝ち目はない。

 

 

「川瀬さん! もう少しですから!」

 

「問題ないです! 近づいたら、足下気をつけて!」

 

 

 

――本当に逃げて良いのか? どうにかしてあの二人を無力化する方法があるのではないか?

 

 

 目標地点である罠に近づくにつれ。勝ち目はない事は分かっているのに、できもしない事を考えてしまう。

 逃げ切ったとしても、あの二人が桜姫先輩や長沢、北条を殺してしまうのではないか? という懸念が頭から離れないのだ。

  

 そんな事を考えてしまったのが悪かったのか、後ろの曲がり角から銃を構えた男が出てくるのを視認する。咄嗟に腰に差していた投擲ナイフを取ろうとするが、その時に持っている分は全て投げきって居た事に気付いた。

 

 

――まずい、射線ドンピシャだ。

 

 

 後先を考えず、反射的に横に跳ぶ。回数を数えていた訳ではないが、弾を撃った回数を考えれば、向こうもそろそろ弾切れになってもおかしくない。だから、一瞬逃走が遅れても問題ない……そういう判断だった。

 

 

―パァン、パァン!

 

 

 だから、次に起きる展開は完全に予想外だった。

 

 

 

「きゃっ!?」

 

「……え? せ、先輩!?」

 

 

 

 銃声がしたと思うと、前方から誰かが倒れた音がする。

 男と姫萩先輩の距離は約30m程、理論上届く距離なのは分かるが、当たる距離という認識が完全に抜け落ちていたのだ。

 

 

「ち、く……しょう!!」

 

 

 咄嗟に、腰にかけていた最後の武装であるコンバットナイフを取り出し、両腕で投げる。狙いもなにもない一撃ではあったが、二人の次の行動を数秒遅らせる程度の牽制にはなる……かもしれない。結果を確認する時間はなく、姫萩先輩の元に駆けつける。

 

 

「くっ……!」

 

「かわせ、さん…………逃げ、て……」

 

 

 姫萩先輩の制服の背中が少しずつ血で染まっていくのが見える。素人判断のパッと見だが、致命傷ではない……だが、治療できるかといわれれば微妙だ。

 許される迷いは一瞬。見捨てるか連れて行くか。

 メリットとデメリット、理と情……様々な事が頭を駆け巡るが、考える時間は姫萩先輩との距離を詰めるほんの一瞬だけ。

 

 

「先輩! 捕まってください!」

 

 

 時間がなさ過ぎて、自分が何故そちらを選んだか……自分でも分からないような決断。

 ただ、こう動いてしまった以上、今更引き返すことはできない。

 やるしかない、やるしかないのだ。

 

 

「おろして……くださ……」

 

「黙って、今は俺にしがみつく事だけを考えてください」

 

 

 なんとか姫萩先輩を背中に背負い、前に進む。

 あと、少しだ。罠まで、数十メートル。それが非常に長く感じる。

 姫萩先輩はずっしり重く感じるが、それ以上に腕の力が弱々しい。

 事がここに至っては、最早、罠が分断系の罠である事に賭けるしかない。

 頭脳は役に立ってくれない。あとは、自分に残された気力体力と……悪運を信じるしかない。

 

 

 この殺し合いゲームで、少々無理をしすぎたのか、体感では割と限界に近い、罠を踏んだ後で、外れだった場合、そこから姫萩先輩を見捨てて逃げる体力はもう残っていない。こうなるなら、つまらなかったとしても、高校でも運動部を続けておくのが良かったと後悔する。

 

 

―前へ、前へ…………

 

 

―パァン!!!

 

 

「あ…………うぐっ」

 

「まだ……まだぁ!」

 

 

 銃声が鳴り、衝撃が身体全体に走る。辛うじて体勢を整え直すと、前に進む。どこかに被弾したのを感じるが、確認する余裕はない。幸か不幸か、自分の身体を動かすのに異変は無い。牽制がなくなり、反撃ができない状態になった俺は、一刻も早く進むしか手はないのだ。

 

 

「これで、終わりだぁ……!」

 

 

―カチャリ

 

 

 と、倒れ込むように、床にある突起を踏みつけ音が鳴る。

 待望の罠だ、運命の審判を待とうとすると、突然重力を感じなくなる。

 地面は割れ、下の部屋……そしてベッドが見える。人を抱えているから、受け身も取れない。そのまま無抵抗に落下した。

 

 

「それじゃ……あばよおおお!」

 

 

 絞り出すように、後ろの二人に向かって別れの挨拶を行い、そのままベッドに着地。なんとか、体勢を整え姫萩先輩を上からの射線から逃し、ぐったりした姫萩先輩を部屋の隅で寝かせる。そして、先輩の所持品であるスタンガンを拝借した。

 万が一、矢幡と男の二人組が落ちてきた場合……落ちたタイミングの一瞬の隙を逃さず、男をスタンガンで気絶させ、次に矢幡と至近距離で交戦する必要があるからだ。

 

 

「ハァハァハァ……」

 

 

 二人の乱れた息と自分の鼓動がやけに大きく感じる。一瞬の時間が、とんでもなく長い時間に感じられる。

 そして、足音が落とし穴に到達する頃には、既に天井が閉じられていた。再び開くかもしれないと警戒するも、そのような様子は無い。

 一度発動すると、二度は発動しない罠なのか……?

