原神の世界に転生したので自由に生きたい   作:ヘルメットのお兄さん

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かなり空きました、大体ドラゴンスパインのせいです。クリスマスまでに間に合わせようとしたら駄目でした。それと今日明日にでもクリスマスの幕間を書きたいと思ってます。


11 神の使い(自称)

 死ぬかと思った。

 ダダに言われるがまま紙袋を被ってウェンティ達の前に現れたはいいが直前になって巨人の槍が無いことに気づいて格闘戦にしても心得はないし相手は沢山いるしどうしようかと固まっていたらあっちから引き下がってくれた。

 それから転移で隠れるように逃げて今はダダもこっちに出してモンドの高台からウェンティを探している、とはいえ話しかけるにしてもこの時代のウェンティと俺は初対面、慎重に行きたいけど……

 

「全然見つからねぇ……」

 

『モンドにはもういないんじゃないか?』

 

 流石にそれはないだろうが、かれこれ数時間は探している。早計と言えばそれまでだがそれにしても見つからない、月も顔を出し始めもう降りようかと思った時ダダが反応を起こす。

 

『あっ、あの時の女だ』

 

「なに?」

 

 ダダの指した方向を見るとウェンティを庇っていた赤髪の女が兵士達に連行されているのを見つけた、暗い上に遠くて流石に顔までは見えないが確実に彼女だろう。

 

『あいつらどこに行くんだ?』

 

「牢屋とかじゃないか、足枷はあるし、罪状ならウェンティを庇った罪がある」

 

 ううむ……ウェンティを庇ってくれた事もあるし出来れば助けたいが、ウェンティを探したいのもあるし第一下手に脱獄させたら後々悪い展開に……そこまで考えると彼女達の近くに緑色の影が動いているのを見つける。

 

『あ、ウェンティだ』

 

「いったいどこにいたんだ……いや、それより助け出す気か? あいつ」

 

『そうかも』

 

 お人好しというかお神好し? 何にせよようやく見つけたのだからこれを逃す手はない。赤髪の女を尾行する緑の影に二人の影が追加だ、急いで向かおう。

 

 ▼

 

 冷酷な石の牢獄に閉じ込められたヴァネッサはただじっと目をつぶって静かに座っていた。自身の選択に後悔は無く、ただ分かり切ったこの先の未来を考える。その時ふと詩声がヴァネッサの耳に入ってくる。

 

sought in walls the poem♪ 

 

「!」

 

sought in prison the dream♪ 

 

 歌を歌いながらその人物……ウェンティはヴァネッサの牢の錠を開けると誇らしげに鍵をくるくると回す。そしてウェンティはヴァネッサの隣まで移動すると、とすっと座り込んだ。

 

「……」

 

「……」

 

「「……その」」

 

 二人が同時に話を切り出すと思わずウェンティは笑い、ヴァネッサはキョトンとする。こほんと咳払いをするとウェンティから話し始める。

 

「昼間はありがとう、君が居なかったらどうなっていたかわからなかったよ、あの高慢ちきで──―図々しい太っちょから!」

 

「―いえ」

 

「あー……ごめんね、僕のせいでこんな牢屋に閉じ込められちゃって……」

 

「問題ありません、ここの剣闘士である以上……この街全体が大きな監獄みたいなものですから」

 

「へー、剣闘士ね。ますますムラタ人らしいや」

 

「ムラタ人……?」

 

「そう、大陸西部の火山地帯に住む部族のことだよ」

 

 ──―真っ赤な髪に強靭な筋肉を備える、火の神の民。希少な民族で、北方ではあまりお目にかかれないんだ。──

 

「えっと……火の神?」

 

「うん、それに戦の神でもある。僕も覚えがあるよ、儀式で模擬戦をする前とかに双方が誓いの言葉を紡ぐんだ、勝利を彼女に捧げるってね」

 

 そこまで言うとウェンティはふふんと笑い

 

「うん……よくよく考えたらすごいわがままな人だよね」

 

「まるで知り合いみたいな言い方ですね……」

 

「そういえば君たちの長老は? 火の神について教わらなかったの?」

 

「私は────―」

 

 ヴァネッサは語る、物心がつく頃には既に草原を渡り歩いていた。今日を生きるのもやっとな状況で教養とは無縁な世界だった、しかし十年前に魔龍ウルサにより────

 

