無限を操る教師   作:星天さん

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第五話 教会からの使者と因縁

球技大会の翌日から出張に行き、1週間ほど駒王学園には居なかった。僕が居なくなった駒王学園自体は何も問題は起きなかったようだけど、オカルト研究部では祐斗と一誠達と仲違いが起きたらしい。1週間の間に祐斗は少しずつ行動がおかしくなって行き、祐斗の異変にようやく気がついた一誠達が、祐斗に悩みがあるなら相談に乗ると言ったが、祐斗は一誠達には関係無いと言って拒否して祐斗は部室を出て行った。その日以降、祐斗と壁が出来てどうすれば良いのか分からないと、出張から帰ってきたばかりの僕の元へやって来た小猫が話してくれた。

 

そして現在。

昼休みになり、生徒指導室で休んでいる僕の元にリアスと朱乃が来ていた。二人揃って僕の元に訪ねて来たのが珍しく、一体僕に何の用なのか尋ねた。

リアスと朱乃が僕の元を尋ねてきたのは、今日の放課後にオカルト研究部にて、教会から派遣されてきた使者との会談があるらしく、僕にも会談に出て欲しいというお願いだった。教会から派遣された使者との会談に参加して欲しいと頼まれた僕は、わざとらしく嫌な顔をしながら溜め息をついた。

 

「ど、どうしたんですか五条先生?」

 

「どうしたもこうしたも…僕って悪魔上層部の次に教会陣営が嫌いなんだよね〜」

 

「教会陣営が嫌いですか」

 

「僕ってさ、若人には青春を楽しんで欲しい思考なんだけど…教会陣営って『聖書の神の為に死ねます!』って感じのイカレ集団じゃん?そんな思考を幼い子供達に植え付けて洗脳紛いの事をしてるから嫌いなんだよね!」

 

教会陣営は悪魔上層部並に裏で真黒い事をしてるし、ハッキリ言って、今すぐにでもぶっ潰したいんだよね…。二人は僕が教会陣営嫌いを知って、今日の会談には無理して出席しなくても大丈夫と言ってくれた。二人の好意に甘えようかな〜って思ったんだけど、教会陣営から派遣されてくるイカレ使者がリアス達に何をしでかすか分からない。あまり行きたくないけど、まだ成長途中の可愛い教え子達に万が一の事があるといけないと思った僕は、リアスに今日の会談に参加すると言った。

 

「本当に宜しいのですか翔兄様?」

 

「朱乃達に何か遭ったら困るからね、嫌だけど僕も参加するよ」

 

「お願いを聞いて下さりありがとうございます。では、放課後にオカルト研究部でお待ちしております」

 

リアスと朱乃は生徒指導室を出て行き、自分達の教室へと戻って行った。二人が生徒指導室から出ていってから、僕はソファーに横になりながら『とある二人』を思い出していた。

 

 

 

 

 

昼休みからあっという間に時間が進み、教会から派遣された使者と会談を行う放課後を迎えた。生徒指導室からオカルト研究部の部室に向かうと、オカルト研究部メンバー+堕天使組全員が集まっていた。祐斗を除くメンバーは何時ものように談笑していたが、祐斗はメンバーと少し離れた所で、少し怖い顔をしながら立っていた。僕は祐斗に軽く話しかけてから、小猫が座っているソファーに座った。小猫の隣に座ると、小猫は一度立ち上がって僕の前に移動して、膝の上に座った。何度もやっている行動に何も言うことは無く、膝の上に座る代金として、小猫が食べているお菓子を貰った。

 

「フッ…」

 

「クッ…」

 

悔しそうな表情をしながら隣に座る朱乃に、小猫が朱乃に向かって勝ち誇った様な表情をしていた。小猫に貰ったお菓子を食べて、朱乃が淹れてくれた冷たい茶を飲みながら教会陣営から派遣されてくる使者を暫く待っていた。

 

コンコン…と部室に扉を叩く音が響いた。

 

