エヴァの世界に転生したら新劇のアスカだった件について 作:レボルト
この話はちょっと新手のスタンド攻撃を食らって数年の時が飛んでます。前編と後編に分けて書きます。ちょっと自分だと一気に書くことが出来ないので…
あと、主人公の一人称ですが俺から私に変更しました。そのうち、二話の方も修正したと思います。
それでは第三話、どうぞ!
雲一つない晴天、太陽によって熱された地面が陽炎を生み出し、静まりきった街並みに蝉の声だけが響き渡ッていた。
そんな町に中学生くらいの少年と少女が居た。1人は少し長めの黒い髪をうなじの近くで束ね、白いYシャツと黒い制服らしきズボンを履いた少年。
もう1人は黄土色掛かった金髪をポニーテールに緑色のショートパンツに赤、黄、白のタンクトップ、腰には黒い薄手の上着を腰に巻き付け赤い縁の眼鏡を掛けた少女。
少年はオレンジ色の公衆電話でどこかにしきりに電話を掛け、少年が電話している間、暇なのか近くで二回ほど片足跳びで飛びながら三回目に両足で着地する……いわゆる“けんけんぱ”と呼ばれている遊びを1人でやっていた。
「シンジ、まだかかんないの? まさか、携帯までかかんないとかないよね?」
やがて1人で遊ぶのに飽きたのか少女が両足で着地したと同時に少年の方に振り返り詰め寄りながらイラついた表情で少年に聞く。
シンジと呼ばれた少年は少女の問いに答えず、受話器を耳に当てたまま黙っているが溜め息を一つついて受話器を元の位置に戻し少女の方へと振り返った。
「そのまさかだよ。どこも特別非常事態宣言発令のため、だってさ」
「That ファッムグッ!?!?」
「……レン、女の子がそんな汚い言葉を使わないの」
シンジの報告を聞いた少女、レンはイライラが限界に達していたのか女の子が口にしてはいけないような事を言いかけそれをシンジが口を塞いで未然に防ぐ。
暴れながら何か言っているレン。しかし、口をシンジの手が抑えているためモゴモゴとしか言えず言葉になっていなかった。シンジはその状況を溜め息をつきながら空いている方の手でポケットから写真を取り出す。
写真には黄色いタンクトップにホットパンツの一人の女性が前屈みになっている状態で写っていた。写真には他にも『シンジくん江、私が迎えに行くから待っててネ!』という文字とキスマークが付けられていた。
(レンにまで迷惑掛けてやっぱり来なきゃ良かった……)
その写真を眺めながらシンジは心の中でそう呟いた。その時、シンジは腕を軽く叩かれたため写真から腕へと視線を移す。
「ひょろひょろふぁなひてほひぃんひゃけど」
シンジの腕の中ですっかり大人しくなったレンが腕を叩きながらそう言う。
シンジは「あ、ごめん……」と言いながら抑えていた手を離した。解放されたレンは大きく深呼吸をして体に新鮮な空気を取り入れる。そして、何か思いついたのかニヤッと悪い笑顔をし始める。
「いきなり口を抑えるなんて……もしかして、私に乱暴する気だったの?」
「は、はぁ!?」
「ま、しょうがないよね。シンジ君も男の子だもんね。そんな写真見せられて、隣にこんな美少女がいたらそりゃ欲情しちゃうもんね~」
そう言いながら自分の肩を抱いてシンジから距離を取る……しかし、その顔は先程のような悪い笑顔が健在のままだった。この後のシンジの反応を楽しみに待っているレン。
だがレンの期待は裏切られる。シンジは別に恥ずかしがる素振りも見せず、逆に何かに怯えたような表情を見せたからだ。
「……レン、頼むから冗談でもそれやんないで。もし、知られたら僕がこの世から消されるから」
「あ、はい……すいません」
俯きながらそう言うシンジのガチで怯えている声音にレンはさっきまで弄り倒してやろうという考えが吹き飛び自然と敬語になって謝った。
その理由は今、この場にいない人物が原因なのだが関係ないのでここでは語らないことにしよう。
「コホン……と、とりあえず待ち合わせは諦めた方がよさげね」
レンはわざとらしく咳をするとまだ怯えているシンジに向かってそう言う。
その言葉にシンジはビクッとなりながらさっきまでの怯えた表情からいつもどおりのちょっと情けない表情に戻す。
「……そ、そうだね。この人には申し訳ないけど僕達もシェルターに行こう」
「OK。善は急げってね、さっさと行きましょ」
シンジは写真にもう一度目をやってポケットにしまい足元に置いていた荷物を担ぐ。その時、不意にシンジは視線を感じた。最初はレンかと思ったシンジだったがレンは荷物を取るために自分の後ろにいるので違うと分かった。
すると、自分達が居る場所から少し離れた場所にシンジ達と同じくらいの少女が立っていることに気が付くシンジ。少女はその赤い瞳でジッとシンジを見つめていた。
「シンジ~? 何、ボサッとしてんの?」
「え? あ、ごめんごめん」
