リアスがリザインを認め、レーティングゲームはライザーが勝利という形で幕を閉じた。ライザーが勝利という事でリアスとの婚約が確定し、レーティングゲームが終わって間も無いのに、数時間後には婚約パーティを開くらしい。婚約パーティには双方の眷属も参加するのだが、ライザーにボコボコにされた一誠はゲーム終わっても目覚めず、アーシアの看病を受けながら自宅療養という事になっていた。
「さて、一誠の様子でも見に行こうかな」
クソシスコン魔王から渡された婚約パーティ招待状の紙を二枚を手に持って、一誠の家に向かった。兵藤家のチャイムを鳴らすと、悲しげな表情をしているアーシアが出てきた。
「五条先生…」
「様子が気になってきたんだけど、一誠は起きてる?」
「すみません、イッセーさんは、まだ目覚めてないです…」
まだ目覚めない一誠を心配しているアーシアに一誠を見て欲しいと言われ、兵藤家にお邪魔させてもらった。一誠の両親は、旅行に行っていて不在らしい。アーシアに一誠の部屋に案内をしてもらい、一誠の部屋に入ると、まだ目が覚めていないと言っていた一誠は目を覚ましていた。
「あれ?一誠起きてるよ?」
「イ、イッセーさん目が覚めたんですね!」
「五条先生…アーシア…」
一誠が目覚めるのを待っていたアーシアは、一誠が目覚めた事で安心したのか目に涙を浮かべながらホッとしていた。目覚めたばかりの一誠の喉はカラカラみたいで、何かを話そうとして咳き込んでいた。咳き込んでいる一誠に、差し入れで持ってきたスポドリを渡すと、30秒もしない内にスポドリを全部飲み干した。
「ありがとうございます五条先生」
「差し入れ用に持ってきたから気にしなくて良いよ」
「イッセーさんが目覚めて…本当に良かった…」
アーシアが安堵の表情を浮かべている横で、一誠は悔しそうに表情を歪め、拳を強く握っていた。アーシアは一誠の様子に気が付き、悔しさで強く握っていた一誠の拳をアーシアは優しく一誠の拳を包み込むように手を重ねた。
「勝てると思った…。修行をして強くなれたと…あいつらに勝てると思っていたのに負けた…」
「イッセーさん…」
悔しさで泣きそうになっている一誠を、優しいアーシアが寄り添う姿は絵になるけど…僕は一誠に厳しい現実を突き付ける事にした。落ち込んでいるところ悪いけど、10日だけの修行で強くなれるなら、僕だって転生してから経った数日だけで最強になっているよ…。
「たった10日間の修行で格上に勝てるわけないでしょ?こっちが強くなる為に修行するって分かってるなら、向こうも更に強くなる為に修行するでしょ?始めっからお前達がやっていたレーティングゲームの結末はライザーが勝利して、リアスの婚約が確定するというシナリオだったのさ」
「・・・五条先生の言う通りですね…。悪魔に転生したばかりの俺が上級悪魔に勝てるわけないです──でも!俺は部長に一人の女性としての恋愛をして欲しいです!」
「レーティングゲームには負けてリアスはライザーとの婚約が決まっているんだよ?もう、一人の女性としての恋愛なんて出来なくなったよ?」
一誠はリアスに一人の女性として恋愛をして欲しいと言うが、リアスはレーティングゲームに敗れた。ライザーの婚約が確定している状態で、僕は一誠に何が出来るのかと尋ねた。僕が尋ねた事に、一誠はなんの迷いも無く答えた。
「部長を取り返しに行きます!!」
「へえー。戦い前の力と戦い後の力は全く変わってないのに、ライザーからリアスを取り返す?またボコボコにされるだけだよ?」
「私はイッセーさんに行って欲しくないです!! もう…ボロボロに傷ついたイッセーさんを見たくありません!」
一誠はリアス奪還をする為に、婚約パーティー会場に乗り込む事を考えた。一誠の考えを聞いたアーシアは、手を震わせながら一誠に辞めるように懇願した。だが、一誠の考えは変わらず、一誠を止められないと分かったアーシアは、ボロボロにならずにリアスを必ず取り戻して帰るという約束を交わして、アーシアは引いた。
「アーシア…聖水と十字架ってまだ持ってる?」
「一応ありますが…」
「ライザーを倒す為に使いたいから貸してくれないか?」
「わかりました…部屋にあるので取ってきます」
アーシアが自室に保管している聖水と十字架を取りに行き、この部屋には僕と一誠だけになった。僕と二人っきりになると、一誠は
「なあ、ドライグ…。さっきの話を聞いてただろ?部長を取り返す為に力を貸して欲しい」
『良いだろう…』
「本当か!?『ただし、俺の力を借りる代償を払ってもらう』代償?」
『そうだ、お前は五条翔の修行によって少しだけ俺の使えているだけだ。あのフェニックスを倒す力を欲しているなら、代償としてお前の体の一部を貰う』
身に余る力を得るには代償が必要だ。
赤龍帝ドライグは力を貸す代わりに、一誠の体の一部を献上する条件を出した。リアスの為に体の一部を犠牲にするか・しないかという究極の選択肢を選ばされている一誠だったが、今の一誠に迷いは無く、赤龍帝ドライグの条件を飲み、右腕を献上した。
『良いだろう…。約束通り、力を貸してやる…』
「パワーアップイベントが完了したみたいだし!婚約パーティー会場に行く支度をしてね一誠?」
「五条先生も来てくれるんですか!」
「まあね〜」
一誠は新しい制服に着替えて支度を整えると、聖水と十字架を取りに行っていたアーシアが戻ってきた。一誠がアーシアから聖水と十字架を受け取ってから、サーゼクスに渡された2枚のうち1枚招待状を一誠に渡した。
「これは?」
「あのシスコンが渡してきた転移魔法陣付き招待状だよ。裏には帰りに必要な乗り物を召喚出来る魔法陣付きだよ」
「何で五条先生が持っていたんですか?」
「一誠がこの結果に納得していないと考えていた魔王が、この招待状を一誠に渡せって頼んで来たんだよ」
ニコニコと笑顔で渡してきたサーゼクスを思い出して込み上げてくる怒りを抑え、僕が招待状を二枚も持っていた理由を話した。
「さて、直ぐ出発と行きたいけど…。一誠の両親が不在の家で、女の子であるアーシアを一人にするのは心配だから──ミッテルト、夕麻に来てもらってから行こうか?」
僕は夕麻に連絡して、アーシアを一人にさせない為に兵藤家に来るようにと連絡したら、一分もしない内に二人は兵藤家にやってきた。
「2人共、アーシアを頼んだよ?」
「分かりました!」
「了解っす!」
アーシアを二人に任せ、僕と一誠は招待状に描かれている魔法陣を発動させ、ライザーとリアスの婚約パーティーが行われるパーティー会場へと転移した。
読んでいただきありがとうございます!!