原神の世界に転生したので自由に生きたい   作:ヘルメットのお兄さん

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主人公の地の文が安定してないな…


6 セスだけの長柄武器

「────自分だけの武器に興味はねぇか」

 

「え?」

 

 槍の修理の依頼に来ていた俺は、鍛冶屋の店主から、こんなことを言われた。

 

「お前、モンドの街(ここ)に来てからどれくらい経った?」

 

「大体五か月ですけど……」

 

 そういうと俺の訓練用槍を持って観察し始める。

 

「五か月間こいつで依頼を受けてたのか……良く達成できてたな」

 

 目の前の鍛冶台に槍を置くと穂の部分から石突きまでをゆっくりとなぞる。

 

「たった五か月でどこもかしこもボロボロになってる、もう少し振れば折れる程にな。相当負荷がかかってたんだろう」

 

 そうは言うが乱暴に扱ったつもりはないし手入れもしていたつもりだが……

 

「素人が振ってもここまで壊れねぇ、お前さんの体格に合っていない上に構えも我流なんだろう?」

 

「誰かに教えてもらったことはないですね」

 

「それに一回も修理に来なかったろ? まぁこれについてはもういいから何も言わんが」

 

 そう言って槍を何処かに仕舞ってしまった。

 

「……それで、どうして武器を?」

 

「一つは欲しい鉱石があるからそいつで武器を作る代わりに取って来て貰おうってのと、もう一つが面白そうだからだ」

 

「面白そう?」

 

「俺は色んな奴らの武器を作って来た、ガタイのいい奴細い奴デカい奴チビ助……だがお前程デカい奴の武器を作るのは初めてだ、それにこんだけボロくなった槍でも戦えていたくらいには腕もたつ。そんな奴の武器を作るのがつまらない訳ないだろう?」

 

 そんな理由でいいのだろうか、まぁなんにせよオーダーメイドをしてくれるという事は最高の武器が手に入るという事だ、依頼を受けるのも悪くないだろう。

 

「そんな訳でこいつを取って来たら作ってやる、まぁ気長に集めてみな」

 

 そう言って渡してきたのは一枚のメモ、内容を読んでみると白鉄の塊に水晶の塊……北陸長柄武器の原型は少し大変そうだが思ったより普通の素材……

 

「あの、なんですかこれ」

 

「あぁ、そっから下は全部集めなくてもいい。好きなもん一種類集めな」

 

 ……そうは言うが、この素材は……

 

 獅牙戦士の理想 凛風奔狼の郷愁 高塔の王の砕けた夢……

 

 ……どれも武器突破用の素材だ、それも最高レアリティ、突破させる前に使うとか何を作るつもりなんだ……

 店主を見るともう金槌を振る仕事に戻っている、妙な色をしたボールを叩いている……本当に何を作るつもりなんだ……? 

 

 とはいえこれらを集めたら何ができるか非常に気になるし時間はあるので集めてみる。

 取り敢えず臨時として鉄尖槍を購入してからセシリアの苗床に来た。度重なる聖遺物集め(マラソン)により俺の聖遺物はかなり厳選されている(奇跡シリーズ)。元素は使えないがどうにかなるだろう。

 そう思い意気揚々と秘境に潜った俺だったが

 

「……大丈夫かい?」

 

ダメだった

 元素反応をなめていた、というかセシリアの苗床をなめていた。スライムが何匹も出てきた段階ではまだどうにかなった、だが問題はアビスの魔術師だ。

 バリアを張っているせいで全く攻撃できなかったしあっちは意気揚々と一方的に攻撃してくる、お陰で時間切れまで異空間を作ってそこに籠るしかなかった。

 そもそも聖遺物が悪い、なんで奇跡一式を装備しているんだ俺は。第一この世界は世界ランクの概念があるか怪しい、物凄く弱いヒルチャールもいれば稀にだが「あれ? こいつレベル80じゃね?」と疑うくらい強い遺跡守衛もいる。そいつは放っておくと危なかったので超高度から落として問答無用で破壊したが。

 そんな訳で俺は今ウェンティと酒場に来ている。槍の事をウェンティに話したら

 

「どうしてもその素材を集めないとダメなの?」

 

「集めたら集めるほど凄いもんが出来るって言っていたし……必要ではあるんじゃないか」

 

「ちょっと見せて……あ、裏にも書いてる」

 

 そう言って渡されたのはメモ用紙の裏面、後ろにもびっしりと書いてあった。

 

「まだあったのか……」

 

「まぁまぁ、早めに気づけたんだしよかったんじゃない?」

 

 裏面を読むと暴風の種、雷光のプリズム、極寒のコアどれか一種類……これはゲームではキャラクター突破素材だが、これも使う気なのか? 