不意にレンから声を掛けられシンジは一度レンの方に目を向け返事を返してから少女のいた方を向くもそこには誰もいなかった。
シンジは暑さにやられたかな? と考えていた瞬間、凄まじい轟音と衝撃波が二人を襲った。
「……一体何が」
起こってるんだと言いかけたシンジは目の前の光景を目にして固まってしまう。シンジが目にしたのは数十機に及ぶVTOLと呼ばれる戦闘機に連れられるように姿を現した巨人だった。
黒い巨体に細い手足、首のような部分がなくその代わりに頭部と思わしき箇所には仮面が、胴体の真ん中には赤い球体のような物が埋め込まれていた。
その巨人に周りで滞空していたVTOLはミサイルを放ち攻撃を仕掛ける。二つのミサイルがシンジの横を通過して巨人に直撃するが一向に効いている気配がしなかった。
そんな現実離れした光景にシンジは頭の中が混乱してしまい何も考えれなくなっていた。
「シンジ!」
その声にシンジの意識が現実に引き戻される。レンがシンジの肩を掴んで揺り動かしていたのだ。
レンはシンジが正気に戻った事が分かると安心して息を吐いた。しかし、背後を振り返り舌打ちをするとシンジの肩から手を離してその場を駆け出す。
「走るわよ!」
「え……あ、うん!」
未だに状況が飲み込めてないシンジだったがひとまず置いてレンの後に付いて走る。
その直後、レンの目の前にVTOLが墜落してくる。それによりレンの足が止まる。シンジ達の背後にいた巨人がフワリとその巨体を浮かび上がらせ墜落していたVTOLに追い打ちをかけるように踏み潰す。
「やば……」
「レン!」
VTOLが爆破する直前、シンジが担いでいた荷物を全てその場に捨ててレンの元へと走ってレンを守るように抱きしめて自分を盾にしたと同時に踏み潰されたVTOLが限界を迎えて爆発する。
爆破の影響で飛び散った破片が四方に飛び散りその一部がシンジに突き刺さる。
──事はなく、その直前に一台の車がドリフトをかけながら爆発とシンジ達の間に庇うように停車する。その車のドアが開き中からサングラスをかけた女性が姿を現す。
「ごめ~ん、お待た……」
女性は
そして、同時に女性は驚いていた。だがそんなことなどシンジに察する暇などない。咄嗟の判断でレンを抱えて車に向かうと開いたドアからレンを助手席に放り込み閉めると自分は後部座席に乗り込む。
その間にも残ったVTOLは巨人に対して攻撃を続けていた。
「出して下さいッ!!」
「あぁ、もうッ! 二人ともしっかりつかまってなさいよ!」
シンジが叫ぶと女性は車を急発進させる。巨人に直撃したミサイルの破片が車の屋根の部分が凹ませるが構わず巨人の足が3人の乗せた車を踏み潰す前に動き出し、3人はその場を逃げ切るのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
一方、地下に作られたとある機関の施設。その発令所にある巨大なモニターを軍服を着ている3人の人物が食い入るようにして見ていた。
そこには先程の巨人がミサイルや戦車からの砲撃、大型の爆弾を喰らうも平然と佇んでいる風景を写しだしていた。
「何故だ! 直撃のはずだ!」
モニターを見ていた一人が叫びながら机を叩く。大量の煙草が乗った灰皿がその衝撃で揺れる。
「戦車大隊は壊滅。誘導兵器も砲爆撃もまるで効果なしか……」
「ダメだ! この程度の火力ではラチがあかん!」
「やはりA.T.フィールドか」
激昂している3人の背後で同じくモニターを眺めていた初老の男性が呟く。
「ああ。使徒に対し通常兵器では役に立たんよ」
その隣、座ったまま肘をつき顔の前で手を組み、狼狽している3人を静観していた眼鏡の男が男性の呟きに答える。
直後、電話がなり一人がそれを取る。
「分かりました。予定通り、発動します」
男はさっきまでの狼狽した態度を隠しながらそう言った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
シンジ君と初めて知り合ってから数年の時が過ぎ、私は中学二年となりシンジとはあの出来事がきっかけで話すようになり友達となった。今ではルイと同様、私の大切な親友だ。それからシンジ、ルイ、私の三人で行動することも増えた。そして、今日私はシンジ君と共に第三新東京市に向かおうとしていた。
ちなみに私が何で、第三新東京市に向かおうとしているのかというとシンジ君に頼まれたからだ。
私はその申し出を条件付きの二つ返事で了承し第三新東京市に向かおうとしていたらさっきの特別非常事態宣言が発令されて第三新東京市から何個前の駅で降ろされて今に至る。
だけどさっきは正直、死んだと思った。目の前にVTOLが堕ちてきた上に巨人、使徒がそれを踏み潰したときは走馬灯まで見えてしまい諦めてしまっていた。
(いくら分かっていたとは言えやっぱり間近であんな事が起こると怖いわ……)
