原神の世界に転生したので自由に生きたい   作:ヘルメットのお兄さん

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オリキャラが出ます、苦手な方はご注意を


14 璃月の骨董店

 北斗率いる南十字が璃月港に到着した事で俺とダダは一週間ぶりの大地に立つことが出来た。

 

「吐きそうダ……」

 

「大丈夫?」

 

 陸酔いで死にかけているダダと背中をさすっている香菱を尻目に俺は璃月の街を見渡している。久しぶりのテイワット(現代)なのだ、まずは情報収集……と一歩を踏み出したとき

 

「どこに行くんだ?」

 

 がしっと、肩は届かないので太股を北斗に掴まれる。

 

「いや、情報収集を」

 

「そんなの後でも出来るだろう? それよりも今やる事がある」

 

「へ?」

 

「宴だよ!」

 

 ……ということで俺達は今、万民堂を始めとして色々な店を食い歩いている。不思議な事に俺達は十人は優に超える人数で来店しているのにどの店に行っても全員が入ることが出来ている。

 

「何でだろう?」

 

「さぁ?」

 

「なんだ? ダダにセスも全然食ってないじゃないか! もっと食べて飲みな!」

 

「北斗さん、我々七件目なんですよこれで。そろそろ胃が破裂します」

 

「少食だなぁ! ほらお前ら! セス達の分まで食ってしまえ!」

 

「「「イエッサー!」」」

 

 何だその掛け声、というか俺は体重以上を食ったんだから少食扱いは納得いかない。ダダなんて腹が漫画みたいな膨れ方してるぞ。

 

「あの……すみません」

 

「うん? 誰かと思えば凝光の所の秘書じゃないか、今回は何も破ってないぞ?」

 

「いえ、今回は北斗様ではなくセス様に話があるらしく……えっと、そのセス様はどちらに……?」

 

「あ? そこのデカいのがセスだよ」

 

「……」

 

 目線を俺に向けて来る凝光の秘書、ただその目はなんというか、怖がっているように見える。

 

「大丈夫だよ、こいつはそう簡単にとって食ったりしないさ」

 

「ええ、まぁ。それで誰が何の用で俺に?」

 

「え……えっと……璃月七星であり我々の上司でもある凝光様がセス様と話がしたいとのことで、北斗様と同行しているのを知り連れてくるようにと……」

 

 璃月に来たのはこれが初めてだし興味を持つにしてもここでは何もしていない、ましてや相手は文字通りの天上人である凝光。何故かわからないがついて行って大丈夫だろうか? 俺は北斗に目線を向けると

 

「……アタシもついて行っていいか? 凝光相手に一人で行くのは心細いだろう?」

 

「ええ、凝光様も北斗様は勝手についてくるだろうと仰っていたので同行していただいても構いません」

 

 それを聞いて北斗は苦笑いをしていたが、その後北斗は部下達を叩き起こし全員帰らせると俺と部屋にしまったダダ、北斗に凝光の秘書の四人で凝光が待っているという場所に行くことに。

 

「それでアタシ達はどこに行くんだ、群玉閣か?」

 

「いえ、今回は翠雨堂の支店で待つらしく……」

 

「あそこで? いよいよセスを呼んだ理由が分からないな」

 

「翠雨堂?」

 

 ゲームではそんな名前の店は無かったはずだが、何の店だろう? 

 

「セスは知らなかったな、翠雨堂ってのは骨董店でアタシ達が時々見つける貨物を買い取ってくれる良い店さ」

 

「翠雨堂は五百年前から創業されている古い歴史を持つ骨董店です、その本店はあそこに見える翠幣船であり価値がある骨董品は主にあそこで取引されています」

 

 そう言って秘書が指した船は今璃月に泊まっているどの船よりも巨大だった。

 

「今回向かうのはその翠雨堂の璃月支店です、何かご質問は?」

 

「本店がここにあるのにその店主はわざわざ支店を?」

 

「確かにここ数十年は璃月港から出ていないそうですが、昔はかなりの頻度で船ごと商売に出ていたそうで、それで璃月で商売を行いやすくする為に支店を置いたらしいです」

 

「璃月に住んでいる奴なら絶対にどこかで名前を聞くだろうな」

 

「それほどまでに影響力のあるのが翠雨堂なのです、そして翠雨堂の店主である……」

 

 なるほど、つまりその翠雨堂って言うのは歴史ある骨董店で相当な力を持っている場所だという事だろう。……それ程の店ならゲームで名前の一つでも上がってもおかしくなさそうだが……

 

「……なので正直な所同じ商人でもある私達は……聞いていますか?」

 

「あ、はい。聞いてます」

 

「着いたぞ、セスだと扉くぐれないからかがんでおいた方がいいかもな」

 

「それでは私はこれで、まだまだ仕事が残っているので」

 

 秘書はそう言って帰っていく、目の前には古いというよりは老舗という言葉が似合いそうな店があった、そこに北斗が入っていくので俺も入っていくと店の中央に置かれているテーブルで凝光と初めて見る女性が何やらボードゲームをしていた。

