無限を操る教師   作:星天さん

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第四話 駒王甲子園

球技大会当日の午後1時。

球技大会最大の目玉である、オカルト研究部VS生徒会の野球試合を行う野球球場に来ていた。観客席は中等部と高等部の生徒達で埋まり、観客席に座っている生徒達はオカルト研究部メンバー、生徒会メンバーを応援するグッズを装備していた。

この試合の主役であるソーナとリアスには、一塁側のベンチは生徒会、三塁側のベンチにはオカルト研究部が座ってもらった。両チームには、試合が始まるまでベンチで待機してもらい、待機している間はそれぞれの時間を好きな様に過ごしてもらった。

 

『えー、それでは全校生徒達のお待ちかねの──オカルト研究部VS生徒会の野球試合を始めようと思います。それでは、オカルト研究部と生徒会は五条先生の所で整列してください』

 

ドーナシークの放送が入ると、オカルト研究部と生徒会の両チームはユニフォームが乱れてないかと確認してからベンチを出てホームベースの所で立っている僕の元に全員がやって来た。オカルト研究部メンバーと生徒会メンバーがベンチから出ると、観客席に座っている生徒達は盛り上がり始めた。

 

「リアス、ソーナ、元気よく選手宣誓を頼むよ?」

 

「「はい!!」」

 

試合を始める前に、僕は大将であるリアスとソーナに選手宣誓を元気よく言うように頼んだ。二人は僕の頼みに大きな声で返事をすると、少し間を開けてから選手宣誓の言葉を口にした。

 

「「宣誓!!」」

 

「私達、オカルト研究部と!」

 

「私達、生徒会は!」

 

「スポーツマンシップに乗っ取り!」

 

「不正なく、堂々と戦うことを!」

 

「「此処に誓います!」」

 

リアスとソーナの選手宣誓が終わると、観客席に座っている生徒達から盛大な拍手が送られた。オカルト研究部と生徒会にはベンチに戻ってもらい、野球を始める準備をしてもらった。先行はオシャレにコイントスで決めた結果、先行は生徒会で決まった。

 

1回の表。

後攻であるオカルト研究部達が守備に着く前に、ドーナシークとカラワーナに前もって頼んでおいた選手の背番号とポジションの紹介をしてもらった。

 

選手背番号&ポジション

 

オカルト研究部

 

1番ピッチャー リアス・グレモリー

 

2番 ファースト 姫島朱乃

 

3番 セカンド アーシア・アルジェント

 

4番 センター 木場祐斗

 

5番 ライト 兵藤一誠

 

6番 レフト 天野夕麻

 

7番 サード ミッテルト

 

8番 キャッチャー 塔城小猫

 

 

生徒会

 

1番 ピッチャー 支取蒼那

 

2番 ファースト 真羅椿姫

 

3番 キャッチャー 匙元士郎

 

4番 セカンド 由良翼紗

 

5番 サード 巡巴柄

 

6番 レフト 花戒桃

 

7番 センター 草下憐耶

 

8番 ライト 仁村留流子

 

ドーナシークとカラワーナの選手の背番号とポジション紹介が終わると、オカルト研究部メンバー全員はそれぞれのポジション場所への移動を完了していた。試合を始める前に数球、リアスに投げさせてから、1番バッターはバッターボックスに来るようにと生徒会メンバーに声をかけた。声をかけてから直ぐに、バットを手にして駆け足でソーナがバッターボックスにやって来た。

 

「負けないわよソーナ?」

 

「それはこっちのセリフですよリアス?」

 

「やる気十分で良いね!それじゃ、プレイボーーーール!!」

 

僕が試合開始を宣言すると、観客席に座っている生徒達がそれぞれの応援したいチームの応援を始めた。始まったのは応援だけで無く、吹奏楽部による演奏も始まり、オカルト研究部と生徒会の野球試合が甲子園の決勝みたいな感じの雰囲気になっていた。

 

 

観客席から声援を受けながら、オカルト研究部と生徒会の野球試合は点が取られれば直ぐに点を取り返したりと白熱した接戦を繰り広げていた。両チームが野球を楽しそうにやっている姿に、審判をしている僕はその光景を間近で見て、若人達がちゃんと青春を送れて嬉しく思っていた。

両チーム一歩も譲らずに回が進み、あっという間に五回裏の最終回にまで来ていた。

 

「へへ!勝たしてもらうぜ匙?」

 

「寝言は寝て言え兵藤?勝つのは俺達生徒会だ!」

 

五回裏の最終回、勝つ気満々でバッターボックスに立った一誠に思いがけない悲劇が起こった…。起こったしまった悲劇とは…ピッチャーであるソーナが元士郎のキャッチャーミットに目掛けて投げたのだが、ソーナが投げたボールはキャッチャーミットに行かずに右へ曲がり──────一誠の息子に直撃した。