さっきのことを思い出したら今更ながら体の震えが起こり始める。そして改めて痛感させられる。この世界は紛れもなく新世紀エヴァンゲリオンの世界なんだ……と。
体を抱くようにして震えを止めようとしても一向に止まる気配がない。よくアニメとかで見る「頭では分かっているのに体が言うことを聞いてくれないんだ」とはこのことを言うんだね。
「レン? 大丈夫?」
「うぇ……あ、大丈夫大丈夫!」
シンジが心配して優しく声を掛けてくれたので返事を返したのはいいが変な声が出てしまった。しかし納得していないのかシンジの心配そうな眼差しを感じる。
「……そっか。だけど無理はしないでよね? いつぞやみたいに倒れられでもしたら心臓が幾つあっても足りないんだから」
「うっく……まだ覚えてたの? その節はお二人に多大なご迷惑を掛けたことは理解してますから」
シンジからの視線が痛い。おまけにちょっとやんちゃしたときの事を掘り返してくるもんだからそれ以上私は何にも言い返せない。
ふと、見守るような生暖かい視線を感じたから真横を見たら双眼鏡を持った写真の女性、葛城ミサトさんがサングラス越しにこっちを見ながらニヤニヤと微笑んでいた。
「今どきの子はすすんでいるわね~」
「「違います!!」」
「あらあら~謙遜しちゃってぇ」
ある意味、ミサトさんが予想していた通りの性格で良かったと思っている。だが断じてそんなことはない。否定の言葉を口に出そうとした時だった。
車が止まっている遙か向こう側。使徒の周りを飛んでいたVTOLが一目散に逃げていくのが目に入る。
「……逃げていく?」
「え? ちょっと……まさか、N2地雷を使うわけぇ!?」
「N2地ら「伏せてぇ!!」またかぁ!?」
シンジ君に続いて今度はミサトさんに抱き抱えられる。押し当てられたすごく大きい物に劣等感を感じていると目の前がいきなり真っ白になった。
そして次の瞬間、またもや耳をつんざく轟音が聞こえたかと思ったらいきなり世界が真っ逆さまになった。
それが乗っていた車が爆風で吹き飛ばされたのだと気が付いたのは窓から頭を出して爆発のあった方向を見てからだった。
「大丈夫だったぁ?」
車から何とか這い出て土を払っているとミサトさんが聞いてきた。
「えぇ、口の中がシャリシャリしますけど」
「……同じく。はいシンジ、水」
唯一持っていた荷物から水の入ったペットボトルを取り出して口の中をゆすいで砂を吐き出す。それをシンジに渡すと同じように口をゆすいで砂を吐き出した。
「そいつは結構。じゃあ、ちょっち手伝ってくれない? あぁ、あなたは良いわよ。そこで見てて」
シンジが呼ばれたから私も行こうとしたらミサトさんに止められる。仕方ないのでミサトさんに言われた通り、少し離れた所で二人が車を起こすのを眺める。
「行くわよぉ! せぇのぉ!」
掛け声と同時に二人が車を押す。一回では戻らず何回も押しているが中々戻らない。仕方ないので私も力を貸すことにする。
「私がやるわ」
「いいの! いいの! もうちょっち待ってて。すぐに戻すから」
「……レン、壊さないようにね」
「え、ちょっ!?」
シンジがミサトさんを連れてちゃちゃっと離れていく。いきなり連れて行かれたミサトさんが慌てるがシンジが関係無しに連れいった。
私はそれを確認して二人が離れた車の屋根の前に立つ。
「あらよっ!」
掛け声と一緒に運転席側の屋根に向かって回し蹴りを放つ。その一撃でさっきまでビクともしなかった車が何度かバウンドしながら元の平らな状態に戻った。
私は二人に対して自慢げに鼻を鳴らして胸を張る。ミサトさんはおぉ、と拍手しながら感心していたのに対してシンジは何でか安堵したように胸をなで下ろしてた。
「車を元に戻すだけで大げさよ」
「そう言って壊してきた物がどれだけあると思ってるの?」
「……あんた、最近私に対しての当たりが強くない?」
私の言葉にシンジが拗ねたようにそっぽを向いた。シンジのその態度にムカついたからそっぽを向いたシンジの下唇を掴んで引っ張る。
「イッダダダダダ!?」
「気のせいよ。我慢しなさい」
「まさかの暴君発言!?」
下唇をさすりながらシンジが涙目で私を睨んできた。私は睨むシンジから目を背けた。
「あらあら、お熱いことで」
「「だから違うって!!」」
本日二度目の声を重ねながらミサトさんに対しての抗議の声を上げる私達だった。
《後編に続く──》
読んで頂きありがとうございました!
おかしな所があれば遠慮なくいっていただきたいです!
ちなみに主人公は自分の元の性別とアスカの事、エヴァンゲリオンの世界のことは知っています。だけどその内容は覚えていない…つまりは記憶が無いってことにしています。
それでは次回は襲来!第三新東京市!(後編)でお会いしましょう!次回もサービスサービス!