エヴァの世界に転生したら新劇のアスカだった件について 作:レボルト
投稿頻度は遅いですが何とか頑張っていきたいと思います!これからもよろしくお願いします!
ちなみに今回は長めになってます。
「ふわぁ…結局、あれから全然寝れなかった。。」
未だに重い瞼を擦りながら田んぼに挟まれた道を歩く俺こと式波・アスカ・ラングレーもどき。
再び襲いかかる眠気に俺は欠伸が出そうになる。我慢するがそれも空しく結局、さっきよりも一段と大きな欠伸が出かけていたその時。
「レーンちゃん!!」
「ゴファ!?」
背中から強烈な一撃を食らい顔面からモロに行きそうになるがなんとか踏みとどまって強烈な一撃を食らわせてくれた張本人を睨みつける。
「イヤ~ン。レンちゃんが私を獣みたいな目で睨んでくる~食べられちゃうんだ~」
「寝不足で機嫌が悪いの知っててやってるでしょ…」
「えー、ルイそんなこと知らな~い。」
と、ぶりっ子風に喋っているこの女の子は夜神ルイ。俺の親友。何も知らない俺に話しかけ、この世界では俺の初めての友達となってくれた人だ。
今のような強烈な一撃はこの子が私に背面からタックル抱きつき(私が名付けた)をしてきたから。ついでにこのイラッとくるような態度も多分、私を元気づけてくれる為だろう。というかそう思ってないと殴りそう。
「そんなことより、レンちゃん!」
「何?」
「おはよ!」
「……はぁ、おはよ。」
朝の挨拶も済ませ俺とルイは一緒に歩きだした。ちなみにさっきからルイが俺の事を「レンちゃん」と呼んでいるがそれは俺の名前だ。
式波レン。式波・アスカ・ラングレーという名前は長いしあまりにも目立つ。だから式波という苗字とラングレーからレとンを取り出してレン。安直だがいい名前だと自画自賛した……そう思わせて下さい。
ちなみに歳は12歳。今年、小学生六年生に上がったばかりだ。
(あれから六年…か。)
六年前、俺が今住んでいるこの山に囲まれた田舎の診療所で目が覚めた。どうしてあんな所で目が覚めたのか、そしてこの体になっているのか理由は分からない。
というより何故だか思い出せない。六年前以前の記憶が全くと言っていいほどないのだ。そう、つまりは俺は記憶喪失になっている。
その時も俺は自分が何者なのか全く分からなかったし何なら名前すらも思い出せなかった。
(六年かけてようやく思い出せたのが自分の元々の性別とこの体の元の持ち主、そしてこの子がいた世界がどんなところかくらいなんてね。)
「ほんと、嫌になるわ。」
「レンちゃん?何が嫌になるの?」
ルイが心配そうに俺の顔を覗き込んできた。どうやらボソッと呟いたつもりが聞こえてしまっていたらしい。ネガティブな考えを振り払いさっきのお返しにルイの頭を思いっ切り掴んで握りつぶすように力を込めてアイアンクローを決める。
「あんたの毎朝のタックルによ!」
「痛い!?痛い!?痛い!?レンちゃん!ギブ!ギブギブギブギブギブギブ!?」
アイアンクローを決めている腕をルイが必死に叩く。数分くらいアイアンクローをお見舞いして俺はルイの頭から手を離した。
手を離した後もルイはしばらく痛みに悶えいた。
「レンちゃん、自分の力を分かってる!?高学年の男子すら返り討ちにする子のアイアンクローなんか洒落にならないからね!?」
「あんたのタックルに比べたら可愛いもんでしょ?言っとくけどあれ、マジで腰に響くんだからね!?」
と、大げさには言ってはいるけど正直に言うとそこまでダメージはないんだよな。多分、向こうも同じだと思う。だって時折体震えてるし、きっと笑ってると思う。
「もう!レンちゃんの馬鹿!」
「はいはい、私は馬鹿ですよ。ほんじゃ、先に学校行くわね。」
そう言って怒っているルイを置いて早足で道を歩き始める。後ろからルイが「待ってよ~」と言いながら走ってくるのをわざと無視して足を止めずに歩く。
怒りながらも追ってきたルイを宥めながら俺は一緒に学校に向かった。
小学生について自分のクラスの教室に着いたのでルイとそこで別れる。5年間、ルイとは一緒のクラスだったのだが六年生になって別々となってしまった。
「そんじゃ、また放課後ね。」
「うん!また放課後!」
そう言いながら笑顔で自分のクラスに向かうルイの背中を見届けて俺も自分の教室に入る。