「私は……」

 

「……こ、こんなにお話ししてたのに自己紹介がまだだったね」

 

 ウェンティは琴を取り出すと改めて自己紹介をする。

 

「僕はウェンティ、吟遊詩人のウェンティだよ。こっちが僕のパートナー、天空(Der Himmle)

 

「琴に……名前を?」

 

 ヴァネッサの疑問にウェンティは天空をそっと撫でると

 

「万物に名前あり、名前あるものは呼べる、呼べるものは僕に歌われる……それで、君の名前は?」

 

「私はヴァネッサです」

 

 ウェンティは名を聞いて目を細めると

 

「ほう~ヴァネッサ、ねぇ、君の名前を僕の詩の中に入れてもいい?」

 

「え……それはちょっと」

 

 ウェンティはリンゴを差し出すとにこりと笑い

 

「それじゃあ別の提案をしよう、僕と友達になろうよ」

 

「友達……それなら簡単に受け入れられます」

 

 

 

 それから数刻、ウェンティはモンドからそう離れていない森の入り口で佇んでいた、先ほどとは違い厳しい目つきをしながら。

 

「君、ずっと僕の事つけてたよね? もし恥ずかしがり屋な観客なら姿を見せたらサービスで歌ってあげるよ?」

 

 そういうとウェンティの目の前の空間が揺らぎ、気付けば目の前には昼間現れた紙袋を被った大男が居た、その異様な見た目を前の今のウェンティはしがない吟遊詩人からモンドの風神となっていた。

 

 ▼

 

 ……めっちゃばれてた。

 あの剣闘士……ヴァネッサとウェンティの会話を盗み聞きして、出ていったウェンティの後をついていったらあっさりばれていた。しかもこんな見た目のせいか警戒心が天元突破g……じゃなくて、とにかく不味い。

 とにかく下手なことを言わない様に慎重に……

 

「君、昼にも僕たちの前に出てきたよね? 僕たちを助けたわけでもなさそうだし、何が目的かな?」

 

 助けに行ったんだよ、なんか勝手に逃げてくれたけど。しかしどういえば正解なんだ……正直に話して信じてもらえるのか……? 

 

『セス、オレが誤魔化す』

 

「(ダダ? どうするつもりなんだ?)」

 

『セスは何もしゃべらず佇んで、オレを見えない様に顔だけ出さしてくれ』

 

「……もしかして喋れないなんてことないよね?」

 

 不味い、このままだんまりではいい方向に転がる気がしない、不安もなくはないが任せるしかない。バレないように俺は空間術でダダの顔だけ出せるように背中に空間を空ける。

 

あ……ああ……

 

「!?」

 

 ウェンティが一層警戒した目でこちらを見る、俺からしても化け物みたいな声をだしたダダに引いてる。というか本当に大丈夫なのかこれ……? 

 

……風神を助ける……呼ばれた……

 

「どうして知って……いや、呼ばれた……? いったい誰に……」

 

 誰にだよ、俺が知りたいよ。今すぐダダを止めたいが止めてもどうにもならないし黙っているしかない、今はこのよくわからない作戦にウェンティが騙されてくれることを祈るしかない。

 

神……神に……

 

「神……? でも僕を助けてくれる様な神の知り合いなんて知らないし、そもそも助けてなんて言ったことないけど?」

 

外なる神……七神とは異なる者……

 

 怖いんだけど。多分この前教えた物語から取ったんだろうがそれにしても咄嗟にこれをやれるこいつの才能が恐ろしい、ヒルチャールだということを忘れそうになる程の演技力、ウェンティも騙されてるのか真実なのか疑っているようだ、俺の容姿もあって妙な信憑性があるんだろう。それに考えたら管理神は外なる神と言えるのかもしれないしもしかしたら嘘は言ってないのか?いや、ダダどころかこの世界で誰かに管理神について話したことはないしやっぱりダダの演技か。

 

「外なる神……? そんな者が本当に……いや、それより助けるって何をするの?」

 

一つ命令を聞く……護る……

 

 いや命令を聞いたら俺が動かなきゃいけないからボロが出そうなんだが。

 

「……それじゃあ一つ、いいかな」

 

 俺は今まさにダダに頼んだことを後悔している。




書き方忘れた…
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