 

 更に暫くスタンガンを構え、ようやくそれを降ろす事ができた。

 

 

―……逃げ切った?

 

 

 そして、姫萩先輩の方に振り返り。僅かに感じていた安堵が粉砕された。

 床は真っ赤な水溜まりができ、それは現在進行形で広がり続けている。素人目でも、それが致命傷なのは明らかだった。

 

 

「……っ!? 先輩!」

 

 

 救急箱から包帯を取り出し、失礼して制服を脱がせていく。

 所謂、女性甘いの臭いは全く感じられず、血の独特な臭いだけが場を支配する。被弾箇所は2ヶ所、最初に確認したのは背中の左端寄りで貫通もしている。だが、新しく出来た銃創は背中の上部中央付近。恐らく肺に到達しており、しかも、貫通していない。弾は未だに体内に残ったままだ。

 ……彼女を、背負っている時に受けた衝撃はこれのことだったんだろう。

 

 

 血はとめどめなく流れ続け、抑えている包帯が真っ赤に染まる。

すぐに新しい包帯に取り替えるが、結果は変わらない。理性では分かっている、もう助かりようがないと。例え、どんな名医でも、最新の医療機器が万全に揃っていたとしても。

 

 

「川瀬……さん」

「先輩……」

 

 

なんて声を掛ければ良いのか、そもそもどこで間違えたのか……どこから間違えていたのか。それとも、間違いを積み重ね続けてきたのか。

 恨み言を言われるなら、別に構わない。

 最後の言葉になるかもしれない、姫萩先輩の言葉を待った。

 

 

「私を……殺してください」

 

「嫌です」

 

「私はもう、たすから……な」

 

「死ぬのであれば、御剣先輩に殺されてください。ここで、貴方が死ねば、御剣先輩は首輪の解除手段を失うんですよ!?」

 

 

 死の間際に他者の身を案じる。

 もっと自分本位な事を言って欲しい……という俺の気持ちとは裏腹に、その気持ちが分からない訳ではない。

 姫萩先輩は自分の終わりを悟り、最後に何かを遺せないかあがいている。短い付き合いではあるが、彼女がそういう人間なのは分かっている。

 ……だからこそ、こんなゲームで死んで欲しくないのだ。

 

 

 どうすれば良い?

 姫萩先輩の思いを叶えるのが、良いのか……。

 ほんの少し、悩んでいる間にもどんどんと血は流れていくというのに。

 

 

「川瀬、さんは……優しい、ですね」

 

「……俺は、自分本位なだけですよ。俺は姫萩先輩の命を背負って、これからの人生を生きたくなりません。心に傷跡を残すなら、想い人にしてください」

 

「……ふふふ、アニメの、見過ぎ……です」

 

 

 ケホっと血を吐く。

 なんとか、姫萩先輩を抱きかかえ、部屋の外の通路に移動する。……誰も居ない。近くに御剣先輩がいるなんてミラクル……発生する訳がない。

 力無く、姫萩先輩を床に横たえ、彼女の手を握る。……始めて握った彼女の手は非常に冷たかった。

 

 

「いままでの人生……何も、良い事は、無かった。でも、最期の最期で、初めて……信じられる人が……できた。だから……だから……」

 

「……」

 

「このゲームに……参加できて良かっ、たです。ありがとう……ござ……」

 

 

 そして、沈黙。

 何も聞こえない。力を失い、急速に冷たくなっていく姫萩先輩の手。

 姫萩咲美という人間と、短い付き合いである俺には、その言葉の意味は分からない。もっと、彼女と話をすれば良かったという後悔の念が湧いてくる。

 彼女の顔は非常に穏やかだった……だが、いくらなんでも、これはあんまり過ぎるのではないのではないか? 

 人の死を見るのは二回目、だが受ける衝撃の比は1回目のそれとは比較にすらならない。……死に顔の印象は全然違うというのに。

 

 

 自分はもう少し何かができる人間だと思っていたし、多分、姫萩先輩を助けたのもその延長だ。それが、結果的に彼女にとっての救いになっただけ。しかも、肉体的には何も守ることができなかった。

 もしも、事件にさえ巻き込まれれば、活躍できると思っていたし、その準備も自分なりにしてきたつもりだった。しかし、現実はどうしようもなく、ただただ翻弄されるだけだった。

 

 PDAからアラームが鳴る。

 取り出し力無くソレを眺めていると、画面が少しずつ変化していく。

 

 

「……」

 

 

―『エクストラゲーム』?