教室には既にクラスの大半が集まって仲良く話していた。
「あ、レンちゃん!おはよっ!」
「うん、おはよう。」
クラスの一人が俺の存在に気が付いて挨拶してきたから俺もそれを返す。それをきっかけにクラスにいたほとんどの生徒達が挨拶をしてきたからそれら全て返してから自分の席に着いた。
「あ、ヤバ…筆箱忘れた。」
教科書を取り出している最中に筆箱を入れ忘れてることに気が付いた俺はどうしようか頭を悩ませる。いつもはこんなことないのだが朝のあれが影響したのか珍しく忘れ物をした。
(ルイに借りてもいいんだけど…あの子に貸しを作ると後々ウザいのよね。)
「はぁ、仕方ない。ルイに借りに「あ、あの…」ん?」
声をかけられてその方向を見ると黒髪の男の子が俺の隣に立っていた。俺は今までこのクラスの中でこんな子を見たことがなかった。もしくは影が薄くて存在に気が付けなかっただけなのかも知れないが。
「え、えっと…」
「あ、その…なんか困ってるみたいでえっと…その、良かったらこれ、使って下さい。」
そう言って男の子が差し出してきたの鉛筆数本と消しゴム。どうやら俺が筆箱を入れ忘れてることを知って自分の鉛筆と消しゴムを貸してくれるみたいだった。俺は断ろうと思ったがせっかくの善意を無碍になんて出来ずそれを受け取った。
「ありがとう。大切に使わせて貰うね。」
「…………」
俺のお礼の言葉を聞いた男の子は何も言わずに俺の隣から去って行った。俺はこの時、あの子の名前とクラスを聞くのを忘れ後悔した。
(ま、貸してくれたって事は同じクラスだし後で改めてお礼、言わないと。)
――キーンコーンカーンコーン!
その時、チャイムが鳴り響きそれと同時に担任であるおじいちゃんが入ってきた。そしてそのまま、朝の会と点呼をして1時間目が始まったのだった。
あれから特に何もなく結局、男の子とも会えずに時間だけが過ぎ去ってしまい気が付けば帰りの会になっていた。
「起立、気を付け、礼!ありがとうございました!」
「うむ。皆、気を付けて帰るんだぞ。」
そう言っておじいちゃんが出て行きそれまで静かだった教室が一気にうるさくなる。
そして教室から仲良く友達と話しながら人が出て行き俺もそれにならい教室から出て行く。
「レ~ンちゃん!」
そこでルイから声をかけられ俺はそっちの方を向くと相変わらず元気でニコニコしたえがおを振りまきながら俺の腕に飛び付いてきた。
「相変わらず帰るときも元気よねあんた。」
「もっちろん!元気だけが取り柄だから!」
と、胸を張って自慢げに言うルイ。俺はその態度に軽く返して廊下を歩こうとしてあることを思いだした。
「そう言えばルイ。あんた、黒い髪の男の子知ってる?」
「黒い髪の男の子?レンちゃん、この学校にどれだけいると思ってるの?特徴とかないの?」
この時、俺も言葉が足りなかった事に気がつく。あの子の特徴を思い出すように顎に手を当てて考える。
「なんか暗くて内気な感じで…あ!女の子みたいな子なんだけど。」
「う~ん、そんな子…いたかな~?」
ルイも知らないのかう~んと眉間に皺を寄せながら考え始めた。意外とルイは情報通でどこから仕入れてくるのか俺の知らない情報をわんさか手に入れてくる。
そのルイが知らないとなるとかなり見つけ出すのは難しい。これはどうしようと考えていた時、ルイがいきなり大声を挙げたのでビックリした。
「思い出した!最近転校してきた子がいてね!その子が確かレンちゃんが言ってた子とそっくりなの!しかもその子ね、レンちゃんと同じクラスだったはず!」
「ふ~ん、だったらまだ教室にいるのかな?」
ルイの情報通りならまだクラスにいると思うからまた教室に入ろうと振り返ろうとしたらルイに掴まれていた腕の締め付けが強くなった。
ルイに掴んでいる腕を離して貰おうとルイの顔を見たら下唇を噛んで黙っていた。
俺はそんなルイの顔を見てただ事ではないことを察した。
「……ルイ、その子今どこ。」
「レンちゃん…あのね。」
「…ルイ。」
俺のその言葉にルイは渋々と言った感じで腕を放してくれた。
「……体育館裏。四人に囲まれながら連れて行かれてた。」
「…分かった。」
俺は背負っていたランドセルを下ろしてルイに預ける。そして、ルイが言っていた体育館裏へ向かおうとしたらルイがまた手を握ってきた。