 

「……本当にこれで武器が出来るのか……?」

 

「僕は武器なんて作れないからねぇ、わからないや」

 

 取り敢えず暴風の種……無相の風を倒しに行ってみよう。

 翌日無相の風の所まで来たが……

 あっさり手に入った。

 いや、確かに時間はかかったし強かった、だがゲームの中と全く同じ技しか撃たないから回避も容易だったし身長のお陰で飛ばれても攻撃が届く。

 だが今俺が喜ぶべきは簡単に倒せたことでも暴風の種が手に入ったことでもなく……目の前の聖遺物を取る。

 そう、剣闘士のフィナーレである。

 すっかり忘れていたがこいつからも聖遺物が手に入るのだ。剣闘士のフィナーレは今装備している奇跡シリーズよりもレアリティが高くセット効果は二部位四部位共に純粋な攻撃力の強化、集めない理由がない。

 傍から見たら俺は怪物のような笑みを浮かべているのだろう、復活した無相の風が一歩下がった気がした。

 

「もう集めたのか……!? しかもこんなに……」

 

 一ヶ月後、俺は集めた素材を持ってワーグナーの元へ訪れた、あの後剣闘士のフィナーレによって目に見えるほど強さが実感できた俺は調子に乗って無相の風が復活しては倒しを繰り返し一週間ぶっ続けで狩り続けた。そのせいでフィナーレの数が三桁に届きそうな頃に飯が無くなりぶっ倒れ、偶然近くを通った冒険者仲間にモンドまで運ばれた。彼曰く「思ったより軽くて死んでるのかと思った」そうだ。ウェンティには滅茶苦茶怒られて今年いっぱい秘境と無相に挑むのは禁止にされた。因みにセシリアの苗床は「これで最後だからね」とウェンティに手伝ってもらって共に攻略した、流石に風神だったよ……

 

「これで作れますかね」

 

「選んだのは暴風の種に凛風奔狼の郷愁か……十分どころかもう二本は作れるぞ……」

 

 店主は俺の集めた素材を何処かに仕舞うと

 

「一週間くれ、最優先で最強の、お前だけの長柄武器を作ろう」

 

 と言って金槌を振り始めてしまった、しょうがないので一週間はウェンティの補佐をして過ごし、約束の一週間後、満足そうな顔で力尽きている店主がいた。

 

「完成したぜ……持ってみてくれ……」

 

 そう言って渡されたのはかなり長い槍で、柄の部分だけでも4メートルはある、刃の部分も合わせると5メートルだろうか。柄は黒く塗られていて、刃の部分が微かに緑色に輝いている。刃の側面も鋭くなっている辺り切りつけることも出来そうだ。とはいえ先端はしっかりと尖っているし貫くのにも支障はないだろう。

 

「凄い手になじみます、それにそこまで重く感じない……」

 

「お前に合わせて作ったからな、柄の幅も完璧よ。それより少し振ってみろ」

 

 言われた通り軽く突きを出してみると微かだが確かに風が吹いたのを感じた。

 

「よし、そいつは暴風の種の力だ、風元素が溜まれば自然と発動してくれる筈だ」

 

「ありがとうございます、でもいいんですか? タダで……」

 

「全然構わねぇよ、むしろ俺が払わなきゃいけないくらい素材貰ったしな」

 

 その後も会話をしていたが要約するとこの槍は作った段階で限界まで突破されているらしく、強化するなら仕上げ用魔鉱だけ使えばいいらしい。多分先に素材を使った影響だろうが…俺は店主に深く礼をするとウェンティにお披露目した。ウェンティはおめでとうと言ってくれたが

 

「その槍名前はあるの?」

 

 と言うのでまだない、俺がつけてくれと言われたと説明すると

 

「それじゃあ僕がいい名前を考えようか?」

 

 ウェンティは仮にも吟遊詩人、確かに自分よりはいい名前が思い浮かぶだろうとお願いすると

 

「そうだね……『巨人の槍』とかどう?」

 

 リンゴ酒を手に楽しそうに提案するウェンティだが……

 

「どう……と言われても俺はそういったセンスはよくわからないし……ウェンティに任せる」

 

「えー、それじゃあわからないよ。うーん……」

 

 それから幾つか案が出たが取り敢えずこの槍は巨人の槍(仮)となった。ウェンティはもっといい名前が思いついたら変えるつもりらしい。

 そうして新しい武器が手に入った俺は少しだけ高い飯を肴にウェンティといつものようにリンゴ酒を飲み干した。




キャラクター育成素材の中にはそのまま武器にもなりそうなの結構あると思うんですよ、検査官の刀とか鋭利な矢先とか。
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