 

「……はい、これであがりね」

 

「ええ!? 私まだ半分もマス進んでいないんですけど!」

 

「それは貴女が慣れてないからよ、ちゃんとルールを把握すれば誰だって……」

 

「そのルールは凝光様が逐一更新するから覚えられないんですよ! なんですか最新バージョンが27.5って!? どれだけ更新しているんですか!」

 

「……あら、いらっしゃい」

 

「ちょっと凝光様、私の文句を無視しないで……」

 

 凝光は俺達の方を見ると微笑むが隣の白色の髪に一房の黒髪が付いている女性は俺を見ると固まってしまった。

 

「貴方がセスね? ……話には聞いていたけど本当に大きいのね、巨人の生まれ変わりかしら?」

 

「普通の人間です」

 

 おい、なんで北斗までこっちを見る。

 

「冗談よ、私は凝光、こっちの子が……瑪瑙?」

 

「あ、あああああの本当にセス様ですか!?」

 

「は、そ、そうですけど?」

 

 なんだこの人……突然弾かれたように俺に近寄ってきたと思ったら物凄くきらきらした目で見られているんだが。

 

「わあ……セス様だぁ……初めて見た……これがセス様かぁ……おっきい…」

 

「待って怖い怖い何でこの人べたべた触ってくるの待っておなか触らないで足もだめだから北斗さん助けて!!」

 

「おいおい初めて見たぞこんな瑪瑙……」

 

「私も初めて見たわ、翠雨以外にこんな反応をするなんて珍しいわね」

 

 なんとか瑪瑙というらしい女性を引き剝がしてもらうと俺は北斗の後ろに隠れる、初めて心からの恐怖を味わったぞ……

 

「なんで俺の事を知ってるんだ……?」

 

「私! 翠雨様からセス様の事を沢山聞いてきました! モンドで多くの人々を助けて来た英雄で正体も見せず寡黙で多くを語らない、そして翠雨様に人生の生き方を説いてくれた伝説の恩師! それがセス様です!」

 

 誰だそれ、寡黙なつもりはないし人生を説いた覚えも無い。というか翠雨? 

 

「君はあの翠雨の子なのか?」

 

「いえ、私は翠雨様から助けて頂いたただの秘書です! 瑪瑙って言います!」

 

「お、おう……」

 

 物凄く明るい、それはそうと翠雨か……数百年前のモンドでヴァネッサが奴隷制撤廃を行った時にいた仙狐の子だ、まさかその名前を璃月で聞くとは……

 

「そういえば凝光、どうしてセスを呼んだんだ?」

 

「興味があったのよ、あの翠雨堂の店主様がたいそう尊敬している相手にね?」

 

 一瞬、てっきりこの子が翠雨の後を引き継いだと思ったがもしかして翠雨は存命なのか? だとしたらあの小さかった子の今を一度見て見たい。

 

「翠雨か……えっと……瑪瑙? 今は翠雨はどこに?」

 

「セス様が私の名前を……! ハッ、えっと……翠雨様はここ最近執務が多く、翠雨堂に籠って作業に勤しんでいます」

 

「そうなのか……あれ、なんで秘書とかに任せないんだ?」

 

「会合であったり最後の書類確認だったり、翠雨様がやらなければならない仕事ばかりなんです。あ、私の仕事はとっくに終わらせているので勝手に来ました!」

 

 勝手に来たとか言っているが大丈夫なのか、だけど仕事は終わらせているし優秀なのか? 

 

「……私が初めてあった頃はむしろ不器用な子だったけど、何度か甘雨の仕事を手伝ってから、あの子の仕事癖が移ったのかもしれないわね」

 

 凝光がそんなことを言う、俺は甘雨の事は顔と璃月七星の秘書という事くらいしか知らないが不器用だったらしい瑪瑙をこうするとは甘雨ってとんでもない人なのでは? 

 

「どちらにせよ会えないって事か……最初はモンドに帰ろうと思ったんだけど一回会ってみたいな……」

 

「あら、それなら提案があるのだけれど」

 

 凝光が妖しい笑みを浮かべてこちらを見ている……断ったらダメだろうか。

 

「あの子の仕事をしてみない?」




最近聖遺物が良いの引けずに樹脂ばかり溶けてます。

翠雨:過去のモンド編の幕間に出た仙孤、仙狐ではあるけれど別に仙人として活動している訳ではない、セスはあの時代を大体500年前とかそのくらいかな~と思っているけど実際は千年は前、たった一ヶ月しか一緒にいなかったけどずっとセスの事を思ってたいい子。璃月には800年位前に来た。

瑪瑙(めのう):翠雨が昔助けた男の子孫、なので本人は助けて頂いた秘書と言ってるが正確には(自分のご先祖様を)助けて頂いた秘書。翠雨を尊敬してるし翠雨が尊敬してるセスも尊敬してる、でもさっきまでセスの顔も知らなかった。
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