一誠に特別修行メニューを課してから7日間が経った…。
僕が考案した特別修行メニューで、一誠の力は最初の頃と比べれば強くなったと思う。魔力量は悪魔の赤ちゃんレベルから、悪魔の小学校上級生レベルに引き上げ、夕麻達との命懸けの逃走中、僕との模擬戦で身体能力は上がっていた。成長したのは魔力量、身体能力だけで無く、
一誠と最後の模擬戦をした夜…。
僕はアウトドアチェアと小さなテーブルを設置し、小さなテーブルの上に温かいお茶と串団子を置き、アウトドアチェアに腰掛け足を伸ばしながら寛いだ。雲一つない夜空に浮かぶ満月を眺めながら、温かいお茶や串団子をつまんでいた。
「眠れないのですか?」
「朱乃こそ寝なくて大丈夫?夜更かしは女性の天敵なんでしょ?」
「悪魔ですから、その様な心配はいりませんよ。それよりも、翔兄様は何故外に?」
温かいお茶で喉を潤していたら、別荘に居たはずの朱乃が寝間着姿のまま俺の元にやって来た。朱乃が此処に来たのは、たまたまキッチンへ水を飲みに来ていたら、外でアウトドアチェアで寛ぎながら月を見ていた俺を発見して、態々来てくれたみたい。
「一誠の修行をしててさ…四年前に[あの子達]にも、一誠と同じ特別修行メニューをつけていたなって思い出して、ちょーっと黄昏てたんだよね〜」
「あの子達とは?」
「う〜ん。思い出話をしても良いんだけど…またの機会にしようかな!それよりも…朱乃は光力を使わないの?光力を使えばレーティングゲームが有利になると思うんだけど?」
「光力は使えません。今までの戦闘で使う場面が全く無かったので、全く光力を使ってこなかったツケが回って来たみたいで」
「なるほど…錆び付いた訳か。まあ、10日の修行をしても完璧に扱えなきゃ意味無いし、付け焼き刃じゃ勝てないからね」
朱乃は今まで光力を使わずに、魔力主体で戦って来たから光力を自在にコントロールが出来なくなっているみたい。この10日で光力の修行を夕麻達に混ざってやってたみたいだけど、完全にモノにすることが出来なかった様だ。
「翔兄様は…私達がレーティングゲームに勝利する確率はどのくらいだと思いますか?」
「厳しい事を言うけど…。君達が勝つのは──ほぼ0に近い」
「そう…ですか…」
「向こうは、ある程度の鍛錬をしているけど…朱乃達は基本はぐれ悪魔の討伐以外は戦い又は鍛錬をしていない。今、朱乃達は修行して強くなろうとしているけど…それは向こうも同じ筈だ。10日という短い期間だが、向こうも朱乃達と同じ様に鍛錬をしている筈、だから勝ち筋は薄い」
最後の一本になった串団子を食べ終えてから、隣で落ち込む朱乃の頭にそっと触れて、小さい頃の様に優しく頭を撫でてあげた。
「こう言ったけど、実際に戦ってみなくちゃ分からない。勝機は0に近いって言ったけど、完全に0では無い。戦いなんて何が起こるか分からないからね。だから、頑張れ朱乃。応援してるよ」
「は、はい!頑張りますので、ちゃんと見ていてください!」
朱乃が元気になった所で今夜はもう遅いし、朱乃の手を引いて別荘に戻った。朱乃を寝室まで送り届けてから、僕は別荘に来てから使っている寝室に戻った。寝室に戻って寝る前にサングラスを外し、アイマスクに付け替えてから眠りについた…。
〇
修行最終日の翌朝…。
リアスは一誠の修行の成果を確認する為、祐斗との模擬戦を行うと言った。模擬戦を始める前に、リアスは一誠に
「佑斗、
「了解です部長!」
「イッセー、その状態で佑斗と手合わせしてみてちょうだい」
「はい、部長!」
一誠は拳を構え、祐斗は木刀を構えて模擬戦開始の合図をリアスが出すのを待っていた。二人が戦闘態勢に入っている事をリアスが確認すると、右腕を高く上げた。
「始め!!」
リアスが模擬戦開始の合図を出した瞬間、祐斗は
「ッ!?」
祐斗は一誠がまさか自分の攻撃が防がれるとは思わず、驚いていた。祐斗が驚いた事により隙が生まれ、一誠はその隙を狙って拳を放つが祐斗は上に跳んで躱した。上に跳んだ祐斗は落下する時に木刀を振り下ろし、一誠の後頭部に当てた。
「痛っ…」
祐斗の攻撃を受け、痛みに一瞬怯んだが、すぐに切り替えて蹴りを放つが、戦闘経験では上の祐斗は冷静に避けて、一誠から距離を取った。
「イッセー!魔力の一撃を撃ってみなさい!」
一誠の手のひらから放たれた米粒のような魔力は手から離れた瞬間、徐々に大きくなり、巨大なものに変化した。
祐斗が避けてしまった事により、目標を無くした巨大な魔力は隣山へと行こうとしていた。五条翔がそんな事を許す筈もなく、一誠が放った魔力が隣山に行く前に先回りして、巨大な魔力に人差し指だけ触れて消滅させた。
「撃つなら、ちゃんと考えて撃ってね?」
「申し訳ございません五条先生」
リアスはネガティブに考えていた一誠に、自信を持ってもらおうと祐斗との模擬戦を提案した。リアスの思惑通りに一誠は、修行で確実に強くなったと実感して自信をつけた。
「明日のレーティングゲームは絶対勝つわよ!」
〖はい!部長!〗
修行最終日は一誠と祐斗の模擬戦だけで終わり、皆それぞれ自分の家に帰宅する準備を整えていた。一誠は山を下山する時も、リアス、朱乃、アーシアの分の荷物を持って下山した。堕天使チームは、[常に一定の光力を流し続け無いと真面に動く事が出来ない重り]を両手首と両足首に付けられ下山していた。一誠、堕天使チームがヒーヒー言いながら下山している姿を見ていた五条翔は、ただただ爆笑してみていた。
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