「失礼。ここがリアス・グレモリーのいるところだろうか?」

 

「ええそうよ、入っても構わないわ」

 

ノックの後に聞こえてきた声は、10代半ば位の若い女の子の声だった。ノックした教会陣営の使者に、リアスが入室を許可するとオカルト研究部の扉が開かれた。扉を開けて中に入ってきたのは、一誠やアーシア位の年齢の女の子二人だった。二人入ってきた内の一人が僕と目が合った。

 

「白髪にサングラス…もしや五条翔か?」

 

「おや?僕の事を知ってるのかい?」

 

青髪の子の観察力は中々だね…。亜麻色の髪の方は少しおバカキャラなのかな?僕が五条翔と知って、リアスでもしなかったオーバーリアクションで驚いていた。

 

(この)世界で五条翔の名を知らぬ者は居ない。それより、何故五条翔が此処に?」

 

「僕はこの学園の教師でね、リアスから会談に参加して欲しいと頼まれて来たんだ。傍観希望だから、会談中は僕の事を木だと思っててね!」

 

僕と青髪の子との話を終えると、リアスは二人に対面にあるソファーに座る様に促した。二人は何の抵抗もなく、リアスの言う通りにソファーに座った。二人が座ってから朱乃がお茶を出し、リアスと教会陣営から派遣された使者との会談が始まった。

 

 

 

 

教会陣営から派遣された使者の名前は、青髪がゼノヴィアで亜麻色の髪が紫藤イリナって言うらしく、二人は聖剣使いみたい。二人が駒王に来て会談を持ちかけたのは、教会陣営が保管しているエクスカリバーを堕天使陣営の幹部の1人であるコカビエルに盗まれた様で、コカビエルは教会陣営の人間であったバルパー・ガリレイと手を組んでエクスカリバーを盗み、駒王町に来ているらしい。

 

「私たちの依頼は堕天使との戦いに一切介入しないこと。つまり関わるなと言うことだ」

 

「随分なものいいね」

 

「本部は堕天使と手を組んだ可能性があるとも言っていてね…それに、今此処には堕天使が居る。本部の言っている可能性が高いと私自身も思っている」

 

「此処に居る堕天使は五条翔の部下よ?それに、エクスカリバーに加担するなんて、グレモリーの名にかけて魔王の顔に泥を塗ることは決してしないわ!」

 

リアスはコカビエルと手を結んでエクスカリバーを盗んだでは無いのかと疑われてキレた。天野夕麻達と繋がっている事で余計に疑われたけど、堕天使組が僕の部下であると言ったら、ゼノヴィアは何も言わなくなった。

 

「今回の件、貴方たち二人だけで戦うのかしら?」

 

「正教会は保留としてね、二人で戦うつもりさ」

 

「死ぬつもり?」

 

「そうよ「はぁぁぁぁぁぁ〜本当に教会陣営はクソだな」」

 

死ぬつもりで戦いに来た、この子達に思わず溜め息と毒が零れた。だってさ〜この子達って青春を楽しむ年齢でしょ?それなのにさ、自分達の警備が怠ったのに尻拭いさせるとか腐ってやがる。

 

「今のはどういう意味だ、五条翔」

 

「そのまんまだけど?盗まれた尻拭いを君達にやらせる教会なんて腐ってるよね?」

 

「いくら五条翔でも教会への侮辱は許さないわよ!」

 

「別に許さなくて良いよ?本当の事だし〜」

 

僕が教会に対して思っている事をぶっちゃけたら、イリナって子が怒っちゃった。

 

「落ち着けイリナ。気持ちは分かるが…私達では五条翔に勝てない」

 

「へぇ〜、引き際が分かってるじゃん」

 

「エクスカリバーを使えようが、五条翔に勝てると思うほど自惚れてはいない。我々はこれで失礼する」

 

二人はソファーから立ち上がり、オカルト研究部の部室から出ようとするが視線が一点に集まった。二人の視線を辿ると、そこにはアーシアが居た。

 