 

 

 無機質だったPDAの画面が、何故か陳腐な装飾を施された一昔前のRPGゲームのスタート画面のようになっていた。

 そして、何も押してないのに画面が変化し、あるキャラクターが出てくる。ハロウィンでよく見るジャック・オー・ランタンを3等身にデフォルトしたようなキャラクター。所謂、マスコットキャラクターという奴だ。

 

 

 ジャック・オー・ランタンは軽快な音楽に乗って、ステップを踏みながら画面の端から中央に向かって進んでいる。

 そして中央に辿り着くと、画面上部に登場した『start』という文字を指さす。

 

 

「ゲーム主催者からのアクション……か」

 

 

 それがありえない願望であることは分かっている、だが姫萩先輩をここからでも救う手段があるなら……という希望を持って、スタートボタンを押した。

 

 

 すると、画面が一度全て消え、ジャック・オー・ランタンが大写しになる。そして、音楽の音量が上がる。

 

 

『お楽しみ! エクストラッゲーィム!』

 

 

 怪人は文字付きで喋り始める。

 あえてコミカル調にすることで、参加者のヘイトを買うというレベルの低い虐めなんだろうと理解した。ペナルティの時も似たような文体だったということもある。

 

『やぁ、僕の名前はスミス! このゲームのマスコットキャラクターを務めているよ! これを見ているお友達、初めまして!』

 

「……」

 

『……ん~、元気が無いぞ。もう一度! 初めまして!』

 

「覚えてろ、必ずお前の中の人に到達する……覚悟しろ」

 

 

 更にもう一度。思わずPDAを叩きつけて破壊したくなってしまう。だが、それは流石に駄目だ。言葉ににじみ出るだけに留めた。

 

 

『おう、怖い怖い。そんな怖い君達に朗報だ! ずばり! 仲間を殺して、ボーナスゲット!』

 

 

「……は?」

 

 

『裏切りのタイミングを見計らっていた諸君、その判断は正解だ! 今裏切れば、数々の特典が……! 初回特典付きだよぉ!』

 

 

―ピロリンピロリンピロリン

 

 

 姫萩先輩が持っていたPDAが鳴る。俺のは鳴っていない。

 それが意味することは、即ち……。

 

 冷たくなった姫萩先輩のPDAを受け取る。

 そこに書かれていた文字は【生存者数11名】。 

 恐らくは、姫萩先輩の命の灯火が消えたのだろう。

 

 

『具体的にはゲーム開始6時間以降から、2時間以上行動を共にしたプレイヤーが死亡した場合、君の欲しがっている物をお渡しするよ! …………って、はやい! はやいよ!! 初回特典は売り切れました!』

 

 

「……ふざけやがって」

 

 

 自分でも出したことのないような冷たい声が出る。 

 姫萩先輩の死が利用され、汚されたようで狂いそうな怒りが襲う。違う、狂ってしまいたかった。目の前で、穏やかな顔で倒れている姫萩先輩がいなければ、もっと取り乱したかった。

 

 

『ボーナスが気になる人が居たら、個別でメッセージ送るからね! 期限は今から1時間! この放送が終わったら、最初のプレイヤーにボーナスの内容を個別に送信するよ!』

 

 

「…………」

 

 

 ボーナス。

 つまり、武器……追加ソフトウェアか。

 皮肉な話だ、それを狙っているのだろうというのは分かる。

 守るべき人が居なくなってから、誰かを守り殺す為の武器を配布する。

 これが彼等のやり方なのだ。

 人の心がない、というのも違う。俺達を人間だと思っていないのだろう。俺達はただの……ゲームの上の駒に過ぎないのだ。俺がいつも、ミステリー小説や映画を見ている時のように……。ゲームでキャラクターを、操作している時のように……。

 

 

 

―ピロリン、ピロリン、ピロリン

 

生存者10名

 

―ピロリン、ピロリン、ピロリン

 

生存者9名

 

 

 無機質にPDAが鳴り続け生存者は減り続ける。

 完全に同タイミングで、同じように誰かが死ぬとは思えない。裏切ったんだろう……誰かが誰かを。

 ボーナスがメインなのか、同行者を信じることができなかったのか、そこまでは分からないが……。

 

 

「ははは……なんだよ……この、追加ソフトウェア。完全に、外れじゃないか……」

 

 

 涙声が混じった言葉を出し、全てを理解する。

 今までは気楽に誰かを信じることができた。それはもうできない、誰かに信じられることも、誰かを信じることも……。

 ゲームの均衡は崩れた。

 これが本当のゲームの始まりなのだ。

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