一誠は息子に直撃してから数秒固まってから、ゆっくりと地面に沈んだ。一誠が息子を手で押えながら倒れ、それを心配した元士郎が一誠の上半身を起こして心配していると…

 

「会長ナイピー!」

 

「おお!会長ナイピー!」

 

観客席に居る全生徒達は誰一人も一誠の心配をせず、ソーナに向けて『ナイピー!』とデッドボールを賞賛し始めた。デッドボールをしてしまったのにも関わらず、全生徒からの賞賛の声にソーナは戸惑っていた。『ナイピー』の嵐に元士郎は、一誠にこう呟いた。

 

「兵藤…お前嫌われすぎだろ」

 

この時の一誠の目に映る景色は何もかもが歪んで見えていたと、後に一誠本人がそう語った…。股間を抑えながら行動不能になった一誠はベンチで、アーシアに心配されながら横になった。動けない一誠に変わって代走で小猫が出て、リアスがバッターボックスに立った。最終回まで白熱する接戦を繰り広げていた試合だったが、この打席でリアスがソーナからホームランを奪い、白熱していた接戦にピリオドを打った。

 

生 5ー 6 オ

 

生徒会チーム5点、オカルト研究部チーム6点で、オカルト研究部チームが勝利を収めた。観客席に居る全生徒達は、両チームの白熱した試合を見せてくれた事に盛大な拍手を送った。観客席から送られる盛大な拍手をBGMに、球技大会の幕が下ろされた。

 

 

 

その日の夜…。

生徒会とオカルト研究部の健闘を称え、両チーム+元士郎の弟妹を連れて、今日の為に貸し切りで予約した行きつけの寿司屋に連れて行った。回らない寿司屋に来たのが初めての元士郎の弟妹は、目を輝かせながら店の中を見ていた。

 

「今日はありがとうございます五条の旦那!」

 

「良いよ良いよ。それより、皆に美味い寿司を握ってよ?」

 

「魂を込めて握らせてもらいます!」

 

大将と言葉を交わしてから、皆に好きなネタを頼むように言った。皆、遠慮して店で一番安いネタを頼もうとしてたから、全員にマグロを握るようにと大将に頼んだ。大将の手際が良く、あっという間に皆の寿司下駄にマグロが二貫ずつ置かれた。赤く煌びやかに輝くマグロに誰もが喉を鳴らした。遠慮せずに食べなと言うと、小猫が箸をのばしマグロを掴んで口に運んだ。口に運んだマグロを数回咀嚼すると、普段から無表情で居る小猫が微笑んだ。小猫の微笑みを見た他のメンバーも、マグロを口に運んだ。

 

「美味ッ!!滅茶苦茶美味すぎる!!」

 

「でしょ?此処の寿司は日本一だからね!遠慮するのは勿体ないよ?今日は、君達のお疲れ会何だから遠慮せずに食べなよ」

 

良いとこ育ちのリアスと朱乃、ソーナと椿姫以外は値段や店の雰囲気で緊張していた様だけど、大将の寿司を食べてから緊張とかが解けて、好きな寿司を堪能していた。元士郎の弟妹も気に入ってくれた様で、次は何が食べたいのかを聞いた。

 

「翔お兄ちゃん!僕はね!ちゃわんむしと!中トロ!」

 

「翔お兄ちゃん!私は!ちゃわんむしと!サーモン!」

 

「元士郎…二人を貰っていい?大事に育てるからさ!」

 

「いくら可愛くてもダメですよ!俺の弟妹何ですから!」

 

元士郎の弟妹の可愛さにやられたりと、お疲れ会は何の問題もなく楽しく時間を過ごしていた。お疲れ会は楽しく進んでいるんだけど、僕には一つだけ心配事があった。

 

「祐斗、大丈夫?なにか元気無いけど?」

 

「え、あ、はい…。少し疲れているだけなので大丈夫です…」

 

僕の心配事は野球試合の時やこの場でもそうだけど、祐斗の元気というか…覇気が感じられ無かった。普段の祐斗は爽やか貴公子的な雰囲気なんだけど、ここ最近はそれが全く感じられない。祐斗の様子がおかしくなったのは、一誠の家で部活を行った日以降から何かが変わった。僕的に祐斗は、一誠の家で見た幼馴染と仲良く写っている写真にあった聖剣を見てからだと睨んでいる。

 

「沢山体を動かした後は、沢山ご飯を食べないと良い肉体を作れないから、しっかり食べなよ?」

 

「はい…」

 

祐斗は聖剣と強い因縁で結ばれているものかも知れない。

まあ、祐斗の事は深入りせずに外から見守ろうと思う。だって、祐斗にはオカルト研究部という居場所も仲間も居る…。仲間達が今は暗闇の中をさ迷っている祐斗の手を引っ張り出してくれると思うから、若人の青春の邪魔にならない様に影から見守ろうと思う。




読んでいただきありがとうございます!!

五条亙の過去編について

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