「まさかとは思っていたが…魔女のアーシア・アルジェントか?」

 

アーシアはゼノヴィアが発した魔女の言葉に大きく反応した。アーシアの過去を知っている一誠は、ゼノヴィアがアーシアに向けて言った魔女の言葉に表情が険しくなった。

 

「あなたが教会で噂になってた元聖女さん?」

 

「あ、あの…私は…」

 

「悪魔となったか、堕ちるところまで堕ちたな。まだ我らの神を信じているのか?」

 

「ゼノヴィア。悪魔が主を信仰してるはずないでしょう?」

 

イリナは呆れたような口調で、ゼノヴィアが言ったことを否定した。悪魔になっても聖書の神を信仰しているアーシアは、イリナの言葉に顔を顰めた。

 

「いや、その子からかすかに信仰の匂いがする。私はこういった事に敏感でね」

 

「そうなの?」

 

「…捨てきれないだけです。ずっと信じてきたので」

 

アーシアは悲しそうに聖書の神を信仰していると2人に告げた。アーシアが悪魔になっても信仰していると告げると、ゼノヴィアは布に巻いて持ってきたエクスカリバーに手を掛けた。

 

「そうか、ならば今すぐ斬られるといい。今なら我らの神が救いの手を差し伸べてくれるはずだ」

 

「触れるな」

 

アーシアに向かって一歩一歩と近づくゼノヴィアから、アーシアを庇うように一誠が前に立った。一誠は拳を強く握り、怒りで拳を震わせながらゼノヴィアに物申した。

 

「アーシアを…アーシアの事を魔女と言ったな」

 

「そうだ。今なら魔女と呼ばれる存在だ」

 

ゼノヴィアの言葉に一誠はさらに怒り、奥歯を噛み締めギリギリと鳴らした。

 

「ふざけるな!アーシアの優しさも理解出来ずに、友達になってくれるやつもいないなんて、そんなの間違ってる!」

 

「聖女に友人が必要だと思うか?友人を求めた時点で最初からアーシア・アルジェントには聖女の資格はなかったのだろう」

 

当然だと言う感じでゼノヴィアは口にした。

ちょっとはマシな子かな〜って思ってたんだけどね…やっぱりイカレ集団に染まってるか…。僕はこの言い争いに参加せずに、黙って傍観を決めていた。

 

「アーシアの苦しみもわからなかったくせに!」

 

「キミはアーシアの何だ?」

 

怒りでヒートアップしている一誠に対してゼノヴィアは冷静に返した。

 

「家族だ!友達だ!仲間だ!だからアーシアを助ける!俺はお前達全員を敵に回しても戦うぜ!」

 

勢いで出た一誠の挑戦的な物言いにゼノヴィアは目を細めた。アーシアの為に色々と言ったのは評価出来るけど、相変わらず自分より格上相手に喧嘩を売るのはマイナス評価だね。

 

「それは私たちへの挑戦か?グレモリー、教育不足では?」

 

「イッセー、おやめ…」

 

「ハイハーイ!皆!ちゅ〜も〜く!」

 

一触即発ムードの中、僕は手を大きく叩きながら全員の注目を集めた。旧校舎で暴れられると、僕の可愛い生徒がびっくりして泣いちゃうから外で模擬戦を行う事を提案した。僕の提案に誰も文句は言わず、外で模擬戦を行う事が決定した。

 

「さて、二対二の模擬戦だけど、オカルト研究部からは一誠とあと一人は誰が出る?」

 

「僕を参加させてください五条先生…」

 

「う〜ん…良いよ祐斗」

 

一誠VSイリナ

 

祐斗VSゼノヴィア

 

模擬戦の組み合わせを決め、旧校舎の人が全く来ない旧校舎裏に向かった。旧校舎裏に移動している中、祐斗はゼノヴィアとイリナが持っているエクスカリバーをずっと睨みつけたり、黒い笑みを浮かべていた。




読んでいただきありがとうございます!!

五条亙の過去編について

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