「…ルイ。」
「何も…何も言わない。だけど、お願い…無茶だけはしないで?」
ルイは今にも泣きそうな顔だった。俺はそんなルイの頭を撫でて微笑む。ルイはそんな俺の顔を見て握っていた手を離してくれたのでルイをその場に残し俺は体育館裏へと向かった。
ルイの情報通り、体育館裏にその男の子はいた。周りを四人の男子に囲まれ殴る蹴るの暴行を受けながら。その光景に俺は拳を握る。
その男子達を俺は知っていた。アイツらは以前にもこんな行為をしていたのだ。その時の標的が……ルイだった。だからルイがあんな顔をしていたのだ。自分が受けていた暴力を思い出してしまったから。
(アイツら…懲りてなかったんだな。)
握る力を強め俺は男子達に近付いていく。
男子達は男の子に暴力を振るうのに夢中で俺のことに気がついておらず俺はリーダー格の奴の肩を掴んだ。
「あぁ、なん……ゴフッ!?」
リーダー格の奴が振り返り言葉を言い終える前にそいつの顔面に一撃、お見舞いしてやるとそいつは鼻血を出しながら地面に倒れた。
リーダー格の奴が倒れたことにより気が付いたのか男の子に暴力を振っていた奴らが一斉にこっちを向いた。
「なっ!?式波!?な、なんでお前がここに!?」
「……あんた達、まだこんな事やってたの。ルイの時にボコボコにしたはずなのに…懲りないわね。」
俺の姿を見た一人が怖じ気づいたように声を出した。
俺は怒りをなんとか抑えながら声を出すがそれでも隠しキレてないのか数人がヒッと怯えた声を出していた。
しばらく誰も動かなかったが一番最初に殴り飛ばした奴が起き上がった。前は一撃で沈んでいたというのに無駄なところで成長しているようだ。
「式波ぃ…また、俺達の邪魔しやがって!」
「あんた達がくだらないことしてるからでしょ。ルイの時に言ったはずよね?今度、こんなことしてたらただじゃ置かないって。いい加減大人になりなさいよ。」
「うっせぇ!お前ら、やれ!」
リーダー格の奴が怒りながら周りにいた取り巻きにそう言うと、取り巻きの連中は戸惑いながらも俺に殴り掛かってきた。
一人が大振りのパンチを放つが横にステップして避けてから勢いを利用してそいつの顔面に拳を放つ。俺の放った拳を避けきれずモロ顔面に喰らったそいつはリーダー格と同じように鼻血を出しながら地面に倒れ鼻を抑えて悶え始める。
「一人。」
「うらぁ!」
後ろから声を挙げながら一人が蹴りを入れてきたが頭を下げてそれを回避、残った片足を払うとバランスを崩して倒れ込んだ。
そこに追い打ちをかけるように横腹に蹴りを入れた。そいつは蹴られた横腹を抑えて痛みにより起き上がることが出来なかった。
「二人…奇襲するなら大声を出さないことね。」
忠告ついでにそいつにそう言って俺は残った奴らに視線を向ける。その時、俺は何か違和感を感じた。そして即座に違和感の正体に気付く。
さっきまで鼻血を垂れ流していたリーダー格の奴がいない。その事に気が付いた俺は辺りを見回そうとした瞬間、後ろから羽交い締めにされた。
「おまえっ!?」
「お前が教えてくれた事だぜ?奇襲するなら声をあげないことってな!」
俺を羽交い締めしながらリーダー格の奴が笑いながらそう言う。俺は必死にそいつの拘束から抜け出そうとするが今の俺は小学生六年生の女の子に対して向こうは男子、力の差は歴然で抜け出すことが出来ずに至る。
「おらぁ!」
「ゴッ!?カハッ!?」
突然、腹部に強い衝撃を受けて俺は胃の中身を吐き出しそうになるがなんとか堪えて正面を見ると残っていた取り巻きの一人が拳を握って笑っていた。
今の衝撃はこいつに殴られたのだ。俺が後ろで捕まえてるこいつに気を取られている内に近付いて俺の腹に一撃喰らわせたのだろう。
「…女に手を出すなんて、最低。」
「ハッ!何とでも言いやがれ。お前にはいつぞやの恨みがあるからな!」
目の前のそいつはそう言って拳を振りかぶった。今度の狙いは顔だろう。この状況を破る手立てを考え始めたその時だった。
「うわぁぁぁぁ!!!」
「…こいつ、まだこんな元気が!?」
殴られて倒れ込んでいた男の子が拳を振りかぶっていた奴の腰に大声を挙げながら掴みかかった。そいつはその事に驚き一瞬、男の子に意識が向いた。
俺はせっかく作ってくれたチャンスを逃しはしないため、俺は羽交い締めにしているリーダー格に後頭部で頭突きを喰らわせる。幸い俺と羽交い締めにしているリーダー格の身長は同じなので放った頭突きはきっちりそいつの顔面に直撃した。
「ウゴッ!?」
そのおかげで拘束が解けたのでサッと抜け出してそいつの急所に蹴りを入れる。ここをやられると大抵の野郎は沈む。こいつもその例に漏れず急所を抑えながらその場に座り込んだ。
俺は即座に男の子の方を向くと馬乗りされてお殴れようとしてた。咄嗟に駆けだしてほんの少し手前で飛び上がり、馬乗りしていた奴の背中にドロップキックをお見舞いしてやった。
ドロップキックを喰らったそいつは地面に思いっ切り頭をぶつけてそのまま泣き始める。
「はぁ、はぁ…ったく手間かけさせんじゃないわよ。」
男の子を虐めていた奴らが襲ってこないことを確認した途端、力が抜けて座り込んでしまう。それと同時に殴られたお腹が痛み始めた。痛むお腹を抑えると視線を感じたので前を見ると男の子が心配そうに俺を見ていた。
「あ、あの…大丈夫?」
「え…あ、ああ平気平気。これぐらいはなんともないわよ。」
お腹が痛むが無理矢理笑顔を作ってみせると男の子は安心したのか息を吐き出して視線を下に向ける。
「…どうして」
「え?」
「どうして僕を助けたんですか?君とは全く無関係なのに…」
男の子は俯けながら俺にそう聞いてきた。見れば体が小刻みに震え裾をギュッと握って何かを耐えるような感じがした。
俺はそんな男の子を見てわざとらしく考え込むフリをしてその理由を言った。
「…鉛筆と消しゴム。」
「え?」
それが男の子の問いに対しての俺の答えだった。そんなのが理由で自分を助けたのが不思議なのか俯いていた顔を上げて目を開いて見つめてくる。
俺はそんな男の子の顔を見ながら頬を掻きながら顔を背ける。
「…借りた物はちゃんと返さないといけないし。」
「…………」
アホらしいと思われたのか何も言わなくなってしまった。しばらく沈黙が続くかと思っていたら
「レンちゃん!!」
ルイの声が聞こえた。俺はまさかと思い声のした方を向くとそこにはルイが数人の教師を連れていた。ルイは一目散に俺の方に来ると抱き付いてくる。
「良かった!良かったよぉぉぉ!」
「あ、あのルイさん?苦しいんだけど~」
今までにないくらい強い力で抱きついてくるルイ。状況が状況なために引き剥がすことも出来ないので渋々抱きつかせておくことにしてルイごと立ち上がる。
周りを見回すと教師達が虐めていた奴らを立たせて連れて行っていた。こっちにも教師が一人来て話を聞きたいと言って来たので今度こそ嫌がるルイを引き剥がして俺は教師の後ろをついていく。
だけど、その前にとあることを思いだして後ろを振り返り座り込んでいた男の子に手を差し伸ばした。
「立てる?えっと……」
あんたと言うわけにも行かずしかし、この子の名前を知らないためにどうしようか迷っていたらその子は俺の手を取って立ち上がった。
「シンジ…僕の名前は碇シンジ。」
「シンジね。私はレン。式波レンよ。」
俺と黒髪の男の子、シンジは自己紹介をして俺は教師に連れて行かれシンジはルイと共にその場に残ることになった。
だがこの時、俺はシンジの名前を聞いてとあることを忘れていた。それを思いだしたのは全部が終わって家に帰ってきた時だった。
「あぁ、もう!私の馬鹿!なんで今更気が付くのよ!」
家の壁に頭を打ち付けながら俺は絶望した。
碇シンジと言えば今の俺の体であるアスカと同じ世界で最も重要な人物の名前だ。そして、それにより導き出される答えは一つ。それは俺が前々からもしかしてとは思っていたものの確証が得られなかったために切り捨てていた事。
しかし、今やそれが確証を得たことにより確実な物となった。それは
「まさかほんとに
俺はその事実にただただ項垂れるしか出来なかったのだった。
次回予告
レンとシンジの邂逅から数年。
中学生となった彼ら。シンジに付き添い第三新東京市へと向かうレン。
そこでとある出来事に巻き込まれる二人の少年と少女!彼らの運命はいかに!?
次回!転生したらアスカだった件について!強襲!第三新東京市!
次回も!サービスサービスゥ!